Internalized Imaginary Companion

ページ名:Internalized Imaginary Companion

Internalized Imaginary Companionとは

Internalized Imaginary Companion(以下IIC)は、Allisonが提唱したものである。日本語にすると「内在化されたIC」であるが、ICとは性質が異なる。

司法の分野で稀に取り上げられる。

 

遊び相手など良性のICは問題はないが、怒りや復讐心などの感情から悪性のICが生まれることがある。この悪性のICのうち、内在化されたものがIICである。

IICもICと同様に感情的自己(簡単に言えば感情)から生み出される。

 

IICは交代人格のように振る舞うので交代人格と見分けがつきにくい。身体を乗っ取り行動することができる。犯罪や非行といった逸脱行動との関連が深いとされる。

ICのようにその都度言うことが違っていたり、由来や年齢、役割を答えられず、都合に応じて姿も変化する。健忘も起こらない。メディアの登場人物に影響されることも多いという。

 

交代人格は本来の人格やその身体を守ろうとするが、IICにはその必要がない。そのため周囲も巻き込んだ破壊的な行為をしてしまうことがある。

 

IICは危険な存在になり得る。そして統合されるものではなく、感情的自己によって破壊することができ、必要性がなくなれば消滅する。

 

AllisonによるIC

Allisonは、ICは感情的自己(簡単に言えば感情)が生み出すものとしている。一方で、交代人格は理性的自己(簡単に言えば理性)が生み出すものとしており、ICと交代人格を区別している。

交代人格は心的外傷体験の中でも生存するために生まれ、自分の由来や年齢、役割について語ることができる。

ICは願望充足のために生まれ、その都度言うことが違っていたり、由来や年齢が答えられないことがあるという違いがある。

 

Allisonは、ICは解離ではなく想像(imagination)によって生じるものとしている。そして誰でもICを生み出す力を持っていると言う。

 

現代では交代人格とされるものの中にも、場合によってはAllisonからすればICとされることがある。

Allisonは児童虐待以外のきっかけで生まれた交代人格はICになるとも言っており、現在の解離の考え方では主流とは言えない。

 

参考文献・引用文献

  • 中島啓之 『犯罪におけるInternalized Imaginary Companion』 犯罪心理学研究 40, 118-119, 2002.
  • 中谷真樹 『解離性同一性障害(多重人格)と精神鑑定』 日本医師会雑誌 125(9),1400, 2001.
  • 安克昌 『解離性同一性障害の成因 解離と心的外傷』 精神科治療学 12(9), 1017-1024, 1997.
  • Ralph B. Allison 『交代人格とIIC(Internalized Imaginary Companions)との区別 』

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