研究の歴史

ページ名:研究の歴史

IC研究の歴史を簡単に紹介する。

1800年~

1892年にBurnhamが発表した『Individual differences in the imagination of children』の中にICについての記述がある。これがICが報告された最初の論文である。

1895年にVostrovskyが『A study of imaginary companion』を発表する。これがICに注目した最初の研究である。27例のICがいる人による体験の記述に、ICがいた人の観察記録などを加えた合計46例を分析した。

このころから多数を対象にした統計的研究が現れ始める。

 

1900年~

1932年にHurlockとBurnsteinが『The imaginary playmate; the quetionnaire study』を発表した。701人の大学生と高校生にICについてのアンケート調査を行った。

1934年にSvendsenが『Children's imaginary companions』を発表した。46家族の3歳から16歳の子ども119人を対象にアンケート調査を行った。ICの定義が提唱される。

 

ここから精神分析の立場と発達心理学の立場からの研究がされるようになる。

精神分析の立場からは病理的な側面が言われ、発達心理学の立場からは適応的な側面が言われていた。

 

1980年代にDIDが注目されると、ICも似ているのではないかと注目されるようになる。

しかし、ICが交代人格になるかは現在も結論が出ておらず、ICと交代人格は治療上区別した方が良いとの意見もある。

 

1974年の児童精神医学の教科書や、1978年の精神医学の体系で取り上げられている。

 

現在

現在は発達心理学の立場からの研究が多い。

また、子どものICだけではなく、成人のICも注目され始める。

精神医学の用語集や事典、心理学・臨床心理学・精神分析の主な辞典・事典には記述されなくなった。児童精神医学の教科書の一部に記載されるのみであり、広くは知られていない。

 

参考文献・引用文献

  • 井上勝夫 『イマジナリーコンパニオン』 精神科治療学 34, 38-40, 2019.
  • 澤たか子 『イマジナリーコンパニオン』 精神科治療学 24(8), 1013-1015, 2009.
  • 山中康裕監修 『魂と心の知の探求 心理臨床学と精神医学の間』 創元社, 2001.
  • 犬塚峰子・佐藤至子・和田香誉 『想像上の仲間 文献の展望』 精神科治療学 5(11), 1435-1444, 1990.

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