aklib_story_光冠残蝕_10-5_都市の呼吸_戦闘後

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光冠残蝕_10-5_都市の呼吸_戦闘後

ロンディニウムから五百キロ以上離れた場所で、ナハツェーラーの王が突然ロドス本艦を訪ね、ケルシーと言葉を交わす。ロンディニウムの王宮内では、潜入するアスカロンに聴罪師が気付くのだった。


a.m. 10:20 天気/曇天

ロンディニウムから527km 廃棄採掘場作業プラットフォーム

[ケルシー] 停泊完了。

[ワルファリン] 特にトラブルらしきものはなかったな……ふぅ、これでそなたも少しは休めるか?

[ワルファリン] それとも、すぐに……

[ケルシー] ……静かに。

[奇妙な老人] ……ケルシー士爵、久しぶりだな。

[ワルファリン] こ、こ、この腐敗した臭いは……

[奇妙な老人] ブラッドブルード。医者の装いをしているとは……なんと奇妙な。

[ワルファリン] (牙をむき出す)シャー……

[奇妙な老人] その牙をしまえ。

[奇妙な老人] 最古の赤目の悪魔でさえ私の血肉に触れようとはしない。あれらはみな臆病者だ。逆巻く怒り怨みに、歯の根が蝕まれるのではないかと恐れているのだ。

[ワルファリン] ケルシー、一瞬とはいえ妾の理性を失わせるサルカズは……どれだけいる?

[ケルシー] 少なくともキミの目の前にいる者はその一人だ。

[ケルシー] サルカズの古の英雄が大地を歩く姿に出会うのは、久方ぶりだ。どういった理由があって閣下がこんな荒野に訪れるのか、ナハツェーラーの王?

[奇妙な老人] ひとまず、我輩のことは古い友人が訪ねてきたとでも思っておけ。

[ケルシー] 私たちは過去に二度会ったことがある。

[奇妙な老人] 一度目の時、その方の様相は今とはいくらか異なっていたな。

[奇妙な老人] 二度目に関しては……

[ケルシー] 思えば彼女が亡くなった日に、船外で一つの影を見たが……やはりキミだったか。

[ケルシー] ナハツェーラーの王庭はすでに選択をしたとばかり思っていた。だからこそ、あのような卑劣な殺人が起きるのをただ黙然と見ていたのだと。

[奇妙な老人] 時代など何の意味も持たぬ。過去も現在もナハツェーラーには一つの選択しかない。我らはサルカズであり、サルカズにのみ忠誠を誓う。王座や王冠にではなく、古の巫術にでもなく。

[奇妙な老人] この数世紀の間、我輩は無数の敵の血肉を貪り、サルカズの巨星が墜ちるのを幾度も目の当たりにした。

[奇妙な老人] ある者は強敵の刃によって斃れ、またある者は旧友の陰謀により消滅した。

[奇妙な老人] だからこそ、我輩はここに来た。答えを得るために。

[奇妙な老人] 我輩に真実を与えろ――

[奇妙な老人] 最後の純血のウェンディゴを殺したのは、一体何だ?

[ケルシー] ……

[奇妙な老人] 士爵、答えよ!

[ワルファリン] ケルシー、そそそなた早くMon3trを呼び出せ!! こやつ手荒な真似をする気だぞ!

[ワルファリン] 本艦はすぐそばにあるのだぞ、妾たちは……

[ケルシー] ……ナハツェーラーの王。

[ケルシー] 私はここでキミと戦う気はない。

[ケルシー] ボジョカスティは、彼を生涯に渡って捕え続けていた籠から抜け出したのだ。意味をなさない暴力によって彼の最後の決心を汚すようなことを、私はしない。

[奇妙な老人] それこそ、その方の言うサルカズの英雄を弔う方法であるのか? このように醜悪な……逃避が?

[ケルシー] ……

[ケルシー] 私はこれを逃避とは呼ばない。

[ケルシー] キミの欲する答えは与えた。あのウェンディゴが戦いによって答えを得ようとしていた時と同じように。

[ケルシー] もう一度言おう。ナハツェーラーの王よ、キミとここで武力を用いて対話することを私は拒否する。

[ケルシー] キミたちは敵の血肉を呑み込み、食らった相手の悲痛と悔恨を己の身体に取り入れ、それを次の戦いへの糧とする。

[ケルシー] しかし我々は敵同士ではないはずだ。肩を並べていたことも、一時的な立場の違いから互いに剣を向けざるを得なかったこともある。

[ケルシー] ……我々のこうした関係は、当時のロドスとレユニオンのボジョカスティにも該当する――

[ケルシー] 彼女が逝くのをキミが見届けたのと同じように、一人のウェンディゴの魂がカズデルに帰るのを、私は見届けた。

[奇妙な老人] その方が、その見届け人であるということか。

[ケルシー] そうだ。

[奇妙な老人] 彼が自らその方を選んだのか?

[ケルシー] ボジョカスティは……最後の一刻、彼もまた相応しい敵を、そして対話のできる旧友を求めていた。

[奇妙な老人] ハ……ハハハ!

[奇妙な老人] いいだろう。その方の答えは、受け取った。

[奇妙な老人] ……出てくるといい、聴罪師。

[シャイニング] ……

[奇妙な老人] 今しがた、もし我輩が無理やりに武でもって押し通ろうとしていたならば……たとえあの漆黒の怪物が躍り出て来なかったとしても、その方が我輩に剣を振るっていたであろう。

[奇妙な老人] 聴罪師を相手にするとすれば、この我輩でも一太刀では終わらぬ……フッ、もしそれを鞘から完全に出せばの話だが。

[シャイニング] ……

[シャイニング] 知っているのですね……

[奇妙な老人] 知ってもう数百年経っている。

[奇妙な老人] 我輩に言わせれば、その方らがあの異種族の継承者の傍らに居ることこそ予想外よ。

[シャイニング] ……

[奇妙な老人] 違背により実った果実を食う覚悟はできているのか?

[シャイニング] ……できるかどうかは関係ありません。生まれた時から、それらの罪はずっと私の身にあるのです。

[奇妙な老人] 素晴らしい! その方はロンディニウムでマスクをかぶっているあいつより面白い。

[奇妙な老人] それとあの若きバンシー。彼はここにいないのか?

[奇妙な老人] 彼は若いが、母親からよく教えを受けている。仮に彼がいれば、その方らの勝率はいくらか上がるだろう。

[ケルシー] キミの怒りは薄れたな、ナハツェーラーの王。

[奇妙な老人] だからといって、その方を食らう気がなくなったということにはならぬ。

[奇妙な老人] 問う、この巨大な古き遺骨の上に建つ船は、今なお亡命した魔王の軍営であるのか?

[ケルシー] ……我々は未だかつて自らをそう認識したことはない。彼女がこの船に居た頃であっても、もちろん例外ではない。

[奇妙な老人] たとえあの異種族の継承者が、すでに臣下たちを率いてロンディニウムに向かっていたとしても、その方らは認めるつもりはないのだな?

[ケルシー] アーミヤは、己の責務を過たず理解している。

[ケルシー] 我々は眼前で戦争が起きるのを許容するつもりはない。これ以上、無意味な犠牲が生じるべきではないんだ……ヴィクトリア人であるとサルカズであるとに関わらず、血は十分すぎるほど流れている。

[奇妙な老人] 笑止! 王を自称することすらできない軟弱な異種族の稚児が、サルカズを救うと妄言を吐くか!

[ケルシー] もとより私は、自分がこのような場で、サルカズの王庭の主を説き伏せることができるとは考えたこともない。

[奇妙な老人] その方はまだ身の程を弁えておるようだ。王庭たちの承認を得ようと思うなら、その方が受け継いだ弁舌では不足もいいところよ。

[奇妙な老人] 異種族の継承者、彼女はあの鉄製の要塞の中でかつてない試練を受けるだろう。

[ケルシー] ではそれこそキミが、アーミヤがロンディニウムに入ることを許した理由か?

[ケルシー] ナハツェーラーは戦争から養分を得て、敗北すればただ無用の腐敗をもたらすだけ。

[ケルシー] 軍事委員会の決議がサルカズに勝利をもたらすかについて、君は依然として疑念を抱いているな。

[奇妙な老人] 妄言だ!

[Mon3tr] (警戒する低いうなり声)

[ケルシー] ……Mon3tr、今ではない。

[ケルシー] ナハツェーラーの王、私は決して、サルカズ軍の統率者に疑義をつけているわけではない。キミが先ほど述べたように、私はただ旧友として、キミと言葉を交わしているにすぎない。

[ケルシー] ヴィクトリアの公爵たちはすでにロンディニウムを厳重に包囲しているが、それでもなおテレシスは都市で王たちを呼び集めることができる。

[ケルシー] これはすなわち、キミとキミの軍隊がロンディニウムに通ずる秘密の要路を守っており、それでいて我々の接近を妨げていないという事実への証明だ。

[ケルシー] キミには初めから私を殺して、ロドスを滅ぼすチャンスがあった。ロドスがヴィクトリア行きを決定してから今この瞬間に至るまで、チャンスは君の手の中にあり続けていた。

[ケルシー] しかしキミはそのチャンスを用いることはなかった。

[ケルシー] なぜか。それは……アーミヤがいるからだ。

[奇妙な老人] フッ……

[奇妙な老人] 己の目であの黒い王冠を見るまで、彼女がもたらすのが新生であるのか、それとも破滅であるのかはわからないだろう?

[ケルシー] 時が来ればキミは目の当たりにするだろう。

[ケルシー] 彼女はキミの……いや、我々全員の想像を超えるだろう。

[奇妙な老人] ……友人との会話はここまでにしておこう。

[奇妙な老人] 不老の士爵、独立独行のブラッドブルード、それと……群れを離れた聴罪師。

[奇妙な老人] ロンディニウムで待つ。

[ワルファリン] ふぅ……ケルシー、ようやく行ってくれたな。

[ワルファリン] 正直に言おう、血液が巡る速度まで変わっていたぞ。寿命が縮まる思いだった。数百年は生きているが、妾にはまだやり終えていないことがたくさんあるのだ。

[シャイニング] ……彼にとって、正式な戦場はまた別の場所にあるようです。

[シャイニング] 彼がロドスを見逃した唯一の理由はそれです。

[ワルファリン] カズデルを取り返す気はないと言ったところで……こっちから何もせずとも、面倒事が向こうからやってくるではないか!

[ワルファリン] ケルシー、このようなことは二度と起こしてはならぬ。そうでなければ、そなたたちが去った後、妾にはロドスの安全を守れる保証ができないぞ。

[ケルシー] ……

[ケルシー] そろそろ私たちも向かう時が来た。

[ケルシー] シャイニング、キミの決定は?

[シャイニング] ……先生、私とリズさんはすでに準備ができています。私たちはすぐに出立するでしょう。

[ケルシー] 先ほどナハツェーラーの王がキミに対して指摘したときに、否定しなかったな。

[シャイニング] 否定に……意味はありません。

[シャイニング] この三年、私たちのロドスでの生活はとても安らかなものでした。この安らぎは……私にとってもリズさんにとっても、得難いものです。

[ケルシー] では、別れの時か?

[シャイニング] 先生、おわかりでしょう。仮に私たちと共に行けば、あなたとアーミヤさんに余計な危険が及びます。

[シャイニング] しかし……もしロドスが私たちを必要とするなら、私たちはロドスと共にあります。

[聴罪師直属衛兵] リーダー、S-309番防御砲の起動に成功いたしました――

[聴罪師] どうやらマンフレッドはある程度の成果を得たようですね。

[聴罪師直属衛兵] 摂政王殿下に報告いたしますか?

[聴罪師] 必要ありません。これらはすべて殿下の手の平の上。

[聴罪師] 王庭の信用を得るため、マンフレッドには形だけではない実績が必要です。ほんの数部隊の敗軍の将兵やスパイを捕らえただけではまだまだ不十分です。

[聴罪師] 副砲の起動はその第一歩です。彼に伝えてください、殿下が必要とされているのは、どうでもよい区画ではありません。

[聴罪師] 全盤面を考慮するのであれば、あの区は丸ごと放棄しても構わないのです……

[聴罪師] ……

[聴罪師直属衛兵] どうされました?

[聴罪師] 動いてはなりません。

[聴罪師直属衛兵] ……敵が潜り込んできましたか!?

[聴罪師] 死にたくないのなら、動いてはなりません。

[聴罪師直属衛兵] ……

[聴罪師] ……

[聴罪師] 実に意外な訪問客ですね。

[???] ……驚きはないようだ。

[聴罪師] そうですね……別の言い方をしましょう。我々は確かにずっと待っていました。

[聴罪師] あの船は現在ロンディニウムの外の荒野に留まっています。あなた方は壁の下に着いたばかりだと思っていました。

[???] ......

[聴罪師] ですがこれは特に驚くことでもありません。刺客の動きは常に速いものです、そうでしょう?

[???] お前はやはり無駄口をきく。

[聴罪師] 無駄話をする機会はあなたがくれたものですよ。

[聴罪師] 私を消したいのであれば、どうして何も言わず手を下さなかったのですか? あなたの影操作は、すでに私でも即座に気付けぬほどの域に達しています。それとあなたの呼吸……

[聴罪師] どうやら、殿下のおそばを去ってからも、教わった技術の鍛錬を疎かにはしなかったようですね。殿下はお喜びになるでしょう。

[???] ……口をつぐめ。

[聴罪師] 感情的になるのは、刺客にとってメリットはありませんよ。

[???] ......

[聴罪師] なんと軽快な身のこなし。

[???] お前は確かに……他の奴らよりはるかに強い。

[聴罪師] それがあなたが即座に行動しなかった理由ですか?

[聴罪師] 一人の聴罪師の命では、あなたの命と引き換えるに値しません……なるほど、理解できました。ロンディニウムに入ってから、あなたはまだ殿下にお会いしていないのですね。

影にはいかなる変化もない。それは動かず、答えもしない。

聴罪師の視線が何もない空間を突き抜け、窓の外へと戻った。そこは同じく空白しかなかった。

微動だにしない彼の両手から金色の光が漂い、窓の外の薄い日光の中へと戻った。

[聴罪師] 玉座の前にたどり着いた時……あなたが出くわすのは一人の殿下だけではないかもしれません。

[聴罪師] その時のあなたがどういう表情をするのか……とても期待していますよ、アスカロン。

[テレシス] というと、彼奴らは着いたのか。

[聴罪師直属衛兵] はい、摂政王殿下。我々のリーダーがすでに議事堂内にて奴らの一人と遭遇しました。

[テレシス] マンフレッドに知らせろ。彼奴らの中に誰がいるのかを明らかにさせるようにとな。

[聴罪師直属衛兵] 若き将軍はすでに我々のトランスポーターと会っているでしょう。ですが……

[テレシス] 彼奴ならこれらの件を処理できるはずだ。

[聴罪師直属衛兵] 殿下のマンフレッドに対する信頼は重々承知でございます。

[聴罪師直属衛兵] ですが、あえて申し上げねばなりません。彼は現在各方面の反対勢力への対応に追われ、結果から見れば、ロドスの接近を許しています。

[テレシス] では誰が適任か言ってみろ。

[聴罪師直属衛兵] 王たちはあの偽物にかねてより興味がございます。すでに行動しているあのお二方以外にも、ブラッドブルードの大君は都市の貴族との冗長なやり取りに飽いておられる。

[聴罪師直属衛兵] 彼ならば喜んでサディアン区へ向かい、マンフレッドにお力添えをしてくれるかと愚考いたします。

[テレシス] 彼奴に伝えておくのだ。

[テレシス] 「魔王」と{@nickname}を見かけたら、すぐさま彼奴らを連れて私の所に来いと。

[聴罪師直属衛兵] あの士爵はいかがなさいますか? もちろん、ナハツェーラーの王が彼女に目を光らせておりますが。我々も準備をしておく必要がございます。

[テレシス] ブラッドブルード本人に処理させればよい。

[聴罪師直属衛兵] 承知いたしました、殿下。大君も期待されることでしょう。

[聴罪師直属衛兵] それから、殿下の周りにより多くの近衛を配置すべきかリーダーがご意思を伺うようにと言いつかっております。

[テレシス] 必要ない。もし私に会いたい者がいれば、通せ。

[聴罪師直属衛兵] 承知しました。では最後に……仮に「彼女」にあの者たちと会う意向があれば、我々は干渉すべきでしょうか?

[テレシス] ……

[テレシス] 行かせるがよい。

[聴罪師直属衛兵] しかし、「彼女」がロドスの旧友たちに会ったとして……リスクは生じませんか?

[テレシス] 今になってそのような発言をするとは、聴罪師の巫術が信頼するに足らぬと喧伝するつもりか。

[聴罪師直属衛兵] どうか怒りをお鎮めになってください。

[聴罪師直属衛兵] 殿下もご覧になった通り、「彼女」の思考と行動はサルカズの意志を代表しており、これらの意志は……過去から残存した感情を退けるに足るものです。

[聴罪師直属衛兵] ですが聴罪師の存在意義は、サルカズの未来のため潜在的な問題を排除すること。リーダーはあらゆる可能性について考える必要があるのです。

[テレシス] 無意味である。

[テレシス] 檻に入れた傀儡が、戦場でサルカズに号令することなどできぬ。

[テレシス] 聴罪師に伝えよ、一度きりしか言わぬ。

[テレシス] 先のような言葉で二度とテレジアを……そして私を侮辱するな。

[フェイスト] 皆さーん、ここまで来ればもうちょいだよ。

[ロックロック] ……信号がきた。

[フェイスト] この信号は……ん、緊急会議?

[フェイスト] 何か緊急事態か!? ロックロック、すぐに戻るぞ。

[ロックロック] ならこの人たちはどうするの?

[フェイスト] 指揮官からこの人たちをここまで連れて来いと命令されてるけど、彼女はいま会う余裕がないよ。

[ロックロック] この人たちは置いていこう。

[フェイスト] それじゃあ余計に時間を食うだろ? こうしよう、俺が直接指揮官のとこまで連れてく……

[ロックロック] ダメ!

[フェイスト] えっ?

[ロックロック] まだこのよそ者たちが、指揮官に言われてたあの人たちかどうかわからないでしょ。

[フェイスト] ……じゃなかったら誰なんだよ?

[ロックロック] それは指揮官と大隊長たちが判断することでしょ。

[ロックロック] 君は勝手にこの人たちを通路に入れて、しかもこんなに遠くまで来たんだ。これだけでもすでに大きなリスクを冒してるよ。

[フェイスト] この人たちのことはもう探ってあるって……

[ロックロック] 君がそれなりに賢いのは認める。でも人を簡単に信じ過ぎだよ。

[ロックロック] もう一回、知り合ったばかりのお友達をよく見てみなよ。特にそのドローンを連れてる人。

[クロージャ] ええ? あたしのこと?

[ロックロック] 彼女……サルカズでしょ。

[クロージャ] そうだよ、あたしはサルカズ、それがどうしたの? それにここのサルカズは別にあたしだけじゃないでしょ、ほかにも……

[クロージャ] むぐ? ア、アーミヤちゃん?

[アーミヤ] ……

[アーミヤ] そうです、ロックロックさん。彼女たちはサルカズであり、私たちが信頼を寄せる仲間でもあるんです。

[アーミヤ] 私たちは……あなた方の故郷を占領した、地上にいるあのサルカズたちとは違いますから。

[ロックロック] 違うかどうかは、君たちが決めることじゃないでしょ。

[インドラ] そりゃどういう意味だ?

[インドラ] お前が俺たちと一緒にいたくねぇってさっさと言ってたら、俺たちの方だってこんな暗いパイプの中うろつかなくてよかったのによ!

[ロックロック] 君たちは地元民だ。残りたいなら、あたしは他の新しい戦友を迎えるときと同じように歓迎する。

[ロックロック] ……でもあたしはこの人たちをそう簡単に信用できない。

[インドラ] ハッ……お前がどう言おうと……

[シージ] 私たちは皆一緒だ。

[ドクター選択肢1] ここにいるのはみなロドスのオペレーターだ。

[ドクター選択肢2] 誰もがみな等しく信頼に値する。

[アーミヤ] ドクターの言う通り……

[アーミヤ] ロックロックさん……私たちは先ほどすでに多くの情報を交換しました。

[アーミヤ] もし今なお、私たちに最低限の信頼すら置くことができないというなら、これ以上無理に一緒に行く必要はありません。

[アーミヤ] フェイストさん、先ほどのご協力には感謝します。

[アーミヤ] これから、私たちは別の道を探して去ることにします……

[フェイスト] ……待ってくれ!

[フェイスト] えっとよ、ロックロックはそういうつもりじゃないんだ……

[アーミヤ] わかってます。ロックロックさんの感情は、ある程度理解できますから。理由のない憎しみはありませんし、それによって彼女を責めることなど、私はしません。そんなことできません。

[アーミヤ] 過去から現在まで、ロドスはずっと似たような問題に直面してきました。

[アーミヤ] 感染者に対する不信も、サルカズのオペレーターがいることで生じる疑惑も、ロドスにとっては同じことです。

[アーミヤ] 私たちは行動でロドスの立場を証明します。

[アーミヤ] ですが……そうした異様なまなざしを向けられたまま、一緒に行動はできないということも、理解してもらえませんか。

[ロックロック] ……

[ロックロック] コータスさん、君は素晴らしいリーダーなんだね。でもあたしの考えは変わらない。あたしだって自分の戦友に責任を負ってるんだ。

[ロックロック] フェイスト……隊長、あたしは先に行ってみんなに準備してもらっとく。君がもしよく考えてそれでもっていうなら、この人たちを連れて指揮官の所に行けばいいよ。

[ロックロック] 指揮官が判断を下す。その時になれば、彼女の命令が何であれ、あたしは従うよ。

[フェイスト] ロックロック!

[クロージャ] アーミヤちゃん、あたしがいけないこと言っちゃたせいで、この人たちとの仲を悪くしちゃったのかな……?

[アーミヤ] そんなことありませんよ、クロージャさん。私たちが味方同士であるかどうかは、フェイストさんの考え次第ですから。

[フェイスト] ……

[フェイスト] ついてきなよ、ロドスの皆さん。俺の判断が間違ってないといいんだがね……でなきゃ、副隊長は許してくれないだろうし、俺ももう指揮官に合わせる顔がないや。

[アーミヤ] わかりました、フェイストさん、あなたについていきます。ちょうど私もあなた方の指揮官さんにお会いしたいと思ってましたから。

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