aklib_story_局部壊死_6-1_膠着状態_戦闘後

ページ名:aklib_story_局部壊死_6-1_膠着状態_戦闘後

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局部壊死_6-1_膠着状態_戦闘後

ブレイズは敵を倒し、アーミヤと合流した。どうやらアーミヤの隣にいるオペレーターのグレースロートは、かつてブレイズと何かあったようだ。 一方では、チェンとスワイヤーが久しぶりに肩を並べて戦っていた。


[ブレイズ] はぁぁ……。

[ブレイズ] 廃都市でたっぷり動いてきて良かった。この程度の相手じゃ何の運動にもならないしね。

[レユニオン構成員] 貴様! ロドスのような感染者の落ちこぼれ共が、龍門に手を貸し同胞を陥れるつもりか!?

[レユニオン構成員] 我々を龍門に引き渡して、自分たちだけが安全な立場にいるつもりだな! 白々しい! お前たちは感染者の恥だ!

[ブレイズ] なに言ってるの?

[ブレイズ] ボコボコにされて地面に押しつけられているのに、まだ無駄口が叩けるなんてスゴイね。

[ブレイズ] でも君、勘違いしてるよ。

[レユニオン構成員] ぐっ!

[ブレイズ] 息ができない? 肺まで灼けちゃいそうなんじゃない?

[レユニオン構成員] ぐうっ、がはっ……。

[ブレイズ] まずは鼻腔、そして気管、最後に肺。私がこの指を、あとちょっと軽く振るだけで……。

[ブレイズ] 高温の空気が君の身体を貫いて膨張し、器官を燃やして、最後には何もかもその毛穴から吹き出すよ。

[ブレイズ] もし君たちが龍門に引き渡されれば、命は助かるかもしれないよ。でも私がその気になれば——

[レユニオン構成員] はぁっ、はぁっ……ぐっ! がはぁ!

[ブレイズ] 君たちは一人も助からないよ。

[レユニオン構成員] やややややめてくれ! は、放せ! 助けて!!

[ブレイズ] 分かれば良し。私だってそこまでしたくないよ。

[ブレイズ] そこの警官さん! こっちのこと、後は任せるよ。

[ブレイズ] 一つ訂正しておくね、ウルサスの君。「その気になれば」って言ったけど、その気にならなくても君たちくらいなら一捻りだよ。

[ブレイズ] あっ、やっと来た。

[ブレイズ] Dr.{@nickname}、こっち!

[ドクター選択肢1] さっきの技はすごかった!

[ドクター選択肢2] ……。

[ドクター選択肢3] 大騒ぎだな。

[ブレイズ] ハハッ、なんてことないよ。

[ブレイズ] 次はもっと凄いのを見せてあげる。「骨を折らずに腕を逆側に90度曲げる」ってのはどう?

[ブレイズ] ちょっと、なにその顔……。

[ブレイズ] ロドスでやってきて、喧嘩っ早い人は何人も見てるでしょ?

[ブレイズ] あの子たちと比べたら、私はまだ優しい方だと思うけど。

[ブレイズ] 当たり前でしょ。私が黙々と仕事をするタイプに見える?

[ブレイズ] 啖呵を切って相手を萎縮させちゃえば、戦わずして勝てるかもしれないしね。

[ブレイズ] それに少しは大立ち回りをやってみせないと、汗水垂らして働く価値がないでしょ。

[アーミヤ] ドクターに変なことを吹き込まないでください……。

[ブレイズ] ウサギちゃん!!

[アーミヤ] キャッ! いきなり抱き上げるのもやめてください!!

[ブレイズ] このほっぺ、どうしてこんなに柔らかいの……ねぇ暴れないで、もうちょっとムニムニさせてよ。減るもんじゃないし!

[アーミヤ] ブレイズさぁん……おねはいえすはら、はらしてくらはい!

[ブレイズ] もうっ。

[アーミヤ] 別行動になってからまだ一時間もないですよ、そんな何年かぶりに会うような反応はやめてください! ふざけないでください!

[ブレイズ] もう、ほんっとーに、可愛くない子なんだから。

[アーミヤ] ……。

[アーミヤ] もういいです……!

[ブレイズ] 待って、ちょっと、冗談だって! 私の頭に変な感情を流し込むのはやめてね、あの手の懲罰は一回でもう懲り懲りだからさ!

[ブレイズ] ……いや、待って。

[ブレイズ] 隣のそいつは?

[グレースロート] 私は……。

[ブレイズ] 君のことなら知ってるよ。

[ブレイズ] 次にまた私たち感染者の同胞に向かってあんなことを言ったら、その顔の皮を半分引っ剥がすからね。

[アーミヤ] ブレイズさん!

[ブレイズ] ごめんね、アーミヤちゃん。

[ブレイズ] でも警告だけはさせてもらう、撤回もしない。

[グレースロート] ……。

[ブレイズ] 先に行ってる。次の目標地点でまた会おう。

[アーミヤ] グレースロートさん、ブレイズさんは何か誤解しているのかもしれません。

[グレースロート] 別にいい。あんなことを言ったのは事実だから。

[アーミヤ] ですがそうやって過去のことを持ち出して、今のグレースロートさんを批判するのは間違ってます。

[グレースロート] でも今の私が本当に過去の考えを改めたかなんて、誰にも分からないでしょ。私自身だって、よく分かってないんだから。

[アーミヤ] ……。

[ドクター選択肢1] だからこそ、何か行動を起こす必要がある。

[ドクター選択肢2] ……。

[ドクター選択肢3] そんな様子で今回の作戦に参加しても大丈夫か?

[グレースロート] もちろん。私は行動を起こすためにここに来ている。あのブレイズが何を言おうと、何をしようと関係ない。

[アーミヤ] はい……。

[ドクター選択肢1] (アーミヤ……)

[アーミヤ] (はい……彼女は非感染者ですから、ロドスの今置かれている状況を考えれば迷うのも当然です。)

[アーミヤ] (今回の作戦で、ここに残るか離れるか……彼女はその決断を下すことになるかもしれません。)

[アーミヤ] (彼女は命令に従うことに慣れすぎていて、自分の考えをほとんど表に出すことはありません。それに時々、ギョッとすることも口にします……。)

[アーミヤ] (ですが彼女に悪意はありません。自分自身を見つめ直す機会が彼女には必要なだけです。)

[アーミヤ] (とにかく、彼女の実力は本物です、ドクター。信頼してあげてください。私たちが彼女の力になれるかはわかりませんが、彼女は必ず私たちの力になってくれます。)

[アーミヤ] あれ……ガヴィルさんはどこへ?

[ドクター選択肢1] 衝動を抑えきれずに、敵を殴りに行ったか?

[ドクター選択肢2] ……。

[ドクター選択肢3] 闇雲にそこら辺を破壊しているかもしれない。

[アーミヤ] そんな、マズいです!

[アーミヤ] ……いや待ってください、誰がガヴィルさんをそんな乱暴者みたいに言ったんですか……ヒドいですよ。まぁ確かに彼女にはそういうところもありますが……。

[アーミヤ] とにかくこのタイミングで何かあったら大変です。すぐ次の巡回地点へ行って、彼女に信号を出しましょう。

[アーミヤ] たとえ彼女が規則を破ってなくても、誰も見張っていなければ、恐ろしい結果になるかもしれないので……。

[ドクター選択肢1] 他の小隊は?

[アーミヤ] 他の小隊は、エリートオペレーターたちが指揮を執っています。戦況は随時こちらに報告が来ますので、安心してください。

[アーミヤ] ここからは合同作戦の鍵となる行動フェーズです。龍門の明日を決める戦いになると思います。

[ドクター選択肢1] チェン隊長は?

[アーミヤ] 指揮任務にあたっています。

[アーミヤ] 私たちとの協定通り、特別督察隊の隊長として精鋭部隊を動かし、できる限りレユニオンの進攻を食い止めてくれていると思います。

[アーミヤ] 彼女の役目はレユニオンの主要部隊を誘導して、彼らを目標地点に押しとどめつつ、ほかのレユニオンの分隊がスラムに入るのを阻止することです。

[アーミヤ] 私たちロドスは、各巡回地点を目指しつつ、その過程で近衛局の他の部隊と協力して敵の残存戦力を削り、レユニオンの投降を促すことが目標です。

[アーミヤ] そして最終的には目標地点を目指し、スラムで近衛局と共にレユニオンの主力部隊を撃破します。

[アーミヤ] これだけの規模の作戦だと、ロドスに出来ることは少ないですが、協定の内容を果たせるよう頑張りましょう。

[アーミヤ] 私たちと近衛局の間にある問題については……私がロドスの皆さんに必ず納得の行く答えを出してみせます。それは任せてください。

[アーミヤ] ですが一つだけ、ドクターにしかできないことがあります。

[ドクター選択肢1] 任せて!

[ドクター選択肢2] ……。

[ドクター選択肢3] もっとちゃんとしろとか?

[アーミヤ] フフッ、はい。

[アーミヤ] ですが……ドクターに無理を強いるようなことではありませんよ。

[アーミヤ] あの……黙らないでください……。

[アーミヤ] じゃ、じゃあ言いますよ?

[アーミヤ] えっと、ドクター。ウンとかスンとかなにか喋ってください……!

[アーミヤ] いえ、それは大丈夫です!

[アーミヤ] この件は、逆にあまりちゃんとしすぎないほうが良いかもしれませんね。

[アーミヤ] ………ブレイズさんに連絡して、ドクターの警護をするように伝えます。もう一度私たちと合流するまで、ブレイズさんの面倒を見てほしいんです。

[ドクター選択肢1] 彼女の面倒を? 何か誤解があるのでは?

[ドクター選択肢2] ……。

[ドクター選択肢3] 自分にエリートオペレーターを守れるとは。

[アーミヤ] あ……戦うわけじゃありませんよ! 心のケアをお願いしますということです。

[アーミヤ] 場合によっては、ロドスは感染者を相手に戦わなければいけないこともあります。

[アーミヤ] 特に今は、私たちと龍門の協力関係にすら溝ができつつある状況ですから。

[アーミヤ] ブレイズさんは、ロドスをここまで支えてきた素晴らしいエリートオペレーターの一人ですが、それでも心理的要因の影響を受けるのは避けられません。

[アーミヤ] 彼女がロドス側に立ち続けているからこそ、彼女の心は感染者の境遇によって大きく揺さぶられます。

[アーミヤ] この機会に、彼女のことをもっと知ってあげてください。

[アーミヤ] 彼女には、取り繕うより率直に感謝の言葉をたくさん伝えるほうが良いかもしれません。例えば「廃都市から自分たちを救ってくれてありがとう」とか。

[ドクター選択肢1] そうか、分かった!

[ドクター選択肢2] ……。

[ドクター選択肢3] そんな事、する必要あるのか?

[アーミヤ] ドクターのことを信じてますから! どうか、お願いしますね!

[スワイヤー] 奴らの主力部隊が、あたしたちの他の部隊と交戦中よ!

[スワイヤー] さて、レユニオンよりも早く目標地点に到着して、包囲網の一端を担うわよ!

[チェン] 一つ補足を伝えてくれ。「まず当面は、主力部隊と合流していないレユニオンを叩け」と。

[スワイヤー] ええ、分かったわ!

[スワイヤー] 先ほどのチェン隊長の指示に従って、各位行動するように! 通信は以上!

[スワイヤー] 肩を並べて戦うのは、いつぶりかしらね。

[チェン] 今も別に「肩を並べて戦っている」わけではない。これは「やむを得ない共闘」だ。それよりも、どうやって廃都市から戻ってきたんだ?

[スワイヤー] あたしには、機動装備があるからに決まってるでしょ。そうでなければ、ロドスの救援もおぼつかないもの。それよりアンタ、あたしにケチつけたいだけじゃないの? 不機嫌そうな顔してさ。

[チェン] そうかもしれんな、少し考えさせてくれ。

[スワイヤー] 考えるってなによ。イチャモンつけるのに、理由なんかあるわけないでしょ……。

[チェン] ああ、そうだな。私に黙って廃都市までロドスの救援に向かったことは、できれば二人きりの時に知らせてほしかったのだがな。

[スワイヤー] なによ、メンツが立たないから? それとも何があったか教えてもらえないのが嫌なの?

[チェン] どちらもだ。

[スワイヤー] ……これは驚いたわね、いつの間にそんな素直になったの? あたしが知ってる「チェン隊長」は、なんでも馬鹿みたいに遠回しな言い方で——

[チェン] 来るぞ!

[スワイヤー] 近衛局防御小隊、盾を構えなさい! 心配いらないわ、これまでの無数の戦いと同じよ。あなたたちの後ろは仲間たちが支えてるわ! 安心して受け止めなさい!

[チェン] あと十歩!

[スワイヤー] ボウガン部隊、射撃用意!

[レユニオン構成員] このルートも封鎖されているだと? ダメだ……他に迂回できる場所もない! ここを突っ切るぞ!

[レユニオン構成員] 恐れるな、突っ込むぞ! 俺に続け!

[チェン] あと五歩!

[スワイヤー] 攻撃手、配置につけ!

[レユニオン構成員] 蹴散らせ!

[チェン] ——今だ!

[スワイヤー] ボウガン部隊、第一斉射、撃て!

[チェン] 槍部隊、構え!

[チェン] 龍門からレユニオンを一人たりとも逃がすな!

[ウェイ] すでに位置に着いたか?

[ウェイ] ああ、その通りだ。

[ウェイ] 分かっている。ただ、近衛局には近衛局の、君たちには君たちのやるべきことがある。これは越権行為には当たらないだろう。

[ウェイ] 確かに。リン・グレイは強く反対していた。

[ウェイ] だがこの件に関しては、奴が決めることではない!

[ウェイ] ……。

[ウェイ] 私は各方面からの意見には全て目を通している。我らに選択の余地はない、やむを得ないことなのだ。

[ウェイ] グレイの娘が君たちに連絡を入れる。今からの三週間は、私への連絡を禁ずる。全ての情報は彼女に伝えるように。

[ウェイ] 君たちに任せた。後ろは心配しなくていい、私はいつでも君たちを見ているぞ。

[ウェイ] ……私をそう呼ぶのはやめたまえ。過去は過去なのだ、私ともう繋がりはない。

[ウェイ] ああ、龍門に太平と安寧があらんことを。

[???] ウェイさん、私たちはつまり……あなたたちは、これを何と言ったかな、義兄弟だったか?

[???] だから、彼女と私の娘を、頼んだ。

[???] とはいえ、余計なお世話だったかな。自分の妹の面倒ぐらい、わざわざ言わなくても見られるだろう?

[???] 娘の名前は決めてある。その名は……。

[???] ……タルラ。

[???] あまり考えすぎるな。私には全て分かっている。

[???] ああ、全て分かっているのだ。

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