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暗黒時代・下_1-8_意志_戦闘前
タルラの強大な力を前に、アーミヤは■■■■を選んだ。 それでも、タルラのアーツを受け止めきることは出来ない。限界を迎えようとしていたその時、Aceが彼女の前へと立ち、アーミヤとドクターたちを逃がしてくれた。
[ニアール] アーミヤ、ドクターを連れて離脱してくれ!
[ニアール] 急げ、今すぐに!
[アーミヤ] そんな……そんなことできません!
[ニアール] 君も感じ取っているだろう! このままでは、全員ここで命を落とすことになりかねん!
[ニアール] あのタルラという人物は――
[ニアール] 彼女は、まさしく怪物だ!
[アーミヤ] それでも、一緒に戦います! そうすれば、きっと可能性は……!
[ニアール] ――ドクターのことはどうする? 安全を確保できるのか?
[アーミヤ] ……そ、れは……
[ニアール] E4小隊! これより、この場にとどまり、奴らを足止めするぞ!
[ニアール] アーミヤとDr.{@nickname}、そして医療班が撤退する時間を稼ぐんだ!
[Ace] ――待った。その役目、俺たちに任せてもらおうか。
[ニアール] Ace、何を言って――
[Ace] 任せてくれと言ってるんだ。俺は本気だぞ、ニアール。
[ニアール] だが……! 周囲のすべてを融かしてしまう相手に、どう対処しようというんだ!?
[アーミヤ] そうですよ! あなたたちを残して、撤退なんてできません!
[アーミヤ] ロドスは……絶対に、みなさんを見捨てたりはしませんから!
[ドーベルマン] アーミヤ、もう時間がない! 撤退するんだ!
[Ace] ――頼む、俺たちを信じてくれ。
[アーミヤ] っ、ですが……! ロドスの仲間が犠牲になったらと思うと……!
[ドーベルマン] 作戦目標を忘れるな! 何のためにここへ来たのか、思い出せ!
[アーミヤ] もとの目標が何であろうと、これだけは譲りたくないんです!
[タルラ] ――
[ニアール] なんだ……? 彼女の手に、何かが集まって……
[前衛オペレーター] ま、周りの空間が……歪んでるような……!?
[ニアール] ――いや、あれは陽炎だ! 熱された空気のせいで、景色が揺らめいて見えるのだろう……!
[アーミヤ] ! 気をつけてください! あのアーツは――
[アーミヤ] 待って……ダメ! ニアールさん! 戻ってください!!
[アーミヤ] あれは、ただのアーツなんかじゃ――
[タルラ] ――少し、静かにしてもらおうか。
[ニアール] ぐ、あっ……!
[ニアール] ……っはあ、はぁ……ッ!
[ドーベルマン] まずいッ――ニアール!
[ニアール] が、はっ……来るな! この程度……大したことは、ない……!
[ニアール] ……こんな……火傷、くらい……で……
[ドーベルマン] 火傷くらい、だと……? バカを言うな!
[ドーベルマン] 鎧をそこまで傷つけられておいて、強がるんじゃない!
[ドーベルマン] これ以上戦うのはよせ、すぐに離脱を――
[ニアール] ――来るなと、言ったはずだ!
[ドーベルマン] っ、この頑固者め……!
[タルラ] ――ふむ、面白い。
[Ace] 伏せろ!
[ニアール] ぐっ、ごほっ……今のは、一体……!
[Ace] 辺り一帯が融け落ちていく……
[Ace] まるで、見えない炎が頭上で広がっているような……あんなものを喰らえば、ひとたまりもないぞ……!
[Ace] こうなれば全員、撤退だ! 無駄な犠牲を出すわけにはいかん!
[ニアール] ……
[ニアール] 我々は……何を、相手に……しているんだ……?
[Ace] とにかく、あのアーツを止めないことには打開できんな……
[Ace] ――狙撃オペレーター! 奴に照準を!
[タルラ] ――
[タルラ] ――確かに……抵抗とは、大地に希望を芽吹かせるものだ。
[タルラ] しかし、その抵抗が貴様らの運命を変えることはない。
[Ace] 撃てッ!!
[タルラ] ――チェルノボーグは解放された。
[タルラ] それを以て、我らはすでに目的を果たしていたが……貴様らに、少し興味が湧いてな。
[ドーベルマン] 何……?
[タルラ] まあ、あくまで興味をそそられただけ、なのだが。
[タルラ] 何しろ、貴様らは選択を誤ったのだ。
[タルラ] ロドスよ。――真の意味で、感染者側に立つべきだったな。
[医療オペレーター] 何が……起きたんでしょうか?
[医療オペレーター] どうして、広場中が焼けて……
[医療オペレーター] 今のは、一体――けほっ、ごほっ……
[医療オペレーター] い、息をするだけで……喉が、焼けて……しまいそう……!
[前衛オペレーター] な……何もかも、燃え尽きちまった……
[前衛オペレーター] 奴のそばには、弓矢どころか、石ころすらも残ってない……
[前衛オペレーター] この一瞬で……周りのすべてを、焼き尽くしたのか……!
[タルラ] ――貴様らが、解放者にふさわしい粘り強さを持っていることは認めよう。
[前衛オペレーター] ……こんなふうに、塵も残さず燃やしてしまえるなんて……
[ニアール] ……アーミヤ。これでわかったはずだ。
[アーミヤ] ……!
[ニアール] ――誰かが残って、奴を止めなければならない。
[タルラ] ――だが、それにはもう飽いた。
[アーミヤ] ……っ……!
[ニアール] アーミヤ!!
[タルラ] 貴様らは同胞を殺めたのだ。報いを受けさせねばなるまい。
[タルラ] さあ、私好みの結末へと導いてやろう。
[タルラ] ――滅びよ。
[ドーベルマン] ッ、まずい……!!
[ドーベルマン] 退避しろ! 行け、早く行けッ!!
[ドーベルマン] あんな攻撃を喰らったら終わりだ……!
[ドーベルマン] 急げ、アーミヤとドクターを守れ!
[ニアール] いや、これでは間に合わん――
[ニアール] 私が奴を足止めする!
[医療オペレーター] きゃああっ!
[医療オペレーター] ……?
[医療オペレーター] ……あ、れ……?
[医療オペレーター] あ……アーミヤさん!?
[アーミヤ] ――誰一人、傷つけさせはしません。
[タルラ] ……
[アーミヤ] 絶対に……止めてみせます!
[タルラ] ――ほう?
[アーミヤ] ぐ、っ……
[アーミヤ] 私が……守ら、ないと……!
[ドーベルマン] たった一人で……あのアーツを、押しとどめているのか……!?
[ニアール] だが、あれほどの規模だ……受け止めきるのは無理があるぞ……!
[ニアール] たとえアーミヤでも……
[ニアール] 彼女のアーツを以てしても、長くはもたん!
[医療オペレーター] そんな……アーミヤさん!
[アーミヤ] ……問題、ありません……
[アーミヤ] 私は……大丈夫、ですっ……!!
[アーミヤ] みなさんを……守らないと、いけませんから……!!
[医療オペレーター] ……黒い障壁が……アーツを、阻んでくれてる……!
[アーミヤ] く……う、ああっ……!!
[前衛オペレーター] ま、まずい……! 障壁が燃えていくぞ……!
[ドーベルマン] アーミヤ、もうよせ!! このままでは、お前の指輪が――
[アーミヤ] ――ごめんなさい、ドクター……
[アーミヤ] たとえ……そうなったとしても……
[アーミヤ] それが厄災を招くことになったとしても……そして、私自身がどうなろうとも……!
[アーミヤ] 私は、二度と……目の前で、大切な人を……
[タルラ] ――ふっ。
[タルラ] 良い覚悟だ。
[アーミヤ] っあ……ああああっ……!!
[ニアール] アーミヤ!!
[ニアール] くっ……これ以上、黙って見てはいられん!
[ドーベルマン] 何をするつもりだ?
[ニアール] あの厄介な龍のアーツを止める!
[ドーベルマン] お前、まさか……
[ニアール] ――「カジミエーシュの光芒よ、この耀騎士が身を捧げよう」!
[ドーベルマン] っ、ドクター! 早く行け! 我々がアーミヤをサポートする! だからお前は……
[タルラ] ――はァッ!
[アーミヤ] う、ああああっ!!
[アーミヤ] ……っ、え……?
[Ace] もう大丈夫だ、アーミヤ。
[アーミヤ] ――Ace、さん……?
[Ace] お前は十分頑張った。
[Ace] だから、一人で重荷を背負うな。俺たちにも少しは分けてくれ。
[アーミヤ] 私は――
[ドーベルマン] アーミヤ……!
[Ace] ――ドーベルマン、皆を連れて先に行け! それと、ニアール! この場は俺たちに任せてもらおう! ……なに、すぐ追いつくさ!
[ドーベルマン] ……Ace、お前……
[アーミヤ] そん、な……Aceさん……
[アーミヤ] っ、絶対に……帰ってきて、ください……!
[Ace] ——
[Ace] お前さんは、きっと俺のことを覚えちゃいないんだろうが……
[Ace] 俺のほうは、お前のことを覚えてる。昔どんな奴だったのかってこともな。
[Ace] ……いつの日か、お前には……アーミヤと一緒に、この残酷な大地と向き合うべき時がくるだろう。
[Ace] だからどうか、あの子を守ってやってくれ。
[Ace] ――さあ、行くんだ。
[Ace] 幸運を祈る!
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