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青く燃ゆる心_OF-ST4_愛する者
盛り上がるライブの中、市長の早々の復帰に動揺したクローニンは本性を現し、一か八かの勝負に出た。 しかしその一方で、もう時間はないと様々なことが示唆していた。
[シュヴァルツ] ……。
[クローニン] つまり、全てを知ったということか。
[セイロン] こんなわかりやすい嘘、元より長く保つはずがございませんわ。
[ヴィグナ] あ、ライブがもうすぐ始まる……。
[D.D.D.] 皆様! 黒曜石祭へようこそ!
[D.D.D.] エブリバディ、ハッピーかーい!!!!
[観客] (熱狂的な歓声)うぉおおおおおお!!!
[D.D.D.] こんなにアツーイ熱情をもらっておいてなんだけど、エブリバディはまだ黒曜石祭の真の魅力ってやつを味わってないんだよ!
[D.D.D.] そう! メインディッシュは今夜なのさ! この黒曜石祭に招待したミュージシャン全員がここに集って、エブリバディの全身を興奮で爆発させるんだ!
[D.D.D.] もちろんメインステージだけじゃない。4つのビッグステージに12のミニステージ、各界のミュージシャン40人が勢揃い! 明日の太陽が登るまで、18時間ぶっ通しのお祭りだ!
[D.D.D.] レッツセイ、準備はいいかー!!!
[観客] (熱狂的な歓声)うぉおおおおおお!!!
[シュヴァルツ] ……セイロンお嬢様から火山のことは聞きました。
[シュヴァルツ] 火山の観測データを改ざんしたばかりではなく、お嬢様がデマを流すつもりだと口から出まかせを言うとは。
[クローニン] お前も知ってるはずだ! ヘルマンがやってきたこと、私たちは全て知っている! あんな奴にこの都市を――
[???] ほぅ、何を知っているのかな、言ってみたまえ。
[???] クローニン君、続けなさい。だが私が「業務で出張」に行っている間に君がやったことも、全て話してもらう。
[セイロン] パ――お父様!?
[クローニン] し、市長。ど、どうしてこちらに!?
[ヘルマン] そんなに意外か、クローニン君。
[ヘルマン] 私が火山での黒曜石の採掘を禁じたのにもかかわらず、市場には依然として新たに採掘されたと思われる黒曜石が流通している。
[ヘルマン] 採掘員と思われる者たちが、何度も火口で確認されているが、私には何の報告も上がってきていない。
[ヘルマン] そして、彼らによって採掘された黒曜石は、複数の転送を経て、最後にはシティホールの廃倉庫へと輸送されている。
[ヘルマン] 更には、私がシエスタの鉱石病患者のために予算を立ててからというもの、彼らが不公平な待遇を受けたという噂が増え始めた。
[ヘルマン] それらのこと、君は変だと思わなかったのかね?
[クローニン] クッ……。
[ヘルマン] 私としては、この身が震えるほど、激しい怒りを覚えたよ。
[ヘルマン] そして事態の真相を探るため、私は一時シエスタを離れるという偽情報を流し、シュヴァルツに私の代わりにこの街の真相を調査させたのだ。
[へラグ] なるほど。ではあとはこれらの記録と、それに関わった者たちを調査すれば良いというわけだな。
[セイロン] ヘラグおじ様、そちらも無事で何よりです!
[ヘルマン] 残念だよ、クローニン君。
[ヘルマン] 君とは、様々な物事を分かち合ってきたが、君は急ぎすぎたのだ。
[クローニン] 私が? 急ぎすぎただと?
[クローニン] これは全てこの都市のためにやったこと。全てアンタが教えてくれたことだ!
[クローニン] 十年前のバル一家の件も、八年前のテレビ塔倒壊の件も、それにあの部族を説得した件も……。
[クローニン] いや、説得なんかじゃない、無理やり併合させたと言ったほうがいいだろう? どうやってあのタラク部族を手玉に取ったのかも、全て眼にしたんだ。
[クローニン] 私は全て、アンタから学んだんだ……。
[クローニン] 利益のためなら手段は重要ではない、結果が全てだ。
[クローニン] このみすぼらしい田舎に、私がどれだけの心血を注いできたと思っているのだ?
[クローニン] それなのに、やっとの思いで黒曜石によって得た収益を、全て治る見込みのない疫病神のための予算にするなんて。
[クローニン] それならいっそのこと、火山の爆発に呑まれてしまえばいい! シエスタの物資と財産は私が守る、それさえあれば再興だって容易いはずだ!
[ヘルマン] 私はこれまで正しいとは言えないこともやってきたが、一度たりともシエスタの運命を汚すようなことはしていない。
[ヘルマン] 採掘員と研究者の命を、シエスタ市民の命を君は何だと思っているのだ。
[ヘルマン] クローニン君、もう今日限りだ。出て行きたまえ。
[クローニン] ……ハハハハハ……このボケ老人が! それはどうかな!
[クローニン] アンタが長々と無駄に喋っていてくれたおかげで、私の部下はもうここに揃った!
[イフリータ] ああ? おいちょっと待て、なんで焦げてんだ?
[イフリータ] マッターホルンのおっさん! ちょっと見てくれ!
[イフリータ] なんだこれ、熱の流れが変わったのか……。
[グム] うわあ! おっきな波が来るよ!
[グム] ええっ! どうしてこーんなに大きな波が来るの!? これって大きすぎるよー。アハハハハ!
[プロヴァンス] ……。
[スカイフレア] ……。
[プロヴァンス] 急に黙ってどうしたの、さっきまで騒いでたくせに。
[スカイフレア] 考え事をしてますの。
[プロヴァンス] ふーん、君みたいな人でも静かになる時ってあるんだね。
[スカイフレア] 少し頭に血が上ってきた気がしますわ、冷静にならないと……。
[プロヴァンス] 僕は地質学者じゃないし、源石物理学も高エネルギーのアーツについてもよくわからないよ……。
[スカイフレア] 高エネルギーのアーツと火山の生態学は全く別のものですわ。それらを活用したとしても、今のわたくしたちの問題を解決するには至りませんわ。
[スカイフレア] 無理にでもというのなら、巨大な容器を作ってその中にエネルギーを全て吸い出せば、あるいは……。
[スカイフレア] ですがそんなアーツは、わたくしであっても完成までに数年かかりますわ、流石に無理というもの。
[プロヴァンス] だからいくら説明しても僕にはわからないって! でもとにかく今の状況はマズイでしょ! 大変な状況なんだって!
[スカイフレア] それぐらい分かってますわ! だからいても立ってもいられないんでしょう!
[プロヴァンス] じゃあ、どうにかしてよ!
[スカイフレア] だから考えているでしょう!
[プロヴァンス] すぐこのことをドクターに知らせないと……。
[プロヴァンス] とにかく一旦考えるのは任せるよ。僕がドクターに連絡してくる! 考えすぎてのぼせないようにね!
[スカイフレア] わたくしは冷静ですわ。
[プロヴァンス] さっき頭に血が上ってるって言ったでしょ! って、髪の毛が少し燃えてるよ!
[スカイフレア] うーん、生態系の悪化が地質の変動を招いた……はっ、まだ救いがあるかも知れませんわ!
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