aklib_story_青く燃ゆる心_OF-ST3_圧力の下

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青く燃ゆる心_OF-ST3_圧力の下

ドクターとセイロンは散策しながら話をしていた。やがて自分の考えが固まったセイロンは、ある計画を立てる。


[セイロン] ……散歩に付き合っていただけますか、ドクター。

[ドクター選択肢1] 君のことが心配だ。

[セイロン] ドクター、ご存知? わたくしが幼い頃は、このビーチはあまり人気のないところでしたの。よく一人で、砂のお城を建てて遊んでいました。

[セイロン] ……この都市はお父様が市長を務めるようになって、年々素晴らしい都市になっていきましたのよ。

[セイロン] わたくしとお父様は、なんというか、普段からあまり会話があるほうではございませんでした。

[セイロン] ずっと考えていましたの、わたくしとお喋りするよりも、都市のことやお金儲けの方が大事なのではないかって。

[セイロン] お母様は、わたくしを産む際に亡くなりました……。時折それが原因で、わたくしのことを嫌っているのではないかと考えることもございました。

[セイロン] お父様は、わたくしがどう思っているのかすら、気にしていない様子でした。物心ついた時から、家にいないことが多くて……親子というより、同じ家に住んでいる他人のようでしたわ。

[セイロン] シュヴァルツ、海辺の生態観察に行きたいわ。

[シュヴァルツ] いけません、セイロン様。旦那様から好き勝手に外出しないように言われております。

[セイロン] でもお家の本はもう見飽きたわ! シュヴァルツだって面白い話の一つもしてくれないじゃない。

[シュヴァルツ] 申し訳ございません、セイロン様。セイロン様の安全を思ってのことです。外は危険ですから……。

[セイロン] 貴方がいるでしょう? 貴方がいれば、わたくしに危険なんて訪れるのかしら?

[シュヴァルツ] ……もちろん、それは絶対にございません。

[セイロン] じゃあ問題ないのではなくて? 行きましょう!

[シュヴァルツ] ……では、絶対に私の目が届かない場所に行かないでください。

[セイロン] シュヴァルツが側にいるということは、わたくしにとっては生活の一部、当たり前のことになっていました。

[男性市民] 早くしろよ、この飾りは今晩のライブで使うんだ。

[男性市民] 間に合わなかったらどやされるぞ!

[セイロン] あ、あの方は……。

[セイロン] わたくしの記憶が確かなら……。セカンドアベニューの「カフェ・ロビン」のオーナーのおじ様のお孫さんでしたわね。

[セイロン] あのお店、以前良く通っていましたわ。おじ様もすごく気さくな方でしたの。内装はお亡くなりになった奥様好みの花や鉢植えで飾られ、いつもご夫婦の好きだった音楽が流れていましたわ。

[セイロン] そういえば、身体が悪くなってきたからお店は孫に継がせると仰ってましたわね。

[セイロン] 時間が経つのは早いものね。

[セイロン] どうして?

[シュヴァルツ] 私が鉱石病になってしまったからです、セイロン様。

[シュヴァルツ] 私の側にいるとお身体に毒となります。必要な際にだけ呼んでいただければと……。

[セイロン] それは何? 痛いのかしら?

[シュヴァルツ] ……痛みはありません。ですが、最後には命を落とします。

[シュヴァルツ] 不治の病とされています、セイロン様。

[シュヴァルツ] それに……。

[セイロン] そんなもの、わたくしが治してみせるわ!

[セイロン] フンッ、待っていなさい! このわたくしが、きっといつか鉱石病なんて打ち負かして、シュヴァルツを取り戻してみせますわ!

[セイロン] わたくしが源石の研究に取り組みたいと思ったのも、感染者になった彼女を治したいと思ったからなの。

[セイロン] これが長い間、わたくしを支えてきた原動力となりました。この夢のために、ヴィクトリアに留学することを決意しましたの。

[セイロン] 難解な源石の研究は、初めは右も左もわかりませんでしたわ。何度諦めようと考えたかは覚えていませんが、それでも最後までやり抜きました。

[セイロン] ヴィクトリアはシエスタとは違う異国の地。研究のことを抜きにしても慣れない生活でした。

[セイロン] ですが今となっては、わたくしはシエスタ人というよりは、ヴィクトリア人と言ったほうがしっくりくるまでになりましたわ。

[セイロン] ドクター、わたくしが手に入れたと思っていたものは、まさか全て嘘だったのですか?

[シュヴァルツ] この場所を守るためなら、どんなことだってできますよ。

[ドクター選択肢1] 自分もわからない。

[ドクター選択肢2] 彼女も苦しい胸中にあるのかもしれない。

[セイロン] ……ふぅ、そうですわね。確かにドクターには知る由もありませんものね。

[セイロン] わたくしにすら言うことのできない、胸中があるというのですか?

[セイロン] それに、どんなに苦しい胸中があろうと、犯した悪事が消えるわけではない。それは避けようのない事実ですわ。

[セイロン] ドクター、わたくしは諦めるべきなのかしら?

[ドクター選択肢1] その問いの答えを出すことは難しい……。

[ドクター選択肢1] だが紛れもなく、セイロンは一人の立派な源石学者だ。

わたくしたちは、鉱石病に勝てるの?

わたくしたちは、鉱石病患者を救えるの?

この災害に終わりはあるの?

終わりは見えない。何の確証もない。答えもわからない。

諦めてもいいのかしら? ええ、きっといいのだと思う。

だけど、諦めたくない。

[ドクター選択肢1] この世界はやはり残酷かもしれない……。

[ドクター選択肢1] だけど君がやってきた全ては、徒労ではない。

[ドクター選択肢1] 自分の選択を信じるべきだ。

[セイロン] ……ふぅ。あなたの言う通りですわ、ドクター。

[セイロン] さすが「先輩」というところですわね。この方面でわたくしが学ばねばならないことは、まだまだあるようですわね。

[セイロン] ともかく、今のわたくしがやるべきは、ここであれこれ考えるのではなく、粛々と証拠を集めることですわね。

[セイロン] もし彼らが本当に市民の安全を放棄して危険に陥れるつもりなら、何がなんでもわたくしがそれを阻止しますわ。

[セイロン] それにわたくしは、自分が正しいと信じています。ですから、たとえ一人になったとしても、この都市を救うために最後までやり抜きますわ!

[へラグ] 良い啖呵の切り方だ。

[セイロン] あ、ヘラグおじ様。

[へラグ] どうやら、心の整理はついたようだな。

[セイロン] はい。おじ様、ドクター、わたくしの話を聞いてくださるかしら。

[セイロン] どんな状況であれ、シエスタの市民が危険に晒されるのだけは避けなければなりません。わたくしにとってはそれが最優先事項です。

[セイロン] ギャリソン遊園地の付近には、シエスタ市で最大の放送タワーがありますの。シエスタの放送システムは全てあそこで管理されておりますわ。

[へラグ] 放送タワー?

[セイロン] ええ。しかしあの一帯はクローニンさんの管轄区域でもあります。彼もよく市内全域へ向けた放送を行っていますわ。

[セイロン] ですがライブの開始間際で人が集まってきたタイミングであれば、クローニンさんの部下たちも仕事で忙殺されているはずです。

[セイロン] そのタイミングで放送局を乗っ取り、シエスタ全域へ向けて火山の警報を流しましょう。

[セイロン] ですからなんとか、皆様のお力添えを頂ければと思いますの。

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