aklib_story_青く燃ゆる心_OF-EX6_完璧なる幕引き_戦闘後

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青く燃ゆる心_OF-EX6_完璧なる幕引き_戦闘後

ロドスの医務室では、シエスタにいるはずの有名なバンドメンバーがケルシーと意味深なやり取りをしていた。その真意はもっと後で判明するだろう。


[Alty] ふーん。

[Alty] これが噂のロドスね、確かに怪しい雰囲気が充満してるわ。

[Alty] それにすっごく懐かしい匂いが空気に混じってるわ。うーん……。

[Alty] 目をつぶれば、まだ海辺にいるんじゃないかって勘違いしちゃうところね。

[ケルシー] ここ最近、確かに何人かエーギルの客人が来たが――

[ケルシー] お前も同じエーギル人のようだが、来訪者のリストにお前の名前はない。もてなしてやれるかは、お前次第だな。

[Alty] あら、ごめんなさい。でも手は煩わせないわ、少しお話するだけ。長居はしないわよ。

[Alty] それより、私の名前を知ってるなんて驚いたわね。

[ケルシー] ここ数日シエスタにいる者なら、お前の名前を知らない者はいないだろう。

[ケルシー] 私自身はシエスタに行っていないが、お前のことはかねがね噂に聞いている。AUSのベーシストAltyだな。警告する。ロドスは好き勝手に入っていい場所じゃない。

[Alty] あら、そんなに敵意を剥き出しにしないで。私たちにはたくさん共通の話題があるわ、そうよね。例えばまだ星が見える頃の話とか?

[ケルシー] ――ではそこに座るといい。

[Alty] ありがとう。私がどうやって入ってきたか気になるでしょ?

[Alty] ま、そんな事はどうでも良いかもね。ロドスの保安設備に問題があるわけじゃない、ただ運が良かっただけだから。

[ケルシー] 言葉で取り繕ったところでお前の実力が隠せるわけじゃない。だが安心していい、そんなことは端から心配していない。こいつは重要な客人にしか道を開かないからな。

[ケルシー] だが、お前のようなスーパースターがどうしてこんな狭い病室なんかに興味を持った?

[ケルシー] もしエーギルの友人と思い出話をしに来たのだったら、部屋を間違えているぞ。

[Alty] 友人? うーん……友人とまではいかないわ。いや、友人とは程遠いと言うべきね……。

[Alty] 私はあなたに会いに来たの。あるいは、あなたを見に来たと言ったほうがいいかしら。

[ケルシー] すまないが、お前のことは知らない。それに私は動物園の見世物でもない。

[Alty] エーギル人の噂について、Frostから色々聞いたわ。普段はあまり語りたがらないけど、あの時は饒舌だった。

[ケルシー] お前の知人がいかに奇妙な冒険譚を語ろうと、私は興味ない……。

[Alty] じゃあ歌って聞かせてあげましょうか?

[ケルシー] ……あるいは私の全く別の一面に関することか? 面倒な探り合いはせずに単刀直入に言えばいい。

[Alty] 雑談すれば雰囲気を和らげられるって思ったけど。あなたには無意味のようね。

[Alty] じゃあ本題に入りましょう。あのエーギル人たち、あまり好きになれないの。もちろん、あの人たちが可哀想なことも知ってるけど。

[Alty] でも、もしあなたがいなければ、あのエーギル人のうち何人かは海底に沈み、闇深い海に呑み込まれていたはず。

[ケルシー] 私は特に大したことはしていないが。

[Alty] でもあの人たちを救った。ここには何人もいるじゃない。

[ケルシー] ……。

[Alty] あの奇妙なエーギル人たち、あなたのことなんか少しも尊敬してないわよ。あなたが色々尽くしているにもかかわらずね。

[Alty] それとも普段から厳しく接しているのが原因かしら?

[ケルシー] 私は彼らが自滅しないようにしているだけだ。

[Alty] 慈悲深いのね。さすがお医者さんだわ。

[Alty] でも、私が聞きたいのはまさにその部分よ。

[ケルシー] 言ってみろ。

[Alty] エーギル人の敵は何か知ってる?

[Alty] あるいは、実は私の正体を知ってるんじゃないの?

[Mon3tr] !!

[ケルシー] Mon3tr、動くな!

[ケルシー] 未熟だな。お前。

[Alty] そうね、私たちはまだまだ未熟。あれほどの悲しみは、まだ経験したことがない。だからまだここにいられる。まだ話せる。まだ歌える。

[ケルシー] アビサルハンターたちは、やるべきことをやっているだけだ。

[Alty] 分かってるわ、そんなことは知ってるの。でも、私たちだって答えを知りたい。

[Alty] あのおチビちゃんたちと敵対しようなんて、夢にも思ってないわ。

[Alty] Frostはね、小さい頃から音楽と食べ物にしか、まるで興味を示さなかったの。休憩する時間だって彼女からすれば無駄なんだって。

[ケルシー] その友人のことは、いずれ直接会ったときにでも紹介してくれればいい。

[Alty] ごめんなさい、また悪い癖が出ちゃったわね……。

[Alty] ま、あなたの事は信頼しているわ、ケルシー先生。あなたが握ってる真実もね。

[ケルシー] お前自身が握っている真実が私より浅いとも思えないが。

[Alty] ええ、でも私たちにはそれぞれ得意分野があるでしょ。例えば、あなたの歌声は感動的に響かないかもしれない。

[ケルシー] ………。

[Alty] あ、ええ、ただの例えよ! あなたを怒らせるつもりじゃないの。

[Alty] でもエーギルの静けさは、あなたが知っているように、表面的なものに過ぎないわ。

[ケルシー] 大海について知識がある者は、ほとんどいない。

[Alty] そうね。大地の子たちには知る由もないでしょ? あまり期待しすぎるのもよくないわね。

[Alty] ただ、もうすぐこの表面的な静さすら失われてくるでしょうね。欲望はやっぱり怖いものだから。

[Alty] だから、欲しいの。情報をね。

[ケルシー] また情報か?

[Alty] そうよ。

[Alty] そう……。なるほど、それに興味があるのは私だけじゃないのね、フフ。

[Alty] 「また」って言ったけど、前回それをあなたに尋ねたのは誰?

[ケルシー] 同じくエーギル人だ、アビサルハンターのな。

[Alty] じゃあ私たちは、もしかすると本当にお友達になれるのかもね……フフ。

[ケルシー] ああ、そうかも知れないな。どうしてお前が私に会いに来たかも理解できる。

[ケルシー] 永き刻を生き、故事が増えるほど、傷も疼き、平常ではいられなくなる。

[Alty] ごめんなさい。あなたの傷口をえぐるつもりはないから……。

[Alty] でもあなたは確かに他の人とは違う。彼らは数多の感情に縛られ、言論に利用され、ひいてはある種の災難に変化しようとしている。

[Alty] どうりであの人があなたを最後の切り札として、あの小さいウサギとDr.{@nickname}のサポートをさせているわけだ。

[Alty] あなたはX線検査装置みたいなもの、そうでしょう?

[ケルシー] 私もただの機械のようになれれば良いのだがな。

[Alty] あら、失礼。あなたは誰にも言うつもりはないでしょうけど、中にあるものは全て目を通したんでしょう? そう言ってるの。

[ケルシー] それに答えるつもりはない。

[Alty] じゃあ、ここからが本題ね。これにはあなたも答えられるはずよ。

[ケルシー] 言ってみろ、若きスーパースター。

[Alty] ええ、ありがとう。

[Alty] じゃあ教えて欲しいの。あなたが知ってる、あの海の下で起きたことの全てを。

[ケルシー] それは情報と呼べるほどのものではないな。

[Alty] いえ、私が言ってるのは、「あの海」のことよ。

[ケルシー] ――

[Alty] 若いのは私たち四人だけ……。そしてFrostは私たちの中で一番若い。

[Alty] あの子がね、例の何人かのエーギル人の匂いを嗅ぎつけたの。あれはエーギル人にはあるまじき匂いよ。

[Alty] 「それらは二度と歌えない。それらは二度と話すことはない。それらは我々から遠ざかる。それらは飢えに飢えている。」

[Alty] AMa-10ケルシー医師。教えて欲しい――あの奇妙なエーギル人たちは、どうやって誕生したの?

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