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遺塵の道を_WD-ST-2_異郷より来る者
サルゴンで長い歳月を過ごしたエリオット。彼の周りの者は皆運命は予測できないものだと言っていたが、運命が彼にいたずらをした。そして今日、彼はケルシーに再会したのだった。
[闇市の商人] おい、みんな来い、新入りだ! お前、ぼさっとするな、さっさと行け。
[エリオット] ……私は新しく来た見習い職人です、名前はエリ――
[闇市の商人] 無駄話はいいから、さっさと働け!
[闇市の商人] おい、お前ら、こいつを好きに使っていいぞ。こいつはお前の息子よりも若いが、クルビアの高学歴野郎なんだぜ!
[闇市の商人] どうせこいつに後ろ盾はない、あっちの売られてきた奴隷たちと大差ねぇ。死なせなきゃそれでいい。
[闇市の商人] 死ぬまで働くつもりでいろよ、新入り。
[エリオット] ……わかりました。
[エリオット] ……イシン、見てください!
[イシン] おぉ……これは驚いた! 盗んできた鋼材を溶接したんですか? まるで芸術品のようでございます……
[エリオット] そんな大げさな、少しだけ見栄えがいいだけの、ただの消耗品ですよ……
[イシン] いえいえ確かに素晴らしい出来でございます。とはいえ、激しい運動は禁物でございます。さあこちらへ、早く休んだ方がいい、骨折した腕が治ったばかりなんですから……
[エリオット] 大丈夫です。
[エリオット] それより、精錬源石錐がどこで手に入るか知ってますか?
[イシン] 沁礁闇市には純金で解決できないことなどございません。
[エリオット] ……では楽しみにしておきます。
[エリオット] ……漆黒のサソリが死にました。
[エリオット] 我々は見事にやり遂げた、そうでしょう?
[イシン] 今日……貢物を密輸している行商人が、「サンドソルジャー」がこの沁礁の新しい主だと言っているのを聞きました。
[イシン] あなた様はご自分が沁礁の主だと思いますか? エリオット?
[エリオット] ……私がそうであってほしいですか? イシン?
[エリオット] たとえそれが事実であっても……あなたがいたからこそです。私は受けた恩を理解できない愚か者ではありません。この十数年、あなたがいたから私は生きてこられたのですよ。
[イシン] しかし、もはやあなた様にイシンは必要ありません……
[エリオット] いえ……そうとも言えません。私たちの関係は非常に複雑です。
[エリオット] 文句があるのなら、あの得体の知れない女に言ってください。
[イシン] ……ケルシー殿。
[エリオット] 驚いた。まだ彼女の名前を覚えていたのですか。この数年で、あなたはますます忘却の度合いが進んでいましたし、てっきり忘れてしまっていると思っておりました。
[イシン] 彼女を探したのですか?
[エリオット] 探しましたが、徒労に終わりました。どれほど優秀な諜報員を雇っても、クルビアでの彼女の痕跡は欠片も見つかりませんでした。例の傭兵企業は、あの後すぐに倒産してしまいましたしね。
[エリオット] 研究所も軍に管理され、すべての資料が処分されました。関与した者は一人も見つかりません……クルビアはよく隠しておりますよ。
[「サンドソルジャー」] イバト首長は来週レッドホーンを通るそうです。フッ、なんと愉快な運命なのでしょうね。
[「サンドソルジャー」] これは絶好の機会ですよ――イシン、寝ているのですか?
[イシン] ……
[イシン] イシンは夢を見ておりました……
[「サンドソルジャー」] また夢ですか。
[イシン] やはりあの同じ夢……ケシクが凍土と草原を踏み越え、ついに砂漠の地へとやってきた夢……
[イシン] しかし今回は、少し違いました……
[イシン] あれはパーディシャーがイシンに告げたことのない光景……私はある人物を見ました……彼女は似ていたのです……あのケルシー殿に……あれは彼女のもう一つの姿なのかもしれません……
[「サンドソルジャー」] ふむ。
[イシン] 彼女はそこにいた。
[イシン] 何千何百年も前にケシクの遠征が旧時代を粉砕した時、彼女はもうそこにいた……
[「サンドソルジャー」] 夢では何の証拠にもなりはしません。時間を越えて運命を覗き見ることができるアーツなどない……あなたが自分で言ったことです。
[イシン] ……そうです。これはただのイシンの夢……意味を成さない幻……ケルシー殿がケシクと関係していることなどあり得ません……でもこれは何かを示しているのでしょうか?
[イシン] ……最後に、イシンはやはりパーディシャーの夢を見ました。
[「サンドソルジャー」] ふむ、あなたの主人は今回もまた何かを告げたのですか、忠臣よ。
[イシン] 彼は……
[イシン] 彼は夢で……イシンに……サルゴンの行く末を告げました……
[イシン] ……
[イシン] あなた様は首長のキャラバンを待ち伏せするつもりですね。
[「サンドソルジャー」] ええ。
[「サンドソルジャー」] もしや、かつてのサルゴン貴族の寵臣は、首長に対する私の不敬を阻止するおつもりですか?
[イシン] ――不敬?
[「サンドソルジャー」] ええ。
[イシン] 彼らは腐り果てた無能な者たちです。無意味に肉親を傷つけ、罪もないサルゴン人を争いに巻き込むことしか知らない……
[イシン] 彼らは沁礁の地を踏んでいるにもかかわらず、最も卑劣な行為に手を染めております。イシンがそんな者たちに対して……敬意を払うと?
[イシン] イシンは彼らに代価を払わせたいのです。イシンはサルゴンに昔日の栄光を取り戻したいのです。そしてそれは、あんな無能な穀潰しの手によっては成されるはずがないのでございます!
[イシン] イシンは……そうだ……イシンはあの黄金の都市を探しに行くべきなのです!
[「サンドソルジャー」] 落ち着いてください――あなたがこんなに興奮するなんて珍しい。
[イシン] ……時が来たのです。
[イシン] 行きなさい。覚悟を決めし青年よ、かつて点した炎をいまだ身の内で燃やす者よ、火をつけるのです。復讐を終わらせなさい。
[イシン] 砂嵐が落ち着くまで……そしてあの永遠の都市が砂嵐の中から姿を現わすまで……イシンはそれまでに、あの場所を見つけます……
[シェーシャ] ……ここだ。
[パッセンジャー] わかりました。
[シェーシャ] まずノックした方がいいぜ。
[シェーシャ] 妙なことは考えるんじゃねぇぞ、エリートオペレーターの先輩たちは容赦ねぇからな。
[シェーシャ] んじゃ、行こうぜ。
[パッセンジャー] ……
[ケルシー] ……
[パッセンジャー] ……
[ケルシー] どうやら、あの金貨は確かに君の手に渡ったようだ。
[ケルシー] イシンは元気か?
[パッセンジャー] ……彼は砂漠の中に消えました。三年前、月が明るく星がまばらなある夜に。
[パッセンジャー] 時間――時は彼のようなサヴラですら磨り減らしてしまいます。この私ですら危うく、彼もまた多くの神話や陰謀の中に描かれている奇怪な古の者だと信じ込んでしまうところでした。
[パッセンジャー] そして同じく降り積もり続ける時は、私をこのような姿に変えてしまいましたよ。私がかつて嫌悪していたものと同じ顔にね。
[パッセンジャー] あなたはどうです、ケルシーさん?
[パッセンジャー] あなたは……全く変わってないようですね。
[ケルシー] 君はまだ、あの「サンドソルジャー」なのか?
[パッセンジャー] ロドスに入職する際にお話ししたはずですが? それらはすべて過去のこと、私には新たな名があります。
[ケルシー] ……自分を騙すことはできても、私は騙せないぞ。
[パッセンジャー] そうかもしれませんね。あなたはいつも自分が正しいと思っているのです。そして不幸なことに、あなたが言うことは、ほとんどの場合正しい。
[ケルシー] 君は今でもいい記憶力をしているな、エリオット。
[パッセンジャー] ……その名で呼ばないでいただきたい。秘密めいたコードネームはこういう時のために存在しているのではありませんか?
[フォリニック] 先生――あっ、すみません。お客さんでしたか?
[ケルシー] 構わない。
[パッセンジャー] 私にお構いなく。
[フォリニック] ……はい。
[フォリニック] ヴィクトリア事務所のトランスポーターが荷物を届けに来ました。宛先はロドスではなく、先生になっています。念のため後方支援部でスキャンしたところ、中身は情報記憶デバイスのようです。
[フォリニック] 差出人は……ハイディ・トムソンという方です。お知り合いですか?
[ケルシー] ああ、必要な情報伝達にすぎない。そこに置いておいてくれ。
[フォリニック] わかりました……では私はこれで失礼します。
[パッセンジャー] 新たな謀ですか?
[ケルシー] 言葉には気を付けろ。たとえまだ正式なオペレーターでなくても、君はもう契約書にサインしたのだ。
[パッセンジャー] おやおや、「顧問」が言いそうな言葉ですね。
[パッセンジャー] ケルシーさん、あなたはイシンに行く先を指し示しました。彼は、あなたに深く感謝していましたよ。彼が新たな旅路へと踏み出すまで、ずっと……
[パッセンジャー] あなたたちが共有し合った、あの栄光がなんたるかは理解できませんが、私もサルゴンでの出来事にはもうケリがつきました。今は、この大地の何とも繋がりを持たない存在です。
[パッセンジャー] きっと、あなたは私にも新たな道を指し示してくれる――そうではありませんか?
[ケルシー] ……その前に、君はある人物に会う必要がある。
[パッセンジャー] てっきり私を慎重にそばに縛りつけるものだと思っていましたが……その人物が新しいパートナーですか?
[ケルシー] 違う。
[ケルシー] 君の指揮官だ。
[パッセンジャー] ロドスの指揮官ですか? ……フフッ、あなたにも信用できる人間がいたのですね。ではどんな人物か期待するとしましょう。
[パッセンジャー] ……ケルシーさん。
[パッセンジャー] あなたは長く放浪してきましたが……今回ここにはいつまでとどまるおつもりですか?
[ケルシー] 君に関与する権利はない。
[パッセンジャー] ええ、もちろん。答えたくないのであれば聞きません。今のあなたは私の上司なのですから。
[パッセンジャー] しかしもし、ここがあなたの仮初の住み処で、あなたの身分も一時的なものであるとしたら、ここで力を尽くすことは私にとってあまり意味のないことになります――
[パッセンジャー] あなたにまた利用されているのかもしれませんから。
[ケルシー] ……君には疑う権利はある。
[パッセンジャー] 私は懸念しているのですよ。私を、ここまで招き寄せた「ケルシーさん」は、何日後か、何ヶ月後か、あるいは何年後かに、再びここから姿を消してしまうのではないか――
[パッセンジャー] ――ある日突然、彼女は再び旅に出て、他人にはおよそ推し量れない目的のために大地を奔走するのではないか、とね。
[パッセンジャー] どうなんです?
[ケルシー] もしその回答が、君のロドスに対する忠誠心を左右するのなら、私は君との契約について見直すべきかもしれない。
[パッセンジャー] 私はただその答えを求めているだけですよ。答えることは難しくないはずだと思います。あなたが答えを偽れるということでさえ、私は承知の上で訊いているのですから。
[ケルシー] 単に答えが欲しいだけなら、いくらでも用意はある。
[パッセンジャー] それならば、適当に一つ選んでください。
[ケルシー] ……
[ケルシー] 私は――
[ケルシー] Dr.{@nickname}、ここにいたのか。
[ドクター選択肢1] おはよう、ケルシー。
[ドクター選択肢2] ……
[ドクター選択肢3] 何か用か?
[ケルシー] クロージャがすでに補給を完了したが、現地で君の対応が必要な突発的事態が起きたようだ。アーミヤはもう向かっている。
[ケルシー] あの子をあまり待たせないでやってくれ。最近の彼女はよくやっている。アーミヤが君を必要としている時には、そばにいてやるべきだ。
[ケルシー] ……もちろん、君自身にも注意を払うべきだがな。
[ケルシー] あまり無理はするな、ロドスには君が必要だ。
[ドクター選択肢1] えっ? あ、ありがとう。
[ドクター選択肢2] ……
[ドクター選択肢3] わかっている。
[ケルシー] これから私は臨時の診察がある。その件は君とアーミヤに任せるしかない。
[ケルシー] もし順調にいけば、日没前にロドス全艦に通達しよう――
[ケルシー] ――出航だと。
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