aklib_story_吾れ先導者たらん_GA-7_光と影_戦闘後

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吾れ先導者たらん_GA-7_光と影_戦闘後

サンクタが教皇に尋ねた。「ラテラーノ教はなぜ救わないのか?」と。彼が得られた回答は沈黙であり、具体的な答えよりも幾分かマシな答えだった。


[パティア] うぐっ……

[フィアメッタ] ……

[フィアメッタ] もう十分よ、パティア。

[パティア] まだ……よ……

[モスティマ] パティア、だったよね?

[モスティマ] ほとんどの銃騎士が使節滞在エリアに送り込まれたみたいだよ。君の任務も完了ってとこかな。

[パティア] ……

[モスティマ] それにしてもわからないなぁ……アンドアインだって大聖堂で一番強いのが誰か知らないわけじゃないでしょ? こんなことして何の意味があるの?

[フィアメッタ] ……より確実に教皇聖下に会うためでしょ。

[モスティマ] あれ? レミュアンの言ってたことに納得したの?

[フィアメッタ] それとこれとは別よ。

[フィアメッタ] あいつがケリをつけたいなら、勝手にすればいい。

[フィアメッタ] でもだからといって、私のやることが変わるわけじゃないわ。

[モスティマ] わかった。じゃあ早速行く?

[フィアメッタ] ……まずはパティアを安全なとこに運ぶわ。

[モスティマ] ふーん?

[教皇] 我々はどう啓示に向き合うべきか? あの神秘的で計り知れぬ、言葉にできぬ瞬間を……あの実に曖昧で、解釈が急がれる衝動を……あの得体の知れない、難解で伝えようのない直感を……

[教皇] 啓示は我々をどこに導く? 啓示は我々にどう選択させる? はたまた、これは生きることで幾重にも積み重なった疲労がもたらす幻覚に過ぎないのだろうか?

[教皇] しかし啓示が啓示と呼ばれるゆえんは、我々が信じたいから、あるいは信じるように言いつけられたからなのだ。

[教皇] たとえ、我々がその中に一切超常的なものが含まれないことを知っていても……それを感情を持たざる原理、あるいは客観的な自然現象として紐解いてしまっても……

[教皇] なんとも嘆かわしいことに、世の人々は依然として「啓示」を聖霊の光で覆ってしまうのだ。

[???] だからこそ、人々が現実の残酷さに直面した時、臆病者は啓示の曖昧さを責め、信者は理解の方向を誤っただけだと悔やむことができる。いずれにせよ、少なくとも己に落ち度はないと断定できる。

[教皇] アンドアインか。

[アンドアイン] 驚きはしないようだね。

[教皇] うむ、これが何かの導きだとは思わないのでな。私が人生で学んだ最大の教訓は、真意が何であれ、人と人とはいずれ出会うもの、ということだ。

[アンドアイン] しかし、それぞれの目的は異なる。

[アンドアイン] ……至高なる法の守護者、監督者、実践者――

[アンドアイン] 犠牲と結束の美徳を持つイヴァンジェリスタの名を受け継いだ十一代聖徒、ラテラーノの聖跡の頂点に立つ教皇聖下よ――

[イヴァンジェリスタⅪ世] 信じてもいない礼辞など唱えずともよい。

[イヴァンジェリスタⅪ世] あの少女は君たちのところに留まりはしなかったのだな。

[アンドアイン] ……あの子はまだまだ幼い。経験しなければならないことが山ほどあるからね。

[イヴァンジェリスタⅪ世] それに比べれば我らは老いたものだ。陰謀や策略、扇情、迫害に慣れるには十分なほどに。

[アンドアイン] あなたはどうするつもりなんだい。あの子にその手の歳月の贈り物を用いる気かな?

[イヴァンジェリスタⅪ世] いたいけな少女の道を遮るほどボケてはおらんよ。

[アンドアイン] あの子が何らかの「奇跡」を引き起こしたとしても?

[イヴァンジェリスタⅪ世] いや、奇跡はラテラーノだけのものだ。この一件は、あの少女に恩恵が降臨しただけのことよ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] ……歴史は好きかね? 私はとても好きでね。歴史が歴史であるためには、まず一つの原点が必要となる。そこに変化が溶け込み、それから次々とさざ波が起こる――そのさざ波こそが歴史なのだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 最初に水に投げ込まれたものが何かなど、歴史は気にしていないのかもしれぬな。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 私も同じさ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] セシリアという一人の少女が行きたい場所へ行き、やりたいことをしていれば、いつかセシリアという名が異彩を放つ日が来るかもしれないし――あるいは誰にも知られず生涯を終えるかもしれない。

[イヴァンジェリスタⅪ世] だがそれらは、私たちには関係のないことだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] これは我々の共通認識であろう?

[アンドアイン] ……孫娘を送り出す優しいおじいさんを演じているつもりかな。

[アンドアイン] そう取り繕わなくていい、あなたたちは取引によって互いに必要なものを得ただけのことだ。あなたは奇跡を解釈する権利を得て、その代償として、セシリアはこの地を去る自由を得た――

[アンドアイン] いや、これは取引ですらない。あの子にはそもそも選択の余地がないのだからね。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 違うな。私はあの子に何かを強制したことも、手を出そうと考えたこともない。数千年揺るぐことのなかったラテラーノが、今さら混血の少女一人によって揺るぎはしないのだから。

[アンドアイン] あなたの前任や後任者たちも同じ考えであることを願おう。消し去られた名たちが、無駄にならないことを祈るばかりだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] あまり贅沢を言うな、アンドアイン。罪はいつまでも罪だが、時間がそれを薄めていくのもまた事実……

[アンドアイン] そう、それが罪であったことすら忘れ去られてしまうほどにね。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 先人たちの慎重さを責めることなどできんよ。しかし、私はそれを覆い隠すために、罪を正当化する規則を打ち立てるつもりもない。

[アンドアイン] その前提にはあなたの言う「共通認識」がなければならない、そうだろう?

[イヴァンジェリスタⅪ世] ふむ。つまり、年を取るのは実につまらないということだ。蓄えられた経験によってあれこれ恐れ、優柔不断になるばかりなのだからね。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 年老いた者には、もはや可能性などないのだ、アンドアイン。我々はすでに定められた道に沿って進むことしかできない。

[アンドアイン] 定められた道……

[イヴァンジェリスタⅪ世] 君も同じであろう。君の歩みは私もよく知っている。

[アンドアイン] 歩みか……

[アンドアイン] そうだ、私は歩んだ……純粋なる祈りに耳を傾け、悪辣な呪いまでも耳にした。

[アンドアイン] 豪華な宮殿に足を踏み入れたことも、血だまりの中から靴を引き抜いたこともある。

[アンドアイン] 恥知らずな罪人が泣きながら許しを請うのも目にしたし、罪なき子供のために粗末な棺桶に蓋をすることもあった。

[アンドアイン] 同じことの繰り返しだった。彼らの叫びは静寂に帰り、彼らの涙は幾度となく干からびる。そして私は、いつもそんな彼らのそばに寄り添い、何度も何度も慰めようとする。

[アンドアイン] 「私たちが従い、信じ続けていれば、救いは必ず訪れる」――私はそう彼らに説いた。

[アンドアイン] しかし、何も起きなかった。信じ続けたものは、私たちを一瞥することすらなかったんだ。

[アンドアイン] 嵐をものともしない聖都ラテラーノが、柔らかい椅子に悠然と座る聖賢が、無知や尊大を美徳とするサンクタが、この世に苦難と呼ばれる境遇があることを知っているのか?

[アンドアイン] あらゆる絶望的な告解が、あらゆる枯れ果てた慰めが、あらゆる深く重い沈黙が――

[アンドアイン] それらがどのように私の心を押しつぶしてきたか、あなたにわかるのか?

[アンドアイン] 私は答えを探しに来たんだ。

[アンドアイン] 私たちは決して救いを得ることはない。そうなんだろう?

[イヴァンジェリスタⅪ世] 「救いを得る」、か。信徒たちからよくその言葉を聞くよ。あたかもそれが約束されているかのように……まるで溺れる者がすがる小舟のようだね。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 見るがいい、我々の偉大なるラテラーノを。美しい建造物がそこかしこに建ち並び、荘厳で優雅でありながら、息を吸えば鼻腔にバニラと砂糖の香りが広がるこの国を。

[イヴァンジェリスタⅪ世] このすべてが法に従うことによる「見返り」であり、「救いを得た証明」なのだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] しかし、楽園を楽園たらしめているのは、外の荒野があまりにも冷え切っているからに過ぎないのだよ。

[アンドアイン] 違う。ラテラーノは本来荒野の道を示す星に……寒い夜を照らすかがり火になれたはずだ!

[アンドアイン] ……できないとは言わせない。ラテラーノは経典に記された過去の遺産じゃない。ラテラーノは今ここに……この現世にそびえ立っているだろう! ラテラーノはより多くの人を救えるんだ!

[イヴァンジェリスタⅪ世] それは許されない。

[アンドアイン] なぜだ?

[イヴァンジェリスタⅪ世] 私たちが「私たち」であるがゆえに、私たちがラテラーノのサンクタであるがゆえにだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] しかし、「彼ら」は「私たち」ではない。「彼ら」はごまかし、幻滅し、託し、失望し、もがき、憎むのだから。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 彼らは自ら自分の敵を作り上げる。破滅の炎を心に秘めたまま、欲望と羞恥が混ざり合って人食いの怪物となるのだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] なぜこの大地では無数の都市や王国が戦火に陥り、またたく間に消え去るのか。なぜ奇跡のラテラーノはそうならずに、永遠に存在することができるのか――

[イヴァンジェリスタⅪ世] アンドアイン、彼らは地獄そのものなのだよ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] そして君は、「私たち」から去ることを、私たちを作り上げる一切の美徳から遠ざかることを選んだ。その上、コップの水で地獄の火を消し、残燭で荒涼とした夜を照らせると頑なに信じている。

[イヴァンジェリスタⅪ世] ならばなぜ、今さら私の答えが必要なのだ? 君はとうに絶望を選んだのだろう?

[アンドアイン] ……私はかつて三度ラテラーノを訪れた。そしてそれ以外のほとんどの時間は、この大地を放浪することに費やした。

[アンドアイン] 私はこれまでに多くの人を見てきた。人の心に蔓延る影があることなど、ラテラーノ教皇にわざわざ教えてもらうまでもない。だが、人の心には光もあった。目も向けられないほどにまばゆい光が。

[アンドアイン] 私はそれを忘れられない。

[アンドアイン] 私はその光によって燃え上がった。その瞬間、いずれかき消される運命が決まってしまったのかもしれない。私はもう、未来永劫輝き続けるラテラーノに戻れはしないだろうね。

[アンドアイン] しかしラテラーノの光は遙か遠く冷ややかで、その輝きは選ばれた者にしか届かない。ラテラーノの強大さも、栄光を築くためにしかその力を発揮しない。

[アンドアイン] ならば私は、凍え死のうとしている者の足元を照らすかがり火になろう。

[アンドアイン] ……たとえすぐに消されてしまうとしてもね。

[イヴァンジェリスタⅪ世] そう、かがり火はすぐにかき消される定めだ。君が遙かなる威光を炎に変えたところで、その炎もいつかはかき消される。なれば、遠くに煌めいていたはずの光すら失われてしまうのだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 君が双月を破壊したなら、寒い夜の下に暮らす人々は何を仰ぎ見ればよいのだ。目を閉じて、幻想や欺瞞と化した光に思いを馳せることしかできない永遠の夜の方が良心的なのか?

[イヴァンジェリスタⅪ世] ……君は楽園の狭さを憎んでいるのだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 狭き楽園と言えど、この大地でそれが存続することがいかほどに困難であるかわかるか?

[イヴァンジェリスタⅪ世] そして、その狭き楽園の中には真の人々の営みがあるのだ。なぜ楽園を薪にしてまで、かき消される運命にあるかがり火を灯さねばならない?

[イヴァンジェリスタⅪ世] この大地は善美を許容しがたい。その善美が未来永劫存在し続けることを証明するため、無数の、何代にもわたるラテラーノ人がどれほどの犠牲を払ってきたと思う?

[イヴァンジェリスタⅪ世] アンドアイン、君は一体何様のつもりで軽々しく物を言い、わずかな言葉を並べ立てて……そのすべてを否定しようというのかね?

[アンドアイン] ……デタラメを。

[アンドアイン] 楽園には……ラテラーノには真の人々の営みがあるだと? ならばラテラーノの外の人々の生活は……偽りだと言うのか!?

[アンドアイン] 彼らは苦境の中でも希望を抱き、教義と規則を心から信じ続けているんだ。それによって生活が変わると――差し出すことで得られる見返りがあると期待しているというのに……

[アンドアイン] ロックソルト雑貨店を営むバロン夫人、タイダル教会のランディー助祭、鐘の紐を編むことを生業とするサグレ少年……

[アンドアイン] 教えてくれ、彼らの信仰と期待の何が偽りなんだ?

[アンドアイン] イヴァンジェリスタⅪ世――歴史を背負い、楽園を守り続けるあなたに、偉大で栄光あるあなたに問いたい。

[アンドアイン] ……ロカマレアはどうして滅ばざるを得なかった?

答え。

問い。

これが私の欲していた答えだったのか。

これが私の投げかけたい問いだったのか。

......

何かが緩んだ。

かつて長い間……私を縛りつけていた何かが。

何かが叫び……もがいている。

しかし私はただ楽な心地だった。

まるで少し塩気のある太陽を浴びているように。

銃声がほぼ同時に響いた。

サンクタの血肉には法が深く刻み込まれている。

一線を越えれば、代償を支払わないといけない。

そんなことは百も承知だ。

足元には底知れぬ深淵が広がっている。

私はすでに足を踏み出したのだ。

巨大な力が私を壁に叩きつけ、レリーフの凹凸が骨に食い込む。聖像が背後で崩れ落ちた。

紛れもなく、それは守護銃の威力だった。

イヴァンジェリスタⅪ世――彼の年老いた身体は、見た目よりも強大だ。

しかし……

私は必死になって煙の中で目をこらし、その姿を探した。

老人は未だ大聖堂の中心に立っていた。ただその顔から微笑みは消えていた。

私がここに足を踏み入れた時よりも、老人は幾分か老けたように見える。

しかし光輪……彼の頭上の光輪は、依然として輝いている――

「血肉に刻まれた法による、悲痛な代償」

……代……償……?

そして、私は本当の問題に気付いた。

私の頭上の光輪も、みじんもくすんでいない。

[イヴァンジェリスタⅪ世] ……なるほど。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 君も私も無事とは、まことに奇妙であるな。しかしまずは無事を祝うとしよう。

[アンドアイン] ……代償を支払う準備はできていた。

[イヴァンジェリスタⅪ世] アンドアイン、君は実に敬虔な信徒だ。君がラテラーノ出身でないからこそだろうか。

[イヴァンジェリスタⅪ世] ラテラーノにおいて、私たちは「信仰」などしていない、そうであろう? 私たちは生まれながらにして信仰の一部なのだから。

[イヴァンジェリスタⅪ世] サンクタは、光輪が頭上で光を放ったその瞬間から、「アレ」に取り込まれているのだ。

[アンドアイン] アレ……? 私たち……サンクタが固く信じている法とは……一体……?

[アンドアイン] 堕天とは……一体……

[イヴァンジェリスタⅪ世] ラテラーノの長い歴史の中で、すべての教皇は法を解釈する権利を有している。そこから規則、戒律、ないしはその上に築かれる一切が生まれる。

[イヴァンジェリスタⅪ世] ラテラーノは法の上に成り立っておるのだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 「規則、戒律、そして法に背いた者は堕天を迎える」――これを知らぬサンクタはいない。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 堕天したサンクタは、サンクタとの繋がりを失い、守護銃にも拒絶される。

[イヴァンジェリスタⅪ世] すなわち、堕天したサンクタはサンクタではなくなるのだ。

[アンドアイン] ……「サンクタである」とは何だ?

[イヴァンジェリスタⅪ世] サンクタはサンクタに銃を向けることはできない。これは戒律であるとともに、本能でもある。崖の上に立つ者が、足を踏み出すことをためらうようなものだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] もちろん、飛び降りることができる者もいる。それについては君の方が詳しいだろうね。

[アンドアイン] ……

[アンドアイン] ……私と彼女とでは何が違った?

[イヴァンジェリスタⅪ世] 私は戒律は本能だと言った。そして、戒律は解釈だとも言った。君の洞察力でもってすれば、そこに横たわる矛盾に気付けないはずはないだろう。

[アンドアイン] ……法が不変であるならば、歴史の流れに合わせてそこに加えられた「解釈」は、到底「本能」にはなり得ない。

[イヴァンジェリスタⅪ世] そうだ。しかし前提条件の誤りを指摘しておこう。法は当然不変であるが……ただ、「解釈」もそこまで「流動的」ではないのだよ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 解釈は偶然の賜物ではないのだ、アンドアイン。わかるかね?

[アンドアイン] ……「年老いた者には、もはや可能性はない」、あなたは先ほどそう言ったね。

[イヴァンジェリスタⅪ世] そうだ。そして、法は我々よりもずっと年老いている。

[イヴァンジェリスタⅪ世] だが、教皇は法を解釈せず、法が法自身を解釈するのだ。法はなぜそんなことができると思う?

[イヴァンジェリスタⅪ世] 周りを見渡せば――すまない、私が一部を破壊してしまったが――建築物、聖像、ステンドグラス、輝かしいドームや壁画が目に飛び込んでくるだろう……

[イヴァンジェリスタⅪ世] これらは我々に錯覚を与えているのではないか?

[イヴァンジェリスタⅪ世] 「啓示」を覚えているか?

[アンドアイン] ……たとえ、私たちがその中に一切超常的なものは含まれないことを知っていても……それを感情を持たざる原理、あるいは客観的な自然現象として紐解いてしまっても……

[イヴァンジェリスタⅪ世] なんとも嘆かわしいことに、世の人々は依然としてそれを聖霊の光で覆ってしまう。

[イヴァンジェリスタⅪ世] ……

[イヴァンジェリスタⅪ世] 真の法はかねてより一つのみ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] ――我々を存在させ続けること。

[アンドアイン] ……「我々」とは?

[イヴァンジェリスタⅪ世] 付いてきなさい。

私は老人に連れられて奥深くへと向かった。

大聖堂の下に聖賢たちの骨が埋められていることなど、誰もが知っている。

彼らはラテラーノの長きにわたる歴史の中でも、特に博学な傑出した者たちだった。なめらかな大理石で作られた彼らの石像の両目に光はなく、そこに道行く者たちの姿は映らない。

下へ。

歴代教皇の偉業が記された石碑が順に並べられている。

傲慢だった者、謙虚だった者、高尚だった者、あるいは狂った者もいただろう。しかしラテラーノに泥を塗った者は誰一人としていない。そして今、彼らはひと言も言葉を発さない。

下へ。

最古の聖徒がここで永遠の眠りについている。

彼らはサンクタを混沌から引き上げた者たちだ。その身にはこの世のすべての美徳を宿しており、後世の者たちはそれに倣う。彼らの奇跡が刻まれたプレートに、もう光はない。

下へ。

もう自分がどこにいるかもわからない。

目に映るすべてが、いかなる本の中でも目にしたことのないものばかりで、私には理解が及ばなかった。

これがラテラーノのものであるはずがない。

低くうなる音が空間を満たしている。

心がざわつく……

これは私が望む答えではない。これは人が創り出したものでも、何かのこじつけでもない……

解釈や弁論、あるいは改革によって揺り動かされるものでもない……

信じるか否か、何故信じるか、どう信じるかの論争にもなり得ない……

なぜなら、元より反論できる存在ではないからだ。

「アレ」はこのような形で――

存在しているのだ。

ラテラーノとは何か?

サンクタとは何か?

そうだったのか。

私たちが私たちであるのは、ただ単に――

アレが私たちを繋いでいるからだ。

アレが私たちを作り上げているからだ。

アレが一切の基準だからだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 我々が歩む道は、すべて法が導いたものなのだよ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] 君と私の歩む道は違えど、行き着く先はみな同じ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] アレが我々が歩み続けることを許したのだ。

[イヴァンジェリスタⅪ世] アレが正しいと判断した道を。

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