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孤島激震_MB-1_密会_戦闘後
監獄に潜入したカフカは、救出作戦の対象であるアンソニーをうまく見つけ出した。しかし相手との接点を確立するために、何か有効な手段が必要だった。
[Bエリア囚人A] くらえ!
[Aエリア囚人] ぐふっ、くそがっ……!
[カフカ] うわあ! ちょっと、何これ? なんで急に大乱闘が始まっちゃってんの?
[Bエリア囚人A] カフカ、隠れとけって言ったろ? なんでここまで出てきてんだ!
[カフカ] カフカなら大丈夫だよ、それよりもどういうことか説明してよ。
[Bエリア囚人A] 見りゃわかんだろ? 目障りな非感染者のヤローどもを、今日こそ完膚なきまでにぶちのめしてやんだよ! まあ向こうも同じことを思ってんだろうけどな。よくあることだろ。
[カフカ] 確かによくあることかもしれないけど、こんなに堂々と殴り合うって……看守は何してんの!?
[Bエリア囚人A] 看守たち? ハッ! 周りをよーく見てみな。
[看守A] ハハッ、コイツら、飽きもせずまた喧嘩してやがる。こりゃ見ものだわ。
[看守A] 今日が当番でラッキーだったな。
[看守B] ハハッ、そうだな。
[看守B] こんなクソみたいな職場で唯一の娯楽といや、このバトルロイヤルくらいだからな。
[看守B] 頑張れー、Aエリア! 今日はお前らに賭けてやるぞー!
[Bエリア囚人A] ほらな、あいつらが一番楽しんでるだろ。
[Bエリア囚人A] 勝った方はしばらくの間、飯のグレードが良くなるんだ。
[カフカ] 楽しんでるのは看守たちだけだよ、殴り合わなきゃダメなの?
[Bエリア囚人A] 殴り合わないだと? カフカ、お前俺が監獄に入った理由を知ってるか?
[Bエリア囚人A] それは俺を見下した奴らをぶちのめしたからだ!
[Bエリア囚人A] カフカ、この監獄は多分この大地で唯一、感染してねえクズどもを後先考えずにボコれる場所なんだぜ。
[Bエリア囚人A] もし殴り殺しちまったところで、しばらく懲罰房に閉じ込められるだけだ。
[Bエリア囚人A] それにもし自分が死んじまってもそれはそれだ。監獄に入るような連中の誰がそんなことにビビるってんだよ!?
[Bエリア囚人A] てなわけで、俺はぶん殴りに行ってくるからよ。お前は隠れてろ!
[カフカ] チェッ、カフカも甘く見られたもんだよ……
[カフカ] それにしても、感染者と非感染者の対立って、こんなところにまで波及してたんだね。
[カフカ] しかも、ただ対立してるだけじゃなくて、監獄の環境の影響で、超歪んだ形になっちゃってるし。
[カフカ] 監獄の外でも色んなものを見てきたけど、こんな光景は初めてよ……もしサイレンスが見たらきっと目を回すだろうなあ……
[カフカ] でも、カフカは違うもんね、へへ。
[カフカ] 混乱はカフカの大好物だよ。
[カフカ] 君たちは殴り合ってればいいよ。カフカは、何か面白いものがないか探すからさ。今後のための布石が打てるかもしれないしね……
[カフカ] えぇ……こんなところに食べ残しを持ち出すなんて。
[カフカ] なんで靴下が? しかも片っぽだけ……
[カフカ] ふーん、さすが州立の監獄、やることはちゃんとやってるじゃん。使えそうなものはパッと見、特に何もないな……
[カフカ] でも――
[Bエリア囚人] 死ねや、クズが!
[Aエリア囚人] 死ぬのはてめえだ!
[カフカ] おおっ! めっちゃエキサイトしてんじゃん! しかも……みんなずるーい、密かに色々、変な武器まで作っちゃって。
[カフカ] その調子でやり合っててね、もっと夢中になるといいよ。カフカはその隙に――
[???] うわっ!
[Bエリア囚人] 捕まえたぜ。こんなとこに隠れてやがったか。へへへ……
[カフカ] ああ、あの女の子危ない!
[カフカ] 助けてあげた方がいいよねぇ……
[???] ......
[Bエリア囚人] へへ……
[カフカ] あれ、あの子、意外とやるのかも。これは面白い……
[???] 何をしている!?
[看守A] バートン隊長、囚人たちがケンカを始めました!
[バートン] ならお前たちは何故黙って見ているのだ。さっさと止めないか!
[看守B] あっ、隊長、もう終わりにしますか?
[バートン] 終わりも何もない! 囚人を管理するのが我々看守の役割だろう! さっさとしたまえ!
[看守A] わ、わかりました!
[看守A] おい、お前ら! 隊長命令だ、もうやめろ!
[Bエリア囚人たち] *クルビアスラング*
[Aエリア囚人たち] *クルビア方言*
[バートン] ああ、全く何度言わせれば気が済むのか。ここは監獄である。お前たちの戦場ではない。
[バートン] お前たちはここできちんと働いて、真面目に過ごすべきだ。そうすればこそ、外にいる家族や友人に早く会えるのではないか。
[バートン] 俺がこんなこと言うのはお前たちのためなのだからな。
[Bエリア囚人A] チッ、また始まったぜ。
[カフカ] うっわー、傷だらけじゃん、大丈夫?
[Bエリア囚人A] こんなモンかすり傷だ! そんなことより、Aエリアのクズどもを何人もぶっ飛ばしてやったぜ! へへっ、ざまあみろ!
[カフカ] いつもこんな感じで終わるの?
[Bエリア囚人A] あ? バートンのことか?
[Bエリア囚人A] まあそうだな……バートンはいっつも気取った態度で現れて止めに入るんだ。そしてクソみてぇなキレイごとを言いやがる。あいつが看守長だ。
[Bエリア囚人A] 特に今は、監獄が都市に立ち寄ってて獄長が留守にしてるからな。まるで、自分がこの監獄の主みてぇに振る舞ってやがんだよ。
[Bエリア囚人A] いけすかねえ野郎だ。
[Bエリア囚人A] でもな、毎度毎度こんな感じで終わるってわけでもねえ。
[Bエリア囚人A] ヒートアップして収まらないことは、過去に何度もあった……いやむしろ収まらないのが普通だな。今日みたいにやめろって言われて収まる方が珍しいんだ。
[Bエリア囚人A] まあ収まらない時は、バートンが応援を呼ぶんだがな。
[カフカ] 応援?
[Bエリア囚人A] ほら、来た。
[???] ......
[カフカ] アンソニー!?
[Bエリア囚人A] どうやらマジであいつを知ってるみてえだな。
[カフカ] カフカが見たのは正装した姿だったけどね……
[バートン] お前たち、ミスター・アンソニーを見習え。
[バートン] 彼は囚人の身ではある。そうだ。彼は、罪を犯した囚人でありながらも! それを深く悔い、理性を尊んで暴力に走らない。普段は読書や音楽なども嗜む。なんと品のあることか!
[Bエリア囚人A] おえぇ。
[カフカ] アンソニーが嫌いなの?
[Bエリア囚人A] いやいや、勘違いするな、カフカ。
[Bエリア囚人A] この監獄で、アンソニーを認めない奴はいねえ。
[Bエリア囚人A] 普段のあいつはバートンが言ったように他人に暴力は振るわない。だが俺たちはみんな知ってる。あいつこそ、この監獄で一番強い奴だってな。
[Bエリア囚人A] なんでもあいつは、監獄に入ったばかりの頃、Cエリアの奴ら全員をぶちのめして服従させちまったらしい。
[Bエリア囚人A] あいつはCエリアのもんだ。普段は俺たちと関わることはねえが、本当にいい奴なんだ。AエリアだろうがBエリアだろうが、みんなあいつのことを認めてる。
[Bエリア囚人A] ああ、俺が吐き気を催したのは、バートンのクソ野郎のせいだ。
[Bエリア囚人A] お前も聞いただろ、あれは本当にアンソニーを褒めてたかよ? 恥をかかせてただけだ。
[Bエリア囚人A] アンソニーは、唯一あいつが頭の上がらない囚人だ。だがそれでもあいつは、アンソニーに頼らないと俺たちを抑えられない。だからあんなふうに嫌味を言うことくらいしかできねぇんだよ。
[バートン] 我らが州立マンスフィールド監獄は、首都特別認可の試験監獄だ。将来的にはここのシステムが、手本として他の州にも広められる。
[Bエリア囚人B] ケッ、囚人ばっかなのに何が手本だ……肥溜めで金でも探してんのかよ。
[バートン] とにかく! お前たちには自分のため、そして俺のために、是非とも色々と考えられるようになってもらいたい!
[バートン] 行くぞ、アンソニー。今日は特別に読書の時間を一時間やろう。
[アンソニー] はい。
[カフカ] 普段はアンソニーに会えないの?
[Bエリア囚人A] まあ、そうだな。
[Bエリア囚人A] あいつら重罪人たちのスケジュールは、俺たちとは全然違うんだ。それにほとんどの時間はCエリアにある塔の中にいるからな。
[Bエリア囚人A] なんだ、あいつに会いたいのか?
[カフカ] まあね。
[カフカ] アンソニーに相談したいことがあるんだよね~。もちろん、看守に知られたらマズいやつだけど。
[Bエリア囚人A] 安心しろ、わかってる。あいつと内密に話したいなら、チャンスがないわけじゃねえ――
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