aklib_story_ドッソレスホリデー_DH-5_急がば回れ_戦闘後

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ドッソレスホリデー_DH-5_急がば回れ_戦闘後

チェンとユーシャの二人が武器屋に足を踏み入れる。すると店内で爆発が起き――観客とMCは驚きに包まれた。 廃墟と化した武器屋の中で、二人は冷静に話し合い……一緒に危機を乗り越えた。


[D.D.D.] さてさて! 『龍威鼠心』の三人は現在、大会側が配備した伏兵たちに取り囲まれ中だよ! これは果たしてどうなるんだ~!?

[D.D.D.] 混戦のさなか、エルネスト選手がしんがりを務め……彼から鍵を託された二人のヒロインは、前へと進み続けているぞ!

[D.D.D.] エルネスト選手の腕前はそりゃあかなりのものだけど……いかんせん敵が多すぎだ! このままじゃ押し負けるのも時間の問題だよ!

[D.D.D.] その上、ヒロインたちのほうを見てみると……うわあ~! 包囲網は突破したものの、前にはまだまだ伏兵が! 二人はここから逃げ切ることができるのかーっ!?

[D.D.D.] ……おおっと? ここで二人が通りにあった店のドアを開け、中へと入っていくぞ!

[D.D.D.] この店は一体……

[カンデラ] ああ、これはエルネストの店だな。

[D.D.D.] な~るほど! エルネスト選手が二人に鍵を渡したのは、自分の店に隠れてもらうためだったってことか!

[D.D.D.] だけど、それってそんなに意味がないんじゃ……

[D.D.D.] あっ、待って! わかったぞ! ディレクター、画面切り替えて!

[D.D.D.] ほら、やっぱり! 別の角度から見てみると、実はこの店、裏口つきだ!

[D.D.D.] しかも、出るとすぐにメインストリートに通じる裏道が! こんな道がまだ邪魔者たちに気付かれてないなんて……

[D.D.D.] これは『龍威鼠心』に訪れた大チャンスなのか、それとも――

D.D.D.がそう言いかけた瞬間、スクリーンに映るエルネストの武器屋から巨大な爆発音が鳴り響いた。

[D.D.D.] な、なななな、なんだなんだっ!? こ、これは一体どういうことだあーっ!?

[D.D.D.] か、カンデラさん!? もしかしてこの爆発も、仕込みだったりするのかな!?

[カンデラ] いいや。これが私の仕込みなら、あの店一つを吹き飛ばすだけにとどめることはないだろうな。

[D.D.D.] ってことは……ま、まさか、この手を使ってくると見越して、ライバルチームが仕掛けた罠!?

[D.D.D.] だとしたら、彼女たちは完全に嵌められちゃったみたいだぞ!

[D.D.D.] 『龍威鼠心』! ここで敗退してしまうのか~~っ!?

[エイヤフィヤトラ] な、なんてひどいことを……チェンさんとリンさんはご無事でしょうか?

[ホシグマ] ご安心ください、あの二人はこれまで数々の死線をくぐり抜けてますから。今更、この程度の爆発で死にはしませんよ。

[ホシグマ] それにしても……こうした試合で競争相手を陥れるのは珍しいことではないですが、随分狙いがあからさまですね。

[ホシグマ] チェンは誰かの恨みでも買ったのでしょうか。

[伏兵A] ……チッ。このチビ、さっきから全然攻撃が当たらねぇぞ! 一体どうなってやがる!?

[ミヅキ] ――あれ? ……今の爆発って……チェンさんたちが行った方向だよね。

[ミヅキ] 何があったんだろ? 僕も行ってみようっと。

[ユーシャ] ……ッ。チェン・フェイゼ……あなた、生きてるでしょうね……?

[チェン] けほっ、けほっ……はぁ……この程度では死なないさ。

[ユーシャ] ならいいわ。……で、あなたの自転車は?

[チェン] ない。

[チェン] お前の方はどうだ?

[ユーシャ] 無事よ。

[ユーシャ] 状況から見るに、相手は私たちを殺したいわけじゃないみたいね。

[ユーシャ] だけど……

[ユーシャ] 偶然にも、出口が塞がれた空間に閉じ込めたい、とは思ってる。

[チェン] 本当に、大した偶然だな。

[ユーシャ] どう思う?

[チェン] どうもこうもないだろう。何とかして外へ出るだけだ。

[ユーシャ] 私が聞いてるのは誰の仕業だと思うかってことよ。

[チェン] ……どうやら、私たちの直感は間違っていなかったようだな。

[ユーシャ] ええ。エルネストはこれ以上待てなかったと考えるのが妥当よね。

[ユーシャ] でも、何かおかしいと思わない? もし私が彼だったら、こんなことしないわ。

[ユーシャ] こんな自爆みたいな真似するのは、もう打つ手がない人くらいのものでしょ?

[チェン] あるいは、犯人は彼ではないのか。

[ユーシャ] ありえないわ。

[チェン] あるいは、もう打つ手がないのだろうと我々が認識するように仕向けているか。

[ユーシャ] ……

リン・ユーシャは片眉を上げたが、何も言わなかった。

[ユーシャ] そういえばあなた、結局この件について、カンデラさんにはもう伝えたの?

[チェン] 無論だ。

[ユーシャ] それで? 彼女はなんて言ってたの?

[チェン] ――何もしない……ですか。

[カンデラ] そう。それが私の答えだよ、チェン君。君は聡明な若者だから、少し考えればわかるはずだ。

[カンデラ] 今、人員を派遣して爆弾を探すような真似をすれば、それは裏で糸を引く人物に、私はこの陰謀に気付いていると教えてやるようなものだろう?

[チェン] ……そうですね。仰る通りです。

[カンデラ] なあに、心配するな。君とリン君は、もう十分よくやってくれているさ。

[カンデラ] 正直な話をすると、私は初め、君たちが本当に何かを見つけてくれるとは思っていなかったくらいだしな。ははっ!

[チェン] カンデラさんは、何の心配されていないようですね。

[カンデラ] ああ、もちろんだとも。

[カンデラ] 言っておくが、君もあまり気にする必要はないぞ。

[カンデラ] 何しろ、君とリン君は大会でも素晴らしい活躍を見せてくれているんだし……ふふっ。どうせなら、こんなことには構わずに、試合に励んで優勝すれば、ウェイ氏も喜ぶのではないか?

[チェン] 考えておきます。

[チェン] ……まあ、概ねお前の想像通りだろうな。

[ユーシャ] そうでしょうね。

[チェン] ――それで。どうやって脱出する?

[ユーシャ] 特別督察隊の隊長さんは、任務中に怒り狂って部屋を細かく切り刻んだことがあるらしいけど、ここでも披露してもらえるかしら?

[チェン] ……どんな部屋でも切り刻めるというわけではないからな。この部屋は明らかに相当硬い材質が用いられている。

[チェン] お前の方こそ、砂を操ってなんとかできないのか?

[ユーシャ] お父さんでもあるまいし。私がやったら、ここまで塞がれてる状況だと時間がかかりすぎちゃうわ。

[チェン] ならば、私がやってみよう。

[ユーシャ] 待って。ほかに方法がないとは言ってないでしょ。

[チェン] と言うと?

[ユーシャ] これ。何だと思う?

[チェン] ……まさか、爆弾か?

[ユーシャ] そう。第一ラウンドの時に私が見つけた爆弾、覚えてる?

[ユーシャ] カンデラさんに爆弾の大規模な捜索をしてもらうことはできなかったけど、代わりにここで作った子分たちに頼んでおいたの。泥棒を装って、住宅地の爆弾をできる限り盗んでくるようにね。

[チェン] 泥棒?

[ユーシャ] そう、泥棒。守衛にちょっと賄賂を握らせておいて、静かに入れば誰も気にする人なんていない。

[チェン] …………

[チェン] なあ、リン・ユーシャ。

[ユーシャ] 何?

[チェン] お互い道は違えど、私はこれまでずっとお前とリンさんに礼をもって接してきた。

[チェン] スラム街はリンさんやお前なしではやっていけない。あそこが崩壊すれば、もっとひどいことになるのは、私にもわかっている。

[ユーシャ] だから?

[チェン] こんなことを楽しんでいる姿など、見せてくれるな。

[ユーシャ] ……あのね、チェン・フェイゼ。好き好んで苦労を背負い込む人なんていないのよ。

[ユーシャ] 退いて。爆弾をセットするから。

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