aklib_story_ウォルモンドの薄暮_TW-3_高塔の花火_戦闘後

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ウォルモンドの薄暮_TW-3_高塔の花火_戦闘後

セベリンは感染者に自ら手を下そうとするが、フォリニック一行の帰還によりそれは未遂に終わる。誰もがそれに安堵した瞬間、都市の動力炉が破壊されたとの報せが届く。移動市街の動力が奪われてなお、天災の魔の手が眼前に迫る。


[タチヤナ] ここから議事堂タワーが見えます! ああ良かった、あそこはまだ無事みたいです――!

[フォリニック] リサちゃん、早く!

[スズラン] はい!

[住民] ど、どうしたんだ? えっ、燃えてる?

[住民] 俺の息子がまだ帰ってきてないんだ、誰か見かけたか――?

[住民] 憲兵はどうした、セベリンは!? あいつは英雄なんだろう、なんでこんなときにいないんだ!?

[スズラン] 街は大混乱です!

[フォリニック] でも住民たちは攻撃を受けてるわけじゃないみたい。誰かが煽動してるのよ!

[タチヤナ] ただでさえみんな神経を張り詰めてたんです、こんな状態で爆発が起きたら、もっと大変な騒ぎに――

[タチヤナ] フォリニックさん、スズランさん、こちらへ! 議事堂はどうあっても守り抜かないと!

[タチヤナ] 見えました! かなりの人数が集まっています! 早く!

[武装した感染者] ああっ!?

[武装した感染者] この老いぼれが、なかなかやるじゃねぇか。鉱石病に苦しまない身体で良かったな。

[セベリン] ……もし私がさっさと禁煙していれば、君たちは今ごろ監獄で童謡でも歌っている頃だろうな。

[セベリン] ここを去れ。君たちがかつてはウォルモンドの一員だったことを考慮して、私は――

[武装した感染者] はっ、まだそんな強気の言葉が出てくるとはな! ウォルモンドの正規の軍人は、もうお前しかいないことはわかってんだよ。俺たちが知らないとでも思ったか?

[セベリン] なんだと……

[武装した感染者] セベリン! お前の虚勢もここまでだ、議事堂を譲り渡せ。今からは俺たちがこの街を治める――

[セベリン] 治めて、それからどうするんだ?

[武装した感染者] はぁ!?

[セベリン] そんなに身構えなくていい、一時休戦だ。一本吸わせてもらう……教えてくれ、ウォルモンドを治めて、君たちは何をするつもりだ? 方法は?

[セベリン] 私でも、君たちの願いを聞いてやれるかもしれんのでな。

[武装した感染者] ……何を言ってるんだ?

[セベリン] 見ろ、私は武器を下ろしただろう。我々の間に話し合いで解決できない問題があるとは思わん。君たちはどうしてこんなやり方を選んだ?

[武装した感染者] ……はっ。今さら説教か。

[武装した感染者] 話したければ、さっさとあの火事の犯人を差し出し、俺たちへの偏見を捨てろ。

[武装した感染者] ……俺は家に帰って、まともな仕事に就きたいんだ。その願いは簡単なことだと思うか?

[セベリン] ……君が報告書をきちんと書いて、定期検診もしっかり受けてくれれば、簡単なことだ。

[武装した感染者] じゃあ今の状況はどういうことだ!? 俺たちはここに閉じ込められて、死を待つだけじゃねぇか!

[武装した感染者] 俺たちの街に残ってるのは地震が残した地割れと、いつ爆発するかわからない源石だけだ。非感染者は出ていっちまって、物資も日に日に減ってる。それで誰が助けてくれるっていうんだ?

[武装した感染者] いや、助けなんて来ないだろう。お前たちが無能なせいで、ウォルモンド全体が死に向かってる。俺たちは、最初に見捨てられただけだ。

[武装した感染者] 秩序ってやつのために真相を隠して、それが英断だとでも思ってんのか?

[セベリン] ……はぁ。

[セベリン] マッチが湿気ってしまっている。タバコが吸えないなら、休戦もおしまいだ。

[武装した感染者] ぐあっ――!? 素手でだと――?

[セベリン] ああ、タバコの香りを嗅いだだけでも、力が湧いてくるのでな。

[セベリン] だが、すまんな。「想定外」の事故が起きそうだ。

[武装した感染者] クソッ、放せ! まさか俺を――殺すつもりか――ぐっ!

[セベリン] いや、ただの「不手際」だ――

[タチヤナ] 憲兵長――!

[セベリン] ――!

[タチヤナ] あっ……

[セベリン] ……もう終わった。相手はほんの数人だったからな。この不幸な若者を除いて、皆逃げていったよ。

[フォリニック] ――殺したんですか?

[セベリン] いや、恐らくまだ生きている。

[フォリニック] ……

[セベリン] ……もしロドスのお二人が彼を蘇生できるのなら、何よりだがな。

[スズラン] まだ息があります! フォリニックお姉さん!

[フォリニック] ……今は救命が最優先ですが――

[フォリニック] 後ほどお話があります、「憲兵長」。

[セベリン] わかった、ありがたく拝聴させてもらおう、お嬢さん。

[タチヤナ] 憲兵長……

[セベリン] タチヤナ、言ったはずだ。二人のときは憲兵長と呼ぶな。私はトールの父であり、君の伯父だ。

[タチヤナ] いえ、憲兵長、先程……あなたはあの感染者を殺めようとしていました……

[セベリン] ……否定はしない。

[タチヤナ] それでは更なる争いを生むだけです……! かつてのウォルモンド住民を、ウォルモンドの家族を手に掛けるべきではありません!

[セベリン] 彼が、ウォルモンドに憲兵隊がいないことを、他の暴徒に話していたとしてもか?

[セベリン] それが何を意味するかわかるか、タチヤナ。

[タチヤナ] ――だとしても、そんな無情なことをされては――

[セベリン] 全てを知る者でない限り、我々は正しい選択などできない。思い通りにはいかないんだ。

[セベリン] もし偉大な投資家か預言者が、数人の犠牲でウォルモンドに平穏を取り戻せると教えてくれたなら――

[セベリン] 犠牲になるのが誰であれ、私は手を下すことを躊躇わないだろう。

[タチヤナ] ……そんな……

[セベリン] そう、誰であろうとな。

[セベリン] だが……少なくとも、彼はなんとか命を取り留めた。今はそれで十分だろう。

[セベリン] ロドスの話に戻るが、君は彼女たちに真相を伝えたのか? それとも彼女たちを現場に連れて行ったのか? あの娘の眼差しが変わったような気がするが。

[タチヤナ] 伯父さんは、最初からそうなると予想していたんですね……

[セベリン] 隠しておくことに意味があるとは思えなかったからな。だが私自らが隠す姿勢を貫くことで、多くの者たちを安心させられるのもまた事実だ。

[セベリン] 彼女たちはどうだ?

[タチヤナ] ウォルモンドの助けになってくれると思います。アント先生と同じように、志の高い人たちです。

[セベリン] ゴホゴホッ、ゴホッ、では彼女たちの態度を、ロドスの組織としての態度と考えて良いか?

[タチヤナ] お二人がロドスの代表として派遣されてきた以上、そう考えて良いかと思います。

[セベリン] ……本当のところ、出会ったロドスのオペレーターが善良であればある程、心配になる。

[セベリン] あの狙撃手……彼女もロドスの者だったはずだ……

[タチヤナ] アント先生と一緒に来て、すぐに帰って行ったあの方ですか?

[タチヤナ] 天災に巻き込まれていなければ良いのですが……

[タチヤナ] な、何? またどこかで襲撃が?

[セベリン] ……ウォルモンドに憲兵は駐在していないからな。

[セベリン] この秘密は、既に公となっているようだ。これからどうする。暴徒が攻め込んできたら土下座でもして許しを請うか、それとも最後まで抵抗するか。

[タチヤナ] ――伯父さん、ちっ、違います。この爆発音は、地下から――!?

[住民] ――セベリン! 奴らは地下通路を通って、工業エリアに侵入している!

[住民] メインの動力炉をやられた……!

[???] ……見ろ、美しく、空っぽの街だ。

[???] ウォルモンド、冬霊山脈の月。噂に違わないな。

[武装した感染者] 月、月ねぇ、クソッ!

[武装した感染者] 俺たちの仲間が、四人もあの火に呑まれて死んだ。

[武装した感染者] 奴らがあからさまに感染者の迫害を始めてるってことだ。次はいつ何をしでかすか、わかったもんじゃねぇ。

[武装した感染者] こんな状況になってまで、俺たちは我慢しなきゃいねけぇのか?

[マドロック] 感情的になっている。落ち着け、君は普段、そんな物の言い方はしない。

[武装した感染者] 俺たちはこの街をぶっ壊してやるべきなんだ! ウォルモンドのクズたちも、移民のクズたちもまとめて!

[マドロック] 駄目だ。

[武装した感染者] マドロック! お前とお前のサルカズたちにはその力があるんだ!

[マドロック] ああ。

[マドロック] その通りだ……サルカズ。サルカズ以上に、故郷を追われた苦しみを知っている者はいない。

[マドロック] 感染者にも居場所があると主張していたリターニアにさえ、サルカズの居場所はなかった。

[マドロック] ……だが、あの老婦人から贈られたケーキは美味だった。甘さも丁度よく。

[武装した感染者] ああ?

[マドロック] つまり……もう少し待とう。我々が討ち滅ぼすべきは、犯人一人だけだ。憎しみを手のひらから零すな、そうでなければ……

[マドロック] 二の舞を演じることになる。

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