死神と貧乏神(ゲゲゲの鬼太郎)

ページ名:死神と貧乏神_ゲゲゲの鬼太郎_

登録日:2012/05/26 Sat 14:46:55
更新日:2023/08/18 Fri 17:08:04NEW!
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アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(2期)の42話。


脚本:雪室俊一


【あらすじ】
シンシン工業は、マスコミに向けて新型自動車「ゆりかごから墓場まで」のPRショーを開催していた。
この自動車、その名の通り赤子の時は自動授乳装置つきベビーカー、小学校に上がってからは完全防音の小型勉強部屋、
成人してからは電気自動車として通学・通勤にと、生涯を通して使える代物なのだ。
おまけに、持ち主が死んだ時には火葬を行い、自動的に名前入りの骨壺に納めてくれる機能までついている。


まさしく夢の車なのだが、この火葬機能の実践と称して添乗員を生きたまま火葬にする様を、大勢の記者が見ている前で、公共の電波で流してしまった事から、
事態は悪い方向へ進んでいくのだった。


「こんな事は打ち合わせになかったぞ!」
シンシン工業の専務が飛び込んでくるが、商品説明をしていた開発者はどこ吹く風。専務は殺人犯として逮捕されてしまう。


実はこれは死神と貧乏神の仕業。
死神は自分が死なない事を利用して添乗員に扮し、開発者役の貧乏神と一芝居打ったのだ。
事態を知った鬼太郎は専務の無実を証明すべく奔走するが、そうこうしている間にもシンシン工業の株は暴落状態。
マスコミからは殺人企業と罵られ、専務の一人娘も肩身の狭い暮らしを強いられていた。
もしシンシン工業が倒産しようものなら、一万人もの社員が路頭に迷うハメになる。
死神と貧乏神の狙いはそこで、自殺者と貧乏人を一人でも多く出す事が彼らのノルマ達成に繋がるのだ。


死神と貧乏神のたむろする工場に乗り込む鬼太郎。
死神も貧乏神も恐れる程の相手ではないと高をくくっていた鬼太郎だが、
隙を突かれて六万ボルトの高圧電流を喰らい、「ゆりかごから墓場まで」に押し込められて火葬にされてしまった。


ぬりかべのボディプレスで「ゆりかごから墓場まで」を壊すと、そこには横縞模様の玉が。鬼太郎はちゃんちゃんこにくるまって火葬を免れていたのだ。


一方、死神と貧乏神はシンシン工業の若社長の下を訪れる。
大学を出たばかりのこの男が、「ゆりかごから墓場まで」の開発にGoサインを出したのだ。
「火葬機能は専務に脅されてつけた」「専務は社長を追い出して会社を乗っ取ろうとしている」と嘘を吹き込む死神と貧乏神だが、
若社長は「自分はギターが得意だから会社を潰して作曲家になろうと思う」などと言い出す始末。しかも彼は、自分のギターが下手くそな事に気付いていない。


いよいよ倒産だと感動を噛み締める二人だがそうはいかない。死神にこっそり撃ち込んだ髪の毛針から出る電波を辿って鬼太郎が駆けつけた。
悪知恵に長けるだけで何の力もない死神と貧乏神はぬりかべに逃げ場を塞がれ、リモコン下駄を喰らってグロッキー。
修復された「ゆりかごから墓場まで」に閉じ込められ、そのまま警察に連行される事になった。



事件は解決したが、物語はここで予想外の結末を迎える。
シンシン工業の若社長が鬼太郎たちの目の前で飛び降り自殺してしまったのだ。
もちろん、会社絡みの理由ではない。ねずみ男にギターの下手さを指摘されたからというのが理由である。
目玉の親父はこれを「今まで面と向かってけなされた事がなかったが故の心の弱さ」と分析。
「温室育ちの悲劇」をしみじみと実感する鬼太郎たちであった。


この作品の原作は水木しげるの短編『枯れ葉』だが、作中に出てくる「ゆりかごから墓場まで」のアイデアは他にも短編『神変方丈記』(こっちでは仕組みの説明のみで「実演」はなし)、1980年の短期連作『大ボラ鬼太郎』の「完全車の巻」(鬼太郎・ねずみ男・子泣き爺でこの車を宣伝するも、「実演」で死者を出してしまった)でも使われている。






追記・修正は社長亡き後のシンシン工業の行く末を案じながらお願いします。


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  • 勧善懲悪で終わらせないのが鬼太郎らしい。 -- 名無しさん (2014-02-28 17:08:42)
  • シンシン工業の若社長が貧乏神と死神の出鱈目を素直に信じるようなことをしなかったら、専務は無実の罪を着ることなく、会社もマスコミのブーイングを浴びることはなかったのに、それで自分はギターがうまいと思い込んでいたために、会社をつぶして作曲家になろうと考えていたが、その行いの先にあるのが多くの社員を路頭に迷わすことにも気づかず、おまけにねずみ男にギターが下手くそ扱いされた理由だけで自殺するというのだから、本当にシンシン工業の若社長は社長としては世間的に正直最低最悪極まりない小物扱いされても文句は言えない人物だということが伺える。 -- 名無しさん (2014-04-11 22:33:08)
  • ちなみにこれの基の話はサラリーマン死神の「枯れ葉」と思われる。元の話は徹底的に若社長を破滅させる(会社も倒産する)がノルマを達成した貧乏神が土壇場で裏切って死神だけ損をする世知辛い話になっている。 -- 名無しさん (2014-10-26 18:38:00)
  • 甘やかして育てた先代社長の責任も深いな。しかしもしも死神と貧乏神が関わらなくても、遠からず多くの人間が橋の下で暮らすはめになったと思う -- 名無しさん (2014-11-29 20:58:19)
  • うーんそこまではいかないと思う。 -- 名無しさん (2016-02-12 18:22:55)
  • むしろ無能な社長が退場してくれて、シンシン工業にはまだ建て直すチャンスはあると思う。 -- 名無しさん (2016-02-12 20:58:35)
  • 無能こそ究極の罪悪とはよく言ったものだ -- 名無しさん (2016-06-01 12:44:04)
  • としたり顔言ってる人間が無能だったりする。モチロン私も含めてネ。人のふり見て我がふり直せですネ。 -- 名無しさん (2018-05-27 01:35:59)
  • もし第6期アニメでリメイクされるとしたら「貧乏神の単独犯行」(6期の隠れ里で死神が完全な悪役で登場して死亡した)かつ「若社長は頭の悪い美女」(第6期のずんべらが和装美人)に改変されると予想。 -- 名無しさん (2019-08-25 19:09:58)
  • いくら甘やかされて育ったとはいえ、ギターを下手と言われたくらいで自殺するものだろうか?と、少し疑問である。 -- 名無しさん (2023-01-11 22:22:28)

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