宇宙戦艦ヤマト 復活篇

ページ名:宇宙戦艦ヤマト 復活篇

登録日:2009/10/17(土) 23:38:24
更新日:2023/08/18 Fri 10:29:50NEW!
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『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』は、2009年に公開された劇場アニメーション作品。
宇宙戦艦ヤマト 完結編』の続編であり、シリーズ第7作目にあたる。




【概要】


宇宙戦艦ヤマトシリーズのおよそ25年ぶりの新作であり、シリーズの生みの親である西崎義展氏が総監督を務めた。


西崎曰く「テーマは愛」。


権利関係が原因で相当に難航したようで、以下経緯↓


  • 2004年7月、西崎から製作委託を受けた「株式会社エナジオ」が、新作映画『新宇宙戦艦ヤマト 復活篇』(仮題)を2006年に公開すると発表したが、結局うやむやになり、公開されることは無かった。

  • 2009年3月18日、東北新社が本作に関する情報を「東京国際アニメフェア2009」にて公開。

  • 同年5月中旬、公式サイトが開設され、12月12日に公開されることが決定したと発表された。西崎はその中で「地球が救われるか、破滅するか、2種類の結末を考えている」と述べた。

ちなみに、ヤマトシリーズには珍しく「女神枠」の女性がいない。




【ストーリー】


宇宙戦艦ヤマトがアクエリアスに沈んで17年後の西暦2220年。
移動性ブラックホール太陽系に接近し、地球を飲み込むことが確実となった。
人類は2万7000光年離れたサイラム恒星系惑星アマールの衛星へ移民を計画し、第一次、第二次移民船団が出発するが、謎の敵から攻撃を受けて消息を絶つ。第一次移民船団の責任者だった古代雪は星間国家連合の攻撃により消息不明となった
かつてのアクエリアスの氷塊の中に眠っていたヤマトは秘かに*1修復・強化改装を受けて甦り、38歳になった古代進はヤマト艦長と第3次移民船団指令に任命される。旧ヤマトクルー·徳川太助と若い乗組員たちが新装改修されたヤマトに乗り込み、第3次移民船団護衛艦隊旗艦として発進する。




【登場人物】


ヤマト艦長。ゲーム版で古代の声を務めた山寺宏一氏が続投。
ヤマトの幻影を追い、家族を放って貨物船船長として働くダメ親父。旧作と比べると顔が怖い。


  • 古代雪 (CV.由愛典子)

声優が変更になったが、そもそも出番自体がほとんど無い*2スーパーアンドロメダ艦長。
SUS艦隊との戦闘で全裸で行方不明になる。アラフォーヒロインの裸はもっと需要がないと思うんですがそこんとこどうなのよ
DC版ではちゃんと(?)服を着て行方不明になりました。やったね?


新米ヘボ機関士から目覚ましく成長したヤマト機関長。
ついでにぽっちゃりだった体型もマッシブなマッチョに変貌。あの新制服でメタボはいろいろきつい


相変わらずの圧倒的チート。こっそりヤマトを修復した。


  • 古代美雪 (CV.藤村歩)

古代の娘。ミヨリの森みたいな顔でかわいい。


  • 大村耕作 (CV.茶風林)

ヤマト副長。古代の右腕で作中一番の常識人。貨物船時代からのパートナーにして良き理解者。


「地球を舐めるなよ!宇宙戦艦ヤマトを舐めるなよ!!」


  • 上条了 (CV.伊藤健太郎)

DQNが多い登場人物の中、比較的常識人な一等空佐。戦闘班長。


いきなり艦長に殴りかかり、敗戦の生き残りである上条をバカにし、戦闘時は艦載機で出撃するDQNなヤマト操舵手。
操舵手なのにどうして…


場面によって顔がコロコロ変わる本作の癒し。
勤務先はよりにもよって『第三艦橋』。IFルートでは…


  • 佐々木美晴 (CV.大浦冬華)

戦闘時は艦載機で出撃する艦医。おい仕事しろよ。


艦長にタメ口で喋るDQN兄弟機関員。


  • メッツラー

地球救済エンドでコダーイにブラックホールの性質を教えてくれる奇特なSUSの指揮官*3だコダーイ
アメコミのヴィランみたいな外見も相まってか某画像掲示板のヤマトスレでは頻繁に降臨して存在をアピールしているのだコダーイ(言うほどコダーイって発音してないのは秘密だコダーイ)




【登場勢力】


  • 地球連邦

今回は移動性ブラックホールによる地球消滅と、大ウルップ星間国家連合による移民船団攻撃という二重のピンチを迎える。


  • アマール

地球の移住先を提供してくれた惑星国家。
移民船団はアマールの月に移住し、そこを第二の地球とする予定。


  • 大ウルップ星間国家連合

今回の敵。劇中では一貫して邪悪な印象が強い。実態はリーダー国家であるSUSの一人舞台であり、他の加盟国はSUSの軍事力に巻かれている。
我らが宇宙戦艦ヤマトを敵に回したのと、対ヤマト戦でSUS軍が他の加盟国軍を巻き添えにする恥を恥とも思わぬ戦法に徹した運の尽き。
アマールが連合から離脱してヤマト側につき、他の加盟国も愛想を尽かして、戦闘放棄し撤収。そして中核のSUS軍がヤマトに惨敗したことで、事実上、壊滅状態に。



【メカニック】

ご存知我らが宇宙戦艦。アクエリアスの氷層から発進する姿は美しい。改装で全幅が増してデブに重厚なフォルムになった。内部構造図を見ると艦内部の殆どがエンジンと格納庫。運用する側を考えないのは小林デザインの悪いクセ。波動砲はまさかの六連射で、威力は一発で月すら破壊するほど。弱くなってね??*4
殆どギャグみたいな耐久力は本作にて更にパワーアップし、序盤の艦隊戦では傷一つ負わない化け物と化す。敵要塞との戦闘においても、相変わらずの再生能力で不死身っぷりを見せつけた。



  • 信濃

ヤマト球状艦首内部に格納された戦闘艇。
何故か大和型三番艦の名前を付けている。*5


  • ブルーノア

地球連邦軍総旗艦。
名前の由来はヤマトシリーズの後継策を目指し爆死したアニメ『宇宙空母ブルーノア』から。
SUS艦隊の奇襲対応が後手に回りつづけ、タコ殴りにされてどう見てもダメな損傷を受けるが『YAMATO2520』に再登場。(制作順的に『YAMATO2520』が先だが)


雪が艦長を務める艦隊旗艦。同型艦が多数就役しており、地球消滅エンドでもヤマトと定時連絡を行っていた。
古代雪艦は拡散波動砲や各種武装で奮戦するも、物量には勝てず撃沈。緊急ワープでアマールへと流れつく。


  • 波動実験艦ムサシ

独特なシルエットをしたヤマト型2番艦。消滅エンドに登場。
余談だが、メカデザイナー繋がりか『宇宙戦艦ヤマト2202』に同艦に似たヤマト型3番艦「波動実験艦 銀河」が登場。




【評価】


25年ぶりの新作と言うことで、ファンは不安と期待を胸に劇場へ足を運んだが、その評価は決して高くは無い。


公開時には地球が救われる方が採用されたが、真田さん頼りのご都合すぎる超展開*6であり、唐突な自己犠牲、バラツキのあるCGによる微妙な作画、パジャマみたいなダサい制服、妙にDQNで古臭い若者、シーンと合わない音楽*7、軽いSE、癖の強すぎるメカデザ等々に不満が続出する。
これは石原慎太郎氏と西崎義展氏両名の思想が反映されすぎた結果、ややカルト臭くなってしまったのも遠因か。


そもそもシナリオ自体は早い段階で出来ていたという情報もあるため、それが事実なら公開時点では作中で描かれる政治情勢などが時代遅れになってしまった…というのもあるかもしれない。
メカデザインも基本的には不評だったが、今回のでっぷりしたタライ型をした旧大和風のヤマトは悪くないという声もある。


興行面では、『ONE PIECE』等の強敵達がひしめいていたことも手伝って、残念ながら成功とは言い難い結果に終わってしまった。


2012年3月に砲撃(主にショックカノン)の効果音やBGMを旧版に戻したり、30分以上の新規映像が増やして異なる結末(地球が救われない方のやつ)を収録しやディレクターズカット版が発売*8
こちらは通常版より好評価を得ているので、視聴するならそちらがオススメしたい。


タカミーが歌っている主題歌の『この愛を捧げて』は意外と悪くない評価を得ている。



【その後】

上記のディレクターズカット版発売と時を同じくして、第二部の制作が決定したとの発表もなされた。
………のだが、第一作のリメイク『宇宙戦艦ヤマト2199』が100億円規模の大ヒットを記録し、スポンサー陣もそちらに注力した*9ため、以降のアナウンスがない。


『2199』の続編『宇宙戦艦ヤマト2202』が制作され、こちらは主に『復活篇』のスタッフ(主に小林誠*10が関わっているため、演出や脚本やCGなどがかなり本作寄りの作風となっている


西崎氏はこの作品の公開後、持ち船「ヤマト」から転落し亡くなってしまったため、本作が遺作となった。


主題歌の『この愛を捧げて』、挿入歌の『宇宙戦艦ヤマト 2009』の歌唱は共にTHE ALFEEが担当しており、ALFEEのライブセットリストに『星空のディスタンス』や『メリーアン』などの人気曲と共に『ヤマト 2009』が含まれることもしばしばある。



【黎明篇 アクエリアス・アルゴリズム】


2019年から『ヤマトマガジン』にて連載されていた「第0部」にあたる小説。2021年9月に単行本化。
西崎氏の逝去に加え、2199シリーズの展開の影で塩漬け状態になっている第2部以降の実現に向けた布石として執筆された。
第1部の5年前を舞台に、アクエリアス氷塊に眠るヤマトの発見とディンギル帝国残党の暗躍が描かれる。
ヤマトの二次創作をしていた個人のブログ運営者などアマチュアの一ファンだった者を含む「アステロイド6」というチームの手で世界観が整理・再構築され、『何故ヤマトは原型を留めていたのか?』『なぜ古代は軍を離れたのか?』など、本編の疑問や大村たち新キャラたちの来歴、銀河交叉で激変した天の川銀河の情勢など、これまで語られなかった要素がてんこ盛り。沖田艦長復活の謎などの、完結編以前の出来事にもいくつか触れている。





「お父さん…記事を追記修正して」


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  • 今までは超常キャラ「主に女性」が味方してくれたヤマトシリーズで珍しく敵さんが超常キャラという話だったな -- 松永さん (2013-03-20 12:21:08)
  • 西崎さん、実物大ヤマトの艦橋から落ちて亡くなったらしいね・・・ -- 名無しさん (2013-07-23 14:27:29)
  • 2199の映画化決定によりこっちの続編映画の制作が中止になるなんて事は無いよな? -- 名無しさん (2014-01-14 03:54:27)
  • アマールの女王は、女神枠には当てはまらないかなぁ・・・ -- 名無しさん (2014-01-14 09:27:15)
  • てゆーか今回は地球側が移住=侵略に見なされてたな -- 名無しさん (2014-01-23 15:05:14)
  • 完結編冒頭でおきた銀河の衝突ってSUSの仕業だったんだろうか -- 名無しさん (2014-11-12 01:58:55)
  • 古代以外で唯一の旧ヤマトからのクルーである徳川太助。あの新米の機関士が一端のヤマトの機関班長やってる姿は感慨深いものがあったなぁ・・・ -- 名無しさん (2014-11-14 14:37:32)
  • ↑ちなみに復活ヤマトに乗り込んでいるクルー、という意味でね。 -- 名無しさん (2014-11-14 14:39:38)
  • やっぱり、あのEDはよくなかったなぁ・・・。直前まで、地球の消滅を受け入れてたのに、そのあと最後まで諦めるな、って……; それなら、地球消滅EDのままにするか、地球存続EDにすると決まった時点で、あの最後の部分を作り直すべきだったんじゃないかと…… -- 名無しさん (2014-11-14 14:59:25)
  • 6連波動砲は個人的に好き -- 名無しさん (2014-11-14 17:36:30)
  • いろいろあるけどヤマトが敵弾を受けても一切傷ついた描写がないのがなあ。手抜きとしか見えなかった -- 名無しさん (2015-01-07 22:30:44)
  • 作った人間の頭が古すぎたのが問題の根本だろうな。悪い意味で昭和をひきづっていた -- 名無しさん (2016-06-12 23:03:54)
  • 2202荷物参加してる小林さんによればまだなんかあるらしいけど… -- 名無しさん (2017-03-19 00:48:18)
  • 70年代のSFは細かい設定なんか考えずにロマンだけで突っ走った。昔はそれでよかったけど今は一つ一つを事細かく設定しないと受けない時代(2199もそうだしね) -- 名無しさん (2017-03-22 08:05:50)
  • 2199シリーズが続けば、いずれ復活編もリメイクされるんだろうか -- 名無しさん (2018-02-02 15:38:57)
  • 第二部やるにしてもキャラデザとかそのままでいくんかな -- 名無しさん (2018-09-07 16:06:06)
  • 2550みたいに忘れ去られる作品になってほしいんだけどね… いかんせん設定を引き継いで作ろうとすると癌にしかならなそうで -- 名無しさん (2020-10-04 23:45:38)
  • 別に復活篇に限らず、ほかの中断した続編や2199シリーズにしても、作り手の思いが強すぎる余りに癖がある作風になって万人受けから遠くなるのは宿命みたいなもんになってるからなあ -- 名無しさん (2022-02-16 23:48:51)
  • 2199シリーズを続けるにしても、正史のこちらが尻切れトンボじゃなあ -- 名無しさん (2023-07-05 06:23:03)

#comment

*1 勿論真田さんの仕業
*2 森雪がほとんど登場しないのは「30代の雪なんて見たくないでしょ?」とのこと
*3 どちらのエンディングでも決着はついていないので、仮に続編があったら再登場の可能性は高い
*4 元々波動砲は一発で惑星を破壊できる
*5 デザイナーの小林誠によれば建造中止になったヤマト型3番艦「シナノ」の搭載艇の予定だったのでその名前が残ったらしい
*6 旧作の時点で相当なものだったので、ある意味ヤマトらしい作品ともいえる。
*7 それぞれの曲は単体で聞けば良いものではある
*8 既にファンが作成した旧SEverのMADがニコニコ動画等に投稿されていた為、こちらは公式MADとも呼ばれた
*9 一部のスタッフは未だに続編を諦めていないようだが…。
*10 2199シリーズと作風が合わなかったことや諸々もあってか、次作『2205』から降板

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