ジャンケットバンク

ページ名:ジャンケットバンク

登録日:2023/06/24 (土曜日) 22:00:00
更新日:2024/07/09 Tue 13:48:39NEW!
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漫画 ギャンブル ヤングジャンプ 顔芸 銀行 田中一行 デスゲーム 集英社 所要時間30分以上の項目 濃すぎるキャラクター性 狂人の巣窟 ジャンケットバンク ジャンプ+ キュビズム 暗黒金持ち





徹底的に管理された圧倒的な大金


この完璧な金を見て誰かがこう考えた



銀行は


最高の賭場になり得る



『ジャンケットバンク』は、田中一行による漫画作品。
2020年7月30日よりヤングジャンプにて連載開始され、2022年3月30日からはジャンプ+アプリでも、本誌の1週遅れで無料公開されている。



概要

単行本は2023年6月現在で11巻が発売中。
作者の過去作『エンバンメイズ』の流れを組む、超人的な能力をもつ人間たちによるギャンブルを描いており、ダーツだけを扱っていた同作とは異なり、今作では登場するゲームは原則として1回限りのオリジナルゲームとなっている。前作も、見た目がダーツなだけでゲームの本質は別のところにあったわけだが


また、今作での物語の主軸はギャンブラーによるギャンブルと銀行員による勢力争いの二重構造となっており、キャラクターの関係性も複雑化している。
さらにゲームで内での演出もより磨きがかかっており、ヤマ場には幻覚めいた心理描写(幻覚を参加者が共有して見ているような描写もあるが原理は不明)、そして実質的な決着が着いた際に敗者が見せるピカソのキュビズムのような顔芸と、その表現力だけでもお腹いっぱいになるレベルである。
前述のジャンプ+による連載開始によって露出が増えたせいもあってか読者を大きく増やしたようで、様々なタイプのイケメンが登場する上に全体的に女っ気が少ないこともあって青年誌作品でありながら女性人気も非常に高い。


テーマは『ギャンブル』ではあるが、本作のギャンブルは「見世物」としての側面をもったデスゲームの趣が強い。
同じヤンジャン掲載していたギャンブル漫画として嘘喰いとセットで話題にあがることもあるが、当事者同士の勝負がメインだったあちらとは毛色が異なり、嘘喰いで云うところの賭郎側の視点メインで描かれているのが本作である。


タイトルの「ジャンケット」とは、香港やマカオのカジノにおいてハイローラー(多額の金を落とすプレイヤー)に対して飛行機やホテルの手配、資金の融通などの世話を行う仲介業者のことで、作中ではそのままんま「小間使い」と訳されている。


あらすじ

日本の大手市銀「カラス銀行」に勤める青年、御手洗ミタライ アキラ
持って生まれた超常の計算能力によってそつなく仕事をこなしてはいたものの、代わり映えしない日々に倦怠感を覚えるようにもなっていた。
そんなある日、御手洗はその能力を特別業務部特別審査課(通称特四トクヨン)の宇佐美ウサミ 銭丸ゼニマルに見いだされ、銀行が秘密裏に運営している賭場へと足を踏み入れる。
そこで邂逅した謎のギャンブラー、真経津マフツ シン。彼との出会いにより、御手洗の人生は大きく変わることとなる。



世界観・用語


カラス銀行

経常利益で日本第3位という大手銀行であるが、裏では億単位もの金が動く闇賭博場を運営している。
そこでは賭場の秩序が全てに優先し、敗北のペナルティとして負傷は当たり前、人間の尊厳や場合によっては命そのものまで奪われる無法地帯となっている。
特に借金を背負った債務者への扱いは凄惨の一言。
後述のオークションや倉庫での扱いだけでなく、4リンクや1/2ライフのゲームで執行されるペナルティの実験台として使われ、見るも無惨な姿や明らかな死体に成り果てているパターンが多々ある。


なお、賭場と銘打ってはいるが、収入源はギャンブラーから徴収する寺銭ではない。
その実態は特権階級の富豪たち*1を楽しませるための見世物であり、彼らの支払う諸費用こそが賭場の原資となっている。
競馬でたとえると、ギャンブラーが馬、銀行員が馬主、VIPが馬券の購入者といったところか。
「アイドル」と「事務所」と「スポンサー」と言ってもいいかもしれない。
宇佐美の説明によると、他の銀行も当然のように賭場を運営しているようである。さすがにその規模になると秘密裏というのは無理があるのでは?


またバリバリの裏稼業な関係から、本作の特別業務部の行員にはやたらと前科持ちが多い。



  • 特別融資

賭けによってギャンブラーの持ち金がゼロやマイナスになった場合に、審査役の特四行員が「該当ギャンブラーを見定め査定した金額」を貸し付けるシステム。
利息はかからないが、ゲーム中に所持金が不足した段階で強制的に貸付が行われる上、返済期限は貸付から24時間後。
期限内での全額返済が要求され、担保として基本的人権を差し出す契約となる。
返済できない場合は強制的に債務者として差し押さえられオークション送りとなる。


  • 賭博口座

4リンクに到達したギャンブラー達に与えられる特別口座。口座通帳とキャッシュカードのセットとなる。
引き落とすには自由だがカラス銀行での銀行賭博に勝つ以外ではいかなる方法でも入金できず、この口座でのみしか賭け金の支払いは行われない。
残高の変動はゲーム終了後に行われる。よって口座残高=プレイヤーの実力を示すスコアを意味し、残高次第でプレイヤーのランクも再配置されていく。
当然ゲームで支払われる賭け金に自分の口座残高が届かない場合は特別融資の対象となる。
とはいえ中には自分のランクを下げるため意図的に口座残高を減らす者もいるため、現在のランク=プレイヤー実力とは限らないのもミソ。
5スロットに神が降りてくることも稀によくある


  • ヘックスメダル

通称「願いの金貨」「誉れ高き真の勝者の証」
最上位階級「ワンヘッド」所属ギャンブラーの勝者のみに与えられる特殊通貨。デザインはツギハギのある髑髏が描かれたコイン。
ワンヘッドギャンブルでの賭け金に使用されるだけでなく、後述の特権を購入するための資金となる。
メダルは入手者と通貨番号によって紐付けられているが、特権購入の際には実物のメダルを持参しなければならず、管理には所有者の自己管理が求められる。
なのでゲーム外での奪い合い上等の盤外戦術が行われていることが仄めかされている。
因みに銀行で買い取って貰うことも可能。価格は1枚5億円と得られる利益を考えると銀行側も「圧倒的な価格破壊」と皮肉る程法外に安い。


  • 特権

最上位階級「ワンヘッド」所属ギャンブラーのみがヘックスメダルで購入できる権利。
メダルを上手く利用すれば様々な己の願望を実現でき、自分の国すら作れるという噂まである。
特権は特別業務部6課によって実現・管理されており、第一種〜第三種までのグレードにわかれている。
ただし当然ながらランクがあがるほど購入に必要なメダルも増え、

第三種:最低2枚。効果中。
第二種:最低10枚。効果大。
第一種:最低50枚。効果極大。

となり、購入のための特権リストは現時点で購入者が買える特権以外を見る事はできない。


特権は原則として「ランクに関わらず同時に使える特権は1人1つまで」「期限は使用回数の枯渇あるいは購入後2ヶ月の経過」とされている。*2
当然、使用者が命を落とした場合も特権は無効。
その分、特権の効力は尋常ではなく、後述の通り、最低ランクの第三種ですらその効力は絶大。
銀行にしてみれば「特権の実現のコストは、ギャンブラー1人の命などでは釣り合わない」とのこと。
「特権を買えること それ自体がワンヘッドの特権」と語られている。

  • 第三種閲覧権

購入者:眞鍋 瑚太郎


特定の人物がネット上に挙げたあらゆる情報を閲覧できる権限。
閲覧対象はメール、SNS、会話記録などネット上の情報であれば全て対象内。
作中描写を見る限り本にされて見られる様子。



ギャンブラーのランク

カラス銀行の賭場では、保有する軍資金=預金残高によってギャンブラーとしてのランクが決められる。
ただしランクの判定基準は預金残高のみなので、敗北後の預金残高次第では最上位ランクのギャンブラーが最下層の5スロットに堕ちてくることもある。
基本は銀行の地下で賭博を行うが、ゲームの仕様次第では銀行横にある系列のホテルの地下、或いは極秘裏に存在する特別会場で賭博が執り行われる。
ギャンブルに付き物のイカサマに関しては、ゲームの事前説明で提示される禁止事項にさえ抵触しなければ原則不問。曰く、「勝者だけが正義」
各ランクの具体的内容は下位から順に以下のとおり。


  • ファイブスロット

新規ギャンブラーや一般人クラスのギャンブラーが所属する最低ランク。掛け金の下限は100万円で上限は5000万。
敗北しても金が奪われるだけなので銀行賭場の中では最も安全に金を稼げるが、ここで惨敗を喫して借金を負えばもう「特別融資」を受けるしかないので案外危険度が高い。
たまに預金残高が減った上位ギャンブラーが転落してくる場合もあり、一方的な大粛清が巻き起こることも……。
銀行賭博に絶対に安心な保証などないということだろうか。


巨大な大広間で多くの人間が集まってギャンブルを行うため雰囲気はカジノのそれ。ただし壁には資金引き落としのためのATMがある。
ポーカーや麻雀などの一般的なギャンブルで遊べるのはこのランク。中には銀行が独自に考案したギャンブルもある。



  • フォーリンク

謳い文句は「四体満足」
5スロットで得た金額が5000万円を超えるとここに所属することになる。
掛け金の上限は最大1億円。ここから上は賭博口座を開設する必要がある。
このランクでは銀行オリジナルのゲームで勝敗を競うことになり、ゲーム中に重大な身体的損傷*3を負う危険を孕む。
一応ゲームで負ったダメージは銀行が治療してくれるが、その際には100万円の治療費が課せられる。
中には1/2ライフクラスに匹敵するような危険度の高いペナルティを課すゲームもあるため、4リンクだからといって油断はできない。
ゲームは専用の個室で行われるが、5スロット同様同じゲームが何度も使い回されるため、長年4リンクに留まるプレイヤーの中にはゲームのルールを事前に把握している者もいる。


銀行の地下で執り行われるギャンブルはここまで。



  • 1/2ハーフライフ

預金残高3億円を超えたギャンブラーが所属する中級層。
「中級交戦一種」「ラダー戦」とも呼ばれ、数億~十数億円の金が簡単に動く超高額賭場。
「半殺し上等」という謳い文句だが、実態はワンチャン生き残れる可能性はあるだけで、普通にギャンブルの結果死者が出る危険極まりない拷問ギャンブルの宝庫。
ここから上のランクでは、ギャンブラーに対して特四の行員が1名担当として付き、ギャンブラーだけでなく担当の行員同士もキャリア(後述)を賭けて争うこととなる。
ゲームの規模も大きくなり、舞台は銀行横に建設されているホテルの地下深くにある会場へと移る。
カラス銀行の銀行賭博はここからが本番といえ、ゲームも同じものが使い回されることはなく、内容は機密事項扱いで行員にさえ知らされることはない。
ただし、後述の「抹殺戦」のために下位ランクで再利用することはある模様。


このランクからは「VIP客を対象とした興行」という側面も生まれ、ギャンブラーを罠に嵌めるための悪意ある裏ルールを擁するゲームも多い。
逆にそういった裏を読むギャンブラーを嵌めるための罠のあるゲームもあるため、ただルールの裏を読むだけではドツボに嵌る場合もある。
一応ルール説明の中にそういった裏ルール要素を匂わせる意味深な項目が用意されているため、完全な初見殺しという訳ではない。


シンプルに現金を賭けるゲームはここまで。手札の思考時間は概ね5分以内な模様。



  • ワンヘッド

「 1人のみ残る」という意味が込められた、ラダーの上位50名だけが登録される最上位のクラス。
このランクでは敗者は確実に死ぬ。というか、「対戦相手の殺害」が勝利条件にあるため、プレイヤー達はゲーム終了までに如何にして対戦相手をゲームのギミックでブッ殺すかが求められている。
そしてゲーム終了の段階で両プレイヤーが生き残っている場合は、「しょぼいゲームをした罰」として両プレイヤーに死に繋がるペナルティが課せられる模様。
ここまで上がってくる強いギャンブラーを使い潰して、本当に賭場が正常に運営されているのかは謎。
とはいえ、1ヘッドに昇格した後に軍資金を使ってしまえば降格は可能*4


銀行近辺で完結していた下位ランクとは異なり、試合は全て最適な場所に設営された特設会場で実施。
ゲームは1度切りの使い捨てであり、内容は極秘扱いで一握りの人間にしか知らされず、会場までは目隠しをした状態でリムジンに載せられ移送される。
ゲームの難易度自体も跳ね上がっており、手札の思考時間は1分以内と大幅に短縮されている。
また、初戦を勝ち生き残った1ヘッドギャンブラーには二つ名が名付けられる。


このランクでは現金は賭けない。
代わりに勝者にはヘックスメダルが与えられ、専用の売店で諸々の「特権」を購入可能。
場代はヘックスメダル1枚から。
ワンヘッド初戦だったり特権購入でメダルを持たないプレイヤーの参加料としての1枚は銀行が保証してくれるが、厳しいことに「1度のワンヘッド戦の掛け金は原則メダル1枚」という制約がある。
しかし「参加プレイヤー全員がワンヘッドで5勝以上している場合」に限ってこの上限は廃されるため、メダルを大量に稼ぐには5勝するのが最低ラインとなる。


つまるところ特権を維持するには「最低でも2ヶ月に1度は負けたら死ぬ戦いに勝つ」、上位の特権を求めるとその上で「メダルを温存しながら5回以上勝ち、同条件の強敵と戦って勝つ」ことが要求される。
ワンヘッド自体が「1戦毎に1人死ぬ」システムな上に、その中でも上位のギャンブラーを潰し合わせる、殺意に満ち溢れた仕様となっている。
ここまで来ると「第一種」は買わせる気自体がないとしか思えない



デギズマン装う者

3年前にとある銀行の賭場で回る金を全て奪い消えていったと言われる謎のギャンブラー。
彼と戦った者は口を揃えて「鏡の中に自分が見えた」と言っていたという。
宇佐美曰く、真経津こそがデギズマンではないかということなのだが……?



特別業務部

4課(特別審査課・特4)

銀行賭博の運営や、所属するギャンブラーの管理・審査を行う部署。主任をトップとした4〜5人体制からなる班が6つ存在する。
審査役としてゲームの司会進行を行ったり、ギャンブル終了後に会場を清掃するのも業務の1つ。
後述のキャリアのシステムと合わせて、与えられた仕事を完璧にこなすことが求められる実力至上主義が敷かれており、宇佐美は「妥協を求めず認めない純白の職場」「命を削る情熱の世界」と称している。


前述のように、所属する行員たちは自らのキャリアをチップとし、ギャンブラーと共に戦うことになる。


5課(特別営業課・特5)

ギャンブラーたちの勝負自体を賭けの対象とし、「富豪たちの賭場」を運営・提供する部署。
銀行の賭場ではギャンブラーから寺銭を取ることはせず、ゲームを観戦する富豪たちから利益を得ている。
金を落とすパトロンに対して直接の応対をするため、特別業務部の中でも重要度は大きい。
仰々しく書いたが、実際の業務内容をざっくり言えば富豪たちの御用聞き。
富豪たちに気持ちよく金を落としてもらうため、ホテルや演劇の手配、食事やテレビゲームのお供、果ては飼い犬の散歩など、合法非合法問わずあらゆる雑務を請け負うことになる。



アイドル宜しく貢献値ギフトと呼ばれる投票券を得た数で序列が決まるため、宇佐美は「媚びる力が全てを決める部署」と評している。
もっとも、客に媚びるだけで済むような環境では当然なく、富豪たちとの通信手段であるスマホには、機密保持のため通話履歴や電話帳の類は一切残せない。
なので顧客全員の電話番号を全て暗記し、いついかなる時でも即時即応で御用聞きにあたらねばならない。
中には人を人とも思わない権力者もおり、しくじって機嫌を損ねれば命が危ういのは彼らも同様なのだ。


ギャンブラーを見世物として富豪たちに娯楽を提供することが仕事であるため、ギャンブラーの尊厳を守りたい御手洗から激しい反発を受ける。


0課(特別債権管理課・特0)

特別融資を返済できなかったギャンブラー(または銀行員)から債権を「回収」する部署。
回収といっても、実際には奴隷として売り捌くオークションの開催と、オークションまで生活させる「倉庫」の運営が主な業務のようである。
相手が相手のためか、0課に所属する行員には「自己判断で20%までの商品を破棄する権利」という債務者の殺人行為が認められている。
その他違反を犯したギャンブラーの処理や1ヘッドで負けたギャンブラーの処刑も担当するなど、汚れ仕事全般を請け負うかのような部署。その関係からか現状全所属行員が犯罪歴持ち。


宇佐美から「特別業務部最悪の課」と称されており、黒光は「どこからも煙たがられている」と語る。


2課(特別企画管理課・特2)

ギャンブルで使われるゲームを作る部署。
「オタクが集まってゲームやりながらゲームを作るギークの集まり」と他の行員から言われるような部署だが、ゲームの内容は賭場にとってはトップシークレットであるため、
主任クラスでも特2に行員が何人いるのか知らないという極度の秘密主義をとっている。


ゲーム作成の他に債務者を押し込める倉庫のデザインなどもやっているらしく、案外業務内容は広いのかもしれない。


6課(特別権利管理課・特6)

ワンヘッドギャンブラーが取得できる各種特権の維持管理のみを管轄する部署。
他にも勝者へのヘックスメダルの授与や使用方法の説明なども対応。取り扱いの再確認は365日24時間いつでも受け付けている。
ワンヘッドギャンブラーとしか関わらないため、珍しい部署扱いされる事も。



キャリア


キャリアさえ稼げば大抵の権利は買えるのですよ
我々 特四には不当な残業もハラスメントも
無駄な説教も無意味な飲み会も存在しません


その代わりに 無能な者への寛容さもありませんがね


本来は勤続年数を指すが、特四ではこのキャリアを通貨のように掛金や代価として使えるようになっており、特四の行員はキャリアを管理するための特殊なスマートウォッチを身に着けている。
基本的には1日の業務をミスなくこなせば1日分のキャリアを得られる。逆にミスをしたり書類を期限内に提出できなければ1日以上のキャリアが没収される。
1年分のキャリアが365日分として計算されているため、特四の行員には休日というものが存在しないようである。
…が、それで得られるキャリアの量はたかが知れており、例えば「〇か月分のキャリアを見返りに他人の仕事を手伝う」といった取引をしていくことでキャリアを増やしていく。
班内でも班員同士が自分のキャリアを賭けて「□□はその仕事ができるか否か」といった簡易的なギャンブルを日常的に行っているため、そこでキャリアを増やす機会もある。
そして新人が自分の有能さをアピールできれば、有望な新人への投資目的で先輩からキャリアを数か月~数年単位で恵んでもらえる場合もある。
ただしキャリアの取引には当事者間の同意が必要。


だが当然ながらそういったやりとりだけでは班の内部でのキャリア総量は増えない。
そのために、効率的に増やすためには1/2ライフ以上の勝負でキャリアを賭けた上で、担当ギャンブラーが勝つ必要がある。
そしてギャンブラーの担当権もキャリアで奪い合う関係から、多くのキャリアを持たない無能は強豪ギャンブラーの担当になれない仕様。


そうした取引やギャンブルだけではなく、銀行から「私服着用権」「業務エリア拡大権」「私物設置権」といった権利を買うためにも使うことができ、自分の仕事環境を快適に改善していくことが可能。
やたらと私服姿の行員が多いのもこのせいで、なんなら業務中の飲酒だってキャリアさえあれば権利を買って堂々と行える。
逆を言えばキャリアで必要な各種権利を購入しなければ退職・通勤手段も含めて全くと言っていいほど自由がない。
結果としてキャリアを稼げず失い続ける無能は容赦なく斬り捨てられ、優秀な行員のみが生き残れる完全実力主義の職場環境となっている。

  • 自主退職:3年
  • 通常部署への異動:5年
  • 残業権(100時間):2ヶ月
  • 残業権(1000時間):15ヶ月
  • 喫煙権(上書き可 電子タバコのみ):1年
  • 喫煙権(上書き可 電子・紙タバコ):2年
  • 全面禁煙権(上書き可):1年
  • 自動二輪通勤権:1年
  • 自動車通勤権:3年
  • 香水使用権(上書き可):6ヶ月
  • 香水禁止権(上書き可):3ヶ月
  • ペット飼育権(上書き可):3年
  • ペット飼育禁止権(上書き可):1年
  • 音楽鑑賞権タイプA(上書き可):2年
  • 音楽鑑賞権タイプB(上書き可):3年
  • 音楽鑑賞禁止権(上書き可):1年
  • 担当ギャンブラー指名権(通称「ジャンケット権」):5年
  • ラダー戦の場代:最低10年
  • 主任解任権:100年
  • 交戦棄却権:150年
  • 独裁権:150年
  • 業務時間内飲酒権:推定5年

◆年数不明

  • 私服着用権(永続)
  • 業務エリア拡大権
  • 私物設置権(小型)
  • 私物設置権(中型)
  • 私物設置権(大型)
  • 私語権

特四の行員はすべて着任時に1年分のキャリアの特別融資を受けることとなり、最初はこのキャリアを元手にして先輩行員から仕事を教えてもらうなどし、キャリアを溜める足がかりを築くことになる。
この特別融資は業務終了まで返済不能。
逆にもしキャリアを失った場合には、ギャンブラーと同様に特0が管轄するオークション送りとなってしまう。



  • 英雄の小間使いヒーローズジャンケット

1試合の富裕層達の総賭け金が15億を超えた場合に発動するシステムで、その試合の勝者側の行員に莫大な量のキャリアボーナスが発生する。
劇中では170年分のキャリアが与えられている。
ただしギャンブルの死傷率の高さから、「客が贔屓にし莫大な賭け金を落としてくれるスター選手が生まれにくい」という根本的問題点があり、長らく運用されてこなかったシステムでもある。
劇中では伊藤吉兆がこのシステムに注目。
「ギャンブラーではなく、死傷しない行員をスター選手にすればいい」という発想に至り、御手洗を利用してシステムを何度も発動させ莫大なキャリアを稼いだ。



主任の解任

特四の行員は「主任解任権」を購入することができ、それを利用することで他の班の主任の地位を奪うことができる。
ただし解任権行使=即解任ではなく、主任解任権を使った上で互いに1ヘッドのギャンブラーを出し合っての「解任戦」を開催し、勝利することが必要。
なお、主任解任権を行使された側が「交戦棄却権」を使用した場合も解任権は無効化される。
また、特四全6班の主任のうち4人の推薦を得る(自分自身含む)ことで、主任は特四の課長となることができる。課長の座を得るため、主任たちは強いギャンブラー、主任解任権、交戦棄却権をより多く集めるべく戦っている。



倉庫


覚悟を決めな オレたちにここ以下はない


基本的人権を失った債務者たちの行き着く先。描写を見る限り同じ施設が複数存在する模様。
特別融資を返済できなかった債務者は拘束後「最低落札価格」を付けられ、着の身着のまま拘束された状態でとある島に造られた倉庫にぶち込まれる。
輸送用のジェット機の低温環境のせいで重い凍傷を負う危険もあるが、債務者はゴミ扱いなので特に治療はしてくれない。*5
債務者は毎週土曜日のオークションで金持ちやギャンブラーに買われない限り倉庫から抜け出せないが、オークションは面接宜しく自己プレゼンが必須なので、
自分の価値を顧客にアピールできるだけのプレゼン能力が求められる。


内部はコンクリの壁で四方を覆われた巨大な空間。空間内にはいくつかの建屋があり、全120の番号が振り分けられた部屋が設置されている。
ざっくりいえば帝愛地下帝国の亜種だが、その内情は帝愛の地下帝国が天国に見えるレベルの地獄。
債務者にはカードが手渡され、事前に査定された自らの最低落札金額を倉庫内での通貨として運用できる。しかし1日の利用限度額は所持金の50%まで。
食事は島に造られたホテルらしき建物から流れてくるVIPの食べ残しの残飯。
家畜の餌のごとくベルトコンベアで流れてくる上に10分で次の部屋に送られるため、後回しにされる3桁台の部屋には食いカスすら残らない。
足首には電気ショックが流れる足枷「商品タグ」が取り付けられ、問題行動や違反行為を行った債務者には容赦なく制裁が加えられる。
倉庫内での債務者同士の賭博行為は禁止されているものの騙して罠に嵌めるのは自由なので、油断すればなけなしの金を毟り取られて下位の部屋に落とされることすらある。


そして何より、自分の最低落札価格が減れば減るほど待遇が悪化し続けるシステムがこの倉庫を地獄に変える要因。
具体的には何もせずとも1日30万円ずつ価格が下落する。下落すればするほど部屋も下位の数字に落ちていき、110号室以降は平均価格800万台のゴミ溜め扱い。
ちなみに最上位の1号室は平均9000万円台とかなりの高値。
食事をまともに取ることも厳しく、なけなしの落札金額を消費し己の価値を削ってでも法外な値段で商品が売られる売店*6で食料を買わなければ待ち受けるのは餓死の一択。
売れ残って金額が800万円を下回った不良在庫債務者「もはや生かす価値無し」と判断され、全身を物理的にバラ売りされて無理矢理売り捌かれるため死ぬ。
そうでなくとも2500万円以下は雑に扱っても気にされない安物扱いなので、売れてもまともに扱われる保証はない。
仮に高値で売れたとしても生殺与奪の権利は購入者が握っているので、倉庫から脱出できても購入者の悪趣味な娯楽のために呆気なく殺されるパターンすらある。


1000万円手前まで下落した場合、生き残る術は債務者専用ギャンブル『ザ・ショートホープ』での一発逆転以外に存在していない……が、これも一発逆転に見せかけた不良在庫の一斉処分という側面が強い。



登場人物

カラス銀行

  • 御手洗ミタライ アキラ

最期の最期… この人はどんな顔で死ぬんだろう?


銀行サイドの主人公。
カラス銀行に勤めて2年、普通の窓口のお兄さんとして働いていたが、数字を扱う能力を見込まれ特4へと異動する。
単純に計算力が高い(9桁の数字の平方根を即座に答えられる)だけでなく、大量の数字が羅列された帳票等を瞬間的に読み取り、その中の計算ミスなどを即座に指摘することもできるなど、数字そのものを把握する能力が高い。
「自分の身が可愛いならどんな数字でも彼(御手洗)には見せないことね」「御手洗くんは必ず自分に必要な数字を見つける」とはしいなの言。


真経津に出会ってからは言動の不安定さが加速し、「楽しみ抜いた果てに負ける真経津さんの顔を見てみたい」と狂気を孕んだ笑顔で言い放つなど、本質的にはわりと狂人寄り。
後にしいなとの賭けにより得たキャリアで担当ギャンブラー指名権を手に入れ、正式に真経津の担当行員となる。
真経津を信仰といってもいいレベルで妄信しているかと思えば隣で戦うと決意したり、他人に負けて死ぬところは見たくないと思ったり、ギャンブル中に成長したかと思えば次戦では絶望顔を見せるなど感情の上下が激しく、
読者からはこいつが一番わからないと思われている節がある。
読者からの愛称は「電卓」


伊藤班に嵌められる形で一度は倉庫にまで落ち地獄を見るも、『ザ・ショートホープ』での激闘を経て無事生還。
……ただし、一度は伊藤吉兆に買われるという形で。
その後ある奇策を以て自ら再度倉庫行きとなり、彼を助けるタイミングを見計らっていた宇佐美に身柄を買われる形で帰還している。


その若さと情熱に身を任せた不安定な無軌道ぶりは顧客の金持ちから良くも悪くも大注目を集め、「自分達に大言壮語を吐いた御手洗が勝つ(負ける)姿が見たい」というファンとアンチが大量に発生。
「いくら大金を払っても買い戻せない『若さ』の象徴」となり、銀行員の道化スターとみなされるまでに至っていた。
そんな御手洗は英雄の小間使いヒーローズジャンケットを発動させる材料として使い倒され、大量のキャリアが行内にばらまかれることとなる。



特4宇佐美班

  • 宇佐美ウサミ 銭丸ゼニマル

(CV:間島淳司/ヤンジャン公式PV)
特4宇佐美班の主任。ワカメヘアーとたれ目が特徴的なメガネのイケメン。
ニコニコとした笑顔と物腰は柔らかく線の細い印象を受けるが、駄々を捏ねる債務者や狼藉者相手には問答無用で暴力による制裁・制圧も行う冷徹な優男。
秩序の下での適者生存を重んじ、物事をよく人生にたとえて語る。
同僚である伊藤吉兆とは特四課長の座を争うライバル関係にあるが、彼とのやり取りではその関係性を(自分を惚れられた側に見立てた)恋愛の駆け引きにたとえる。
たとえ方が若干オネエ入っててちょっと本気で気持ち悪い
管理方針は部下の自主性を尊重する形で後押しするものだが、伊藤に言わせれば「自ら望めば人は死地にも喜んで赴く、と知っているから」とのこと。
部下の性格や望みを把握したうえで行動を誘導し、自らの利益になるよう事態を動かすというしたたかな男である。



  • 梅野ウメノ 六郎ロクロウ

死んだ魚のような目と前髪ぱっつんのマッシュルームカットが特徴。基本的に無表情。
新人の御手洗にも丁寧な言葉遣いをするなど人当たりのいい人物ではあるが、キャリアの扱いにはシビア。
たとえ相手が新人であろうと情報代として高額のキャリアを要求し、買い時を逃せばさらに高くするという中々強かな人物。ただし、納得できれば逆に自分もそれ以上の高額のキャリアをポンと支払う。
意見を表明する際に「〇〇という説が有力です」と言う口癖がある。
使い勝手がいいので、読者もネタとして多用している説が有力です。
一度見たものは忘れない超人的な記憶力を持ち、元々は出世コースに居た模様。しかしある事情からドロップアウトし、宇佐美班に左遷させられたらしい。
無表情さとキャリア絡みに関する冷徹さから怖い人物に見えるが、悔しがる御手洗に「だから権力を得ましょう、主任の座を奪って」とアドバイスしたりと、彼を論理的に導く厳しくも優しい先輩としてサポートしている。


  • サカキ(非公開)

ロン毛と厳つい顔つきの若者。本名不明。
口は悪いが仲間意識は強いタイプで、後輩への面倒見も良い兄貴分。
ただし以前スカウトした新人は1週間でオークション落ちした苦い経験持ち。
キャリアが少ないせいで課の中ではあまり立場が高くないらしく、渋谷からおちょくられたりしいなからコキ使われたりと扱いはぞんざい。
見かけによらずかなり倫理観がまともなこともあり、1/2ライフギャンブラーの狂人じみた言動や思想に困惑したりドン引きしたりと最近ではツッコミ役が板に付き始めている。


  • 渋谷シブヤ 蓮十郎レンジュウロウ

顎鬚が特徴的な初老の男で、元ギャンブラー。土屋田曰く、「スッちゃいけねぇモンまで賭けちまった」らしい。
キャリアで喫煙権を買っており、職場で葉巻を吸っている。
飄々とした態度を取り皮肉屋的な言動も多いが、年長者として班内の雰囲気を悪くしないよう気を使っている様子も見受けられる。
曰く「無駄な残業はしない主義」であり、敗北を認めず足掻く村雨を一瞬で制圧する*7など、ギャンブルの進行をスムーズにするための暴力も有している。
村雨はギャンブラーの中ではフィジカルが極端に弱い、というのもありそうだが。


  • 羽柴ハシバ しいな

特四宇佐美班の紅一点。
大きな目に口元のほくろが目立つ美女。軽くカールした髪にオフショル・ロングスカートとゆるふわ系の服装。
相手の目を覗きこむことで、本質的なものを見抜くことができるようである。
行員としてのスタンスは非常に現実的で、御手洗の「ギャンブラーを見世物にするやり方が許せない」という言葉を「バーッカみたい」の一言でぶった切り、
自分たち銀行員はあくまでイカれた金持ち共の御用聞きと召使いのようなものであるとの厳しい現実を突きつけている。
実は元特5の所属。土屋田には「人を死に追いやる程に貢がせた」とも言われていた。
傍若無人な一面もあり、不機嫌な彼女へのお茶汲みは榊が大量のキャリアを支払ってでも代わってもらおうとするほど。



特四伊藤班

  • 伊藤イトウ 吉兆キッチョウ

特四伊藤班の主任。
左目を縦に大きく貫く傷が特徴的な、ヤクザめいた雰囲気の酷薄そうな男。気に食わないことがあると中指を立てる癖がある。
高いカリスマ性を持つ冷酷な完璧主義者だが、部下の育成には無頓着。
部下に対しては「自らのコピー」となることを求め、あらゆるハラスメントを不問とし命令に服従させられる「独裁権」を行使する。
仕事のやり方はすべて自らが考え、その通りに部下を動かすことで状況を操るスタンス。
そんなわけで伊藤班の班員は自由に休暇を取る権利すら無く*8、特4の中でも屈指のブラック環境として名を馳せる。
……しかし、実際班にいるのは後述のように非常に個性的かつ我が強い人間ばかりで、コピーどころか就業中に全裸になったりカードゲームに興じたりとやりたい放題。
伊藤自身もそれを強く咎めることはせず、時には連れ立って出かけることもあるなど、外部の悪評に反して班内の雰囲気はかなり良好。
そうした内情を知る片伯部は、「地獄のような激務の中でも自分を失わないワガママな人間」こそが伊藤の望む人材だと推察している。
「俺はお前達の全ての勝利と敗北を管理し、独裁という名の責任を負う」とも述べており、部下の全てを支配する代わりに全ての責任を自分が負うという重い覚悟が見て取れる。宇佐美が軍師なら彼は覇王といったところだろうか。
6人の主任の中でも特に好戦的な主任の1人であり、宇佐美とはライバル関係。課長の座を巡って宇佐美班と争っている。


  • 土屋田ツチヤダ 謙介ケンスケ

髪をオールバックにした、ガラの悪そうな男。宇佐美班のオフィスにひとり乗り込み、人を見下したような態度で宇佐美班の面々を挑発した。
「行員さえ強ければギャンブラーなんて誰だって勝たせられる」と嘯くが、その実はただの小物。1/2ライフの戦いでしょうもないイカサマを行い、他の班員からも呆れられていた。
とはいえ、その後は自分の無能さを認めたせいもあってか、邪険にされることもなく班内の常識人兼ツッコミ役として馴染んでいる。*9
意外にも料理上手であり、班員の食事を作るのは彼の仕事。
行員としての能力が現状低いにもかかわらず特4に所属出来ているのは、伊藤班の福利厚生を担う立場だからではないかと読者層に考察されている。
事実、伊藤はとあるシーンで「オレの部下に無能はいない」と言い切っているので、彼も伊藤からすれば立派な有能部下なのだろう。


  • 雪村ユキムラ マコト

プラチナブロンドでボブヘアーの行員。
他人の願いを創り出すことに長け、わらしべ長者のように情報を交換するスペシャリスト。
伊藤曰く「交渉人」。反面賭博には疎く、数字にも興味が薄いらしい。
その特性上、伊藤が情報を得たい際には彼を使いとしてその対象へ差し向ける事が多い。
中性的な容姿から長らく性別が不明だったが、12巻で男性と判明した。なお女装姿の需要は作中でもあるようだ(雪村本人は断っている)。


  • 昼間ヒルマ ユイ

ツンツンの赤みがかった髪をヘアバンドで後方に流して留めているヤンキー風の男。
前職はティッシュ配りのアルバイトだったが、その能力が偶然伊藤の目に留まりスカウトされた。
叶黎明の担当行員で、日頃から連絡を取ったりオフの日は一緒に遊ぶ事もあるようだ。
頭はあまりよくないと自覚しており、インフレの概念を知らないくらいには銀行業務への関心も薄いが、反面物事の理解力は高い。
雪村とは違い他人の願いを見つけ出すことに長けており、他人の「財布の紐が緩くなる」対象を見抜くことで、相手にとって無謀な賭けを受けさせることのスペシャリスト。


  • 蔵木クラキ 慎之介シンノスケ

七三の髪に常に見開いたギラギラした目、張り付けたような作り笑い、首元の大きなタトゥーが目立つ大柄な男。
「○○するか賭けません?」が口癖。「○○という説が有力です」とどっちが使い勝手がいいか賭けません?
実は元特0の出身(つまり彼も何らかの前科を持っている)。黒光から復帰を打診されたが、特0を「ホワイトな職場」と評した上で拒否している。
張り付いた笑みの下で何を考えているのかはわからないが、自分の担当ギャンブラーが多く死亡している状況にコメントを求められた際に
「関係あります? 死んでしまったのに」と笑顔のままバッサリと切り捨てているので、かなりシビアな価値観の持ち主と思われる。



特四片伯部班

  • 片伯部カタカベ いね

特四片伯部班主任。
アヌビス神を模した杖を持つファンキーな髪形の老婦人。
宇佐美や伊藤のことを坊主扱いし、部下には自らを「ママ」と呼ばせる何とも癖の強い女性。
気概のある人物を好んでおり、本人曰く「掌返しが早い子は大好き」。御手洗に対しても助言を送る。小姑の如く口うるさいからか、伊藤からは煙たがられている。


  • 加賀カガ 花火ハナビ

「長身」「短髪」「褐色」「巨乳」「ヤンキー口調」「ツンデレ」「恋する乙女」で「趣味はコスプレ」と属性山盛りの美女。
実は梅野のことが好きなのだが、彼の前では素直になれず憎まれ口を叩いてしまい、距離を詰められないことを気にしている。
いくら好意を持つ相手だからって、現状ただの同僚に露出高めのコスプレ写真を送るのは距離感バグってるのよハナちゃん。


  • 紅宮ベニミヤ 重理シゲミチ

丸刈りの頭のおネエ系男性。
花火の梅野への恋心を知っており、慰めるとともに応援もしている。



特四白金班

  • 白金シロガネ マドカ

特四白金班主任。
非常に癖のある黒髪に丸メガネ、歯に矯正器具をつけた男性。
宇佐美と伊藤の兄貴分を自称している。仕事にあまり熱心ではなく自堕落な性質だが、頭の回転は速い。
よく「適当」という言葉を口にするが、これの真意は「どんなに状況・環境が変化しようと自分達が一番楽をして一番得をする」というニュアンスであり、それを部下にも実践するよう要求している。
宇佐美と伊藤の争いも高みの見物を決め込んで、漁夫の利を得る気満々の一筋縄ではいかない男。


  • 蛇谷ヘビタニ 絵美里エミリ

露出多めなファッションに身を包み、長い髪をポニーテールにした爆乳巨尻タレ目の若い美女。
語尾を伸ばしたような若干ゆるい口調で喋っている。


  • 灰谷ハイヤ 蓮司レンジ

パーマ気味の髪型をした青年。
デカ尻好きで白金に気持ち悪がられている。若干話のテンポが遅いが、試合では流暢に司会をこなす実力はある。
また白金にも臆せず愚痴を言うため怒鳴られている。



特五行員

  • 周防スオウ カナメ

ホストを思わせる爽やかな笑顔のイケメン。
VIP客相手には笑顔と明るい態度を崩さないが、特四の存在を無頼アウトロー気取り」と揶揄し見下している節があり、有事にはVIPの目の前での暴力行使も厭わない。
一方で、単行本のおまけでは猫耳をつけて猫のポーズをしながらVIPと写真を撮るなど涙ぐましい営業の姿も見せている。
実はしいなとは先輩後輩の仲。
仲が悪いわけではないようだが、御手洗に嵌められた際には「相変わらず変なところでドジね」と揶揄される一幕もあった。



  • 佐久間サクマ リュウ

短髪の無骨そうな風貌の青年。
御手洗と偶然同じ場に居合わせるが、自分には話す権利がないとしてまともに会話せずに終わる。
書類入りの透明ケースを手錠で手首に繋いでおり、重要な機密書類を輸送していることがうかがえた。



特二朔班

  • サク 京治キョウジ

特二朔班主任。22歳。
ショートヘアのキツネ目の男。
ゲーム制作者として一切の妥協や詰めの甘さも許さない強いプロ意識を持つ大のゲームオタク。ネトゲでバフを撒きつつ班員を叱れる器用な男。
とはいえ単なるゲームオタクではなく、本作の拷問ギャンブルを多数手がけてきたかなりの切れ者。債務者をゴミ扱いする冷酷な一面も持っている。
彼によれば地獄のような倉庫のシステムも朔班考案とのこと。


「ギャンブルの内容をリークしたためにペナルティで落とされた」という名目で倉庫に潜り込み、御手洗に接触。
債務者が買主に能力を示すためのゲーム*10「ザ・ショートホープ」を攻略するため、自らが作ったゲームの仕様書を対価として御手洗と手を組む。
最後には御手洗に全ての嘘を見破られゲームから脱落、死亡した……ように見せかけて生存。
その後は特2の正式な業務に復帰し、以下4人の部下とともに新しいゲームを作り続けている。


  • ヒゲメガネ(非公開)

36歳。名前の通りヒゲを生やしたメガネのおじさん。車の柄のパジャマを着ている。
班の中では最高齢で洞察力にも優れるが、通信用のヘッドセットを安いもので通したり、「どうせ会社で寝るから」という理由でパジャマ姿で業務するなど自分の事には無頓着。


  • ピザ(非公開)

24歳。ウェーブのかかった黒髪に謎のバンドを頭につけているヒッピー風の瘦せぎす男。
エンゲルによれば全ボツ常連らしい。


  • エンゲル(非公開)

29歳。一人称が拙者、眼鏡で太っているという一昔前のオタク像を体現した人物。
女の子にウケるのは嬉しいが「女の子には童貞とかそういう言葉使わないでほしい」と考えギリギリ触れない距離で接しようとするなど独特な感性を持つ。
ブルーテンパランス原案者だが、主任に99%改良された。


  • こっしゃん(非公開)

23歳。班の紅一点。
ツインテールで、ゲームのキャラがデザインされたシャツを着ているオタク系ギャルっぽい女性。
明るい言動だが若干口は悪い。
チャラい見た目に反して自分に厳しいらしく、追い込まれた時は自分で自分を罵倒しながら仕事に励む。



特0行員

  • 黒光クロミツ 正巳マサミ

黒光班班長。43歳。
顔にピアスを付けた強面だが、服装や物腰は紳士的な中年男性。
礼儀を重視し行員などの「人」には丁寧な口調だが、オークションに堕ちた債務者は「人」と思っておらず、顔色一つ変えずに平気で債務者を殺せる冷酷な人物。
オークション堕ちした債務者の移送業務なども担当。


  • モリ 小夜子サヨコ

黒光班所属。23歳。
露出度の低いゴスロリ調のドレスを身にまとった黒髪ロングヘアの美女。
他班の主任である城之内に対して非常に親しく接しているが、それ以外の者への対応はクール。債務者の廃棄率が高いとされる。


  • 丸尾マルオ 義経ヨシツネ

黒光班所属。28歳。
黒いキャップに黒いマスクを顎にかけている青年。
特0行員以外とは口を利かず、その特0相手ですら数ヶ月に1度しか喋らないほどの無口。
元々はパン屋がやりたかったらしい。そこから何をどうしたら今の職につくんだ?


  • 城之内ジョウノウチ 寿コトブキ

城之内班班長。27歳。
女性にも男性にも見える性別不詳の眼鏡をかけた美形で、辛辣でサバサバとした言動が特徴。
キレのある煽りから読者人気も高い説が有力です。
不良在庫にまで落ちた債務者の最後の救済措置兼処刑イベント「ザ・ショートホープ」の進行を担当する。



特6行員

  • 荒川アラカワ 冬馬トウマ

鷺ノ宮班所属。29歳。
緩い七三分けのような髪型で首元に蝶ネクタイを付けた男。
業務に対するプライドが高く特4行員をコバンザメ呼ばわりして見下す口の悪い男。
気に障ればたとえイカれたギャンブラー相手だとしても刺々しく不機嫌な態度を隠さず、ある意味でとても正直。
とはいえ自分に非があると察すれば真摯に謝る。


  • 桃園モモゾノ ケイ

鷺ノ宮班所属。27歳。
パーマが若干かかった髪型の軽薄そうな男で言動は慇懃無礼気味。



その他行員

  • 福山フクヤマ 大和ヤマト

御手洗が落とされた第2倉庫の受付を担当する女性行員。所属部署は不明。
倉庫内の「商品」の全プロフィールを暗記しているらしい。



ギャンブラー

カラス銀行の賭場で命懸けで金を稼ぐ者達。
下位ランカーは概ね弱者を食い物にして悦に浸る小物ばかりであるが、強豪になると超人的な洞察力・観察力・先読み能力に加えて、過去作のダーツプレイヤー達の如くイカれた趣味趣向思想を持つ危険人物の宝庫。
嬉々として殺人や暴力沙汰などの犯罪行為に手を染める現役の犯罪者がゴロゴロいる。
一方、1/2ライフクラスのギャンブラーになると「大金を稼ぐ」ことよりも「己の中にある狂った信念・願望・趣味を満たす」ことを目的に銀行賭博を利用している部分があり、金を稼ぐことはあくまでも手段。
ギャンブル漫画でよくいる、億万長者を目指して大金を稼ぐことに固執するギャンブラーは本作では少ない。


本作における一流のギャンブラー達は「周囲を巻き込みながら破滅へと向かう災害」と形容され、銀行の利益を生む金の卵であると同時に、銀行に害を及ぼしうる危険因子として警戒されている。要は危険な爆弾扱い。
そのため彼らを担当する行員にも相応の危険が及ぶ。ギャンブラーの影響を受けて人格が歪む行員もおり、自身の言動や反応をゲーム上の駆け引きに利用されるパターンも少なくない。
なので行員にはギャンブラーに精神を揺るがされることのない強い精神力と洞察力も求められる。
銀行にとって危険度が高いと想定された新規ギャンブラーや、賭場の秩序を乱すような問題行動を取るギャンブラーには、格上のギャンブラーを相手として割り当て制裁或いは処刑を行う「抹殺戦」が組まれる場合がある。



主要ギャンブラー

  • 真経津マフツ シン

(CV:内山昂輝/ヤンジャン公式PV)


最高の遊び相手が見つかった時に 僕の人生は終わるんだ


ギャンブラーサイドの主人公。宇佐美班所属。
見た目は爽やかなイケメンであり、初対面の相手からはお金持ちのおぼっちゃんと侮られたりもする容姿。
御手洗の特4勤務初日に現れ、それを縁としてともにランクを登っていくこととなる。


飄々として掴みどころのない言動を取る子供っぽい性格で、何事にも飽きっぽい。
しかしギャンブルに対しては異様な情熱と感心を向け、「遊び」と称して命懸けのギャンブルに臨み、ペナルティも含めて楽しむという異常性を持つ。
自宅はタワーマンションの高層階の一室だが、飽きっぽい性格のためか部屋の中は様々な玩具で散らかり放題となっている。
他者を惹きつける不思議な魅力があるようで、自らが戦い破ったギャンブラーたちと交友を持つこと多数。
自身を中心とした奇妙な友人関係を築いており、ファンからは「マフツファミリー」「マフツフレンズ」などと呼ばれている。


相手の思考に対する超人的な読みと、カードにしろダイスにしろ手先レベルのイカサマであれば自由自在という驚異的なテクニックを有する。
しかし彼の相手となるギャンブラーのほとんどはそうしたスキルを標準装備しているため、勝負において決め手にできる機会は少ない。
むしろ「超人的な読みをもつ相手にすら自分の本当の狙いを読ませない能力」が異常に高く、序盤はあえて劣勢となることでペナルティを受け、ゲームの本質を見抜いて最終的な勝利を得るというアプローチをとることが多い。
が、その序盤の展開でもわりと洒落では済まないレベルのダメージを負うことが定番であるために、読者からはむしろそれに耐えるだけのタフさが武器なのではとも思われている。


勝負のスタート時にルールを把握しようとしている時には人差し指でこめかみのあたりを叩く仕草をし、決着のときには「鏡の中に君を助ける答えはない」の決め台詞を飛ばす。
そこに至るまでの勝負の佳境では、対戦相手は「自分の本質が映った鏡」の幻覚を見ることになる。
が、これも一定以上のレベルの相手であれば当然のように自覚しているものであり、決め手にならないどころか鏡を割る演出により平気でキャンセルされる。*11
またそのタフネスから、読者からは「タフツさん」などと愛称で呼ばれることも。
名前の由来は三種の神器のひとつ、[[真経津鏡まふつのかがみ>三種の神器]]であると考えられる。


  • 獅子神シシガミ 敬一ケイイチ

(CV:羽多野渉/ヤンジャン公式PV)


心地イイなぁ…ザコが苦し紛れに出す強がりは


表の顔は投資家。一見チンピラ風な垂れ目でガタイのいいイケメン。宇佐美班所属。
ギャンブルで負かして借金を負わせた相手を買い取り、自身を敬わせながら自宅に住ませる傲慢な男。
適当な理由をつけて他人の揚げ足取りをしたり皮肉を吐くなどして人の上に立ちたがる行為を「弱者のやること」と見下しており、「強者なら踏める位置まで相手の頭を持ってこないといけない」という独特の考え方を持つ。
買い取った奴隷に土下座を強いて王冠を掲げさせ、「オレに買ってもらえて幸せだろ?」と問う趣味の悪い一面もある。
だが、後に登場した村雨や黎明の奴隷の扱いや、「倉庫」の実態が明かされるにつれ「獅子神に買われた奴隷は本気で幸せだったんじゃないか*12とも言われるようになった。
ガタイの良さを示すように趣味は筋トレ。肉体を鍛えることに対してはかなりストイックな一面を持つ。


4リンクに君臨する王として振る舞っていたが、イカサマありきの実力では真経津に歯が立たず、自らの本質である臆病さ・狡猾さを暴かれ敗北する。
しかし掌に負った傷を敢えて治療せず、己の戒めにするという気骨のあるところも見せていた。
鏡の幻影は「虎の威を借る狐」。




弱くて怯えきった今のオレの為に生きろ!!!


勝負の後に真経津と交友を持ち、良き友人となる。
真経津を通して村雨とも知り合い、ギャンブラーとして成長。傷だらけになりながらも1/2ライフまで昇格する。
心境の変化もあって、買い取った人間たちも全員自宅から解放。しかしそのうち2人は志願して残ったため、雑用係として雇っている。
幕間の日常回では面倒見の良さやキレのいいツッコミを見せることも多く、ファンからは「獅子神さん」の愛称で呼ばれたいへん人気が高い。
変人だらけのギャンブラー連中にあって数少ない良識・常識を持つキャラであり、「奇矯な天才連中に引っ張られて成長していく苦労しっぱなしの凡人」というおいしい立ち位置をも確立している。


1/2ライフの緒戦で村雨とタッグを組み、彼の「処方箋」に従う形で自らの命を危険に晒す。
死の直前まで追いつめられるも、自らの弱さを認めて向き合う覚悟を決めたことで覚醒。トップクラスのギャンブラーが持つ「視点」を手に入れ、その「読み」の領域へと足を踏み入れた。


なお、成長を経たことで鏡の幻影が「虎の威を借る狐」から「無数の目に覗かれる鏡に写った自分」に変化している。*13
それに合わせて彼は強いギャンブラーを見ると「その人物の本質を示すような目をモチーフとした幻影」を見るようになっており、村雨には「壁や地面を埋め尽くす無数の目」、叶には「巨大な目」、天堂には「目で出来た天使の輪と翼」*14を垣間見ている。
新たに得たこの異能が、彼にとって吉と出るか凶と出るかはまだ分からない。
成長した結果、かえって周囲と自分の格の差を思い知ることになったが、「まあいいさ、オレは一歩ずつだ」と地道にステップアップしていく決意をしている。


  • 村雨ムラサメ 礼二レイジ

私が行うのは賭けではなく診断 そしてその診断が下ってしまえば――
手術台からは逃げられない


表の顔は医師。宇佐美班所属。
丸眼鏡をかけた痩躯の青年で、神経質そうな表情が特徴。
金を貸した相手の返済が滞るとそのカタとして身柄を押さえ、自宅の手術室で開腹手術を施し中身を見ようとする異常者。
手術をする相手は銀行の債務者オークションからも調達しているらしく、「汚い腹の中を観察できる」という理由から安値の債務者を買うのを好む。
なお手術中の債務者を丁重に扱う気はなく、ブチ切れて手術台を蹴り飛ばし開腹済の債務者を地面に叩き落としたこともある。
曰く「私は手術そのものが好きなんだ。喋る糞袋の本性を暴けるから」とのことで、医者としてのモラルが備わっているとはちょっと言い難い。
とにもかくにもぶっ飛んだキャラだが、開腹して病気が見つかれば治療自体はちゃんと施すため、オークションの買い手としては獅子神に次いで比較的マシな方。
プライドの高さも図抜けており、他人が自分の事を知った風な口で正しさを説いてくる行為を嫌い、「ただ知っている。自分が正しいと」と豪語するなど、自分の思想が間違っているとは微塵も思っていない。


鏡の幻影は「手術台に横たわるぬいぐるみ」。
後におまけイラストで、開業医ではなく普通に病院に外科医として勤務している姿がイラストで描かれている。


相対する人間の極微妙な発汗や表情、声色、筋肉の強張りの変化から内心を正確に見抜く「診断」を得意とし、ギャンブルにおいての読みの正確さは最上位クラス。
さらには「無意識的な動きを意識して動く」ことで、誤った感情を読み取らせ相手の読みを外すことさえも自在にできる。
だが「自分はギャンブラーではなく医者」という信条から、勝負においては論理を重んじて感情を忌み、必要以上のリスクを徹底して回避する戦略を選ぶ。
初登場時は4リンクだったが、実は1ヘッドまで昇格したところで、そこでの勝負というリスクを回避するために口座の金を使って4リンクまで降りてきていたことが発覚するなど、序盤の敵でありながらその格がまったく落ちていないキャラ。
一方で真経津のパーティーの招待(嘘)メールに応じてバッチリめかしこんでやってきたり、獅子神をからかって遊んだりとギャグシーンも多い。


村雨が狂ったきっかけはなんと「家族愛」


村雨には実の兄がおり、弟とは真逆の道で成功していた。
学生時代はかなりのやんちゃもしたが、常にその周りには人が集まり、今は小さいながらも企業の経営者として奮闘している。
時雨には「優秀な自分より不出来な兄の方が人気者なのが理解できない」などと煽られていたが、実際はまったくの逆で、
賢くはなくとも懸命に働き家族サービスも疎かにしない兄を心から敬愛していた。
……しかし、そんな兄弟を悲劇が襲う。


兄が過労で倒れ、村雨の働く病院に搬送。
村雨は自ら執刀にあたり、苦しみが一杯に詰まったボロボロの体内を目の当たりにした。
あまりにも無情な現実は、村雨に「こんな真面目で勤勉な人間であっても、ここまで身を削って頑張らないと幸せになれないのか?」
「だとすれば、そんな世の中は狂っている」との激しい怒りを抱かせる。
そして村雨は人の腹を開き、世の中が狂っていないかどうかを日々確かめるようになった。


行為自体はともかく、村雨の言い分自体は一本芯が通ったものであり、読者サイドにも多くの反響を巻き起こした。
そして暗黒お姉さまも増えた
彼の悲しみと怒りが晴れる日は果たして来るのだろうか……?



5スロット所属

  • 関谷セキヤ ジン

真経津がカラス銀行の賭場で最初に戦った相手(要はかませ犬)。
他のギャンブラーを見下す尊大な態度を取り、負かした相手である神林に札束を見せつけながら目を抉ることを唆すなど嗜虐的な性格の外道。
5スロットで39連勝、総資産4700万円を得ており、そのフロアでのトッププレイヤーとなっていたが、真経津との勝負でイカサマと性格を完全に読まれ、敗北。
敗北後はイカサマも封じられた挙句他の5スロットの客に金をむしり取られたようで、オークション送りとなり宇佐美からは三流ギャンブラー呼ばわりされた。
鏡の幻影は「卑屈な顔でリスクの少ない方を選ぼうとする自分自身」。



1/2ライフ所属

  • 雛形ヒナガタ 春人ハルト

美しいから バカが現実に気付いた時の顔が


表向きは画家。伊藤班所属。
黒髪と切れ長の目が特徴のインドア系。
土屋田の指示を従順に聞く操り人形……と思わせておいて、本性は「バカが現実に気付いた時の顔」に美しさを見出し、言葉と身振りで人の感情や思想を弄び歪めることに愉悦を見出す異常者。
土屋田にもそうすることで「弱い人間だったはずがいつの間にか自尊心の塊」という、一種の芸術作品として育てていた。
また自殺した人間の姿をモデルにして間近で絵を描いて悦に浸る辺り、好みの絵を描くために人を自殺に追い込んでいるかのような描写も見受けられる。
ギャンブルでも、相手の感情を絵の具の色として感じる特異な感覚により、正確な読みを発揮する。
鏡の幻影は「人々の絶望の顔でモンタージュされた自分」。

真経津とのゲームで死亡。10巻までの対戦相手としては唯一の死亡者となり、その後の真経津フレンズの輪に入ることができなかったため、読者からも非常に惜しまれている。


  • カノウ 黎明レイメイ


何見てんだよ お前さっきまでオレのこと いるかどうかも知らなかったくせに


表の顔は同接5000人に達したこともあるストリーマー。女性人気も高く、街に出ると観測者リスナーから声をかけられることもある。伊藤班所属。
パッと見はクソガキ的な容姿であるが、28歳であり身長も190cmという長身だったりする。
紫色のド派手な髪と、左目に付けたスマイルマーク付きの赤いコンタクトレンズがトレードマークの片目隠れ男子。


「見ること」「見られること」に異常な執着を見せ、「オレが観測してやってるから世界は今日も存在している」という認識で世界を見ているエゴイスト。
また、自分を「見ていない」人間や自身が見る価値が無いと判断した人間に対しては興味を示さず酷薄に扱う。
私生活でも買い上げた債務者と思わしき何人もの人間を個別どこかの部屋に監禁し、監視カメラでその様子を観測している。
被害者は叶に見られていない間は飲食できないらしく、飢えに苦しむ者だけでなく発狂した者や自殺者までいるが、そいった阿鼻叫喚の惨状には一切興味関心を示さない冷酷な一面を持つ。*15
加えて、第4の壁を越えて読者を認識しているような素振りを見せたりした。
鏡の幻影は「望遠鏡で夜空を見る自分と、それを見下す巨大な真経津」。


命を賭けたギャンブルの場ですらその思想は揺るがず、お互いに相手のことを「見る」ことを楽しみとしている。
その観測による読みの能力は真経津を上回るレベルで、その目を欺くことも困難。

いつの間にか真経津と仲良くなり、獅子神、村雨と共に真経津フレンズ入り。
自らが配信するストリームに登場させるなど和気あいあいとやっているようである。
また、自身と同じような「観測者」の素質を得た獅子神も評価している模様。


  • 天堂テンドウ 弓彦ユミヒコ

迷いがあるときこそが人生をより善くするチャンスだ
悩み惑うことは悪とされがちだが、蓋をして誤魔化す事こそが堕落への第一歩
自分の心を見つめ続けろ。悪魔は目をそらした隙に巣を作る


表の顔は神父。伊藤班所属。
教会に居を構えて人の罪を神に対して悔い改めさせているが、裏では懺悔にやってきた人間の悪事の情報を近しい人間へと流して責めさせることで、本当の意味で罪を悔いさせ自殺へと追いやることを楽しみとしている異常者。
自室には自殺した人々の写真が大量に貼り付けられている。
そもそも懺悔室で懺悔に来た人間のことは露骨に侮蔑しており、彼らの身勝手な懺悔を聞き続けて「神様がどうこう以前に!!! 人が許すわけねぇだろォがバアァァァァアカ!!!」と本音を自室で露わにしていた。
なお自殺教唆しても死なないような相手には自らの手で自殺に見せかけて殺す。


善人を尊び善人として振る舞っているが、実は自らを神と信じて疑っておらず、自分の規範に則った言動をしているに過ぎない。要は一人称が「神」なだけの男。「自己愛が肥大しすぎて妄想に囚われたマヌケ」と村雨は評している。
そもそも神父の癖に神を脳内妄想扱いしているため、実際は神父の皮を被った無神論者である。
鏡の幻影は「花畑で呑気に眠る自分自身」。
ギャンブルでは超人的な動体視力でカードの動きを読んで悉く相手の手を見抜く戦術を得意とする。そこに自身の尊大かつエキセントリックな挙動を組み合わせる事で、そこだけに注目させて相手に悟らせない様にしている。

真経津の策でたった一瞬の気の緩みから、ゲームのルールに仕掛けられていた盲点を突かれ行動不能となり敗北。


肺に大きなダメージを負ったはずだが、右目を失いながらも無事に生還。
結果として5スロットに陥落したが、そこで大量の返済不能者を生み出すなど暴れまくってあっさりと4リンクまで復帰している。
また、真経津フレンズ入りして黎明と接触。自分を世界の中心だと思っている者と自分を神だと思っている者とで衝突……するかと思わせて意気投合。天堂が罪人を見つけ黎明が監禁するというタッグが爆誕してしまった。
その後、ちょくちょく不審者や軽犯罪者を見つけては彼がボコして拘束を行い、そのまま連れて帰り叶と監禁・拷問メニューを考えるというこの世の終わりみてぇな打ち合わせをやっている姿が見られる。
「野生の咎人」というパワーワードも生まれた。


  • 時雨シグレ 賢人ケント山吹ヤマブキ 千晴チハル

片伯部班所属のギャンブラー。2人とも本職は警視庁捜査2課の刑事もうやだこの国
七三分け風の髪型に眼鏡をかけた中年男性の時雨と、トサカ頭の気が強く荒っぽい若者の山吹のコンビ。汚い相棒
山吹は承認欲求や自己顕示欲が高い直情的な性格。
「正義は同意で決まる」「悪人には何をしてもいい」を信条に、犯罪者を見下したうえで正義と権力を盾に「悪」を合法的に叩き潰す快感に浸る危険人物。
時雨のほうも「賢い悪人が全てを失ったときのマヌケ面は格別」と語り、自分の意志で「悪」が全てを失い落ちぶれていく様を楽しむ悪趣味な性格。
拘束した犯罪者の心を言葉責めで苛み、イラつけば私的な暴力を嬉々として振るってゴミのように扱う残忍な面を持ち、「犯罪者に人権はない」を地で行くような振る舞いを取る。


2人とも捜査2課で鍛えた観察眼を駆使した読み合いを武器としており、1/2ライフ所属ギャンブラー相応の実力持ち。更に警察の立ち位置を利用して対戦相手のプライベート情報を調べ上げて心理戦に用いる。
だがそれ以上に自分達が不利になると賭博の最中警察権力を利用した脅迫で無理矢理勝ちを譲らせる盤外戦術を得意とする卑劣な面を持つ。
それ故か「悪名高い人達」と渋谷が語ったように、賭場でも悪い意味で有名なギャンブラーであった。

彼らの末路はなんとも呆気なかった。自分たちこそが秩序側の存在であるという驕りがあったのだ。
ギャンブルでの敗北、もしくは自分たちへの死がちらつき始めた頃に山吹は「賭場を出たら覚悟しておけ、俺たちは警察だからお前らみたいな違法賭博をやってる犯罪者を逮捕するのは簡単だ(意訳)」と村雨達を脅してしまう。


が、それこそが村雨の狙い。何故ならカラス銀行の賭場が違法な存在なのはその界隈に浸かっている人間も、運営する銀行員たちも知った上でやっており、観客として命がけのデスゲームギャンブルを身に来た日本中のVIP達も知っている。
つまり、その発言はカラス銀行への脅しであり、観客たちへの脅しにもなる。残念ながらこの場の秩序は彼らではなく、少し指示と金を出すだけで何だって出来てしまう、倫理のないイカれた金持ち共。そんな存在に彼は喧嘩を売ったのだ。
宇佐美より「危害の予告があったので、ギャンブル後にしかるべき対処を行う」と宣告を受け、時雨は恐慌しながら身の潔白を示すために致死量クラスの電撃を自ら被り、逃げだそうとした山吹は対処にやってきた0課の面々による鎮圧を受けることに。


そのまま揃って死亡したと思われていたが、山吹のみが再登場。自身を破った村雨&獅子神コンビに対し、真経津という存在の異常さの忠告をしに来る。
どうやら銀行に「謎多き真経津の情報を調べる事」を条件に生かされた様で、銀行側のスパイとして渋々調査を行っているようだ。
その一方で山吹の胸元には割れた時雨の眼鏡が下げられていたので、彼については電撃もしくは粛清により死亡したものと思われる。


  • 牙頭ガトウ 猛晴タケハル

テメエの納得を!!! ハシタ金で売ってんじゃねぇえええ!!


伊藤班所属のギャンブラーであり、チーム制の解任戦の先鋒として繰り出したコンビの片割れ。
表の顔はレストランチェーン「ジョイキッチン」の代表取締役。
だが、その見た目は染めた髪をオールバックにしシルバーアクセをジャラジャラと首に巻いたとてもではないがカタギに見えない人物。
事実、彼のレストランには「理不尽なクレームに対しては猛烈な毒舌を返す目つきの鋭いウェイトレス」「腕にびっしりと刺青を刻んだ大柄なコック」と、レストランチェーン店というよりもマフィアのフロント企業ではないかと思わせるなんとも怖そうな大人達が勤めている。
社長である牙頭自身もその見た目やアクの濃い店員達に負けない苛烈かつ豪快な男で、「自分の欲に誠実でいろ」「金ごときの言いなりになるな」というスタンスを持つ。
自分の店で身勝手な事をわめくクレーマーに対してはアツアツのステーキ鉄板に顔面を押し付け気が済むまで謝罪させたり、その後に300万円をクレーマーに渡しながら黙って退店するならお互いに水に流そうと取引をしつつ、
「あとからゴチャゴチャ抜かしたら金は倍にして返させる」としっかり釘を刺してから思いっきり店舗二階より投げ飛ばしたりしている。
不公平や筋の通らないことを許さない義侠心を持ちつつも、(彼の基準で)筋の通らない奴には容赦のない暴力を振るう姿はまさしくヤクザ者。
舌戦でも自分が如何に「欲深さを活かしてここまでのし上がったか」を説くタイプで、文字通り己の欲に誠実なエゴイスト。
当然ギャンブルのスタイルもその傍若無人さがそのまま形になったようなもので、後述する漆原に防御を任せ自らはひたすらに切り込んで相手を削る役目を担う。


  • 漆原ウルシバラ 伊月イツキ

「人生はくじ引きで 僕は当たりくじだ」


伊藤班所属のギャンブラーであり、チーム制の解任戦の先鋒として繰り出したコンビのもう片方。
表の顔は弁護士。それもどんな凶悪犯であっても無罪から軽い罪にまでもっていく事が出来る凄腕。
見た目は気だるげな雰囲気の長髪の男。登場時も飲酒運転で人をひき殺した男を証拠不十分でほぼ無罪にしている。
だが、そんな彼はありとあらゆる事柄を「運」によるものとして考えており*16、それ故に「人生はくじ引き」「自分も他人も等しく価値はない」というニヒリズムに近い価値観を持つ。
なので、反省の色の無いひき逃げ男を自分の車に乗せて帰る際に、たまたまロックが外れて半ドアだったドアが開き、高速道路にひき逃げ男が投げ出されるという事が起きても、
そいつが高速で走り抜けた大型トラックにひき逃げをされて下半身がほぼぺしゃんこになっても気にも留めず、
虫の息の男を冷たく見下しながら「人生はくじ引きで お前はハズレを引いた」と吐き捨て、迫る死への恐怖を淡々と煽りながら見捨てている。*17
彼からすれば自分を含めて誰にも価値が無いので、目の前で苦しむ人間すらも「運がなかったから」と冷徹に無視する事ができる恐ろしい人物。
その上で自分自身を「当たりくじ」と自認し、この世のあらゆる人間の善悪を無価値と冷笑した上で「自分が味方に付いた方が善人」と断言する弁護士としての倫理観ゼロの強烈なエゴイズムも抱えており、本性は概ね弓彦や眞鍋の同類に等しい。
舌戦、ギャンブル共に戦闘スタイルは防御一辺倒。ニヒリズムに満ちた言葉で相手を緊張させつつ、ガンガン攻め込む牙頭を後ろから守る役割を担当。


なおどうやらこの二人は幼馴染か友人同士な様で、牙頭は漆原を「漆原先生」と冗談めかして呼称し、逆に漆原は牙頭を「ガッちゃん」というあだ名で呼んでいる。
揃って強烈なエゴイストでありながらも、彼らはやる事をきっちりと役割分担したうえで戦いに関係ない事は一切思考せず余計な策も練らず、ただ淡々と攻め込んで来るため、村雨が得意とする相手の言動やプレイスタイルから弱点を見抜くという戦術がほぼ通用しない。
また、それぞれが痛めつけた連中が「悪質なクレーマー」と「反省していない犯罪者」というクズの類だったので、読者からは「やってることはともかく他のギャンブラーより比較的マトモじゃないか」という少々感覚が麻痺した意見がちらほら見られたりもした。



1ヘッド所属

  • 瞼無しリッドレス眞鍋マナベ 瑚太郎コタロウ

バカが集まり 隣にいるバカより少しでもバカに見えないようバカな見栄を張る
そんな地獄から 僕は生徒達を救わなきゃならない


劇中初めて登場した1ヘッドギャンブラー。伊藤班所属。
ウサちゃんの形をした留金が印象的なサスペンダーに、アホ毛付きの真ん中分けのような独特の長い前髪が特徴。
全体的にファンシーな装いながら、年齢はこれまでに登場した名あり現役ギャンブラーの中では最高齢の35歳
登場時点で既に1ヘッドのギャンブル戦を3回勝ち抜いている。


職業は小学校の教師。
表向きの仕事という訳ではなく、むしろ本人はその職責を全うするために必要な事としてギャンブルをやっている。
小学生や高校生のような未成年には、たとえ不良相手でも厳しくも優しい教師の鑑と言わんばかりの態度を貫くが、自分の眼鏡に適わない大人に対しては「悪徳や堕落に染まった存在」として嫌悪を露わにし、暴力も平気で振るうなど極めて酷薄かつ傍若無人に接する。


初登場時にはとある駅構内の大人達を言葉だけで次々と発狂させ暴動を誘発。死者8名、重軽症合わせて負傷者46名の大惨事を引き起こす衝撃的なデビューを飾った。
もっとも本人に言わせると「大人が嫌い」なのではなく「尊敬できる大人がいない」だけで、ギャンブルを続ける理由も「立派な大人を探すため」とのこと。
その「立派な大人」探しのため、第3種閲覧権で他人のプライバシーを勝手に暴いて人生を読み解いた上で、「立派な大人」かどうかを試験のように勝手に審査。
更には「立派な大人」かどうか見極める「追試」と称した観察を行って「落第」と勝手に判断した他人を言葉責めで発狂させ、そのことに何の感慨も抱かないどころか発狂した大人の醜さに憤る始末。
おまけに自分で「追試」を作っておいて自分のことはただ唯一の追試合格者として認識していたため、概ね読者からは弓彦の同類扱いされた。


そんな彼に、公式の二つ名とは別に作中でつけられたあだ名は教育災害
本人は「誰が災害だ」と大いに不満そうだが、短い時間言葉を交わしただけの真経津からも「なるほど、確かに災害だ」と納得された。
鏡の幻影は「無数の赤点答案と、それを睨む二重丸や花丸で出来た大量の目」。


まごうことなき狂人であるが、読み合いの精度は1ヘッドギャンブラーらしく極めて高い。
ギャンブルを「教育」と称しており、手加減した状態で真経津を圧倒する読みの強さを持ち、ラウンド中の真経津の出す手を完璧に読み切って自分の描いたシナリオ通りに試合展開を動かせる域に達している。

眞鍋相手に関しては、流石の真経津もギャンブルでの正攻法で勝つことは諦めていた。
その為、試合そのものは引き分け。1ヘッド特有の両者を殺すペナルティを相手だけに被せ、それによって生き延びる。
彼との決着時には「ボクは絶対に読み勝てない」と言い切っており、だからこそルールの裏を突いた戦法で「逃げ切る」事を選んだ。


子供の純粋さと世界の美しさを疑わない眞鍋に対し、真経津は常に世界を疑い続けている。だからこそルールの裏と隙を見つけ出し、番外戦術での生存を勝ち取れた。
最初こそは他のギャンブラーと同じように怒り狂いながら喚いていたが、真経津の「苦しみながらつまらない今を浪費し続ける」「そんな世界なら、壊して出ていったほうが幸せだ。」という言葉を聞き目が覚める。
自分の死が間近に迫る状態で自分の今までの『教育』の誤りと、大人が人生の中で何かを間違える事は決して悪いことではない事を悟り、憑き物が落ちたかのような笑顔で真経津にある事を問いかける。
それに対しての答えを聞き、最期に素晴らしい『大人の生徒』に出会えた彼は満足しながら炎の中へ消えていった。


「先生 さようなら」

「ああ 気を付けて帰れよ」


  • 灰色の目の男

1ヘッドに昇格した直後の村雨が、銀行内で偶然すれ違った人物。
村雨がひと目見た瞬間に「口座の金を使い切る(=1ヘッドからの撤退)」を決心するほどの実力者。


11巻時点では詳細不明だが、村雨から彼の話を聞いた真経津は険しい表情を見せている。
さらに勝負後に入院した真経津の病室に足を運んだ様子もあり、何らかの因縁がある様子。
読者の間では「この男こそが本物の装うものデギズマンではないかという予想もある



銀行顧客

ハーフライフ以上のギャンブルの見物客達。見物の際は共通してヴェネチア風の仮面で顔を隠している。
劇中では単に「顧客」「VIP」と呼ばれているが、読者は「暗黒金持ち」と称している。


  • 無堂ムドウ清光キヨミツ

無堂商会会長であり、賭場の顧客の1人。74歳。
顧客の中でも別格の「A級VIP」であり、接待担当の周防も最優先で気を遣う存在。
「ノリのいい気さくなおじいちゃん」といった雰囲気もあるが、面白半分に人を惨殺できる権力と感性の持ち主。
だが単なる悪趣味な富豪なだけではなく、「嫌というほど辛くつまらない現実を見たあとで、現実に逃げぬ者だけが夢の世界で暮らせるのだ」と大言壮語を掲げる夢想家の存在を肯定するような哲学を持つ。


御手洗の無軌道な情熱を気に入っている顧客の1人で、彼を「私のスタープレイヤー」とも呼んでいる。
ただし、あくまで「娯楽の対象」としてであり、直接対面した御手洗は「僕を人と思ってない」と感じている。
御手洗の無茶な「お願い」に対して、平然と「叶えてあげるけど、代わりに周防要を解体して毎日君に送り届ける」とデアゴスティーニ 無茶苦茶な条件を突きつけたり、「興醒めな真似をすれば殺す」と宣言している。
誰が言ったか強火オタク
単行本によると趣味は「飼育 (哺乳類)」



その他

  • 神林カンバヤシ

御手洗が普通の行員をしていた時代から面識のある客でパン屋を経営している、金歯が目立つ男性。娘のミカが大学に受かったことで家計のやりくりに苦労している。
が、金を必要としたためにカラス銀行の賭場へと行った結果、関谷に負け、半裸で(おそらく衣服をカタにして借金をしている)誰彼構わず金歯を売ろうとするなど醜態を見せていた。
真経津によって結果的に助けられてからは、ギャンブルからは足を洗って真面目にパン屋を経営しているようである。


  • 京極キョウゴク マナブ辺見ヘンミ ミツル

クラブ「オーバーキル」でイカサマギャンブルを開催して素人の大学生から金を巻き上げている大学生二人組。
京極は一話目で出てきたギャンブラー・関谷を師匠と尊敬している。この時点で既に小物感がすごい
神林の娘のミカがカモになったことから真経津の知るところとなり、さらに真経津が村雨(と獅子神)を誘ってオーバーキルを訪れ、その後の運命が決まってしまった。因果応報ではあるもの、文字通りのオーバーキルであることから、読者からは大きく同情された。
京極がルール説明時に使った「どうだ ルールが全然ピンと来ねえだろ!!!」のワードは、以降のルール説明回での読者コメントの定番となっている。
結果として2億円近い負けとなったが、村雨のおかげで金銭的な負担は少なく済んだようである。病気も見つかったし、破滅どころかむしろ好転したといってもいいかもしれない。
さらに村雨によりパンの神林にバイトとして押し込まれるが、真っ当に働くことにやりがいを感じるようになっている。
カモった奴らをバイトとして受け入れる神林親子の謎の寛大さ


結果的に見れば「重大な病気を早期発見・治療でき、イカサマギャンブラーから更生して真っ当に自分たちの才能を生かせる場所で働けるようになった」と皮肉にも師匠である関谷とは真逆で真経津によって救われたといえる。



余談

  • ヤングジャンプ公式でボイス入りのPVが2本作られており、youtubeで公開されている。うち1本では、獅子神戦で使われたギミックである「気分屋ルーシー」(作中では笑い声のみで言葉を喋るわけではない)がギャンブルを解説するという体なのだが、ルーシーを演じる悠木碧によるハイテンションな声は必聴である。いつもの悠木碧だとかは言ってはならない。

  • 前述のとおり、2022年にジャンププラスで公開されるようになってから爆発的に(女性)読者が増えた結果、2023年のバレンタインには段ボール箱で4箱分のチョコレートが作者の元に届いた。送り主の数では1位獅子神、2位村雨、3位真経津・黎明が同数だったが、チョコの数では黎明が圧倒的なトップだったとのこと。
    また、真経津宛に送られたチョコの中に、『10個限定、価格14500円の、カジノをテーマにしたチョコ』が含まれており、話題となった。

  • 作者公式twitterにて、何故か梅野(だけ)の誕生日である6月には、アシスタントが描いたファンアートが公開されることが定例となっている。(ちなみに2021年の獅子神の誕生月である8月にも、彼のファンアート4枚が公開されている。)


鏡の中に自分を助ける答えを見つけられたら、追記・修正してください。


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  • どうだ ルールが全然ピンと来ねえだろ!!! の絶妙に頭の悪い感じ最高 -- 名無しさん (2023-06-24 23:48:42)
  • 『嘘喰い』の後継者かな? -- 名無しさん (2023-06-25 00:00:49)
  • ギャンブラー→トップランカーは1試合につき半分死亡。銀行員→新人の大半は地下帝国行き。これでどうやって運営が成り立っているのか謎すぎるのが好き -- 名無しさん (2023-06-25 00:20:56)
  • 概念ドロボウから「前作」という概念が奪われている説が有力です -- 名無しさん (2023-06-25 10:08:37)
  • ↑2 ギャンブラーはワンヘッドはそこまで開催頻度が多くなくてハーフライフも実のところ死人はそこまで出ない可能性もある。御手洗が地下送りになった原因も相手を死亡させられなかったからだがああいう賭けを持ち掛けた事が死亡は珍しい可能性を示唆している気がする。銀行員の方は御手洗が活躍するまではあの人員でも普通に回せる程度に実務が優秀なのが残っているのかもしれん -- 名無しさん (2023-06-25 11:26:36)
  • あの世界ではギャンブラーが野良からボコボコ湧き出るような世界観してるし、ギャンブラーというより犯罪者が賭博に手を染めてるような連中ばかりなので、適度に間引いたほうが社会のためなんじゃねえかな -- 名無しさん (2023-06-25 12:12:29)
  • 俺の最推し暗黒金持ちこと無堂様の記述がないじゃないか! 貴様ら全員オークション送りだ! -- 名無しさん (2023-06-25 14:24:11)
  • 獅子神の元に残った人、ぶっちゃけ2~3千万単位の借金肩代わりしてもらった上に職まで恵んでもらえた様なもんだな。ガチで買われて幸せすぎる -- 名無しさん (2023-06-25 16:56:39)
  • ジャンプ漫画らしく戦ったライバルが仲間になっていき、(ギャンブラー同士の)友情、(罰ゲームを耐久する)努力、勝利を体現している王道漫画さ! -- 名無しさん (2023-06-25 21:47:32)
  • ↑王道の定義こわれる -- 名無しさん (2023-06-25 23:02:03)
  • ↑4項目出来てよかったね、貴重な無堂様ファンの君には月刊周防要をプレゼントしよう -- 名無しさん (2023-06-26 00:14:35)
  • 勝者の死亡リスクを探すことから始めなきゃいけないの怖すぎるよ上位ゲーム -- 名無しさん (2023-06-26 08:48:41)
  • 大学生2人組は借金さえ出来たことを除けば、まぁ好転してるよな……多分ギャンブルからも足洗いそうだし あの調子だと村雨に借金返済さえ遅れなければ、無難に生きていけるんでなかろうか。才っぽい片鱗も有ることだし。 -- 名無しさん (2023-06-26 13:48:46)
  • ギャンブルのオチは何だかんだ毎度楽しいんだが、道中はルール良く分からん、なので勝ち筋も分からん、そもそも想定外の勝ち方するから考えるだけ無駄って感じで決着回以外は大抵流し読みになっちゃってるわ -- 名無しさん (2023-06-26 13:50:27)
  • どうだ、ルールが全然ピンと来ねえだろ!俺もだよ!!の精神でいればいいんだぞ、お前も御手洗くんと同じ気持ちを味わえ -- 名無しさん (2023-06-26 19:22:59)
  • ↑実際そうしてる読者が大半という説が有力です -- 名無しさん (2023-06-26 21:51:47)
  • つか、ハーフライフとかワンヘッドで行われるゲームって基本的に1回だけ行われてハイ終了、もうやりませんって感じが多い気もするしセオリーそのものが生まれない気がする。初見プレーでどこまで極められるかって奴だな。それでも、やばいギャンブラーは初見で少し不自然な動き方するとそこを逆手にゲームの本質悟って利用してくるんでおっかないが -- 名無しさん (2023-06-26 22:10:51)
  • ギャンブラーと言ってるけど、本人たちはもう掛け金どうこうの域を超えてるよね。そっちを気にするとむしろ行員 -- 名無しさん (2023-06-27 08:35:56)
  • 作中に出たギャンブルの項目も出るのかな? -- 名無しさん (2023-06-27 13:45:27)
  • とりあえず電撃には耐えられないとギャンブラーにも行員にもなれない世界 -- 名無しさん (2023-06-27 14:38:36)
  • ↑3額がでかすぎることもあって所持金云々というよりはここまで稼げるほど強いギャンブラーだっていう基準って感じだな。そも、ただ金稼ぎたいだけなら初期の獅子神さんよろしくわざと無双出来る低いランクに留まって金稼いだ方が効率的な感じがする。獅子神さんも金の使い道に困ってたくらいだから金目当てだと4リンクで十分かも -- 名無しさん (2023-06-27 19:15:09)
  • 土屋田さんの「オレがスゲェ奴じゃなくてすまねぇ…!!」はまさに彼自身を的確に表現した名言。改変して「オレがスゲェ奴ですまねぇ!!」ってだけでもう笑いが取れるで -- 名無しさん (2023-06-27 19:35:33)
  • 真経津さん毎度の展開のせいでタフツさんやらVIT>INT型ギャンブラーだとかそういう方面のあだ名そこそこ見て草  -- 名無しさん (2023-06-27 21:28:18)
  • ↑タフという言葉は真経津の為にある -- 名無しさん (2023-06-28 15:30:34)
  • キャラを作りやすいんだろうけど、専業ギャンブラー少ないな -- 名無しさん (2023-06-28 15:45:03)
  • 安定して金欲しいだけなら適度に金使って格下狩りすりゃいい(初期獅子神など)んだけど、ハーフライフ連中がたまに4リンクだ5スロットに落ちてきたり、そもそも激ヤバギャンブラーも最初は5スロットからなので安定した場所で安穏としててもふいに来る死神に殺されることもあるよね -- 名無しさん (2023-06-29 21:28:18)
  • やったギャンブルの内容も欲しい -- 名無しさん (2023-07-08 14:07:27)
  • まーたマフツさんがキメ台詞返しされてる… -- 名無しさん (2023-07-13 20:12:33)
  • いつか前作のダーツの達人も出てほしい -- エンバンメイズ (2023-07-30 22:31:29)
  • 獅子神バースデーの公式ファンアート、今年は獅子神ロボだったかー -- 名無しさん (2023-08-27 21:20:28)
  • 人のバツを数えて生き続けた先生が、最期の最期でどんな人間もマルがあるということに気づいて死ぬってのはとても良かった あのラストだけでベストバウトになる -- 名無しさん (2023-09-01 10:50:04)
  • 誰かを救う為には祈ってる暇は無く、眼の前の悪行や怠惰を見逃さないために瞼が無いが如く目を開き続けたが故に「瞼なし」と言われた教師の最後が人類の幸せを祈って瞼を閉じる構図が綺麗 -- 名無しさん (2023-09-01 19:28:15)
  • 餓死に加えて死体が腐るまで晒し者になるより焼死が遥かにマシという地獄 -- 名無しさん (2023-09-18 00:27:48)
  • というか市銀クラスでこんだけの暗黒金持ち集まるなら中央銀行とかどうなるんだ -- 名無しさん (2023-09-19 01:03:38)
  • 作中では「ギャンブラーは周囲を巻き込みながら破滅へと向かう災害」と言われているが、主任どももわりと周囲を巻き込んで破滅する感じの災害な気がする……これもマフツさんの影響なら、ギャンブラーってそういうものってことになるんだろうか -- 名無しさん (2023-09-23 18:44:13)
  • ↑そうすると土屋田のことを嘲笑える人がいない構図になってしまう -- 名無しさん (2023-09-23 19:06:38)
  • 作中でやったギャンブルの説明も書いて欲しい -- 名無しさん (2023-09-30 11:57:15)
  • マフツさんはここに至っても未だに本当の底が分からないな… 幾ら視点が多くても鏡を覗き込んだって裏側は見えないわけで -- 名無しさん (2023-10-10 16:07:50)
  • 牙頭さんの参戦ムービー、やってることは紛れもない暴行なんだけどフレンズ含む他の連中と比べてだいぶマトモな人扱いされてるの草生える -- 名無しさん (2023-11-12 07:04:31)
  • 御手洗君、本質的には割と狂人…どころかどんどん4課屈指の危険人物になって来ているような… -- 名無しさん (2023-11-23 01:45:45)
  • 雛形惜しいなコレ… -- 名無しさん (2023-12-23 19:48:20)
  • 0課でイラついたらゴミ処理もする黒光さんだけど「他のゴミに警告しながら処理する」「相手にしなくてもいいのにわざわざ相手にしてあげる」「「頭に叩き込んだら燃やせ、じゃないとやばい」と御手洗くんに警告する」「仕事といえジャムおじさんな格好をする」と実はそれなりに優しいという説が有力じゃないですか? -- 名無しさん (2024-02-09 16:26:45)
  • 村雨先生が一皮剥けて「患者の感情面を見る」様になった これはもうヤバいね、エゴイストコンビはもう負けたわ(確信) -- 名無しさん (2024-03-21 17:14:44)
  • ↑覚醒後の獅子神が真経津に言われたセリフがぶっ刺さる前振りにも見えるからまだわからんけどね -- 名無しさん (2024-04-02 15:05:33)
  • 施設の施工や保守点検とか、死体の後始末とかってどこの部署がやってんだろ。未だに詳細不明の特一か特三かね -- 名無しさん (2024-04-10 14:41:17)
  • この手のデスゲーム作品にありがちなこんなにポンポン死んでて大丈夫?をちゃんとストーリーに盛り込んだのは凄い。まぁ相変わらず雨後の筍の如くギャンブラーが湧いてるんだけどさ -- 名無しさん (2024-04-10 15:09:39)
  • 地下オークション編見るに結構な数がモツになってそうなあたり臓器移植に不自由なさそうな世界よな -- 名無しさん (2024-04-10 15:35:37)
  • 叶と神の地獄のような会議好き -- 名無しさん (2024-04-17 01:09:18)
  • 特権で国が作れる国内経常利益3位の銀行。この世界の銀行強すぎる。 -- 名無しさん (2024-04-30 09:07:06)
  • これで国内第3位、これ以上上がいるのか…?とまてよほかの銀行もこんな狂った賭場なの…?のダブルパンチで恐怖を感じる -- 名無しさん (2024-06-24 18:14:46)
  • 楽しみですねこの世界の日銀相当の銀行 -- 名無しさん (2024-06-29 14:45:47)

#comment(striction)

*1 読者の間では「暗黒金持ち」で通っている
*2 ただし、これに当てはまらない「特例」もあることが仄めかされている。
*3 手足の大きな負傷、聴覚の損傷など、生命に大きな影響はないレベル
*4 ハーフライフ以下は残高でランクが決定されるため、基準以下まで口座の金を使うと降格になる
*5 ちなみにオークションするまでもなく大人気になるのが間違いない債務者に対しては、買い手が予約商品として購入することでオークションせずに買い手が決まるため、人間扱いされてチャーター機で帰ることができる。
*6 例として雑誌が1冊30万、ポテチが1袋12万円
*7 なお、執念深い村雨はしっかりこれを根に持っており、肉体鍛錬の為のヨガをしつつ渋谷本人へ意趣返しの発言をしている。
*8 伊藤班に設置されている自販機の飲料は全てエナジードリンクであり、働き詰めの人間の限界を考慮していない物と思われる。
*9 前述のような性格になったのはギャンブラーである雛形の手によってであり、元は宇佐美も認めるような活力にあふれた男であった。すなわち、雛形戦後の土屋田こそが本来の彼であった可能性が高い。
*10 自身が作ったため内容を知っているが、一人では難しい
*11 例えば天堂の場合は恍惚の笑みと共に後光を放って鏡を粉々にし、眞鍋の場合は大きくバツを描いて鏡を切り裂いている。
*12 生存が保証されている時点でもかなりの勝ち組であり、土下座強要以上の虐待を加えている描写もない。それどころか日々の料理なども基本的に獅子神が自分でやっていた様子すらある。奴隷ってなんだっけ
*13 この幻影は真経津自身を見ようとしたときに見えた幻影であり、本質を隠す真経津自身のスキルである可能性が高い
*14 それぞれ「相手の一挙一動をも見逃さぬ洞察力」「観測者と名乗り全てを自分の目に映そうとする在り方」「自身を神と僭称しそれを憚らない傲慢さ」と、彼らの本質を示している。
*15 明言はされていないが、自らが借金を負わせた相手を監禁し、カメラで見ている時間に応じてその借金を減らしているものと思われる。
*16 公判中も当たりと外れのマークを付けた鉛筆を転がして、何やら決めているような描写がされている。
*17 一応救急車は呼んだが、それは罪に問われないための最低限の義務から。

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