カトル・サリシオン

ページ名:カトル_サリシオン

登録日:2022/10/06 (木) 15:53:34
更新日:2024/06/27 Thu 10:39:27NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



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行こうFIO、XEROS――


博士の居場所を僕たちで守るために。



カトル・サリシオンとは『英雄伝説 黎の軌跡』の登場人物である。


CV:田村睦心



●目次


【概要】

カルバード共和国にある学術工業都市バーゼルに住む少年。
15歳という若さにして飛び級でバーゼル理科大学の現修士課程にあるという凄まじい天才研究者。
その才能からか年齢に反して非常に落ち着いており、どこか他人を寄せ付けない雰囲気を持っている。
が、これは文字通り雰囲気だけで、実際は人当たりも非常に良い優しい少年。
自身の才能を鼻にかけることも皆無で、極めて良識的な性格の持ち主である。*1
バーゼル市内でも多くの人に頼られたり、気にかけてもらったりしながら、日々を過ごしている。
大学の生徒とも交流があるが、一部の教授やヴェルヌCEOであるタウゼントに無理難題やら貧乏くじを引かされる可哀そうな苦労人でもある。


専門は新型戦術オーブメント《Xipha》規格のAIをベースとした《導力ドローン》の研究開発と運用だが、
その他に物理工学・生体工学などの研究室の助手も務めており、非常に多義に渡る技術者である。
また天体観測に関しては強い思い入れがあり、ヴァンやフェリ等の他者に星を紹介する時は、非常に楽しそうに望遠鏡や天体を語る彼の一面が見られる。


家族にCエプスタインの三高弟の一人であるラトーヤ・ハミルトン博士がいるが、彼女とは血の繋がりの無い養子である。
実は幼少時に両親と別離しており、その後に彼女に引き取られた経緯を持つ。
なので彼女はカトルの祖母でもあり、育ての親でもあり、研究者としての師でもある。
同時にハミルトン博士の門下であるエスメレーやクロンカイトとは義兄弟として接している。


理科大学の象徴ともいうべき天文台にも思い入れを持っているが、これは昔からハミルトン博士と一緒に星を観た思い出の場所であり、
カトル自身もこの天文台を守ることに強い拘りがある
そしてそれに目をつけたCEOは、天文台を処分しない代わりに、カトルに面倒事を押し付けるという嫌な目論見を行使しているのである。*2


このように天才でありながら、その才能故に苦労しており本人も極めて常識的で控えめ、
尚且つ責任感が強い性格なので、それ相応に面倒事を押し付けられる少し不運な少年である。


裏解決屋として】

上述した通り機械や技術力に優れているので、裏解決屋では技術顧問を担当している。
リゼットもマルドゥック出身なのでそれなりに優れているのだが、あくまでサービスコンサルジュという役職であり、ソフト専門であるためハード関係は専門外。
そのハード関係をカトルが担当するので完全なメカニック部門。


カトル自身も非常に優秀だが、彼が自作した導力ドローンFIOやXEROSが輪に掛けて役に立つ。
FIOは周辺のサーチや探知性能に長けており、なんとモンマルトのおつかいまで熟せる。
そして犬の容姿をしたXEROSも周辺の探知や索敵に優れ、速力も出るのでカトルやアニエス二人を背中に乗せても並の人間より移動が速い。
(あと導力犬という珍しさから、旧市街のマスコットにも成っており、度々ユメが友達に自慢をしている)


そして裏解決屋に於ける彼のもう一つの担当。
それがツッコミとリアクションである。
なんといっても、このカトル君は裏解決屋随一の常識人なのである。*3
普段は一癖も二癖もある裏解決屋メンバーや周りのメンツをジト目や苦笑いしながら注意したりツッコミをするのが通例。
そして無茶な事態に陥ると普段の落ち着いた雰囲気をかなぐり捨てて、年相応に驚く素晴らしいリアクションをしてくれる。
天才という肩書に反して極めて普通の感性を持つカトル君は、まさに裏解決屋とプレイヤーにとっての「良心」である。


【容姿】

超絶美少年。この一言に尽きる。
グレーがかった銀髪にあどけない顔つきは初対面では少女に見間違われる程。
軌跡シリーズは基本美男美女で、裏解決屋にも女型が出来るアーロンもいるが、歴代キャラや彼と比べても美形レベルが違う。
ただカトルは、この容姿に少なからずコンプレックスを抱いており、特に初対面時に女と見間違われることは、当然快く思っていない。


そういえば1/4世紀ほど前の著名アニメのキャラで、番外編だがカトルという名でそういう目にあった少年がいたが何の因縁か・・・


ただこの容姿が彼に於ける最大の謎である。
というのも初対面でヴァンがカトルの性別に疑問を持ったのである。
そして周りのメンバーはカトルは男子だと思っており、デリカシーに欠けるヴァンに苦言を呈した。
ここまでならまだヴァンの勘違いで済むが、唯一リゼットもヴァン同様に違和感を抱いたのである。


更には入浴時やサウナも誰かと入るのを忌避したり、ヴァンやアーロンと相部屋になるのを恥ずかしがったりしている。
また一人で入浴する時も胸と腰をタオルで隠して入るという徹底ぶりである。*4
結論を言うと性別が非常に怪しい描写があるのである。
まあ男でも女でもどっちでも美味しい、事務所の仲間やプレイヤーは気にしないと思うので、カトル君自身もあまり気にしないで頂きたい。


【戦闘力】

基本的に研究者・技術者なので、戦闘は本職ではない。
身体能力もアニエス並か、それ以下であり本人もインドア派を自覚している。
ただ導力パルスガンを所持しており、その腕前はかなりのもの。
これに加えて自身が制作したFIOとXEROSが戦闘でも貢献する。
なので総合的な戦闘力は決して低い訳ではなく、その辺の魔獣程度なら問題なく対処、撃退が可能。


【性能】

見た目や性格通り補助向けの能力で、後衛とサポート特化の性能。
物理攻撃よりは魔法攻撃の方が高い.
しかし低い攻撃力に反して、補助能力は本当に凄まじい。
特にサテライトキュアは、これに始まりこれに尽きると言わんばかりの超絶性能である。
煉気吼を使った所長にコインを投げてもらい、メイドさんにシールドを張ってもらい、カトル君がサテライト・キュアを使えば、高難易度のボス戦でも余程のことが無い限り全滅することはないだろう。
とにかく破格の補助要員なので、ボス戦には入れておきたいメンバーの一人である。


【Xipha】

QUARTZ LINE
WEAPON   
SHIELD
DRIVE   
EXTRA

【クラフト】

  • オプティカルカノン
    消費CP:50 魔法攻撃【威力:C+ / 範囲:直線S】確率凍結&側面特攻
    FIOがビーム*5を出して攻撃する。随分物騒なドローンだな…。攻撃力と範囲はそこそこだが、いかんせんCPが重く、それに見合った威力ではない。CPがある時に雑魚戦に使う程度だろう
  • プロキオンファング
    消費CP:70 物理攻撃【威力:A / 範囲:円M】物理&魔法攻撃低下
    XEROSに敵を攻撃させる。こちらも威力とデバフが付くがCPがさらに重い。しかも追い打ちを掛けるかのようにカトルの攻撃力が低いので全くダメージが出ない。ちなみに一時フェリが使用出来るが、こちらではフェリの能力もあり、かなりのダメージが出る。XEROSぇ……
  • サテライトキュア
    CP40 回復補助【 範囲:自分・円L】HP中回復&CP上昇
    FIOに回復してもらう技。そしてこのクラフトこそカトル君の真骨頂にして全てである。なんとこのクラフトの対象は自分も含める。なので実質CP20程で自身を含めたパーティ全員のHPとCPを回復出来るのである。ボス戦は余程のことがない限りこれだけを使っておけば良い。
  • ラプラスコード
    消費CP:60 補助【範囲:地点・円M】シールド(耐久4000)&物理・魔法攻撃力UP
    導力パルスガンにコードを入力することで、パーティにシールドを張る。こちらも優秀な補助魔法だがCPも重く、パーティにはシールドを張れる者が2人おり、しかもリゼットが凄まじい性能を持っているので、使用頻度はサテライト・キュアに軍配が挙がるだろう。
  • ディガンマ・ドライバー
    消費CP:100 魔法攻撃【威力S / 範囲:直線】凍結
    Sクラフト。カトルがXEROSに乗りFIOをランスに切り替えて敵に切り込む技。ビーム出したり武器に変わったり、FIOはなにで出来てるドローンなの、カトル君…?Sクラの威力自体は他のメンツと同じだが、再三言ってる通りカトルの攻撃力が低く、この技自体もHIT数が1しかないので、素直に補助役に徹しよう。

【黎の軌跡】

登場は4章。ヴァンやアニエスたちがバーゼルに出張した時に、ヴェルヌ社側の窓口として出会う。
最初は(当然)胡散臭いヴァンや裏解決屋に懐疑的だったが、ある事件がバーゼルで発生し、
それを解決する途中で魔獣相手に危機に陥ったカトルをヴァンたちが救出したことで、疑念も解け親しくなる。


その後ヴァンたちが大学で生徒にパワハラ*6をしていると見られるキャラハン教授を詰問するために、
かなりグレー(というかほぼアウト)の身分詐称でキャラハンに面会しようとするのを偶然見かける。
そして胡散臭いヴァンたちが、これまた超胡散臭いやり方でキャラハンに接触しようとするのを当然カトルが見過ごす筈もなく厳しい目つきで面会に同行するが、
ヴァンがパワハラ疑惑を教授に問い詰めるとカトルも途端に顔色を不安な様子に変える。
さらにはキャラハンも凄まじい顔つきで解決屋を怒鳴り散らし、かつて親しくしていた教授が噂通りパワハラをしていたのだと、嫌でも知ってしまう。
かつて親しくしていたキャラハンの変わりようにショックを受けるも、その場で根気強く説得するが、逆に彼から平手打ちを食らいハミルトン博士や天文台を侮辱されてしまう。
遂に居た堪れなくなりその場を離れるが、即座に追い付いて来た裏解決屋に慰められ、同時に天文台を見学に来たアラミス高等生も加わり、
久しぶりに賑やかになった天文台で、笑顔を見せるのだった。


その後バーゼルで起きた異変やキャラハンの変貌の原因を探るのに、裏解決屋と共に行動するが、夜間のキャラハンの研究室にて爆発事故が起きてしまう。
キャラハンは行方不明になり捜索を行うも、バーゼル隣の峡谷にて遺体となっているのを見つけてしまう。
同時にアルマータがバーゼル都市内にてテロを引き起こす事態が起きる。
ヴァンたちと共にバーゼル都市に急いで戻ることで事態の対処にあたるが、ここで解決屋と因縁があるアルマータ及び庭園の幹部であるメルキオルとオランピアが天文台に陣取っていた。
彼らの暴挙に憤り裏解決屋と共にアルマータを迎え撃とうとするが、彼らの実力と暴虐性に及ばず、劣勢を強いられる。


しかも死亡したキャラハン教授が光学モニターに映って姿を現す。
実はキャラハンは自身の頭脳をAI化し、ネット上に移していたのである。
それに加えて自身の研究を完成させるためアルマータにスポンサーになってもらい、多額の援助を受けていた。
これらの事実に衝撃を受けるカトルだが、目的を果たし撤退しようとするメルキオルが追い打ちで天文台を爆破しようとする。
この暴挙に完全に冷静さを失い無我夢中で突っ込もうとするが、即座にリゼットがカトルを押しのけるように庇い、爆破に巻き込まれる。


翌日、様々なショックで完全に落ち込むカトルだったが、重傷を負ったリゼットの言葉を聞いてなんとか立ち直る。
その後再起を果たしたカトルはクロンカイトの助言や持ち前の頭脳を発揮して、アルマータやキャラハンの目論見を予想、
彼らの目的に必要な場所を導き出し、裏解決屋と一緒に敵陣の乗り込む。


その後キャラハンの《反応兵器》*7完成という野望を聞き、これが完成すればクロンカイトやハミルトン博士も超えられると狂喜する彼にカトルは告げる。


女神が司る世界の神羅万象――確かにそれを解き明かすのは学問と技術の使命だ!


でもそれは僕たち自身――人間「共存」を通して行われるものだ!


そして人を人たらしめているものは社会であり、他者との関係そのもの――


その部分が揺らいでしまったら「前提」がそもそも崩壊してしまう……!


――だったらやっぱり「守るべき一線」はあるはずでしょう⁉


僕たち学者や研究者、技術者が人間性を手放す「深淵」に堕ちないためにも!


カトルが語った言葉は彼にとって唯一無二の家族であるハミルトン博士から教わった一人の研究者、なによりも人間としての在り方と矜持だった。
この決意を胸にアルマータと道を踏み外したかつての恩師であるキャラハン教授に立ち向かう。
最終的に勝利しキャラハンの妄執を断ち切るもメルキオルたちは、当のキャラハンを見捨てて撤退。
キャラハンのAIも限界を迎えるが、その最中にバーゼルを離れていたハミルトン博士が戻って来る。
そしてクロンカイトやハミルトン博士、カトルという「研究者の仲間」に看取られてキャラハン教授も満足して逝くのだった。


数日が経ち負傷から離脱していたリゼットが事務所に戻って来るが、同時にFIOやXEROSそしてカトルが姿を現す。
カトルは今回の一件で裏解決屋にアルマータという犯罪組織、また一技術者としてゲネシスやグレンデルに興味を抱き、事務所にやって来たと語る。
いつもの通り押しかけ同然で入って来る新人に他のバイト連中は大歓迎、ヴァンもまたこの時には半場諦めてカトルのバイトを認めるのだった。


そしてアルマータがキャラハン教授の研究成果を悪用し、バーゼル以上の惨劇を引き起こす事態を起こした。
しかもゲネシスを利用して大陸全土に未曽有の危機を齎す大事件まで企てた。
キャラハンの無念を晴らし、アルマータによる被害をこれ以上出さないため、カトルもまた一人の研究者として裏解決屋の一員として戦うことを決意。
最後はアルマータ首領ジェラール・ダンテスを倒し、大切な人を取り戻したことで終戦を迎えた。
EDでは理科大学の必修科目を取得するために一旦バーゼルに戻っており、ハミルトン博士、クロンカイト、エスメレーと一緒に笑顔で買い物する姿が見られた。


【謎】

【容姿】の部分で触れたが、彼の性別は疑わしい部分がある。
特に最終章にて彼の過去のトラウマが引き起こされる事態があるのだがその際に、
「どうして…………パパ………ママ………」
「………わたし………ぼく………――しになんかなりたく……」
という言葉を用いていることから、間違いなくなにかしらがある。
しかもジェラールとの決戦前にヴァンがかつてD∴G教団に攫われ実験された経緯を聞いた時、カトルは思わず「ヴァンさんも」と言っているので、
彼もまたD∴G教団に関わりのある人物だと推察出来る。*8


【黎の軌跡Ⅱ】

登場はヴァンルート第1章。
しばらく理科大学にいたが、事態の深刻さとヴァンからの報告でアルマータが、かつて拠点にしていたメッセルダムに向かう。
そしてヴァンの応援に駆け付け、同時に映画撮影の仕事がここであったジュディスとも合流。
1章冒頭から映画撮影の手伝いを(どうして映画の手伝いをしてるんだっけ?というメタな常識的な疑問を口に)しながらプロ顔負けの技術で、シーンの加工やCG制作をして活躍していた。(さすが天才)
そして途中で思わぬ知人に会いながら、アルマータの遺産がメッセルダムにあるという情報を得る。
道中様々な依頼を熟して情報集めをし、なんとかアルマータの遺産の一つである第八のゲネシスの外殻、その一部を手に入れることに成功する。


しばらくメッセルダム方面で情報収集していたが、間章にて代行の二人を含めた裏解決屋全員と合流。
一番厄介事を抱え込んだアーロンの心配をしながらもメンバーとの再会を喜び合った。
そして結社第四柱が裏解決屋をネメス島に招待し、自身の目的のために彼らを利用する。
ネメス島に来た翌日の朝、遂にエルロイは動き出し様々な陰謀を画策し実行するが、裏解決屋もなんとか彼の企みを乗り切る。
だが肝心のエルロイは雲隠れしてしまった。
エルロイの動向と次の一手に警戒する裏解決屋だったが、カトルだけはネメス島に来た時から他の解決屋メンバーとは違う不安感に苛まれていた。
そしてこの日の夕方に体調を崩しホテルで休息していたカトルは夜に行方不明となる……


以下、黎Ⅱに於けるカトルのネタバレ。

+ プレイ後に見ることをオススメします-

ネメス島の遺跡跡にて、遂にカトルを見つける裏解決屋。
しかしそこには茫然自失状態で意識があるかも定かではないカトルとその隣に立つエルロイの姿。
そしてエルロイが合図すると同時にカトルが発狂し、彼の背中にシャードで出来た翼が生える。
あたかも天使のような姿になったカトルは凄まじい霊圧と魔力を開放、無限にも観える魔法陣の数を空に展開し、ネメス島全域を攻撃する。
島そのものを跡形もなく破壊し、島に住む人々や数多の勢力、自身の仲間である解決屋の面々も残らず滅ぼし尽くしたのである……


そしてゲネシスによる巻き戻りが起こる。
自分たちが滅ぶ未来とカトルの異変を知ったヴァンたちはエルロイの目論見を阻止しようと動き出す。
なんとかカトルに送られる負の霊力の供給を食い止めた解決屋は再びカトルと対峙。
今度もカトルは同じ姿に変貌するも力は完全に再現されず、島が攻撃されることはなかった。
その後、不安定な状態のカトルを連れてエルロイは遺跡の地下に身を眩ます。
当然、解決屋もその後を追い、ここでカトルの出自がエルロイにより明かされる。


カトルもまたレンティオ、ヴァンと同じようにD∴G教団の被害者だったが、その経歴も末路も全く異なる。
なんとカトルはD∴G教団に入信した両親から生まれた子供なのである。
そしてその両親はカトルにある役割を施した。
それこそがデミウルゴスを降臨させる器の生成、つまり薬物投与や遺伝子の組み換えに意識操作といった人体実験を行い、神を入れる人間を創ろうと画策した。
ヨアヒムが所属していたロッジが[[神に至れる存在>キーア(英雄伝説)]]を一から創ろうと考えたのに対して、
カトルの両親がいたロッジは既存の人間(しかも我が子)に自分たちが信仰する神を宿すという考えに至ったのである。


まさに外道外法悪辣の極みだが、エルロイ曰くこれでも「大切な器」だったからロッジ内では、マシな扱いだったらしい。
だが当然マシな訳がない。
そもそもこんなクソ外道の親から生まれ、「最初から教団の道具」として使われてきた時点で、悲惨の極みである。
しかも数多の被験者と同じく薬物投与と人体実験はされている。
さらにはこの実験の果てにカトルの体と心には拭い難い後遺症が残った。


まず体は遺伝子操作と実験によって男でも女でもある体に変えられたのである。*9
これは両性の特徴を持ち合わせることで、より「神の器」に相応しくするためである。
これらの特徴を持つ存在を「完全な人間」「天使」と呼ぶらしい。
そして心は教団特有の洗脳教育を施され、この世への帰属性を薄れさせられていた。
間違いなく神を下した後に「この世への未練から人間に戻らせない」ための処置である。
結論を言うとカトルは「初めから死ぬことを定められた神のための生贄」だったのである。
(本当に出てくるたびに、罪状が明らかになるたびに「頼むから一人残らず、痕跡一つ残さず滅んでくれ」と心底から願う外道教団である……)


そして教団殲滅作戦時にカトルがいたロッジも壊滅。この時に技術支援で作戦に協力していたハミルトン博士に引き取られ、今に至るということである。
温かい家族に迎えられたこと、カトル自身の芯の強さもあり、立ち直ることが出来たが、やはり自身の体や経歴からの負い目、
自身の本当の両親に対する感情があり、どこか陰を落とす子供になってしまった。


この経歴を知ったヴァンたちはエルロイの口からこの事実を知ってしまったことに憤りを覚えるも、
天使化し暴走状態になったカトルを取り戻すために説得する。
カトルも僅かに意識を取り戻すも、今まで一人で抱え込んできた負の感情と天使となりヴァンたちを傷つけた事実から、自身の消滅を願うが、
魔王に飲み込まれたヴァンと同じことをしようとしていることを他ならぬヴァン自身から突き付けられた。
そしてヴァンは自身が魔王として去ろうとした時にカトルが語った言葉を思い起こしながら解決屋メンバーと共に奮戦する。
激闘と説得の果てにカトルは自身を取り戻し教団、実の両親、自身の過去と出生という闇を振り払い仲間と本当の家族の元に戻るのだった。




自身の出生を解決屋メンバーに知られたが、それを快く受け入れてくれた皆に感謝し、それに対してカトルもまた自身が今まで隠し通して来たコンプレックスを乗り越え、
その特殊な出自と力を含めて自分であり、自身の全てで裏解決屋の役目を全うし、仲間の力に成ろうと決めたのである。
そして黒幕が利用するゲネシスによって引き起こされる様々な災厄を解決し、
アラミスの学園祭にもゲストの協力者として多大な貢献をし、前回のアルマータとの激戦同様に全てを乗り越えていった。


そうここまでなら全てが丸く収まっていた。
だがカトル君は弾 け た


黎Ⅱ最大のカトル君ネタバレ。

+ 未プレイの方は本当に驚くのでガチで閲覧注意-

カトルの手伝いで彼の部屋を訪ねるヴァン。部屋を開けるとそこには…………



































それじゃ、今日は呼んでくれてありがとう、


イーディスのみんな♪


これからも応援よろしくねーっ☆



カトル君がネットアイドルになっていた


⁉( ゚Д゚)


ネット上で配信されているのは、上記のセリフを言いながら肩まで伸ばしたツインテール、アイドルの服を着たカトル君(?)の姿だった。
え……本当にどうしてこうなった…。いや落ち着け。取りあえず落ち着いて解説していこう。


明かされるのは最終章のコネクトイベント。
昨今、導力ネットの個人配信*10が新しい娯楽として広まりつつある中、
カトル君もまた自身で制作した動画配信を行おうと考え、自身の正体がバレた後にアラミス学園祭の準備を手伝う傍ら自身が配信する動画も制作しネット上にアップしていた。
それがこのカトレアチャンネルであり、カトル君は科学少女カトレアという名のアイドルとして世間に名を轟かせていたのである。
ちなみにアイドルの格好は実際に行っているのではなく、FIOを通してネットで作り上げた疑似アバター(仮想モデル)である。


そして初めて動画を挙げて配信してからたった数週間で超人気を得て知名度を爆発的に上げていた。
(どうやら軌跡の民度や考え方も現実の俺らと大差ないらしい)
そしてカトル君自身もここまで人気が出るとは、夢にも思っておらずに今更後には引けなくなったという訳である。*11


補足しておくと別に倒錯的な趣味や気の迷いでやっている訳では断じてない。
男としても女としても曖昧なまま男を通して生きていた自分が、自分が女の子として生きていたらどうなっていたか、
なによりも世界には多くの生き方や選択、価値観がある中で、特殊な出自である自身の可能性も世間を通して、また見直したいという立派な決意の元に行っている行為である。


そんな身体で男性因子の方が強いからアニエスに見とれる一方、女性因子の影響でヴァンのような頼りがいのある男にも惹かれている節がある。


しかしカトル君の謎にある程度、予測と検討がついたプレイヤーもいただろうが、彼がここまでのことをするとは誰一人思い至れなかっただろう…
(まあカワイイからなんにも問題ないけどね!こんなアイドルがいたら誰だっていいね!とチャンネル登録をするよね!!)
ヴァンもこの趣味を知って驚きはしたが、快く受け入れ活動に協力する姿勢を示した。



今後も科学少女カトレアちゃんの活躍に大いに期待が高まるところである。


とはいえ、ここまで人気が出てしまってはいずれアニエス達の耳にも入るという可能性がカトルの頭をよぎった。そして……もしもアーロンあたりにばれたら、カトルが考え得る限り最悪の展開だろう。



余談だがこのカトレアちゃんの衣装に変更は出来ない。
モデルは完璧されてるし、実際この衣装を来たカトルく…カトレアちゃんが出て来るにも関わらずである。
黎の軌跡Ⅱでは、その他のキャラの衣装はほぼ完備されているのに、予約や店舗限定の特典配信、有料DLCにすらこの衣装はない。
(一体なんの嫌がらせだ、ファルコム⁉)





みんな♪これからも追記・修正よろしくねーっ☆
って違う!こっちじゃない!
追記・修正よろしくね、ヴァンさん



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  • 所長にコインを投げてもらい、メイドさんにシールドを張ってもらい、カトル君がサテライト・キュアでHPとCPを確保しつつ、ATSが一番高い引っ込み思案な女の子のアーツで戦場を蹂躙してもらってました -- 名無しさん (2022-10-06 17:45:33)
  • 出自背景が笑えなさすぎる……ホント、ハミルトン博士に出会えて良かったね -- 名無しさん (2022-10-06 23:19:45)
  • まだ流石に2のネタバレ部分は書けないか、いやびっくりしたねアレは -- 名無しさん (2022-10-07 03:47:33)
  • アイドルって共和国でも漸く流行り始めた新ジャンルなんだよな。それをネットでやるってカトル君、マジで天才過ぎない? -- 名無しさん (2022-10-14 08:48:18)
  • ラストコネクトはアーロンばりに爆笑した。せずにはいられなかった。 -- 名無しさん (2022-10-14 09:21:17)
  • いい意味で(?)つらい過去を吹っ切れてよかったよかった…よね? -- 名無しさん (2022-10-15 12:22:53)
  • まあ出自と違ってアレは自分でやり始めたことだから、大変だろうがヴァン以外のメンバーにバレようが自業自得、自己責任だろう…。でもこれでホントにカトル君がイーディスを始めとする共和国で天下取ったら一番可哀想なのはアイドルとして売れ出し始めたあの二人とマネージャーじゃねえかなぁ…… -- 名無しさん (2022-10-15 22:16:41)
  • アニエスの笑顔の破壊力に照れたりリゼットの水着に見惚れるあたりカトルも男の子なんだなって -- 名無しさん (2022-10-20 22:42:48)
  • 男性因子が強いらしいから、基本は男なんだろうね -- 名無しさん (2022-10-26 22:41:48)
  • 飛行艇から飛び降りて飛行艇に侵入する時のリアクションと言ったらもう……って思ったけどカトルのリアクションが普通だよな -- 名無しさん (2022-11-05 00:49:38)

#comment(striction)

*1 逆に自身の才能に関しては、優秀な兄姉と比べて並か劣っている程度だと思っている節がある。言うまでもないがカトルも二人に匹敵或いは凌駕する超天才児である
*2 昨今は天文台を使用する人が少なくなっており、研究費を注いでまで天文台を存続させるメリットが大学側に少ないのである
*3 アニエスもマトモなのだが押しも強く、さらにカトルが加入する中盤にはヴァンや他のメンバーの影響を受けて一筋縄ではいかない性格に変貌していたのである…
*4 この時見える肌と骨格は男に近い
*5 正確には凍結レーザー
*6 普段から生徒に怒鳴り散らしたり、連日徹夜させて無理矢理研究を推し進めようとする等
*7 現実で言う原爆みたいなもの
*8 ヴァンも同じ匂いがカトルからしたのか、カトルが教団関係者だと知っていた節がある。
*9 彼が頑なに他者に自身の体を見せなかったのもこのため
*10 現実でいうYOUTUBEの動画アップみたいなもの
*11 モデルを変えようとも考えていたが、ファンが離れたり炎上するリスクを危険視したりと妙にリアルすぎる悩みも抱えている

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