登録日:2022/07/10 Sun 14:06:31
更新日:2024/06/20 Thu 11:06:22NEW!
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西川貴教 t.m.revolution 音楽 魔弾 腹筋崩壊 どうしてこうなった under:cover
「魔弾 ~Der Freischütz~」とは、西川貴教ことT.M.Revolutionが2000年9月6日にリリースした14枚目のシングルである。
サブタイトル「Der Freischütz」とはドイツ語で「自由射撃」。カール・マリア・フォン・ウェーバー作曲のオペラの題名であり、その話をモデルとしている。
有名な「魔弾の射手」のタイトルは、このオペラが日本に紹介された際につけられた邦題。
TMRらしくノリノリの曲調だが、曲の内容はいわゆる「失恋ソング」であり、
彼女とまともに付き合っておらず、そうこうしてる間に他の男の下へと去ってしまう彼女に対する、男の寂しさを歌ったものである。
2006年に発売された自身のセルフカバー・アルバム『UNDER:COVER』でファン投票により本曲が選ばれ、ReMixバ―ジョンが収録されている。
そしてこの曲で語るのに外せないのが
元からカオスだったのに後半になって更にカオスな展開となるミュージックビデオである。
カオスでシュールな展開とやたら高い完成度は発表から20年を経た今でも語り草。
YouTubeのTMR公式チャンネルで配信中なので、お気軽にどうぞ。
ミュージックビデオの内容
いかにも古そうなドラマ(『渡る世間は鬼ばかり』のような)風のタイトルバックに「魔弾」の文字が映り、続いて「出演」の文字が映る。
そして主演(歌手)である西川貴教と他の登場人物5人の名前が映る。
なお、このMVは、映像内での登場人物が喋るところは全て曲の歌詞に沿った口パクである。
とある町工場で働いている父が家に帰ると、知らない男(西川貴教)がいるのを見かける。
娘(木村多江)によると、この男は娘の彼氏だそうで、礼儀正しい青年を初めは父も快く迎え入れ、母も酒を持ってきていい雰囲気であったのだが、
娘が男と仲良く編み物の本を見て楽しそうにしている姿を見て父の機嫌が悪くなり、ムスッとした顔で酒を舐めながら2人を見ていた。
場所は変わってスナック。
父は友人と酒を飲んでおり、さっきのことで愚痴っている様子。
スナックのママが話しかけ、父がママに目を向けたところ、テレビの映像が目に入る。
画面に映っていたのはさっき出会った娘の彼氏で、とあるバンドのボーカルをしていたのだった。
カットはスタジオ内に切り替わって男が歌うのは曲の2サビ前半部分。曲調に反して映像は昭和のムード歌謡にしか見えない。
サビ後半に入るとカットが切り替わり、父が「アイツだアイツ!」と言わんばかりに指をテレビに向けている。
ママは男のことを褒めていたが、父はこの男の姿が気に入らないらしく、酒に酔いつぶれたのか、カウンターに伏せていた。
深夜、父がフラフラになりながら帰宅したところ、娘が編み物をしている姿を見かける。
その様子を見て、あの男のための編み物なのだと直感した父の堪忍袋の緒がついに切れた。
工場で工具を取り出すと、自分の右腕に対し、何かを施すのだが……
翌日、男が花束を持って娘の家に向かうと、娘はお出かけの支度中らしく帽子を選んでいた。
彼女に招き入れられた男が家に上がると、父が立ちはだかる。
そして父は
自身の右腕を曲げ、ロケットランチャーらしき弾頭を装填する。
カットインで示される前夜の様子と設計図。なんと父は娘の彼氏を撃退すべく、自らの右腕を兵器に改造したのだ。
これには男も驚き、娘が父の方を向いた瞬間、父がロケット弾を発射。
ロケット弾は男に直撃し、父は曲げていた腕を伸ばしてランチャーをしまう。
男は防御したものの、整えられていた黒髪は爆風で乱れた上に毛の色まで変わり、服はボロボロに破けた状態になってしまう(要はいつものTMR)。
お ま た せ
爆風は止んだのに謎の風を受けながらやる気かとばかりにファイティングポーズの男に対し、父はもう1発発射する。
男は2発目を避けて家の中を疾走、父はそれを追いかける。
そして男は改めて父に向かってこぶしを突き出し、それに相対する父。
男はロケットパンチ(文字通り)を繰り出し、父も3発目となるロケットを発射する。
見かねた娘が間に立ってその2つをつかむ。
「何をするんだ、やめろ」とばかりに娘に呼びかける両者。
(何気に西川アニキの腕はぶっ放した片方がないように加工されている)
そして娘は2つの弾頭を胸に抱き、家は大爆発してしまった。
そして夜、父に服が送られた。
65歳の誕生日を祝う娘からのプレゼントだった。あの時、男と選んで、娘が編んでいたものだった。
自分のために編んでくれていたのだと察した父親が、その服を着て着心地を確かめているところで「終」のテロップ画像が出て幕を閉じる。
以上がMVの内容である。
爆発で娘はどうなったのか色々言われるが、あれほどの大爆発にもかかわらず、
家は全くと言っていいほど被害を受けていないことから、少なくとも死んでないと思われる。
また、男がいつロケットパンチを放てるような体になったのかは全くの不明である。
余談
西川貴教は2020年8月29日、一般女性と結婚することになったのだが、その時の反応で、この曲を引き合いに出す人が多く見かけられた。
それほどこの曲のMVは視聴者にとって衝撃だったことがうかがえる。
追記・修正は腕からロケットを発射できるように改造してからお願いします。
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▷ コメント欄
- ライブ版の後半のアレンジすき -- 名無しさん (2022-07-10 14:17:29)
- 曲調と歌詞と映像とが何一つ合致してないのが逆に凄い -- 名無しさん (2022-07-10 14:30:21)
- こいつほど狂ったMVは邦楽史上にもそうそうないw -- 名無しさん (2022-07-10 16:40:28)
- 爆発とか重火器みたいな要素がどこにどう組み込んでもポンチすぎる -- 名無しさん (2022-07-10 16:46:20)
- 歌詞は「外すことのない恋の魔弾をこの胸に撃ち込んでよ」なのにMVではおっちゃんと男が飛び道具撃ち合ってるっていう -- 名無しさん (2022-07-10 16:50:28)
- リレー式口パクやスナックでの昭和式西川も十分シュールなのに、後半が凄すぎて誰も話題に出さないの笑うw他のSEは入ってないのに変形・発射・爆発音は入ってるしw -- 名無しさん (2022-07-10 17:32:23)
- CDの両A面曲である「LOVE SAVER」も甲乙つけがたい名曲。浅倉大介曰く「バラードのようなメロディなのに激しいアレンジの曲」なんだそうな -- 名無しさん (2022-07-10 18:38:37)
- 何食ってたらこのPV思いつくの?????????? -- 名無しさん (2022-07-10 19:43:08)
- 父母ともに最後とても神妙な表情をしているので娘さんがBADなENDを迎えた想像をした人も多いのでは無いだろうか。まあどちらとも分からない結末だけど… -- 名無しさん (2022-07-10 21:21:17)
- 完全に歌詞の口パクなのにドラマのほうで何言ってるのか容易に想像できる役者の演技力よ -- 名無しさん (2022-07-11 01:16:12)
- ↑2 編み終えてるけど手紙が残してあるあたり、たぶん駆け落ちしたからご両親的にはバッドエンドよ -- 名無しさん (2022-07-11 04:43:54)
- 途中まで完璧な小津安二郎オマージュなのがなおさら腹筋に悪い -- 名無しさん (2022-07-11 04:45:16)
- HELLSINGのMADのイメージが強い -- 名無しさん (2022-07-11 13:42:22)
- 父親へのプレゼントを一緒に考えてくれてた彼氏に対していきなりロケットランチャーぶっ放す父親だから娘が怒って出て行ってもおかしくないな。まぁ単に結婚したから家を出て二人の新居に行っただけかもしれんが -- 名無しさん (2022-07-11 23:48:21)
- アニキの服がボロボロになった途端に謎の風が吹いてくるのほんと好き -- 名無しさん (2022-07-14 00:44:03)
- 正装が爆風で吹き飛んだら下から正装(西川)が出てきたっていう表現めっちゃ好き -- 名無しさん (2024-03-02 21:18:49)
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