シロナガス島への帰還

ページ名:シロナガス島への帰還

登録日:2022/06/24(金) 16:34:27
更新日:2024/06/20 Thu 10:33:07NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



タグ一覧
ミステリー サスペンス 同人ゲーム windows アドベンチャーゲーム pcゲーム steam nintendo switch シロナガス島への帰還 シロナガス島 tabinomichi



────私は帰還する


あの忌まわしきシロナガス島へ────





シロナガス島への帰還』(Return to Shironagasu Island)は、TABINOMICHIから発売された同人ソフトである。
Windows(Vista/7/8/10)用のソフトの他、Steamでも配信されている。
価格は500円。
また、フルボイス版がSwitchに移植されて2022年11月17日に発売された。



あらすじ


大富豪の遺書の中に残された『シロナガス島』への招待状。
ニューヨークで探偵業を営む男『池田戦』は
特殊な能力を持つ少女『出雲崎ねね子』と共に島へと向かう。
そこで起きる数々の奇怪な殺人事件。
果たしてシロナガス島に隠された真実とは……?
すべての謎を解き、呪われた島から脱出せよ!

(公式サイトより抜粋)



概要


「古き良きアドベンチャーゲーム」とある通り、古いPCゲームを思い起こさせるようなゲームシステム。
基本システムは選択肢を選ぶだけのアドベンチャーゲームだが、読むだけにならないように、捜査の場面で画面クリックで特定の箇所を調査、時間制限付きの選択肢、爆弾の解体、名簿リストから犯人を指摘等、それなりにシステムには凝っており飽きさせない作りになっている。
「絶海の孤島で繰り広げられるミステリーサスペンス」という謳い文句だが、正確なところは「ミステリーのちにサスペンス、おまけにホラー」といった内容で、純粋なミステリーと思ってプレイすると終盤の展開には唖然とすると思われる。
それらの展開も含めて人気のあるゲームではあるが、その点は気を付けた方が良い。
とはいえ、犯人当て等、ミステリー部分もしっかりとした出来ではある。




事件関係者達

  • 池田 戦(せん) CV:なし*1

本作の主人公で口髭を生やし目つきの鋭いスーツ姿の男。
ただ、昔のゲームらしくゲーム中に一切ビジュアルが出てこないので、公式サイトを見る等しないと見た目が分からない*2
というか、事前にPVやサイトを見ないままプレイした後に公式サイトを見に行くとびっくりするかもしれない。


ニューヨークで私立探偵を営んでおり、マフィアとも繋がりがある等の黒い噂の絶えない男。
島を訪れるのに依頼者の関係者でないとまずい事情もあるが、本名から警戒される事も恐れて物語開始当初は名前を偽ってシロナガス島を訪れた。
いかにも影の有る設定だが、本編の彼は基本的には良識とユーモアを備えた人物。
ねね子の事は便利な道具扱いする事も多いが、危険な事からは遠ざけようとする等、大事にもしている。
事件現場についても完全記憶能力を頼りにねね子に見せて覚えさせたりはしてるが、流石にグロすぎる物については覚えさせるのを躊躇って見せなかった。



  • 出雲崎 ねね子 CV:井口裕香

本作のヒロイン。
二十数カ国語をネイティブレベルに話せる、ハッキングを可能とするレベルでPC技術に精通している、一度見た物は完全に記憶する完全記憶能力保持者とかなりのチート性能。
一方で初対面の人間とはまともに会話すらできないレベルの超絶コミュ障。
それでいて口も悪い。胸もない。腋毛は剃らない。とあまりに残念な女子スペック。
誰かを頼らないとまともに生活出来るかも怪しいレベルであり、置いて行かれて一人で生活するくらいなら危険の可能性があっても池田を頼った方がマシと判断して島へ同行する。



  • エイダ・ヒギンズ CV:大原さやか

今回の事件の依頼者。
ニューヨークファイヴタウンズの盟主、ロイ・ヒギンズの一人娘。
父ロイの自殺の調査を池田に依頼し、その調査の手腕を買ってロイ宛のシロナガス島への招待状についても調査を依頼した。



  • アキラ・エッジワース CV:石原夏織

スコットランド人で名門エッジワース家の令嬢。
招待状を受け取った父の代理人として従者のジゼルを連れて島を訪れる。
お嬢様らしく気位の高いキツめの性格。



  • ジゼル・リード CV:伊藤静

アキラの従者で女性。
表情を表に出さずにアキラに付き従っている。



  • リール・ベクスター CV:田中理恵

ワシントンに住む内科医の女性で、叔父の代理でシロナガス島を訪れる。
島で起きた事件について他に医者がいなかった為、リールが検死を行う。



  • アウロラ・ラヴィーリャ CV:茅野愛衣

島で出会う招待客の一人。
気さくな性格の少女で、池田もつい本名を明かしてしまう。
身につけているリボンにはあまりいい思い出がない様子。



  • ジェイコブ・ラトランド CV:東地宏樹

招待客の一人。
マフィアか何かのような雰囲気の男性で、行きの船の中で目的が血か肉かと池田に聞く等、島の秘密についても知っている様子。
酒好きで島の酒蔵にある酒を良く飲んでいる。



  • トマス・ハリントン CV:石住昭彦

招待客の一人で七三分けに眼鏡をかけた太った男性。
公式サイトでは「かなりの肥満体の男。」と書かれているが、中年太りくらいにしか見えない。
島の秘密については何かを知っている様子だが、聞いても教えてはくれない。



  • アレックス・ウェルナー CV:小林ゆう

アキラやリールと同じく代理で島を訪れた少年。
島の秘密を探っており、池田の悪評を知っている事もあって調査については対立している。



  • アビゲイル・エリスン CV:小原好美

島にあるホテル「ルイ・アソシエ」で客をもてなす寡黙なメイド。



  • ヴィンセント・スウィフト CV:中田譲治

島にあるホテル「ルイ・アソシエ」の執事で、レイモンド卿に仕えている。
滅多に顔を出さないというダンの代わりに主人の言葉を代弁して皆に伝えている。



  • ダン・レイモンド CV:藤野裕規

シロナガス島の当主で「ルイ・アソシエ」の主人。
気まぐれな変わり者で夕食の際にも声のみで姿は現さなかった。



  • 運転手の男性 CV:

島に到着後、池田達を「ルイ・アソシエ」まで運んでくれた男性。




キーワード

  • シロナガス島

アリューシャンに存在する孤島。
島内には「ルイ・アソシエ」以外に建物はなく、それ以外は荒地ばかりになっている。
島の周りの海流は小型船で乗り出すのは無茶な程に荒れている。


  • ルイ・アソシエ

シロナガス島に唯一存在するホテル。
客室棟と本棟に分かれており、その間は吹きさらしの通路が存在するのみ。
2棟を繋ぐ通路を重厚な扉が塞いでおり、レバーを回して扉を上げなければ通る事が出来ない奇妙な構造になっている。



  • シロナガス島の悪魔

半魚人のような悪魔。



以下、ネタバレにご注意ください。


  • ルイ・アソシエ

元はホテルではなく、世界中の富豪と一部の政府関係者による「人身売買」「違法な臓器移植」などの非合法な取引を斡旋する施設。
だが施設の真の利用目的は「完全なる不死」を最終目標とした生物兵器の研究であり、上記の違法行為ですらそれらをカモフラージュする為の隠れ蓑に過ぎなかった。
レイモンド卿は施設のとりまとめ役にして、現場における計画の主導者でもあった。
客室棟への通路が特殊なつくりで行き来しづらくなっていたのも少女の牢獄として機能していた為。
ここに売られた少女は赤青黄3色のいずれかのリボンが付けられ、黄色は薬の実験体、青は臓器を始めとした身体のパーツの提供、赤は何をしてもいい対象として管理されていた。
その為、赤のリボンの少女は遊びで殺されたりとろくな目に遭っていない。
一方で研究そのものは、とある人物の主導でほぼ成功と言える段階にまで至っていた。
また、その過程で記憶へのアクセスが可能な装置を作り上げており、装置を付けた人間を眠らせ過去の記憶の再現を脳内で実施、それをモニターを介して視聴したりある程度の操作を加える事も可能と、実質的には自白装置。
物語冒頭が始まってから池田がこの装置を取り外すまでの出来事は、実際はこの装置によって再現された過去の記憶映像だった。



  • ノーマン・ノース CV:平田広明

不死薬の研究者で記憶へのアクセス装置も作った天才。
アウロラの事は臓器移植の対象として使われるつつも不死薬で助けるつもりで研究を続けていたが、上層部が勝手にトマスを使って不完全な不死薬を投薬した為、アウロラは実質的に死亡。
ジゼルに不死薬へのカウンターとなる薬を残し死亡する。



  • ジゼル・リード

ホテルで起きた殺人事件の犯人。
元はルイ・アソシエに売られた赤リボンの一人だったが、アウロラと出会い、仲良くなる。
人体実験を行われていたアウロラが助かる方法もあると信じて生活を続けていたが、組織上層部の思惑が介入した事により結局アウロラは実質的に死亡。
ノーマンから研究完成のカギとなる物を受け取って島を脱出した後、普通に港へ向かえばまた捕まると考え、一か八かの賭けで遭難者として救援される事を願って海を漂い続け、エッジワース家に救われる。
そしてアキラの従者を務めながら、島への復讐を虎視眈々と狙っていた。



  • アウロラ・ラヴィーリャ

元はルイ・アソシエに売られた青リボンの一人で多くの臓器を他者へ提供していた。
腎臓は物語冒頭に登場したエイダ・ヒギンズへと移植されており、それによってエイダは助かったが、移植を依頼した父ロイはその件で終生良心の呵責にさいなまれることになる。
また、心臓はアレックスへと移植された。(池田の記憶の中でアレックスの陰に隠れるようなアウロラの姿があったのはその為)
臓器摘出後、代わりの臓器でどうにか生き永らえ、ノーマンの不死薬によって回復させる予定だったが、上層部の思惑で未完成の不死薬を投与された結果、化け物となる。
「シロナガス島の悪魔」として度々登場した化け物はアウロラのなれの果て。
一方で事前に自身の人格のコピーをコンピューターに移植する施術をノーマンに依頼していたことで、彼女の精神は池田が掛けられた記憶アクセス装置の中で生き永らえており、池田の記憶再現に影響のない範囲で池田へと干渉していた。



  • ヴィンセント・スウィフト

表向きはレイモンド卿の側近を演じていたが、正体は別の組織の指令により「完全なる不死」の完成品を奪うべく潜入した工作員。
研究成果の鍵を握る犯人と手を組んでシロナガス島の関係者を始末した後、犯人の持つ鍵を奪い目的を達成したかのように思われたが、自身が不死となって世界を支配する野望に突き動かされる形で組織を欺き、アビゲイルに致命傷を負わせる。



  • アビゲイル・エリスン

ヴィンセントと同じ組織の工作員。ヴィンセントと共に「完全なる不死」を狙うが、彼女自身は組織に忠実であった為にヴィンセントと目的の齟齬が生じ、最終的には裏切られる。



  • アキラ・エッジワース

父が「ルイ・アソシエ」に関わっているという事が許せず、父への招待状を奪って島へ来る。
気が強い割に諦めが早く、毒蛇にかまれた際には早々に生きるのを諦めていた。
最終的にどうにか生き残り、池田ハーレム?の一人に。
子供の頃にトイレに閉じ込められた経験からトイレが苦手で、その時に閉じ込めた「リリィ」という名の少女の事を今でも恨んでいる。



  • アレックス・ウェルナー

本名は「リリィ・アレクサンドリア・ウェルナー」で女性。
幼い頃に自身へ心臓移植を行ったアウロラの情報を探しに出自を偽って島に来た。男装は顔を知っているアキラに気付かれない為。
が、素で男性に勘違いされるレベルで胸がなく、後日談であるおまけシナリオの途中まではねね子やアキラから男性と勘違いされたままだった。
(というかアキラはリリィの顔を覚えておらず、男装した意味は結果的になかったといえる)
小さい頃にアキラをトイレに閉じ込めた本人。



  • ジェイコブ・ラトランド

元々、少女売春や赤リボンをいたぶって遊んでいたクズ。
トマスの殺害方法について気付いていたのも、ルイ・アソシエで良く行われていたデスゲームでの殺害方法の流用だった為。
あくまで客側の人間であり、元々島の裏の顔に通じた人間であった為、交渉すれば助かるだろうと踏んで余裕を持っていたが、アビゲイルやヴィンセントは島の関係者全てを敵に回す前提で動いていた為、あっさり殺害される。
ついでに不死薬を打たれてゾンビとして襲い掛かってくるが、苦しまずに死んでゾンビ化後は意識がないので、もうちょっと苦しんどけと思ったプレイヤーの声も。



  • トマス・ハリントン

医者としてアウロラの臓器移植にも関わっていた。
上層部の指示によりノーマンの意思を無視してアウロラへ不完全な不死薬を投薬する。
赤リボンの少女を殺す方法で焼き殺されたが、助かる方法も存在する為、そちら側の遊びについては知らなかったようだ。



  • リール・ベクスター

事件中に池田に電話越しで接触した「ウィザーズ」の正体。
ある組織の調査員で島の事を調べに来ていた。
偽りの肩書とはいえ医者としての知識も本物であり、戦闘、爆弾処理も出来るハイスペックな人物。
終盤化け物だらけと化した館内で負傷、足止め役を引き受け、自身の持っていた組織への通信装置を池田に託す。



  • ダン・レイモンド

「ずっと姿を現さない館の主人」の定番通り既に殺されており、顔面の生皮を剥がされ胴体を切り刻まれた挙句、眼球や心臓といった身体の様々なパーツを摘出された状態で発見された。
(正確にはホテル到着後に、池田が変なうめき声を聞いたタイミングで拷問を受け、その後殺害されたと考えられる)
その様子は池田とリールがドン引きする程に凄惨なものだったが、数多くの人間の命を弄んだ彼の最期としては因果応報と言えるものだったのかも知れない。



  • 運転手の男性

消息不明。ルイ・アソシエ側の人間の手によって、ジェイコブや館の使用人共々ゾンビ化させられた可能性が高い。



余談

  • 作者のこぼれ話

ゲームシステムや展開の緩急の付け方など、スナッチャー、ポリスノーツ等の影響を受けているらしい。
また、妙に肉付きの悪いヒロイン達は性癖であるとのこと。


  • BGMについて

当初はフリー音源を使用していたが、アップデートにより全てBGMが差し替えられた。
合わせてサントラもSteamで販売されている。
本編と合わせての購入も可能で、セールの際にはサントラも合わせて安く買える。


  • クラウドファンディング

Steamでの販売で売り上げ7万本、好評97%という圧倒的な高評価を受け、声優によるフルボイス化とSwitchへの移植を目指して目標金額200万のクラウドファンディングが行われた。
それに対し2か月で2647万の金額が集まり、見事に移植が決定された。
製品は2022年11月17日に発売されるも、オリジナル版の作者が発売直前に不具合に関して苦言、移植担当元が声明を発表する事態に。
現在はアップデートパッチにてそれらの不具合は解消され、今後もUI改善を行っていく予定とのこと。


私は追記・修正する。あの忌まわしきシロナガス島のページを。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,8)

[#include(name=テンプレ3)]


  • おまけシナリオは夜にやるもんじゃなかったわ。パターン多いし… -- 名無しさん (2022-06-24 17:32:40)
  • 普通に怖かったわ、アレ -- 名無しさん (2022-06-24 20:29:15)
  • Switchにでるんか。買わねば。 -- 名無しさん (2022-06-25 20:41:21)
  • 異様なまでの脇毛フェチがすごい -- 名無しさん (2022-06-25 22:41:41)
  • やっとスイッチ版の発売日決まったか -- 名無しさん (2022-07-29 10:32:44)
  • 本編よりおまけの方が怖いんじゃが! -- 名無しさん (2022-09-10 21:20:29)
  • スイッチ版の主題歌かっこよすぎるんだけど、「汚れた嘘をボクが暴く」なんてねね子絶対に言わないだろ… -- 名無しさん (2022-10-17 10:05:59)
  • 昔にどっかのゲーム紹介サイトで見たのがきっかけでAmazonでポチったけど、500円の値段以上に楽しめたし、文章も引き込まれるしで一発でファンになった。当時は知る人ぞ知る的な感じだったけどSwitchにも進出したし、もっと有名になってくれたら嬉しいな。 -- 名無しさん (2022-12-19 02:46:35)
  • 興味湧いたからプレステ版を待ってるわ。需要あると思うけどな -- 名無しさん (2022-12-19 09:28:10)
  • フルボイスねね子&アレックス面白すぎる -- 名無しさん (2023-02-18 19:35:44)
  • おまけシナリオでガチホラー話やるのヤメロォ!(悲鳴) 本編でのねね子の騒がしいボイスがいかに大事な物だったか思い知ったぜ…… -- 名無しさん (2023-08-04 21:30:32)

#comment

*1 ボイスドラマ版では大塚明夫氏がCVを担当している。
*2 とあるシーンで自身のライセンスを取り出した際に、映っている顔写真から辛うじてイメージが判別できる程度

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧