登録日:2022/03/20 (日) 03:25:31
更新日:2024/06/18 Tue 11:42:27NEW!
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恋愛 日常 百合 漫画 comic fuz 芳文社 百合←その他いろいろ ひめちゃんは重い女
あたし姫乃 重い女 今日も幸せです
「ひめちゃんは重い女」とは、花束葬式による漫画作品。元々はpixivに投稿されていたオリジナル漫画だったが、2020年11月より
COMIC FUZにて連載を開始し、2022年7月に完結。
単行本は全3巻
【概要】
同性愛者で「愛が重い」女子大生の主人公と、そんな彼女を取り巻く仲間たちの日常を描いたラブコメ(?)作品。様々な「恋をしている人」が登場し、そのお相手は、存在する次元も異性か同性かも人それぞれ。
【登場人物】
特に記載が無い限り、同じ大学の同級生。
花宮 姫乃(はなみや ひめの)
本作の主人公「ひめちゃん」*1
20歳の大学2年生。夜の彼女。茶髪(トーン髪)のロングヘアが特徴で、私服はフリルの付いたものが多い。
タイトルのとおり「重い」女であり、ラインの返信が無いと、もしも夜が死んでいたら、と不安のあまり28時間に渡ってメッセージを送信し続けたり、バレンタインに朝いちで夜に張りついて夜が自分以外からチョコを貰うのを阻止しようとしたり、夜と同棲(未定)する資金のためにバイトに励んだりと「重い」言動は枚挙に暇が無い。
その一方で「重い」ことを本人も自覚しており、年末に1年間を振り返って夜に沢山迷惑をかけたと反省し、それについての謝罪と、それでも自分と一緒にいてくれる事へのお礼を述べたり、デート当日に夜の体調が悪いと知れば即座にデートを延期したり、無自覚に夜を不快にさせているのではと不安になって悩んだ結果、夜本人に「姫乃の嫌いなところ」を尋ねて改善しようとしたりと、夜への気持ちはけっして独りよがりではない。
また、自分とは真逆の価値観を持つ夏実を
「あたしにできない事ができる凄くいい子なの」
と称賛したり、はじめが酷い捨て台詞と共に彼氏に振られたと聞けば一緒に怒ったり、「二次元の存在に恋する」気持ちを周囲に理解されないとこぼす林子に「恋する気持ちに二次元もリアルも関係ない。林子ちゃんも自分と同じ『恋する女の子』仲間だよ(要約)」と笑顔を向けたり、自身の趣味を恥じる大路に
「凄く好きなものがあるのはそれだけで素敵な事。何も悪くないのに悩む必要も自己嫌悪する必要もない(要約)」
と述べるなど、他者を尊重する気持ちや思い遣りは持ち合わせている。
不安になるたびに握りしめたり叩きつけたりするため、スマホはきちんと機能するものの、画面は常にヒビだらけ。
郡山 夜(こおりやま よる)
姫乃の彼女。人当たりが良くフォロー上手で、男女問わず人気が高い。
姫乃とは対照的に、黒の短髪*2にシンプルなTシャツやジャケットにジーンズといったボーイッシュな服装と、糸目で常に微笑んでいるような顔が特徴。
特に盲目などではなく、たまに開眼するが、その目には決まってハイライトが無い。
風邪で寝込んでいる最中*3にひっきりなしにラインを送られても引いたり怒ったりせず、完治した後に顔を合わせた姫乃に不安にさせた事を謝罪したり、寝癖やニキビを気にして挙動不審になる姫乃に
「どんな姫乃も可愛いよ?」
と、さらりと言えるなど、まさにスーパーハニー(スパダリの女性版)……のようだが、
「(姫乃がいれば)他の人とか 究極 どうでもいいし」
と(開眼して)言い放ったり、張りつかれるまでもなく姫乃以外からのチョコは受け取らないつもりでいたり、前述の姫乃と同じ考えのもとバイトに励んだりと、夜も夜で大概なところがある。
姫乃のことは「重い」ところもすべて含めて好きであり、前述のとおり姫乃に頼まれて「姫乃の嫌いなところ」を頑張って考えた結果「無い」という結論に到達した。
姫乃との出会いの詳細は不明だが、付き合い始めたのは大学1年生の春。
幼少期の回想から、母との間にわだかまりがあるようだが……?
御行 一(ごぎょう はじめ)
姫乃の高校、大学の後輩で、高校時代からの友人。
金髪のセンターパートと、ハイライトの無い目が特徴。
彼もまた同性愛者であり「重い」タイプの人間。
それ故に姫乃とは良き理解者同士であり共感し合うことも多いが、28時間ひっきりなしにラインを送り続ける姫乃に引いたり、真剣な相談の最中に惚気話を始める姫乃に呆れたりと、時にはツッコミ役に回ることも。
たびたび彼氏ができることはあるのだが、その「重い」性格を面倒くさがられたり、相手の倫理観に問題があったりで長続きしない。故に「付き合って〇ヶ月記念日」などの話題は地雷。
姫乃とは高校に入学したばかりの頃、お互い恋人に振られて落ち込んでいた時に出会って仲良くなった。
彼も姫乃と同じ理由でスマホの画面がヒビだらけ。
友川 夏実(ともかわ なつみ)*4
姫乃の中学時代からの友人。秋人の彼女。
純粋日本人ではあるが、シニヨンヘアにチャイナ服という、おそらく「二次元の中国人少女」と言われて想像する人物そのままな外見が特徴。しかし口調は至って普通で、特徴的な語尾ではない。
チャイナ服好きは筋金入りであり、中学時代、どうやったのか制服をチャイナ服に改造して反省文を書かされた経験があるほど。また、秋人はシンプルなファッションが好きだと勘違いして*5無地の服を着た時は「夏実がチャイナ服以外を着ている」事で姫乃と秋人を仰天させた。
大学2年生にして始めて彼氏ができたが、その彼氏からのラインを(どうでもいい用件とはいえ)面倒くさいからと悪気無く未読スルーし、ラインよりも直接会う方が気楽なのと文章入力が面倒だからとラインの送信は必要最低限の内容を3日に1回程度。人から惚気話を聞くのは好きだが、秋人の良さは自分が知っていたらそれでいいという理由で自分からは惚気ず、友人との時間や趣味の時間を優先してデートの予定が立てられないなど、恋愛に対する姿勢は姫乃と正反対。
こんな調子だが決して彼氏である秋人に関心が無い訳ではなく、上記のデートの予定について揉めた後日、
「……ごめんね あたし多分 変だよね 恋愛ってこんなんじゃないよね」
と秋人に言ったり、秋人に我慢ばかりさせていないかと心配して本人に尋ねたりしている。
要するに、いい意味で自分第一で大切なところは譲らない、ぶれない性格の持ち主。
日頃から鍛えているため、ヒールで走って転びかけても持ちこたえられるほど体幹が強い。
すぐに寝てしまうので、読書や映画鑑賞は苦手。それでも少しは秋人の趣味に合わせようと、秋人から読みやすい本を紹介してもらったりしている。
最上 秋人(もがみ あきひと)
夏実の彼氏。
目元まで伸ばした黒髪が特徴の、線の細い青年。
夏実と付き合うまで姫乃と面識は無かったが、夏実が大学の食堂に置き忘れた学生証を届けた時に、夏実に紹介されて知り合った。
夏実いわく「真面目で暗くて重くてめんどい けど めっちゃ優しいし かっこいいし いい人」
夏実とは対照的に、読書好きで体力や筋力は乏しいインドア派。
加えて1日に膨大な量のラインを夏実に送るなど、姫乃と行動や価値観が似ているところがあり、夏実は
「姫乃 あたしよりあたしの彼氏と仲良くできそう」
姫乃は
「(秋人と)前世の友人だった可能性ある」
と、それぞれ発言している。
それ故に夏実とは意見の食い違いで揉める事もあるが、自分と大きく異なる夏実の価値観は「ひとりでは気づけない間違いや思い込みに気づかせてくれる」として尊重しており、
何かあればその都度ふたりで話し合い、納得し合って解決している。
また、すべてにおいて「夏実の好きなようにすればいい」というスタンスで、夏実の意見をいっさい否定せず自分の意見を述べる事もない。しかし、それは「逆らうのが怖い」や「考えるのが面倒くさい」という理由からではなく「夏実が楽しそうにしている姿を見るのが楽しいし、夏実が好きだから夏実を優先したい」と心から思っているため。
筋トレに挑戦したが、腹筋10回もできなかったらしい。その事を引き合いに出して、自分に合わせて読書しようとする夏実に
「だから夏実も無理しなくていいんだよ」
と述べたことがある。
ラインに関しては、夏実と話し合った結果「秋人が送る膨大な量のメッセージを夏実がまとめて読んで終了」というスタイルが定着した。
榊林子(さかき りんこ)
姫乃のバイト先の後輩。
19歳の大学1年生だが、姫乃たちと同じ大学かは不明。
金髪のロングヘアにカチューシャと、お嬢様口調が特徴。
本人いわく、お嬢様というほどでもないが、両親が礼儀に厳しかったために礼儀と口調が身についた、とのこと。
スマホゲーム「オトギメア」のキャラクター「十二夜 硝子(じゅうにや がらす)」のガチ恋勢であり、重度の同担拒否でもある。
どれほど重度かというと「同担ユーザーの存在を極力認識したくないから」
という理由でSNSの類を毒物呼ばわりして、これまでの人生で使用はおろか見ることすらいっさいせず、リアルで開催されるオトギメア関連のイベントも同じ理由で本心では苦痛なのだが、運営がやるというから(推しグッズのため、とも言う)仕方なく参加しているほど。
オトギメアはサービス開始したその日からプレイしており、開始1周年の際には、自宅に祭壇と小さな御輿を手作りして「硝子くんと出会って1年記念日」を祝った猛者。
架空の存在に恋をしたりお金をつぎ込んだりする精神を周囲に理解されずに生きてきたが、姫乃が初の理解者となった。
花宮 大路(はなみや ひろみち)
姫乃の、顔と髪色がそっくりな弟。高校2年生。
恋人や好きな人は今のところおらず、少女漫画を愛読しているが、本人は自身の性別や年齢を理由にこの趣味を恥じている。
姉の長所を述べるように当の姉から強要されたり、テレビからの「恋人とあだ名で呼び合った方が仲良くなれる」という情報に興味を持った姉と一緒にあだ名を考えることになったりと姉の言動に振り回されたり呆れたりすることが多いが、無茶振りに毎回なんだかんだで付き合ってあげたり、姉の何気ない言葉に前を向かされたりと、姉弟仲は悪くはない。
ずっと応援してきた少女漫画家が新しく出したBL(大路の苦手ジャンル)作品を買うか買わないかで悩んだことがある。その時のはさみのくだりは、何気に名シーンかもしれない。
【余談】
●本作と同誌にて同作者が「はじめくんと四ツ谷くん」を連載中。姫乃の友人、はじめと、その元カレ四ツ谷にスポットを当てた作品。
●作中で姫乃が言っているように、どんな形であれ対象がなんであれ「好き」の気持ちは尊いものである。好きである事が恥であるものなど何も無い、というのが本作の隠れたテーマ……なのだろうか。
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*1 もっとも、作中に「ひめちゃん」と呼ぶ人は今のところいないが。*2 ずっと短髪なのは変わりないが、金髪だったりセンターパートだったりツーブロックだったりと、色や前髪の形がころ変わる。
*3 姫乃はその事を知らなかったため、不安になっていた。
*4 変更理由は不明だが、pixivでの初登場時の名前は「夏樹」
*5 夏実は「夏実に着てほしいもの」という意味で「秋人の好きなファッション」を尋ねたが、秋人はそれを「秋人が着たいもの」と解釈した。
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