2012年クラシック世代

ページ名:2012年クラシック世代

登録日:2022/02/16 Wed 20:44:00
更新日:2024/06/18 Tue 09:56:48NEW!
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2012年クラシック世代とは、2009年に生まれ2012年のクラシック戦線を戦った競走馬たちの世代である。略して12世代とも。
綺羅星の如く強者達が鎬を削った最強世代、その実同一GⅠレース連覇馬が6頭も存在するという、98年クラシック世代に勝るとも言われる、控えめに言っても強者と言うか修羅揃いだった世代である。





概要

俗に「ゴールドシップ世代」または「ジェンティルドンナ世代」、ないしはフェノーメノを含め「三強(2013年宝塚記念より)」と呼ばれることが多い。
ゴルシは皐月と菊花の二冠を含むGⅠ6勝、ジェンティルも牝馬三冠を筆頭にGⅠ7勝で、この2頭だけでもGⅠを13勝と言うそんじょそこらの優駿では束になっても勝ち目がないサラブレッド界の超トップホースである。
このゴルシと鬼婦人を筆頭に、各路線を荒らしまくったのがこの世代。何なら王道路線はこいつら同士でバッチバチにやりあっており、1つ上の2011年クラシック世代の三冠馬オルフェーヴルや、短距離マイルのキングオブキングこと
ロードカナロアともやり合い、時は東北地方太平洋沖地震によって自粛ムードが広がる時代の中で(一応マイル以下はロードカナロアと中短距離キングことモーリスが猛威を振るったが)11世代と共に
12世代が競馬を盛り立てて行った事も注目される。しかも、この世代のGI馬で武豊が継続騎乗した馬が一頭もいない*1と言う点からも一部で谷間の世代と言われる事がある中でコレである。


なおJRAにおける同一世代の中央平地GⅠレース累計28勝と、三冠牝馬アーモンドアイやGⅠ4勝ラッキーライラックらを擁する後の'18クラシック世代(中央平地GⅠ32勝)に次ぐ歴代2位の成績を誇り*2
当時の中央平地GⅠ計21個を一世代でコンプリートした'98クラシック世代(中央平地GⅠ23勝)や平地GⅠが少なく海外や地方遠征も無かった時代に中央平地GⅠ20勝を記録した'88クラシック世代と並び称される事もある。
古馬になって早々にこの地獄絵図に放り込まれた2013年クラシック世代の芝平地組は泣いていい*3
地味に日高産馬で2002年(ノーリーズン・タニノギムレットヒシミラクル)以来10年ぶりにクラシック三冠を制圧した世代でもある(次に成し遂げたのは8年後のコントレイル三冠)。


上記の通り、同一GⅠレース連覇馬が6頭存在するが、世代での連覇で見ても…

  • 天皇賞(春)3連覇('13/'14のフェノーメノ・'15のゴールドシップ)
  • ヴィクトリアマイル4連覇('13/'14のヴィルシーナ・'15/'16のストレイトガール)
  • 秋天連覇('13のジャスタウェイ・'14のスピルバーグ)

という蠱毒を超えたもっとやべーナニカであり、化け物同士が真っ向から殴り合って実力で連覇を果たした修羅共という意味で、真に最強世代と呼ぶべきはこの世代ではないかとの見方もある。
なおダート馬であるタルマエはハタノヴァンクールの(当社比)早期離脱もあって1歳下のコパノリッキーと殴りあってた
しかし、綺羅星の如く将来を嘱望され、当時を席巻していた馬が多くいた世代であったもののその反面、バタバタと故障・引退しまくった馬が多く存在する世代でもある。
特に皐月賞までは「どのディープ産駒がクラシックを獲るか」と言われていた程に「世はまさにディープ産駒時代」と言わんばかりにディープインパクト産駒への期待が掛かっていた世代でもあったが、
次々故障する産駒が頻発。特に2012年日本ダービーではディープ産駒上位3頭が屈腱炎で引退もしくは長期休養を強いられ最終的には引退など、円満引退した馬いないんじゃないかってレベルで故障し散って行った。
よって、この世代の牡馬は凄まじいまでの淘汰圧に曝された生き残りと言える。
なお自分で自分の脚ぶつけて蹄球炎になりながら、ケロッと復帰した挙句引退まで大した故障も無かったゴルシとかいう例外オブ例外……と言うか故障した馬のケースは半分ほどコイツ絡みである。それとディープ産駒なのに故障のコの字も知らなかった鬼婦人。



世代を代表する愉快なやべーやつらと優駿の皆さん

GⅠ馬のみ記載。


ゴールドシップ

個別項目参照。
世代筆頭馬その1。
ファンからはもはや説明不要、現役時はアイドル・スターホース兼癖馬芸人枠の「名馬にして迷馬」の代表格。
地味にその芦毛と言う目立つルックスと強さと奇行から女性からの人気が異様に高く、競馬場で出て来るや黄色い声が上がった馬でもあった。
彼に関してはやはり「暴れん坊」・「個性派」・「気性難」など母父の長所欠点や賢さを薄めず全部足した結果、人間の理想形を嫌った豪傑ぶりで話題になるが、
実力も世代筆頭に挙げられるだけあって牡馬クラシック二冠*4・史上初の宝塚記念連覇*5・並み居る古馬を200mから一気にぶち抜いて勝った12年有馬記念制覇・ゲート入り拒否って目隠しされて押し込まれながら、1枠取ったのに最後方に下がって2周目の坂でミスターシービーライスシャワーも真っ青の仕掛けをかましてシレッと天皇賞(春)制覇*6など(あくまでやる気と騎手の力量が噛み合った場合)圧倒的なスタミナの暴力で最後方からのスタートでもスタミナ勝負に持ち込み大抵の馬がヘバって大穴を連れて来ること屡、そして度々競った馬が屈腱炎などに陥る程のハイペースで他馬を捩じ伏せ、最後の直線で二段ロケットとも言える末脚を炸裂させる豪快な競馬を展開、それでいながら大怪我とは無縁のタフさで、LWBRR*7でも3歳時から3年連続124ポンドを叩き出し、引退した6歳時でも120ポンドを記録しランキング常連であったなど世代筆頭を名乗るに相応しい実績を叩き出してきた、超級のやべーやつなのだ。そもそも3歳時に共同通信杯+八大競争3勝で2011年のオルフェーヴル以来10年ぶりの牡馬3歳馬の年度代表馬となったエフフォーリア級の戦績*8どころか二冠を挙げ、例年ならば年度代表馬はカタい所を、牝馬三冠を叩き出した鬼婦人にその座を取られている時点でこの世代の恐ろしさが窺える。獲得賞金総額も芦毛トップの約14億円(13億9776万円)で歴代賞金獲得総額8位を記録するなど競走馬としても優秀であった。
また同期且つ同じ須貝厩舎で馬房が隣同士だった後述のジャスタウェイとはマブダチ且つ調教時のパートナー・凱旋門賞時の帯同馬の戦友でもあった。


引退後に色々あって日高のビッグレッドファームにて種牡馬活動入り。2021年オークス馬ユーバーレーベン、2023年中山大障害制覇馬マイネルグロン、メイショウタバルと言ったGI馬をはじめとした重賞馬を複数輩出している。
しかも白毛馬の定番のシラユキヒメ一族ではない、ジオペラハウス系とホワイトビューティー系から白毛馬を3連発かつそこまでの白毛率100%で産出する(アオラキ、サトノジャスミンの2022・2023。なお2024年産は鹿毛の牡馬)など色んな用途でバリバリ活躍し健闘しており、間違いなく非社台を地で行く日高の星と言える種牡馬もとして名馬である……


……と言いたいところだが、勝ち鞍のレース内容も実に凄まじいながら、それ以上に凄まじくクレイジーなネタエピソードてんこ盛りの逸話があまりにブッ飛び過ぎてるせいであまりレースの成績面の話をしてもらえず、専らネタ馬扱いが殆ど


何故かって……?彼の項を見てもらえば解かる。GⅠ6勝目を飾った後に鞍上から「マジメに走ってくれれば」と言われるわ、調教師からは「クスリをやってるロックスター」に例えられるなど、凡そGⅠ6勝した馬に対するものではない感想が返ってくるわ、大抵の暴挙が「ゴルシなら仕方がない」で済まされるトリックスターみたいな存在だわ、ファンサービスをもはや理解してやってるようにしか見えないので馬なのかすら怪しいわ、種牡馬として性豪絶倫だわ、勝ち鞍のイカれっぷりを見せたら見せたで余計にクレイジーと言われるわ……コイツのヤバさがイヤでも分かるだろう。


Cygamesから展開されている『ウマ娘 プリティーダービー』でも、VTuberとしてウマ娘のアプリ化まで活躍したりと顔役の一人として登場している。どんなキャラかはやはり項目を見て貰えば解かる。原作準拠とは言えトリックスター通り越してハジケリストと言われても違和感が微塵も無い分存分に擬人化もとい奇人化されている。これでも馬の方がイカれてると言われている時点で…




ジェンティルドンナ

個別項目参照。
世代筆頭馬その2。日本近代競馬の結晶産駒史上でも最高傑作と名高い女傑で、牝馬三冠やJC連覇*9、ドバイシーマクラシックにラストランでの有馬制覇と比較的安定した走りを見せ、当世代の獲得賞金総額トップ*10にして世代唯一のJRA顕彰馬でもある為、白いアレは間違いなく世代代表に相応しい実績だが、ネタ馬の要素が強すぎたので、牝馬として正統派かは兎も角実績的に正統派の強い馬として、彼女が世代代表馬と言う見方も多い。無論白いの程ではないが後述する名前に反した強さの数々から彼女のファンも多い。


馬名はイタリア語で「貴婦人」を意味する単語だが、その名前とは到底逆のレース運びから、その単語を捩った「鬼婦人」というあだ名*11の通り、2000年代後半よりダイワスカーレットウオッカと言った牝馬によるGⅠ制覇を普通に成し遂げ復権し、現在まで猛威を振るう俗に言う「ゴリラウーマン(ゴリウー)」の中でも最強格に挙げられる程、そこらの牡馬が泣いて土下座する勝負根性と闘争心の権化である。そのヤバさはJCでの前世代の三冠馬*12と宝塚でのゴルシ*13に対するタックル、しかも同期あたりのディープ産駒が主に白いアレとまともに競り合ったせいで故障し消えて行く…もとい全体的に故障しがちなディープ産駒に珍しく故障知らずの頑丈さ*14もあって「貴女サラブレッド版の吉田沙保里か何かでらっしゃる?」な逸話の持ち主からも窺える。と言うか牝馬とはいったい。序にその強さは岩田康誠の脳を焼いた*15


そのせいか(特にJCの一件による騎手のアレのせいで)タックルありきで語られる事が多い彼女であるが、タフな馬場は苦手だが高速馬場においては抜け出す加速力を武器に無類の強さを誇った。その実績は牝馬三冠・史上初のジャパンカップ連覇・ドバイシーマクラシック制覇、そして3連覇が懸かったJCに敗北してラストチャンスの末に掴んだ有馬記念制覇・JRA主要4競馬場全てでGⅠ勝利と、乗り替わりが激しかったものの鞍上の騎手に対して素直且つ器用な性格から来る顕彰馬に相応しい稀代のレースセンスから来るものと、ある意味戦友で苦手な阪神と京都制覇の要因を作っ(てくれ)たペースメーカーのヴィルシーナの存在と言っても過言ではない実績・実力の持ち主であり、しかも牝馬三冠を取ったあとは牝馬限定戦に一戦たりとも出走せず尚且つ京都記念(GⅡ)以外はGⅠのみ出走と言う、歴代JRA牝馬最強論の5指に大抵入る稀代の名牝である。そもそもローテが明らかに牝馬のそれじゃない…本当牝馬って何なんだ…


そんな彼女も2013年の4歳時にはドバイシーマでの惜敗→宝塚での白いアレの奇襲→天皇賞秋でジャスタウェイに強襲されるなど、この年JCの1勝のみ。翌2014年はドバイシーマを圧勝するも、宝塚で再び奇襲に遭い、秋天でスピルバーグに急襲→JCもエピファネイアどころかジャスタ・スピルバーグにも躱されており、幾ら年度代表馬であろうとも例外なく洗礼を受けていたりする。やっぱこの世代ヤバいって…だがラストランの有馬でゴルシ・ジャスタ・エピファをぶちのめしリベンジを果たして物語の幕を閉じるのは流石だが。


そんなこんなで「鬼婦人」だの「兄貴」だの「メスゴリラ」だの女好きに定評のあるゴルシから女扱いされてなかっただの言われている彼女であるが、引退後に繁殖牝馬になってからは鬼の性格はどこへやら、しっかりと子煩悩なお母さんになっており、子供とツーショットで映る母親ぶりが毎度撮影されている。
そして3番仔でモーリスとの間の娘ジェラルディーナは遅咲きではあるが2022年にオールカマー(GⅡ)を制し、同年のエリザベス女王杯(GⅠ)では三冠牝馬デアリングタクトをはじめとしたメンバーをちぎり捨てる活躍を見せた。なお母と逆に阪神に強く、その勝ち方からゴリラの娘呼ばわりされたのは言うまでもない。


ウマ娘としては2023年10月より放映のアニメ第3期の3話でゴルシが言及する形で名前のみ登場し、2月22日の『ぱかライブTV Vol.38 3周年記念 ハッピーウィンターフェス!』にて姿が公開&サポートカードとしてアプリに実装された。
史実のガチムチぶりを再現するかのようにとんでもないナイスバディの持ち主であり、勝負服も「貴婦人」の名に恥じぬ豪奢なドレス風となっている。
なお足の指でクルミを粉砕できたり砲丸をチョコボールサイズまで圧縮したりするパゥワの持ち主でもある



ジャスタウェイ

個別項目参照。
2014年ドバイDFでの圧勝により、LWBRR史上初の日本調教馬による単独世界1位となる130ポンドを叩き出した。上述した同じ須貝厩舎所属で馬房が隣同士だったゴルシとはマブダチ且つ調教時のパートナーとして、また足の弱かったジャスタウェイの覇道路線を確立させるのに大きい存在となった戦友としても非常に有名である。そして芦毛スキー(疑惑)。
ジャスタウェイはジャスタウェイであって世界のジャスタウェイ以外の何物でもない。それ以上でもそれ以下でもない。
4歳秋までは重賞勝利がGⅢの1勝のみのシルコレ善戦マンであり、「ハーツクライ産駒なのにステゴ枠」「名前の元ネタが元ネタだけに*16銀ばっか獲ってんなコイツ」的な扱いだったが、秋天で突如覚醒、鬼婦人を4馬身ぶっちぎって撃破しGⅠ馬の勝ち名乗りを挙げる*17と、翌年春にドバイへ殴り込みドバイデューティーフリー(現:ドバイターフ)で旧レコードを2秒以上更新する異次元の超絶レコード叩き出して制圧。ここで叩き出した1分45秒52は1996年のレース創設以来現在でも更新されていないどころか1分45秒台すら2022年の激闘まで待たねばならなかった。
さらに凱旋帰国後、即安田記念に殴り込み今まで散々ボコられた相手にまとめて熨斗つけてお礼参りを敢行と、父子揃ってジャイアントキラー*18っぷりを魅せつけ、2014年度の世界最強馬(レーティング的な意味で)という栄誉に輝いた。序に当時不調だったゴルシを差し置いて筆頭と見られた事も。
いやもうホント、完成度たけーなオイただ、活躍のせいかハーツクライ産駒が急騰して馬主の大和屋氏の手が届かない額になってしまう、というオチがついたが。


上記の通り芦毛スキー疑惑がある一方、ゴルシもジャスタウェイが引退して隣の馬房を去ってからは当社比落ち込んでいた*19。社台SSにスタッドインし、隣の放牧地の芦毛馬(キャプテントゥーレとクロフネ)と仲良くしていた、じっと見ていたという目撃談が多かったことから、話が広がり、芦毛好き疑惑が持ち上がったのだが、実は反対側の放牧地のディープブリランテから威嚇されまくっていたため、その反対側に寄って過ごしていたのが真相(なお、しばらくすると慣れ、威嚇を気にせずにディープブリランテの様子を眺めることもあった)。クロフネやキャプテントゥーレと別れた後はハービンジャーやリアルインパクトとも相性がいい様子であり、キタサンブラックが放牧地で走る様子に興味を示している光景も目撃されている。一方、オルフェーヴルからは種付けを中断してまで威嚇される等、仲が悪く、一時期、放牧地が隣になったこともあったが再度、引越しとなった(その後、一緒に走っている光景も目撃され、スタッフはそれを「ごく自然」と表現していることからある程度、仲が改善した可能性もある)。
ちなみに脱DTからしばらくは、相方と違って種付けはそこまで上手くなかったそうな。お前ら性格だけじゃなくてそっちも真逆なんかい
とは言え、2020年ホープフルステークス(GⅠ)を勝ったダノンザキッドや2021年JBCレディスクラシック(Jpn1)を勝ったテオレーマと言った馬も輩出している。
しかし、2021年より社台から日高のブリーダーズスタリオンステーションへ移動となった。


フェノーメノ

ステゴ産駒で母父デインヒルという良血。当歳の頃、小さい体に漆黒の馬体が黒豆を連想させるということで担当した戸田博文調教師から「マメちん」なる愛らしいあだ名を頂戴しているが、上の白いアレ同様、母ディラローシェとステゴを掛け合わせて
馬体の小型化を狙ったもののあだ名と真逆な500kg級のガチムチになってしまったと言う経緯を持つ。が、性格もステゴ産駒にしてはマジメだったらしく、戸田師から「マ~メちん」と呼びかけられて応じる可愛いシーンを写した映像が残っている。


クラシックGⅠ戦線では上位のディープ産駒が次々故障したあの地獄の2012年日本ダービーにも耐え抜いた典型的な善戦マンだったが、4歳春の春天で念願のGⅠ勝利を掴み取る*20。その後宝塚記念4着の後繋靭帯炎を発症、秋シーズンを棒に振ることに。
長い休養を終え日経賞5着を経て再び春天の舞台に降り立つと、後続の追撃を振り切りメジロマックイーンテイエムオペラオー以来となる史上3頭目の春天連覇を達成。昨年挑めなかった秋古馬戦線へ、そして春天3連覇へいざ征かん!
……が、連覇の反動で燃え尽きてしまったか、凡走と大敗の果てに右前足炎症で春天回避の後、右前足に繋靱帯炎、左前足に重度の屈腱炎を患っていた事が判明し無念の引退。そして3連覇以前に挑戦すら許されなかった春天はゴルシが獲って
ある意味同世代としての仇を取る形になった。ゴルシの半分でも頑丈だったら……


なお、体格は似てても体色は真逆に近いゴルシとは、レースで顔合わせるたびに威嚇される程度の仲だったそうな。
と言うのも、性格的にもステゴ産駒としては珍しく比較的真面目で穏やかなフェノーメノであったが、タクシーの運ちゃんに競馬場を刑務所と間違えられて連れてかれた戸田師の厩舎だけに茨城の美浦トレセンでドルジと呼ばれたボス格の馬であり、
滋賀・栗東トレセンの池江厩舎にいた筆頭ボス馬のトーセンジョーダンにケンカを売る程の天上天下唯我ゴルシだったので、あまり相性は良くなかった模様。
また、引退後、ゴルシと同じくステマ配合のオルフェーヴルとは顔を合わせる度に威嚇していたそう。対するオルフェーヴルも威嚇されると、フェノーメノの馬房に対して蹴りをする仕草を見せることもあるなど、こちらも犬猿の仲であった。


引退後は2016年より社台スタリオンステーションで種牡馬入り。
種牡馬としてはステイヤー型の実績が嫌われたことに加えて産駒の成績が現状地方ダート重賞止まりだったりそもそも産駒に気性難が多いなど難点を抱えており、2018年にレックススタッドに移動の後、2021年を以て種牡馬引退となった。
現在は去勢手術を経て功労馬として生まれ故郷の社台追分ファームで余生を送っており、2022年には追分ファームの公式Twitterでリードホース*21としてデビューしたことが明かされている。当初は怖がられていたようだが、すぐに慣れて行き
立派な先生になると言う流れがテンプレ化している。組長先生龍さんみたいなの想像すればわかる。



ヴィルシーナ

個別項目参照。
日本プロ野球において1998年に横浜ベイスターズを優勝に導いた立役者にして、MLBでも暴れまわったハマの大魔神こと佐々木主浩御大の所有馬。名前は奥様の榎本加奈子氏の命名。オカンは「尻尾のない馬*22」として大魔神がベタボレしてたハルーワスウィート*23で彼女の2番仔にあたる。
牝馬三冠での準三冠牝馬を含む5戦連続2着という珍記録の持ち主兼鬼婦人のオトモ…もとい彼女に桜花・オークス・秋華賞の牝馬三冠とローズSを攫われた被害者*24であり、牝馬クラシック戦線のシルコレ筆頭。平たく言うと牝馬版メイショウドトウ
大阪杯6着敗戦の後ヴィクトリアマイルに挑み、昨年の勝ち馬ホエールキャプチャをハナ差凌ぎきって、ハルーワスウィート産駒として、ひいては佐々木としても初となる念願のGⅠタイトルを獲得、何気にアパパネやブエナビスタ、ホエールキャプチャを以てしても果たせなかったVM連覇を成し遂げたのだった。
しかしその後はいいところなく、翌年のヴィクトリアマイルで復活Vを遂げ史上初のヴィクトリアマイル連覇を果たしたのと、唯一白いアレに返り討ちにされたドンナに勝った宝塚記念3着以外は掲示板にすら残れなかった。
鬼婦人いなかったらもっとGⅠ勝てていた可能性が高い……もとい牝馬三冠間違いなしだったあたり、生まれた世代があまりに悪すぎたというか、なんというか……
まあ、鬼婦人の個別項目見てもらえばわかる通り、鬼婦人が強かった理由の一端はヴィルシーナにもあるんだけどね


現在はノーザンファームで繁殖牝馬として活動中。初仔のブラヴァス(2016年生、父キングカメハメハ)が20年の新潟記念を制し、初年度産駒から重賞馬を送り出す上々の滑り出し。繁殖成績は鬼婦人超えなるか今後に注目であるが、3番仔のディヴィーナがVM11着の後に府中牝馬S(GⅡ)を制し順調に成績を上げている。


ウマ娘としては2023年10月より放映のアニメ第3期に登場。11月16日放送の第7話からセリフ付きで登場し、その3日後の11月20日にサポートカードとしてゲーム内にも登場した。
尚、アニメ8話では大魔神を彷彿とさせる抜群のフォームでキレッキレのフォークボールを投げた(具体的にはバッティングセンターのストラックアウトを縦三枚同時抜きしたレベル)


ストレイトガール

フジキセキ産駒(且つ母父タイキシャトル)のヴィクトリアマイル連覇第2号。こんな名前でサマースプリントも走っているが新潟千直は走っていない。
5歳春まではパッとしない条件馬に過ぎなかったが、連闘を含む怒涛の連戦で覚醒。一気にオープンクラスまでのし上がると、GⅢを勝って念願の重賞馬として名乗りを上げる。
なおこの年はこれ以降強豪に揉まれ勝てず。高松宮記念3着、スプリンターズステークス2着、香港スプリント3着と大舞台で好走しており、素質・実績ともに確かなのだが、この時点では遅れてきた短距離マイル部門の善戦ウーマン程度の扱いだった。
6歳で挑んだ5番人気で挑んだヴィクトリアマイルでJRA重賞レース史上最高の3連単(2070万5810円)を叩き出しながら*252着からアタマ差でついにGⅠタイトルに手が届き、さらにスプリンターズステークスも制覇。香港スプリントで9着となった為引退が検討されたが、翌年も現役続行、阪神牝馬Sで9着に終わるも、ヴィクトリアマイルへ出走。その場でなんと史上初の7歳牝馬GⅠ勝利をヴィルシーナに続くヴィクトリアマイル連覇で飾る*26という偉業を達成、これを花道に引退した。
ヴィクトリアマイルは結果として同一世代で4連覇という奇怪な珍記録の舞台となってしまった。


この世代の中でも覚醒がとても遅く、同世代よりは後発世代との交戦の方が好記録な珍しいタイプ。クラブ馬でなくて本当に良かった*27
他の同期の衰えが顕著になってきたあたりから覚醒した彼女を語るに「遅れてきたシンデレラストーリー」以上の表現はないだろう。と言うよりも牝馬版カンパニーとも言えよう。


引退後はイギリスのナショナルスタッドで繁殖入りし、初年度は世界最強マイラーフランケルが付けられた。なお、初仔アスクピーターパンは未出走のまま種牡馬入りした模様。
種牡馬入りしたので再度フランケルと交配し第二子を受胎した後日高に戻り出産。そして第三子の交配相手としてロードカナロアが選ばれた。
第二子アスクビートルズ(Ask Beat Luz)は2023年クラシック世代で、第二子であることを考慮しても他の12世代よりデビューで大きく出遅れているのだが、素質を評価されており今後の活躍に期待がかかる。


ホッコータルマエ

個別項目参照。
キングカメハメハ産駒の当世代ダート総大将。名前の由来は苫小牧市の樽前山より。主戦騎手は幸英明で、2003年クラシック世代の牝馬三冠馬であるスティルインラブや同じく2003年クラシック世代のダート総大将であるブルーコンコルドと共に彼の代表主戦馬と言える。
同期以上に1歳下の2010年代ダート総大将の座を分け合ったライバルコパノリッキーとバチバチにやりあっていた優駿。後述のようにサンビスタにGⅠかっ攫われたりもしたけど


3歳春を終えるまでは善戦マンだったこの世代、地味に善戦マン&ウーマンからの覚醒枠が多いが、夏競馬のレパードステークスで重賞初制覇、秋のJCDで3歳ながら3着とすると、交流重賞を無双しJpn1*28かしわ記念に殴り込み。粘る古豪エスポワールシチーをぶちのめし4連勝でGI級タイトルをもぎ取ると、帝王賞も先行馬をねじ伏せGⅠ級2連勝を含む重賞5連勝。
秋のマイルCS南部杯で敗れたことで連勝は止まるものの、JBCクラシックと東京大賞典を勝ちこの年GⅠ級4勝をマーク。なお中央GⅠを勝ってなかったため、JRA最優秀ダートホースの座は「あげません!」された。なお2014~16年には3年連続ドバイへの遠征も行い現地の関係者からも愛された*29


その後7歳まで走り続け、川崎記念3連覇、帝王賞2勝を含むGⅠ級10勝という大記録を樹立し引退。念願の最優秀ダートホースの座は14年に無事「あげます!」された。
活動期間にダートの強豪馬が多い中でこれだけの勝鞍をもぎ取ってきたあたり、日本のダートホースの中でも最上位に君臨していることに疑いの余地はない。故に地方競馬の名血と呼ばれ、応援歌が全国発売され、馬でありながらとまこまい観光大使に任命されるなど、苫小牧の星として語り継がれる。
なお、彼が北海道の競馬場(函館・札幌・門別)でレースをした事がないのは気にしないでおこう。いいね?*30


引退後は優駿スタリオンステーションとイーストスタッドを2年おきに移動する、国内シャトル種牡馬として供用中。2022年兵庫CS(Jpn2)勝ち馬のブリッツファングをはじめ、主に地方で活躍馬(地方重賞勝利産駒の19年産駒のママママカロニとニネンビーグミと言った珍名馬もいる)を出しており、今後は中央での活躍馬を輩出できるかが注目される。


ちなみにウマ娘として、2022年7月27日に当世代ではゴールドシップ以来の実装が発表された。
育成ウマ娘の固有スキル演出で苫小牧市公式マスコットであるとまチョップと共演したことが話題を集め、苫小牧市の知名度が大きく向上。観光大使の面目躍如である。


ハタノヴァンクール

当世代のダートホースとしてはGⅠ級勝利最速。
2歳新馬戦で芝を走るも13着轟沈、2戦目のダート未勝利戦を勝ったのでラジオNIKKEI杯2歳ステークス*31に凸するもこれまた15着轟沈。どうあがいても芝適性絶無なので、年明け以降はダートに専念することに。
翌12年は500万下以降3連勝で一気にオープン昇格し、ジャパンダートダービーを制して重賞初勝利をGⅠ級制覇で飾った。秋以降は古馬に揉まれ振るわぬも、年末の東京大賞典2着で巻き返しを見せる。
13年は初戦の川崎記念を制し、GⅠ級2勝目を挙げる上々の滑り出し。その後もダート重賞を転戦し掲示板を外さぬ安定した戦いぶりで、ブリーダーズゴールドカップで3連覇のかかるシビルウォーを下し重賞3勝目*32
しかしJBCクラシックを11着入線後に鞍上四位洋文騎手が下馬、左前脚浅屈腱炎が発覚。そのまま引退した。
屈腱炎発症してなかったら、もっと長く走れてホッコータルマエともいい勝負になったし、GⅠ級ももぎ取ってたと思うのだが……惜しいことである。


引退後はアロースタッドに入厩し種牡馬となるも、脚元の不安から一旦退厩し生まれ故郷で2年静養。15年末に再入厩し16年から供用されるも、2020年に別牧場に移動している。


余談だが中央重賞参戦が殆ど無かったのが祟ったのか、2012世代GⅠ馬で彼だけが某競馬漫画に登場出来なかった。



サンビスタ

ゴルシに続く日高の星となったクラブ馬。名付けはサンバ由来だがマツケンな上様は特に関係ない。父の名にマンボ、母の名にカーニバルが付いてるのでそこからの連想である。
デビューが3歳3月と遅くクラシック戦線には絡めず。それ以前に体質の懸念もあって、一貫してダートを走っていた。
中2~3週で未勝利戦を勝ち上がって以降、休養を挟みつつじわじわと昇格していき、14年2月の門司ステークスで晴れてオープン昇格すると、2戦好走を経てブリーダーズゴールドカップを勝ち重賞を獲得。さらに同年のJBCレディスクラシックを当時のレコードで制し、一躍GⅠ級馬に名乗り出た。
その後6歳2月末日引退の規定を蹴って15年末まで現役を続行。レディスクラシック以降はフェブラリーステークス7着を除き、全く掲示板を外さない安定した走りを見せ、父と同じく不人気ながらホッコータルマエ・コパノリッキーのダート2枚看板(当時)他、強豪揃いの野郎共をねじ伏せて牝馬史上初となる中央ダートGⅠ制覇の名誉とともにチャンピオンズカップを制した。続いて東京大賞典への出走も検討されたが引退規定を蹴ってまでしてGⅠタイトルを獲ったのだからとそのまま引退した。
あまりの大番狂わせに調教師すら「何故勝てたかわからない」と考える事を放棄したとか。


引退後は生まれ故郷グランド牧場で繁殖入りしており、4番仔まで不受胎等はなく順調に出産している。
今のところ産駒は勝ち上がりこそすれど重賞馬は出てきていないが、3番仔ジレトール(父ロードカナロア)が2023年にオープン入りを果たしている。


アルフレード

シンボリクリスエスに初の芝GⅠ勝利を捧げた孝行息子。
2歳秋の新馬戦から無傷の連勝で朝日杯フューチュリティステークスに殴り込むと、1番人気に応えコースレコード&レースレコードタイを叩き出し快勝、無傷で2歳牡馬の頂点に輝いた。
しかしその後激走の反動か、NHKマイルカップ2着を除く2戦して2桁着順と大轟沈。おまけに右前脚に屈腱炎を患い、19ヶ月もの長期療養を余儀なくされることに。朝日杯勝ってなかったらマッハで登録抹消されてたなこりゃ
14年1月にダートのオープン競争で復帰。脚への負担を考慮しダート参戦したが、ダートへの適性が壊滅的だったかドンケツに沈む。
その後は時折好走するも勝てず、15年の新潟記念後に翌年6月までの長期休養に入るが、復帰を目前にして今度は左前脚に屈腱炎を発症。引退後は帯広畜産大学馬術部にて第二の馬生を歩んでおり、馬術の競技会に出場するなどしている。



ジョワドヴィーヴル

ブエナビスタの妹(こちらは父ディープインパクト、あちらは父スペシャルウィーク)として注目を集めた良血馬。ちなみに馬名はフランス語で「生きる喜び」を意味する言葉で、姉ブエナビスタに騎乗した欧州の名手クリストフ・スミヨンによって東日本大震災後の日本への思いを込めて命名したもの。
育成厩舎はノーザンファーム早来牧場の日下厩舎(ノーザンファーム生産の有力な牝馬が集まる名門)であり、同じくOGのヴィルシーナとは同窓の関係。
新馬戦突破後に阪神ジュベナイルフィリーズへ直行。当選率40%の抽選を突破する幸運に恵まれると、幸運そのままに後続を2馬身半突き放し快勝。史上初の2戦目での阪神JF勝利馬となった。
しかし年明けてクラシック戦線においては、桜花賞トライアル3着はともかく、本番の桜花賞は鬼婦人無双の前に6着。止めにレース後骨折が発覚して年内を棒に振ると、惨憺たる結果に終わった。
翌13年は休養明け2戦してどちらも掲示板外と見せ場がなかったが、ヴィクトリアマイルで久々の掲示板圏内となる4着入線し、復活の兆しを見せる。


だが次走へ向け調教中の5月29日、左下腿骨を開放骨折。予後不良との判断から安楽死処分が下され、若い命を散らした。
将来を嘱望されながら故障を乗り越え復活を目指し、吉兆見えた矢先のこの悲劇。その名の通り「生きる喜び」を謳歌することなく逝ってしまった彼女が不憫でならない。



カレンブラックヒル

当世代の3歳マイル王。
デビュー前の育成厩舎はノーザンファーム空港牧場のC-1厩舎。実はここの育成馬にはジャスタウェイやフェノーメノもおり、ジャスタウェイとは集団調教で併せ馬もすることもあった。
デビューこそ(ゲートに苦戦し)3歳1月の新馬戦と遅かったものの、デビューからGⅡを含む3連勝でNHKマイルカップに挑むと、先頭に押し出されながらもペースを握り、逃げ切って無傷の4連勝。ちなみにマイルカップ無敗制覇はターフの怪鳥以来である。
夏の休養を挟み秋初戦として毎日王冠に出走、これも快勝。グレード制導入後初となる無傷での毎日王冠制覇となった。え、オグリキャップ?あいつ笠松時代に2敗してるんだよなぁ……
その後秋天に挑むも、エイシンフラッシュの復活Vを後ろで眺める5着。それでも同窓ジャスタウェイ(6着)にはNHKマイルC、毎日王冠に続き先着しており、クラシック期は同窓相手に3戦全勝という結果に。なお、フェノーメノ(2着)には先着された。


ここまでは順風満帆と言っていい競技馬生だったが、ダート適性確認として13年のフェブラリーステークスに出走(&15着轟沈)してから歯車が狂いだす。
安田記念14着、マイルCS18着と大轟沈を繰り返し、14~15年も諦めず現役続行するが振るわず、GⅠ勝利の栄光を再び掴むことなく競馬場を後にした。
フェブラリーステークスに出てなかったらもっと輝けていたのだろうか……
引退後は父ダイワメジャーの後継種牡馬として活動中。今の所地方重賞馬が目立つが、中央競馬で初めて勝利した息子が「オヌシナニモノ」なんて名前なのが話題になっていたり(2022年に金沢に移籍)。



ディープブリランテ

当世代のダービー馬。日高新冠町のパカパカファームの生産。
2歳時は新馬戦と東京スポーツ杯2歳ステークスを完勝し、無傷でクラシック戦線に挑む。しかし3歳初戦はゴルシの2着、次戦はグランデッツァの2着と連敗。無傷のダービー馬候補から一転、善戦マン方面の評価が強まってしまう。
クラシック初戦の皐月賞は逃げ馬を追いつつ絶好の好位に陣取るが、荒れた内沿いを突撃しワープばりにショートカットしたゴルシと大外から猛追してきたワールドエースに差され3着。またしても善戦マンの評価が強まってしまうハメに。
皐月から直行した日本ダービーでは皐月ワンツーコンビより下の3番人気に甘んじるも、好位先行から直線で抜け出し、たたき合いの末にフェノーメノの大外強襲をハナ差凌ぎきってGⅠ初制覇。鞍上岩田康誠騎手、矢作芳人調教師、生産牧場、そして父ディープインパクトにダービー初勝利の栄冠をもたらし、特に岩田康誠は感極まってブリランテの首すじに顔をうずめ男泣きに泣いて観客の涙を誘った。後に菊花を勝ったゴルシと共に日高産馬でクラシック三冠を10年ぶりに制圧。


その後まさかの渡英、そしてキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークスに出走。しかし世界有数の古馬軍団に屈し8着敗戦。やはり世界の壁は高かった。
帰国後は菊花賞へ向け調教を進めるも、レース直前に屈腱炎を発症し回避、そのまま引退と相成った。
引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入りしており、17年にセダブリランテスが地方重賞を勝って父の面目を施した。



スピルバーグ

これまたディープ産駒。世はまさに大ディープ産駒時代…と思われたが古馬入り前に故障で消えた産駒が多いのは先述の通り。彼はディープ牡馬の生き残りの一頭。
そしてディープ産駒の牡馬で古馬GⅠを獲った唯一の馬である。地味に6勝全て東京府中だったりする。
2歳10月の新馬戦勝利後は年明けまで出走せず、1月末の500万下で始動。なお、5月のオープン特別競争を勝つまでずっと善戦マンだった。
次走日本ダービーは14着轟沈し、その後、骨折で1年強の長期休養に入る。当初は毎日王冠あたりに出走する予定だったようだが……
休養期間中にオープンから降級。翌年8月に1000万下で復帰し、初戦こそ6着に敗れるが、そこから2戦目と3戦目の間に半年の休養を挟みつつ3連勝。骨瘤治療のため14年の夏から初秋を棒に振るが、復帰戦の毎日王冠3着を経て秋天に出走。後方追走しつつ直線で外から差し切り、ジェンティルドンナを破り秋天制覇という大金星を挙げた。なお、14秋天出走馬唯一の重賞未勝利馬であり、重賞未勝利馬が秋天を制覇するのはギャロップダイナが皇帝シンボリルドルフを破って以来、29年ぶりの快挙である。奇しくもその時同様、重賞未勝利馬が三冠馬に土をつけるという光景が再現されることになった。
その後は善戦マンに戻りつつ15年にまさかの渡英、プリンスオブウェールズステークスに出走するも6着敗戦。やはり洋芝適性は低かったと見える。帰国後は毎日王冠と連覇のかかる秋天に出走したが、両方とも10着に沈む。
秋天後に陣営曰く「潮時」ということでそのまま引退、社台スタリオンステーションで種牡馬入りした。しかし種牡馬成績は奮わず、2年後にブリーダーズ・スタリオン・ステーション、さらに2年後にイーストスタッドに転厩、2022シーズンからは青森県の東北牧場で繋養されることになった。


ハナズゴール

サンデー一族の珍名馬オレハマッテルゼ産駒で唯一のGⅠ馬。
生産牧場では2歳まで売れ残っており、他の売れ残りの馬とセットで二百数十万という格安価格で売却されたという12世代最安のGⅠ馬でもある。
29戦6勝、2着3着1回と凡走も多く、主な勝ち鞍:京都牝馬Sだった中(それでもチューリップ賞では2歳女王ジョワドヴィーヴルや後の三冠牝馬ジェンティルドンナら良血相手にマイナー血統ながら勝利するという金星をあげている)、馬主の意向により馬主の故郷オーストラリアへ遠征。現地でGⅠに挑むも14着・6着と振るわなかったが3戦目となるオールエイジドSで見事勝利を掴み取り、短距離のメッカであるオーストラリアで見事短距離の女王に輝いた。
しかし以降は掲示板にも入れず空前の3連単が出たVMの9着をもって引退した。


アポロマーベリック

アポロキングダム産駒の2013・2014年最優秀障害馬。
3歳時まではパッとしない成績で条件戦に甘んじていたが、障害転向した途端覚醒。東京ジャンプステークス(J・GⅢ)で勝利。秋陽ジャンプステークスではアイアムエレガントの落馬のあおりを受けて落馬するアクシデントに見舞われるが、中山大障害ではなんと2着ハッピーティアに8馬身差を付けて圧勝、2013年最優秀障害馬に選ばれた。翌2014年には中山グランドジャンプで5馬身差圧勝劇を遂げるも、東京ハイジャンプで6着。そして中山大障害で同期のレッドキングダムに敗北を喫する。なお中山GJでの5馬身差からこの年も最優秀障害馬に選ばれるも以降は成績が急落、最期は2015年の中山大障害で開放骨折を発症し競走中止、予後不良となってしまった。




追記・修正は何かを連覇してからお願いします。



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  • 98よりこっちが先に立つとは… -- 名無しさん (2022-02-16 22:11:07)
  • 牝馬のみなら間違いなくこれを超え得るのは19年世代かな? -- 名無しさん (2022-02-16 22:53:30)
  • 内容は良いけどなんかノリが寒い -- 名無しさん (2022-02-16 22:59:14)
  • ↑ちゃんとカイロ持参しとけよ -- 名無しさん (2022-02-16 23:04:04)
  • このアクの強い文章…紛れもなくあの人だな? -- 名無しさん (2022-02-16 23:28:28)
  • 世代別で一番G1勝ってるのって18クラシック世代じゃなかったっけ? -- 名無しさん (2022-02-17 00:08:46)
  • ウオッカあたりから実績馬が有馬記念回避とかG1使い分けとか始まって、強い馬が得意レースで連覇しやすくなったと思う -- 名無しさん (2022-02-17 00:15:08)
  • 頭おうまPか? -- 名無しさん (2022-02-18 12:28:55)
  • 正直言って、昔に比べて連覇してる馬が増えたとは感じない、この世代がおかしいだけ -- 名無しさん (2022-02-18 19:34:36)
  • 実績馬の有馬回避はともかく、それで連覇しやすくなったとはとても思わない。実際にウオッカ以降の連覇馬が増えたというにはこの世代に連覇が固まり過ぎ -- 名無しさん (2022-02-18 19:41:26)
  • G1馬のくくりならハナズゴールもいる。短距離王国豪州へのGⅠ遠征勝は結構偉いぞ。G1未満もハクサンムーンとかトウケイヘイローとかシゲルスダチとかクランモンタナとか濃ゆい -- 名無しさん (2022-02-19 20:20:38)
  • 今のままだとかなり目が滑るから誰か編集してほしい。あと、ドンナ姉貴についてタックルばかり強調されんのはモヤモヤする。真の強みは騎手に対して素直な所とレースセンスの高さだし -- 名無しさん (2022-02-20 17:43:42)
  • ↑誰か編集してくれたのか。ありがとう -- 名無しさん (2022-02-27 01:13:52)
  • まめちんの最後の一行、功労場になってますぞ -- 名無しさん (2022-05-12 06:46:32)
  • 注釈13,この書き方だと牝馬ハルーワスウィートが種牡馬引退してないか? -- 名無しさん (2022-05-14 00:06:13)
  • 今のところこの世代でウマ娘になっているのゴルシだけか -- 名無しさん (2022-05-14 00:29:09)
  • ジャスタウェイとオルフェーヴルに関して元情報では単に「仲が悪い」とだけあって、ジャスタウェイ側からはキレた云々はガセ情報で、その後の社台へのインタビューで一緒に走ってる光景が目撃されて、ごく自然のことと言われてたからこの記述は適切では無いのでは?逆にオルフェーヴルと明確に威嚇し合ってたのはフェノーメノ。 -- 名無しさん (2022-06-12 14:54:54)
  • (ウマ娘化した)仲間が増えるよ! やったねゴルシ! -- 名無しさん (2022-07-30 02:46:51)
  • 全員それなりに後継者出してるのも特徴か。 -- 名無しさん (2022-10-23 23:26:27)
  • 今じゃジャスタウェイのブースター扱いだけど当時はやたらプッシュされてたトウケイヘイロー -- 名無しさん (2023-11-03 21:18:26)
  • ヴィルシーナとジェンティルドンナもウマ娘化しそうだし後はジャスタウェイが来れば12世代でアニメ四期出来そう。 -- 名無しさん (2023-11-04 15:01:05)
  • ゴルシ「キタサンの次はアタシの時代だよな!?」 -- 名無しさん (2023-11-04 15:02:29)
  • ジャスタウェイって、確かここにいる芝GI馬はストレイトガール以外全員と戦ったことがあるんだっけ。 -- 名無しさん (2024-05-11 09:45:13)

#comment(striction)

*1 11世代ではマイルCS馬サダムパテック、13世代ではダービー馬キズナに乗って勝っているが、12世代では札幌記念(GⅡ)覇者のトウケイヘイローのみ。
*2 ちなみにJpn1・海外も入れた総GⅠレース勝利数は43勝であり、こっちも芝組の他東京大賞典四連覇オメガパフュームらダート勢も連覇を重ねた'18クラシック世代が中央GⅠ・Jpn1・海外GⅠ総計51勝と記録を更新し歴代1位となっている。
*3 とは言っても種牡馬として大成するエピファネイア(菊花賞/JC)の他、(例の2015年)宝塚記念・秋天を制したラブリーデイ、2016年安田記念覇者ロゴタイプなど古馬でも活躍した馬は普通にいる。あくまでこの12世代がイカれてるのは言うまでもない。
*4 ゴルシワープで知られる皐月賞・かのミスターシービーと同じ戦法で勝利した菊花賞。
*5 そしてJRA史上初の芝平地GⅠ3連覇が懸かった宝塚記念でやらかしたのが、かの有名な例のアレである。尤も宝塚記念だけで見れば連覇すら2022年現在もゴルシの他はクロノジェネシスしか達成していない十分凄い記録ではある。
*6 春の天皇賞における勝利馬最年長記録(生誕日含め6年59日)でもある。
*7 ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキング。国際競馬統括機関連盟(IFHA)が発表する世界の競走馬の格付け。各競走4着までの入線馬の斤量・着差・相手馬の実績を基準とした平均レーティング(単位はポンド)からスコアを算出する。なおレースそのものの格付け基準ともなっており、GⅠは平均115以上を要する。
*8 共同通信杯→皐月賞→天皇賞(秋)→有馬記念。
*9 特にJCの3歳制覇はほかにエルコンドルパサー、ジャングルポケット、ローズキングダム(ブエナビスタの走路妨害により繰り上がり)しか達成していない。
*10 17億2603万円。国内のみでは13億2621万円。総額では歴代獲得賞金ランキング4位。
*11 他には「女傑」「アネゴ(アネキ)」「吉田沙保里」「アニキ(ニキ)」等々。寧ろジェンティルドンナが牡馬と互角以上に渡り合うほどの強さを誇っていたと言うことの証である…のかもしれない…が、それ以上にこの世代とマトモにやりあっていただけあってそのヤバさがわかる。
*12 失速させて壮絶な叩き合いに持ち込みジャパンカップを勝利。まぁ失速してなお殺る気スイッチ全開でバチバチにやりあったオルフェも大概。
*13 こちらは鞍上のウチパクこと内田博幸騎手曰く「来るのわかってましたから」と身構えてたこと、ゴルシが500kg超級のガチムチだったこともあり失敗の末失速。
*14 母のドナブリーニが相当マッチしたようで、全姉ドナウブルーに至っては23戦(5勝)しても同じく故障知らずだった。
*15 2013年のJCでライアン・ムーアに乗り替わりになってから壊れたとは本人談。また調整ルームの風呂場で「俺のジェンティルー!」と叫んだとも言われている。
*16 名前の元ネタは空知英秋原作の漫画『銀魂』に登場する人形の形をした爆弾。よく間違えられるが、馬主は空知先生ではなくアニメ版の脚本家である大和屋暁氏。
*17 この直後、空知先生は少年ジャンプ(2013年51号)巻末のコメントで「こんな事なら名前使用を許可する時金とっとくんだった」とコメントしている。
*18 ハーツクライは国内戦で唯一ディープインパクトに土をつけたことで有名。また、ハーツクライ産駒はここ一番の大舞台でディープ産駒にジャイキリかますことでも有名。
*19 当社比なので例によってゴルシはゴルシだったし、行動は案の定ゴルシだった。が、やはりライバル達が次々に引退してしまう中でジャスタウェイが引退してしまった為、寂しかったのではないかとは須貝師も言及している。
*20 なおこれにより、彼やジェンティルドンナ・ディープブリランテ等を所有するクラブ法人「サンデーレーシング」は、伝統ある「八大競争」(クラシック三冠・桜花賞・オークス・天皇賞(春・秋)・有馬記念)を単独名義で完全制覇した初の馬主となった。
*21 離乳後の当歳~1歳馬の群れのリーダーを担う馬のことで、人間で言う所の保育士に相当する存在。従来は引退した繫殖牝馬がこの役割を担ってきたが、近年は騙馬のリードホースも増えてきている。ちなみにリードホースとして有名な馬は前者の場合メジロドーベルビワハイジなどが、後者の場合はフサイチホウオーやホウオウドリームなどがいる。
*22 先天的なものだったという。ちなみに尻尾は競走馬にとってカーブを曲がる際にバランスをとる役割を果たすなど結構重要なものだが、ハルーワスウィート自身はそうしたハンデを抱えつつも、現役時代は条件馬止まりながら5勝を挙げるなど奮闘した。
*23 あまりに必死に産駒を買い漁るせいで所有するノーザンファーム代表の吉田勝己ですら「もう君のものでいいよ」と折れている程。と言うより2021年の種牡馬引退までに産出した8頭全部購入してコンプリートしている。ちなみにヴィルシーナの他にも4番仔のシュヴァルグランが2016年の阪神大賞典・アルゼンチン共和国杯、2017年のJCを、5番仔でヴィルシーナの全妹にあたるヴィブロスが2016年の秋華賞、2017年のドバイターフを制し、2019年にはドバイシーマ/ドバイターフで(半)兄妹揃って2位好走など活躍しており、普通に名繁殖牝馬である。
*24 しかも秋華賞に至っては叩き合いの末7cm差での決着であった。マジで泣いていい。
*25 ちなみにJRA3連単最高払戻額は、2012年8月4日新潟5R新馬戦での2983万2950円(2着同着。場合によっては5966万5980円もの額になっていた)。なおこの新馬戦の勝ち馬ミナレットは、このヴィクトリアマイルで18番人気だったにも拘わらず、大逃げした結果3位になった上に2着のケイアイエレガントも12番人気だった為、史上6位の払戻金になると言う大ミラクルを起こした。
*26 前年より人気が落ちて7番人気だったが、結果は着順で7→1→2→3→4番人気と言う波乱でもあった。
*27 馬主はレッツゴードンキやアスクビクターモアでお馴染みの廣崎利洋氏。もともと馬主は妻名義であったが後に変更。
*28 国際GⅠ認定こそされていないが、JRAからはGⅠ相当と認定されている、いわば日本固有のグレード。
*29 ちなみに周りを走る車とスピーカーの音を怖がったとも。
*30 現実問題、北海道で開催される上位地方重賞ダートが軒並みスプリント(2000mのブリーダーズゴールドカップは2014年から牝馬限定)であるため適性距離外、4歳後半からGⅠにしか出走しなかった(北海道には適性以前にGⅠ級レースがない)ため致し方ない。
*31 現在のホープフルステークス(GⅠ)。当時は阪神開催のGⅢ
*32 ちなみに翌2014年からJpn3に格下げされかつ牝馬限定競走となったため牡として最後にJpn2版ブリーダーズゴールドカップを勝った馬でもある。また、変更後最初の勝者は同期のサンビスタ。

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