怪獣無法地帯(ウルトラマン)

ページ名:怪獣無法地帯_ウルトラマン_

登録日:2021/11/14 Sun 16:56:40
更新日:2024/06/07 Fri 15:41:40NEW!
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ウルトラシリーズエピソード項目 ウルトラマン ウルトラ怪獣 レッドキング 初代ウルトラマン チャンドラー ピグモン スフラン 多々良島 大怪獣バトル サバイバル 怪獣無法地帯 何故かなかなか立たなかった項目 怪獣プロレス ウルトラマンオーブサブタイ元ネタ回 マグラー 科特隊無双



「怪獣無法地帯」とは、円谷プロダクションが制作した特撮TVドラマ『ウルトラマン』の第8話であり、人気怪獣のレッドキングが初登場するエピソード。


【目次】



【放送データ】

監督:円谷一
特殊監督:高野宏一
脚本:金城哲夫、上原正三
脚本NO:8
制作NO:6
放送:1966年9月4日


【概要】

『ウルトラマン』では基本的に登場する怪獣は1体だけだが、このエピソードは初の巨大怪獣が2体以上登場する話になっており、
『ウルトラQ』の第一話以来となる怪獣同士の対決に始まり、全編に渡って科特隊との戦いや冒険も描かれた非常に豪華な内容である。
スーパーガンやスパイダーショット以外の特殊な新兵器が登場するのもこの話が初。


初代『ウルトラマン』ではウルトラマンが戦う怪獣は1話につき1体だけという掟があり、
2体以上登場する場合は科特隊が自力で倒したり、怪獣同士の戦いで敗退するといった手法で退場させることによって
一番最後に残った怪獣がウルトラマンに挑戦する権利を得るチャンピオン方式を採っていた。


結果、最後に残った怪獣の強さが際立つことになるのだが……。


【あらすじ】

火山噴火のために無人島となっていた多々良島に二年半ぶりに気象観測所が設けられることになった。
四人の先発隊が派遣されるが一週間以上過ぎても連絡が来ないことから科学特捜隊に異変の調査と測候所員の救助が要請される。


その多々良島では二体の怪獣、レッドキングとチャンドラーが今まさに縄張り争いの真っ最中。
レッドキングはチャンドラーに噛みつかれて負傷するが仕返しとばかりに翼を引き千切ってしまう。
その場面を地中から顔を出して見届けたマグラーはレッドキングの圧倒的な強さに恐れをなし、黙って地中へと姿を消していった。


島に到着した科特隊はレッドキングを目撃するがひとまず測候所員の救助が先ということで、アラシ・イデ・フジの三人とキャップ・ハヤタの2チームに分かれて島内を捜索することになった。


西の密林地帯を探索するアラシ一行は測候所員の一人である川田所員の血に塗れた上着を見つけるが、
木の上から延びてきた長いツタ、吸血植物スフランに襲われてしまう。
真っ先に捕まったフジとイデだが、アラシはスパイダーショットの火炎放射でツタを焼き切り二人を間一髪で救出。


一方、東の溶岩地帯を探索していたキャップとハヤタはそこで地中から姿を現したマグラーと遭遇する。
ナパーム手榴弾を顔面に叩きこんでマグラーの撃退に成功するも、暴れたマグラーが撒き散らした岩を食らってハヤタは崖下に転落してしまった。


【登場怪獣】

◆どくろ怪獣 レッドキング
多々良島のボス的存在な本作のメイン怪獣。
チャンドラーや科特隊との戦いでは手の付けられない暴れっぷりを見せつけるが、それらの戦いで消耗したためか今回はウルトラマンが苦戦することもなくあっさりと倒されてしまった。
本作は非常に豪華な内容だが尺の都合もあってかメインであるウルトラマンとの対決が呆気なく終わってしまうのが、ウルトラマンの強さを引き立てるのと同時に残念な点にもなっている。


詳細はリンク先を参照。


◆有翼怪獣 チャンドラー
コウモリが巨大化したような姿の翼を持つ怪獣。
誰かさんのそっくりさんだが、いわゆる「他人の空似」らしく空は飛べない……。
物語の序盤からレッドキングと縄張り争いの真っ最中で、翼からの突風で吹き飛ばしたり鋭い牙で噛みついて出血させてダメージを与えたりとレッドキング相手にかなり善戦していたが、翼の一つを引き千切られてしまい戦意喪失し逃げてしまう。


詳細はリンク先を参照。


◆地底怪獣 マグラー
地中から顔を出してレッドキングとチャンドラーの縄張り争いを目撃するが、レッドキングの強さに恐れをなして戦いもせず逃げ出してしまったヘタレ。
その後はハヤタ・ムラマツの前に現れ襲い掛かるが、携帯ナパーム弾で倒されてしまったザコ。
『ウルトラマンパワード』では当初、再登場する予定だったが予算の関係で没になってしまい、
『シン・ウルトラマン』でも共通のルーツを持つ怪獣の中で唯一出番がないなどかなり不遇。


◆友好珍獣 ピグモン
多々良島で唯一、人間に味方をする小さな怪獣。
松井所員を介抱し、レッドキング相手にも恐れず立ち向かう勇気を持つ。


詳細はリンク先を参照。


◆怪奇植物 スフラン
島のジャングルに自生する吸血植物。
ジャングルを捜索中のアラシ達に襲い掛かる。
後にジョンスン島異星人が生み出した空間でも同種の存在が確認される。
当然だが、小さすぎるのでウルトラマンと戦う機会はない。
大人を対象とした商品でもなければフィギュア等にはされないかと思いきや、科特隊隊員を襲う姿がガシャポンになったことがあったりする。



以下ネタバレ



















【あらすじの続き】

密林地帯では一休みしていたアラシ達の前には小さな怪獣、ピグモンが姿を現していた。
万一のために目印も兼ねた特殊風船爆弾を撃ち込み、逃げるピグモンを追うアラシ達はやがて密林を抜けて溶岩地帯の洞窟までやってくると、ピグモンのそばで倒れている松井所員を発見する。
松井以外の所員は全滅していたが、ピグモンは松井のために食糧や水を運んで今まで介抱してくれた命の恩人だった。


生存者の無事にひとまず安心するアラシ達だったが……突如そこに問題の怪獣であるレッドキングが襲来!
アラシとイデ、そして果敢にもピグモンは先陣を切って凶暴なレッドキングに挑みかかる。


レッドキングは先頭で挑発し囮となるピグモンが目障りとばかりに岩をぶつけて押し潰してしまうが、
その拍子に撃ち込まれていた風船爆弾が外れ、レッドキングの眼前まで浮かんできた所でアラシ達の狙撃により大爆発!
持ち上げていた一際大きな岩を足元に落として悶絶し、完全に怒り狂うとその場にある岩を次々と投げ散らして暴れ回った。


ピグモンの尊い犠牲により隙ができた所でイデはSOS信号弾を上空に打ち上げ、キャップ達に救援連絡を行う。
崖下に落ちたハヤタを降りる途中に落石でダメ押ししつつも何とか救助したキャップはハヤタを残してアラシ達の救援に向かった。
ハヤタは通算3回目となる落としてしまったベーターカプセルを何とか拾い、ウルトラマンに変身する。


怒り心頭のレッドキングは風船爆弾による目潰しもあってかウルトラマンにはあっさりとあしらわれ、
特大の岩を投げようとしても、スペシウム光線を岩に撃ち込まれて阻止されるばかりかまたも足元に落として自爆してしまう。
悶絶するレッドキングにウルトラマンは連続技を次々に叩きこみ、首を掴んだハンマー投げを見舞ってとどめを刺す。


これで多々良島の怪獣はすべて駆逐され、たった一人生き残った松井所員は犠牲となった三人の仲間達を弔い、多々良島は再びかつての平穏を取り戻すのだった。


「これでこの島も南海の楽園に還るだろう。だが、自然はいつもこの夕焼けのように美しいとは限らないことを忘れてはならないね」













【余談】

◆レッドキングに負けた後のチャンドラーの行方は不明だが、エンディングの台詞から科特隊によって退治されたようである。


◆気象観測所職員4人にはちゃんと名前が設定されており、唯一生存した「マツイ」とラストの墓前で彼が名前を挙げる「カワダ」・「ササキ」・「フジタ」の3人。
 死亡3名は冒頭で生存時の姿が確認できるが誰が誰なのかは不明で、死因もカワダがスフランにやられたらしいことを遺品からアラシが推測しただけで、
 ほかの2名はどこで死んだのかもはっきりしない。


◆スチール写真などではウルトラマンとマグラーが対決する場面やレッドキングと二対一で戦う場面あるが、本編では上記のように科特隊に倒されているのでそのようなシーンはない*1
 ウルトラマンとマグラーの直接対決は(一峰大二の漫画版*2を除けば)『ウルトラ銀河伝説』まで待たねばいけなかった。


◆『ウルトラマンパワード』第3話「怪獣魔境に飛べ!」や『ウルトラマンマックス』第5話「出現!怪獣島」は当然ながら本エピソードのリメイクとなっている。


◆オリジナルビデオ作品『ウルトラマン怪獣伝説 -40年目の真実-』ではキャップが最後に放った台詞はハヤタの中のウルトラマンにも向けられたものであった、という解釈がとられている。
 この物語の舞台はキャップ(の演者)が亡くなった後の話なので真意は不明だが、少なくともウルトラマン自身は「過度に地球環境へ干渉しないようにという忠告だった」と受け取ったようだ。


◆テレビシリーズの再編集映画である『長篇怪獣映画 ウルトラマン』と『ウルトラマン怪獣大決戦』のどちらにも採用された唯一のエピソード。


◆初代『ウルトラマン』のリメイク漫画作品『ウルトラマン THE FIRST』でも本エピソードが描かれている。
 ……のだが、それ以前のエピソードがいずれも数話分かけてじっくり展開されてた(『科特隊出撃せよ』と『大爆発五秒前』はニコイチだが、ネロンガVSラゴンという独自展開が描かれた)のに対し、本作に相当するエピソードの掲載は掲載誌廃刊に伴った移籍後となったため、わずか一話分の尺に留まってしまっている。


◆『ウルトラマンオーブ』の『隠れたサブタイトルを探せ!』では12話でこの回のサブタイトルが抜擢された。
街を破壊し尽くしたマガオロチを見たジェッタが「まさに、怪獣無法地帯…!」と言っていた。





アラシ「キャップに追記・修正を要請しろ!」


イデ「待ってました!」


  • 図鑑の設定の割には案外あっさり負けるレッドキング。図鑑の設定の割には結構強いチャンドラー。なんか強すぎるナパーム -- 名無しさん (2021-11-14 18:22:01)
  • ↑他二つは兎も角、科特隊の兵器がなんか強すぎるのはある意味平常運転。 -- 名無しさん (2021-11-14 20:15:24)
  • あらすじにもあるけどレッドキングは既に風船爆弾でダメージ食らってたのがでかい -- 名無しさん (2021-11-15 02:38:58)
  • 優れた判断力で力技を簡単にいなしてしまうウルトラマンは相性が最悪だったんだろうな -- 名無しさん (2022-11-16 14:27:55)
  • ピグモン(あれ、ぼくの墓は…) -- 名無しさん (2023-03-08 13:09:16)

#comment

*1 これはマスコミ向けの特写撮影会の場面で、マグラーもまだ改造途中でありネロンガの面影が残っている
*2 当該エピソードではチャンドラーも加わり、ウルトラマンはレッドキング、マグラー、チャンドラーを同時に相手にした1対3の苦境に立たされる。

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