PC Building Simulator

ページ名:PC Building Simulator

登録日:2021/11/01 Mon 02:53:11
更新日:2024/06/06 Thu 13:54:10NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



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PC Building Simulatorとは、The Irregular Corporationから発売されているWindows・PlayStation4・Xbox One・Nintendo Switch用のゲームソフトである。


◆概要

タイトルPC Building Simulator
発売日2019年1月30日(PC)
2019年8月14日(PlayStation4・Xbox One・Nintendo Switch)
ジャンルPC制作シミュレーター
対応機種Windows7以降・PlayStation4・Xbox One・Nintendo Switch
日本で購入可能なのはWindows版とXbox One版のみ
対応メディアダウンロード販売(PCはSteam・Epic Gamesにて配信)
ゲーム容量約20GB以上
価格2,050円(PC版)
2,100円(Xbox One版)
備考有料ダウンロードコンテンツあり

本ゲームはいろんな立場で自作PCの制作を体験できる、いわゆる「PC制作シミュレーター」で、ケースやマザーボード、CPUやメモリにグラフィックボードといった3Dでモデリングされたバーツを用いてゲーム内で組み立てることができる。


実在のパーツメーカーとライセンス契約を結んでいるため、IntelのCoreシリーズやAMDのRyzenシリーズのようなCPUはもちろんのこと、ASUS・ASRock・GIGABYTE・NVIDIA・msi・FSP・EVGAなど数多くのメーカーから発売されている実在のパーツが使用可能。*1モードによってはスペックの際限なく組み立てられるので「ぼくのかんがえたさいきょうのじさくぴーしー」を作るのも思うがまま。なおかつ、ライティングが可能なパーツであれば実際に発光させてゲーミングPCも構築出来るようになっている。


PCを組み立てたあとは、OSを起動してベンチマークテストをしたり、負荷テストでエラーが出たりしないかといった動作確認を行う。さすがにWindowsやMacOSのような実在のOSではなく、架空の「OmegaOS」をインストールすることになるが、実在のベンチマークソフト「PCMark」に負荷テストソフト「OCCT」をインストールして実行することが可能。不具合があれば、Windowsでおなじみのブルースクリーンエラーも出るのでここから症状の切り分けを行わなければいけない。また、マザーボードのBIOS画面も存在し、メーカーごとにレイアウトが異なっていたり、ゲーム内で使用するオーバークロックモードもあったりと芸が細かい。


インストール可能なソフトとして、制作したPCでアプリケーションが起動可能かをチェックできる「起動チェッカー」があり、タイトルのみではあるが「Adobe Premire Pro CC」「Adobe フォトショップ」のような動画・画像処理ソフトから「Far Cry」「Doom」のようなゲームまで実名で登場している。なお、日本製のゲームとして「はーとふる彼氏 ~希望の学園と白い翼~」が名を連ねている。……何故? また、2021年10月に行われた大型アップデートでは新モードにてゲーム「Fall Guys」をインストールし、待機画面までではあるものの起動出来るようになっている。


ゲーム内容のアップデートも頻繁で、CPUを例に挙げれば2021年10月現在ではCoreシリーズなら第11世代、Ryzenシリーズなら第5世代といった最新の世代がラインナップされ、「Core i9」「Ryzen 9」「Ryzen Threadripper」のような最高峰のCPUはもちろんのこと「Celeron」「Pentium」「Ryzen 3」などの廉価なCPUといった多様なスペックが取りそろえられており、マザーボードやケースのサイズも最小のMini-ITXから最大級のXL-ATXまでと幅広く用意されている。ビデオカードも、NVIDIAであれば古くは「GeForce GTX750Ti」から、最新であれば「GeForce RTX3090」など180種類あり、2枚差しで性能を高める「SLI」(AMD製のビデオカードなら「CrossFire」)の規格にも対応していたりと、膨大な種類の種類のPCを組み立てることができる。


基本的には「特定ジャンルの依頼をこなしていく」「自分で好きなように仮想のPCを組む」のが目的なので人を選ぶゲームではあるが、価格も安価なので「ちょっとPCのことを学んでみたい」「将来PCを組んでみたい」「無茶な依頼でもなんで来いやぁ!」といった人に向けのゲームとなっている。


◆ゲームモード

本作品には、これらのパーツを用いてPCを構築していくモードが5つ存在する。


●「PCの構築について」

モデリングされたパーツを用いて、パーツが持つ役割やパーツ上の部品の構成を学びながら実際にPCを組み立てていくチュートリアルモード。このゲームをプレイしていく際の操作方法も、ここで学ぶことができる。


●「フリービルドモード」

自分の作業場で好きなパーツを好きなだけ出庫して、自分の好きなようにPCを組み立てることが出来るモード。「ぼくのかんがえたさいきょうのじさくぴーしー」を地で行く超ハイスペックなPCを作って悦に入るもよし。小さいケースにどれだけハイスペックなパーツを組み込めるか挑戦するもよし。低価格PCを組む算段を立てるもよしと、どんなPCを作るのも思うがまま。


一例として「Ryzen 9とメモリ64GBにGeForce RTX3090を2枚搭載して、電源は1300ワット。ストレージは2TBのM.2 SSD2枚と4TBのHDD4台にして、水冷ファンもメモリもビデオカードもケースもピッカピカに光らせてやる!」といった、普通のスペックのPCユーザーであれば夢のようなオーダーももちろん可能。そして、右上のウインドウに出てくる「小売価格」で現実を思い知らされるまでがワンセット。(このオーダーの場合、約9,000ドルとなる)


●「キャリアモード」

叔父のティムからヤバい経営状態の会社を引き継ぎ、顧客から依頼される修理やPCの構築をこなして評価と収益を上げていくシミュレーションモード。いきなりティムにガソリン代をちょろまかされて、-15ドルの資金から始まるあたり相当酷い状態からのスタートである。


最初は(現在からすれば)数世代前のパーツしか扱えないが、依頼をこなしていくことによって使用可能なパーツの世代が進んでいき、やがてハイスペックなPCの制作も扱うことになる。依頼もウイルス駆除やハードディスク・SSDの交換といった簡単なものから、3DMarkを使ったベンチマークテストで要求されたスコアを越えるよう予算内でパーツを組んだり、CPU・GPU(ビデオカード)のオーバークロックに挑戦したりといった高度なものまでこなしていくことに。


依頼には納期も設定されているので、緊急の依頼でパーツを早く手に入れる必要がある際には送料が跳ね上がる配送便を利用したり、作業場であるワークショップを拡大して複数台をこなす必要があったりと、資金を貯めてもどんどん出ていく。その上、CPUに冷却用グリスを塗り忘れて出荷したりといったミスで簡単に評価が下がってしまううえ、顧客からのメール本文にそれとなく書かれた要望をこなさないと評価が上がらないので、注意深さも求められる。


●「Eスポーツ(DLC)」

有料ダウンロードコンテンツで、eスポーツチームの専属エンジニアとなってチーム内やスポンサーからの要求に応えていく第2のシミュレーションモード。キャリアモードと違って専属なら気が楽……なんて、そんなうまい話はない。


ワークショップでのPC構築作業はもちろんのこと、メールで飛んでくるチームメンバーやスポンサーからの要望に応えなくてはならず、PCが完成したかと思えばスペックの変更要求は来るわ、スポンサーが変わって別のスポンサーのパーツでの組み直し要求は来るわと大忙し。週末の大会ではバックステージで待機して分刻みの制限時間でPCの調整をしたり、チーム内で発生したトラブルの対応をしたりと、キャリアモードとは別の形で様々なスキルが要求される。


もちろん数をこなすことで昇進し、担当するチームのプレイヤーや予算もグレードアップしていく。オーバークロックなどの上級スキルも要求されるため、キャリアモードをある程度こなしたプレイヤー向けのモードと言える。


●「IT拡張」

2021年10月28日に配信されたv1.13への無料アップデートで、新たに搭載された第3のシミュレーションモード。「Irratech Corporation」社のITサポート担当となり、社内からやってくる様々な要求をもとにPCを修理したり、サポートしていくのが目的となっている。


基本的には「キャリアモード」のアップグレードともいえるモードで、社員となったことで仕事場が狭い作業場ではなく広々としたオフィスとなり、今までは作業用のPCをいちいち見なければいけなかったのが、支給されたタブレットを駆使して作業しながら必要なパーツを発注したり、依頼メールや納期を手元で確認できるようになったりと利便性が増した。


さらに、外部のオフィスへ出張して診断・修理したり、IT企業での仕事ということもあって以前より種類が増えたアプリケーションのインストールや動作確認を行ったりといった要素も増加している。公式からの紹介では、20時間強分のストーリーが増加しているとのこと。また、本モードの開始時には「パーツ購入時の送料無料」「報酬ブースト」などの難易度調整用の設定があったり、専用のチュートリアルモードが用意されていたりと、このモードから始める人向けの要素も追加されている。


なお、「キャリアモード」での元凶であるティムは本モードでも健在。その上、就業初日に社長や夜勤シフトの同僚から飛んでくるメールはキナ臭さ満載と、どうやってもブラックな仕事からは逃げられないらしい。君も社長から頻繁に飛んでくる要望に頭を抱えよう!


◆デフォルメ化された要素、および搭載されていない要素

PC制作をテーマにするにあたり、デフォルメ化されたり搭載されていない要素も存在する。

  • パーツの相性は存在しないため、基本的に組み合わせて問題ないパーツであればどんなパーツでも動作する。実際に現実で組むときには注意深く確認と選定が必要だったり、有償で相性保証をつけたりとデリケートな部分なため大きな違いとなる。*2
  • 映像出力用のチップが搭載されているCoreシリーズのCPUを使用しても、ビデオカードの搭載が必要。また、映像出力機能が搭載されているRyzenのGシリーズはパーツのラインナップに含まれていない。
  • DVD・Blu-rayドライブを搭載しないPCが多くなっている昨今の状況を反映してか、DVDドライブやBlu-rayドライブといった5インチベイを利用した拡張ドライブはラインナップに含まれていない。
  • 上記のとおり、作品内の要素としてソフトがインストール可能だが、だいたいはゲーム内の依頼で必要なフラグだったり音楽モードだったりと最低限。「IT拡張」モードでは動画ソフトや「Fall Guys」などインストールできるソフトが増えたものの、ほとんどは動作権限がないため使用できず起動確認だけに留まったり、待機画面を眺めるだけとなっている。

あくまでもゲームはゲームなので、実際に同じような自作PCを制作する際には自己責任の範囲で。参考程度にとどめておきたい。


◆余談

  • 有料DLCとして、eスポーツモードの他に様々なメーカーをイメージした作業場やオリジナルのケースの配信が行われている。
  • 価格がPC版であれば2,050円と非常に安価だが、Steamでは頻繁にセールが行われているうえ、Epic Gamesでは登場当初に無料配信が行われていた。
  • インストール可能なソフトから「ミュージックプレーヤー」を選択し起動すると、本作に使用されている音楽を自由に聴くことが出来る。また、「壁紙を選択」をインストールし起動すると、ソフトに搭載されている壁紙の他に、現在自分のデスクトップ上で表示されている壁紙や任意の画像ファイルが壁紙として設定出来るようになっている。
  • Android/iOS用の兄弟ソフトとして「PC Architect」が存在するが、画像が2Dになっていたりパーツメーカーが全て架空のものになっていたりと、かなりの別物になっている。
  • コンシューマー機版も存在するが、販売地域に日本が含まれているのは2021年11月現在Xbox One版のみ。
  • 2022年春には次回作「PC Building Simulator 2」の制作が発表され、本作と同様に様々なメーカーの許諾を得たパーツを使うことが出来る模様。ゲーミングPC用のライティングに適した光源処理などが強化される模様で、2022年中にEpic Gamesからの発売を予定している。

追記・修正は、どうオーバークロックを調整しても発生するブルースクリーンエラーに悩みながらお願いします。


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  • せっかくシミュレーターなんだから、相性問題で発狂して遊びたい(病気だ) -- 名無しさん (2021-11-01 06:46:28)
  • 今は出来ないかもしれないが、依頼人のPCパーツを全部勝手に売却して信頼度と引き換えに金を稼ぐ方法もあったり... -- 名無しさん (2021-11-01 07:52:36)

#comment(striction)

*1 その他、架空メーカーのパーツも存在する。
*2 現実にはメモリを筆頭として相性問題が存在し、組み合わせによって動作しなかったり、動作してもフリーズやブルースクリーンなどの不具合が発生することがある。特にRyzenシリーズのCPUは顕著。

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