メトロイドフュージョン

ページ名:メトロイドフュージョン

登録日:2021/09/18 (土曜日) 22:41:05
更新日:2024/06/03 Mon 13:58:31NEW!
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新生サムス・アランの挑戦





メトロイドフュージョン』(Metroid Fusion)とは、任天堂から発売されたGBA専用ソフト。
メトロイドシリーズとしては4作目にあたる。

惑星SR-388

悲劇はそこで起こった。

未知の生物Xエックスによって身体を蝕まれたサムス。

一命は取り留めたが、その代償は大きかった…


ゲームボーイ アドバンス


METROID
FUSION
メトロイド フュージョン






【概要】

前作『スーパーメトロイド』から実に9年ぶりの新作メトロイド。*1
本作では冒頭からサムスが生死の瀬戸際に陥ったりメトロイドに代わる新たな脅威である「X」の登場等、『スーパー』で一区切りがついてることもあって新しい世界観が展開されている。


更に新たな試みとして従来作にはなかったテキストやセリフでのストーリー展開が行われており、サムスの心理描写やマップ探索での指示等に活かされていて本作から遊び始めた新規にとっつきやすくなっている他、既存ユーザーもサムスの内面という今までにない楽しみ方が出来るようになっている。
また、テキスト形式に関しては「漢字を使用して文章の表現も作風に合わせた『オトナ向け』」と、「漢字を使用せずひらがな・カタカナのみを使用して文章の表現を若年層でも分かりやすいものにした『コドモ向け』」の2種類から選択できる。
とりわけコドモ向けのアダムはパッと見て「なんか口調違くない?」と思えるほど堅苦しさが取れた口調になるため、こういった違いを楽しむのも一興だろう。


さらに、本作ではシリーズ初となる複数の難易度が導入された。
初期から選択できるのは「EASY(やさしい)」「NORMAL(ふつう)」の2種で、NORMAL(ふつう)で1回クリアすると「HARD(むずかしい)」が解禁される。


本作での世界観は後の『サムスリターンズ』や『Other M』『ドレッド』等にも用いられており、ある意味の異色作でありながら後の作品達の新たな基盤を作ったターニングポイントとも言えるタイトルとなっている。


日本では2003年2月14日に発売されたが、北米ではもっと早く2002年11月発売で、『プライム』共々同年の年末商戦に展開された格好になっている。


【ストーリー】

◎【まもなく「B.S.L」に到着する。すみやかに、着陸体制に移れ。】


ベビーメトロイドの犠牲によって、マザーブレインとスペースパイレーツの壊滅に成功したサムスは再びバウンティハンターとして稼業に勤しむ日々を送っていた。


そんなある日、メトロイド絶滅後の「惑星SR388」の生態系の調査を行う「バイオロジック宇宙生物研究所(以下、B.S.L)」の調査隊護衛の依頼を受け再びSR388へと降り立つ。


護衛の道中サムスは、アメーバのような生命体「X」に襲われるも、異常が見られなかったために調査は続行されその後は無事に帰路についていたが、その最中サムスは突然意識を失ってしまいスターシップと共に隕石群へ衝突をしてしまう。


幸いにも脱出装置が稼働した事で宇宙の藻屑になる事は回避されたものの、回収されたサムスは先程のXによってパワードスーツや中枢神経を侵食されていた。緊急手術によってスーツの切除*2には成功したものの中枢神経にまで侵食したXは手出しが出来ず、サムスの生存は絶望的だった。


そんな状況で「メトロイドの細胞がXに効く」という事実が発覚し、保存されていたベビーメトロイドの細胞からワクチンを精製した事で能力の大半を犠牲にしつつもサムスは一命を取り留めた。
しかし、奇跡の復活劇も束の間、B.S.Lにて原因不明の爆破事故が発生したとの知らせが入り、よからぬ気配を感じたサムスは病み上がり同然の体で研究所の事故調査へ単身乗り出すこととなる。




【主要キャラクター】


サムス・アラン


ご存知我らが宇宙最強のバウンティハンター。


冒頭で謎の生命体であるXに襲われ生死の境を彷徨うが、ベビーメトロイドに間接的に命を救われ生存を果たす。


ワクチンによってメトロイドの体質を一部引き継いだため、危険生物であるXを吸収・無力化できる宇宙唯一の存在となった。ただし代償は大きく、Xに侵食されたパワードスーツの大半を切除され能力の殆どを失った上にパワードスーツの姿も大きく変貌してしまう。


加えて、メトロイドの体質を引き継いだ関係で低温環境に弱い身体になってしまっており、メトロイドを排除できる唯一の武装であったアイスビーム能力を取り戻すことも不可能だとみなされている。*3


鳥人族の遺跡の登場しない本作においては、銀河連邦から武装データを受け取ること、及び特定の生物に擬態したXを倒して吸収し潜在能力を覚醒させることでサムスはパワーアップしていく。


今作では既存作のメカニカルなスーツから一転、装甲が殆ど削ぎ落とされ流線的なフォルムへと変貌を遂げており、その影響から新たなアクションとして崖や梯子を掴むことができるようになっていて前作から精錬されたアクションも相まってこれまでとは一味違う探索や戦い方が可能となっている。



◆コンピューター/アダム(仮)


銀河連邦から支給された新たなスターシップに搭載されている人工知能で、今作のサムスはこの人工知能の指示に従って行動することになる。


元々名前はなかったが、固っ苦しい口調や淡々とした態度がかつてのサムスの上官「アダム・マルコビッチ」に似ていたことから、サムスから(敬意と皮肉を込めて)こっそり「アダム」というあだ名をつけられた。
なお、本人に表立って言っているわけではないため、コンピューター自身は自分が名前を付けられていることを知らない。


非常に淡々とした話し方や指示の出し方をする一方で、どこか人間味のある言動も垣間見えるため単なるコンピュータに収まらない不思議な魅力を持っている。


作中ではB.S.Lのナビゲーションルームを通してサムスに指示を出しており、施設内のどこへと向かえば良いのか的確に教えてくれるため、これまでのシリーズにありがちだったどこへ向かえば良いのか分からず詰んでしまうと言った事態が起こりにくくなっている。



X


メトロイドに変わる新たな脅威。


惑星SR388の原生生物で黄色のアメーバのような姿をしており、他の生物に寄生して遺伝子情報をコピーした後に宿主を死に至らしめ、宿主にそっくりそのまま擬態をするという驚くべき能力を有している。
更に姿形や身体能力のみならず宿主の知識や記憶もある程度コピーする事が可能な上に適応力も高く、生殖を介さずに分裂して個体数を増やす事も可能という最悪の生命体。
そして何より、どのような生物に擬態しても常に優先されるのは種の増殖と繁栄のみ。それが果たせるのであれば個体を犠牲にする事を何ら厭わず、人間などの知的生物が持つような理性や感情といった心を模倣する事は絶対にない。
Xにとってメトロイドは天敵となる存在であり、メトロイドの存在を察知すると、たとえ天敵相手であろうと本能的かつ最優先に排除しようとすることを性質としている。
作中ではこれらの生態を活かしてB.S.L中の生物に寄生・擬態をしてサムスの行手を阻む。


撃破すると擬態が解け、元のアメーバの姿に戻るが、その状態で放置していると別の敵に擬態し直してしまうが、一部のエリアでは再擬態が攻略の鍵となることも。
アメーバ状態のXに触れればサムスに吸収されエネルギーやミサイルの回復源となるため、基本的に倒したXはすぐに吸収してしまうのが吉。


つまり、ストーリー上でのXは「倒すべき最悪の敵」だが、ゲームシステム的には「何処にでも居る回復アイテム」という側面が強い。


作中では以下の6タイプが存在。

  • 黄色……吸収すると体力回復。
  • 緑色……吸収するとミサイル回復。
  • 赤色……吸収すると体力・ミサイル・パワーボム全てを回復。
  • コールドX……低温環境に弱いサムスに対抗できるように、セクター5「ARC」の低温環境で形態を変化させた青いX。普通のXよりも少々大きめで、ビームを当てると動きが一時的に止まる。低温環境に耐性のあるバリアスーツを獲得するまでは吸収するとダメージを受けるが、獲得すると吸収して体力回復できるようになる。
  • コアX(Aタイプ)……コア状の体組織が刺々しい外膜で包まれている。ボス戦でのみ登場し、コア部を吸収するとスーツやサブウェポンなどのパワーアップアイテムを獲得出来る。
  • コアX(Bタイプ)……外見はAタイプと類似しているが眼部の様な箇所があり、その部分が開いている時にしか攻撃が効かない。同じくボス戦でのみ登場し、コア部を吸収するとビーム系のパワーアップアイテムを獲得できる。


SA-X(サムス・アラン-X)


ゲーム冒頭のムービーでサムスに寄生し、昏倒させたX。
意識のないサムスの身体を蝕んだ。
サムスの身体に巣食っていたものはメトロイドワクチンによって除去されたが手術の際に切り取られたサムスのパワードスーツにはまだ一部が残っており、そこからサムスの遺伝子情報をコピーして『スーパー』の頃のベストコンディション状態のサムス・アランに擬態した最強最悪のX。
X本来の生存本能から、ワクチンによってメトロイドの性質を受け継いだ今のサムスを敵視しており、サムスの姿を見つけると、サムスを抹殺せんと地獄の果てまでとも言わんばかりに執拗に追撃を仕掛けてくる。


『スーパー』終盤の全ての武器を装備した状態のサムスに擬態しただけあって作中最強の戦闘能力を誇り、序盤~中盤のサムスは襲い来るSA-Xからただただ逃げることしかできない


さらに言うとメインの武器としてアイスビームを使用するため、メトロイドワクチンの影響で冷気に弱くなった本作のサムスは後述するバリアスーツを手に入れるまでは狙撃されると凍結してしまい、蜂の巣にされてしまう
そのため、SA-Xと出会えば文字通り「命懸けの逃走劇」を強いられることとなる。


サムスのみならず、本作に挑んだ無数のプレイヤーにトラウマを刻み込んだ最凶の追跡者。いわゆるみんなのトラウマというやつである。


詳細は該当項目にて記載。


誕生経緯や物語での立ち位置が似ていることから、『プライム』シリーズの[[ダークサムス>ダークサムス(メトロイドプライム)]]とこいつのどちらが強いのかという話題は今なお門弟とユーザーの間で議論され続けている永遠の課題である。



メトロイド


嘗てサムスと死闘を繰り広げた生命体。


Xと同じく惑星SR388に生息していた生命体だが、『II/メトロイド サムスリターンズ』でサムスがベビー以外の個体を根絶し、『スーパー』でゼーベスに居た個体とベビーが死亡した事で絶滅したため、今作には登場しない。


ストーリーでは彼らの誕生秘話が明かされており、その昔SR388へと降り立った鳥人族達がXの生態を危険視し天敵として生み出した人工生命体である事が判明しており、この辺りの描写は後に『サムスリターンズ』でより詳しく明かされることとなる。


こう言った経緯もあってXによって死にかけていたサムスはベビーのワクチンによって生きながらえる事が出来、更にXを吸収するという特異な体質を得るに至った。
図らずともベビーメトロイドは二度もサムスの命を救ったのである。



◆エテコーン&ダチョラ


前作の舞台だった惑星ゼーベス原生の猿とダチョウに似た宇宙生物。


前作では探索の最中脱出が困難なエリアへと迷い込んでしまったサムスの前に現れ、前者はキッククライムを、後者はシャインスパークをサムスに教えてくれた。ファンからの通称が「師匠」。


前作のラストにて崩壊したゼーベスから無事に逃れられたらしく*4B.S.Lの居住区画で飼育されていたところに救助にやってきたサムスと再会を果たし、挨拶を交わした後に施設から脱出してアダムの監視の元スターシップにて保護されることとなる。


ダチョラの方はいつの間にやら雛鳥を連れており、前作から今作の間の何処かのタイミングで無事卵が孵ったようだ。




【用語】

◇銀河連邦


過去作でも登場した銀河を統治する組織。


2D作品では基本的にサムスに依頼を出す事くらいしか出番が無かったが、今作の彼らは力を失ったサムスをサポートする立場として活躍し、前述の通りアダム搭載のスターシップをサムスに支給したりミサイルやボム等の基本的な武装をデータとして開発して施設内のデータルームを通してサムスに提供してくれる。



◇B.S.L


正式名称「BIOLOGIC 宇宙生物研究所」


研究所とあるが、公的機関や或いは研究を主体とする組織ではなく民間企業らしい。惑星SR388の軌道上に浮かぶ研究所を拠点としている。ここが本作の舞台となる。


この研究所は外観は小惑星のようであるが、ナビゲーションルームで表示されるマップや、或いはファイルセレクト画面の背景を見ると、内部にシリンダー状のセクターが6つ入っているという構造であることがわかる。
どういうわけか反物質を用いた(公式設定)、惑星一つを爆破できる程の威力を持つ自爆装置が内蔵されている。
非常時の自壊機能としては、あまりにもオーバースペックである気がするが……?




【B.S.L内の施設・セクター】

≪施設≫

  • セーブルーム

B.S.Lの各セクターに多数存在しており、後述のナビゲーションルームやリチャージルームも併設されている事が多いので回復やストーリー進行のついでに寄れる設計となっているため、前作よりもゲームオーバーになった際のやり直しが効きやすい。



  • ナビゲーションルーム

基本的にアダムから施設内の情報共有や調査の指示を受ける為に向かう事となる部屋でストーリー進行の役割も担っている。


行き先ややる事に迷った際にはここへ戻ってアダムにアクセスすれば再度行き先や任務を教えてくれる親切設計な部屋。



  • リチャージルーム

サムスの回復を担う部屋。


中央の台座に乗るとサムスがキャノンを突き出しそこに機械がドッキングする事でエネルギー等が全回復するようになっている。


今作では、Xが回復手段としてそこら中に登場するが、被弾ダメージが大きい上に敵もそれなりに硬くエネルギー・ミサイル共に消耗が激しく更に供給が難しめなパワーボムも一緒に回復してくれるためありがたい要素となっている。



  • データルーム

今作に於ける鳥人像枠。


銀河連邦が開発したサムスの武装データを受け取るための施設。しかし、ストーリーが進む毎にサムスの成長を妨害しようと暗躍するSA-Xによって次々と破壊されてしまう不憫な一面があったりする。


この施設よりもセーブルームやナビゲーションルームを壊せばいいのにとか思った人は手をあげなさい。
メタ的に言えば、毎回別のデータルームを目指すことに対する理由付けだろう。



  • セキュリティルーム

本作における色違いの扉はLV1〜4のセキュリティハッチによって閉ざされており、『スーパー』のようにサムスのアイテムで開けることが出来ないため、先へ進むためにはこの施設を利用してセキュリティハッチをアンロックする必要がある。


但しセキュリティ上の都合でマップには一切この部屋は表示されないため、自力で部屋を探し当てなければならない。



  • 中央動力炉

B.S.Lの動力供給を担う動力炉。


ストーリー中でとあるイベントの関係で訪れることとなる。
後述のセクター2「TRO」に隣接しているようだ。
B.S.Lの動力を担っているということは、この動力炉が停止するのはB.S.Lの機能停止を意味するのだが…。



≪飼育エリア≫

メインデッキの中央エレベーターを降りることで行くことができるB.S.Lで生物たちを飼育してあるエリア。生物たちの生態に合わせて6種のセクターが設けられており、これらは飼育エリアのエレベーターホールから各セクターにつながる6つのエレベーターを利用して移動することができる。
基本的に各セクターへの移動はエレベーターの上り下りして、飼育エリアのエレベーターホールを経由することでいくことができるが、終盤でスクリューアタックを覚醒させると各セクター間を移動できる連絡通路を通ることができるようになる。


  • セクター1:SRX

惑星SR388の環境を再現したセクター。 天下無敵のスーパーロボットは関係ない


序盤に訪れる事となるセクターのため、敵は比較的倒しやすいものが多くマグマ等の厄介なギミックもない。
登場するXはSR388の原生生物に擬態しているものが多数のため、『Ⅱ』や『サムスリターンズ』をプレイしているとニヤリと出来るかも。
しかし元々Xの天敵だったメトロイドは当然生息しておらず、必然的にXに快適な環境ということもあってかこのセクターを足掛かりにラボ全体へと侵略してしまった。



  • セクター2:TRO

熱帯環境を再現した植物だらけのセクター。名称の由来は熱帯をを意味する「トロピカル(Tropical)」から。


こちらも序盤に訪れるため厄介なギミックはないが、いろんなところでボムを用いた隠し通路の探索が求められる。
また、ストーリーを進めていくことで、敵が劇的に成長していくのもこのセクターの大きな特徴。


更には序盤と中盤で1回ずつSA-Xに接触する事となる。
1回目は安置があるため余計な行動をしなければ安全だが、2回目の接触は確実にSA-Xと鉢合わせてしまうため油断をしているとゲームオーバーになりかねないため注意したい。
TAを目指すメトロイダー達は安置等お構いなくSA-Xに姿を晒すのは内緒。



  • セクター3:PYR

高温地帯の生態系を研究するためのセクター。名称の由来は炎・熱を意味する「パイロ(pyro)」から。


灼熱環境を再現したステージというだけあって初期状態のスーツでは踏み入れるだけでダメージを受けてしまうエリアが存在するため、本格的な探索は耐性が強化されるバリアスーツを入手してからとなる。
ストーリー中盤では、メトロイドのお約束とも言える時間制限があるイベントをこなすことになるため何かと訪れることになる。



  • セクター4:AQA

水棲生物を飼育している水のセクター。名称の由来は水を意味する「アクア(Aqua)」から。


本来であれば水族館のようなセクターだったのがサムス到着時点で本作のボスの一人であるイシュタルによって破壊し尽くされており、漏水によってセクター全体が水浸しとなっていて水中では移動に制限がかかるため探索するには骨が折れる。更にイシュタルの破壊活動によって破損した電線によって一部の水槽は感電ダメージを受けるようになっており、過去作の水ステージ同様難所のセクターとなっている。


ちなみに他のセクターが「エレベーター→ナビゲーションルーム→セーブルーム→リチャージルーム」の配置が左から右になっている中で、このエリアだけは右から左に配置されている。



  • セクター5:ARC

人工的に氷点下の環境を再現した氷のセクター。名称の由来は北極を意味する「アークティック(Arctic)」から。


低温環境のステージとなっており、メトロイドの性質を受け継いだフュージョンスーツでは踏み入れるだけでダメージを受けてしまう上に、吸収するとこれまたダメージを与えてくるコールドXが蔓延っているため、セクター3同様バリアスーツ入手までは探索は後回しとなる。


中盤で何者かの暴走によって、セクター全体が壊滅的被害を受けることとなるが、その犯人とは……。



  • セクター6:NOC

暗闇の生態系を研究するためのセクター。名称の由来は夜を意味する「ノク(Noc)」から。


「暗黒セクター」の別名が示す通り、これまでのセクターと違って全体的に薄暗いエリアが多く視界が悪いため慣れないうちは思わぬ被弾をしやすく、ここで出現する敵も中々に強く隣接するARCから流れてきたコールドXがいる区域もあるため初見ではこれまでのエリア以上に注意が必要。




  • シークレットラボ

セクター6の最奥部に存在しているB.S.L最高機密のラボ。
入り口はシャッターで閉ざされており、ラボに通ずるハッチも最高レベルのものが用いられている上にアナウンスで


「WARNING! No entry without authorization!(警告:許可なく立ち入ることは禁ずる)」とアナウンスされるあたりかなりの厳重さが伺える。



+ そんなラボで行われていた研究とは-

ここで飼育及び研究されていたのは絶滅したはずの「メトロイド」達であり、推論ではあるものの『other M』同様、ベビーメトロイドの細胞からベビーのクローンを作り出していた。


ラボ内は幼生体だけでなく、アルファガンマゼータが収容された培養槽が設置されていて、アダムの話では「幼生体から最終形態オメガまで段階を飛ばして成長させる方法が確立したとされており、メトロイドが絶滅し利用価値などないに等しい筈の辺境の惑星であるSR388を再現したセクター1があったのはこの驚異的な進化方法を研究するためであった。


アダムは「平和的利用を目的とした研究」と念押ししたが、幼生体でさえ危険なメトロイドを強制成長させる研究に手を付けていた時点でメトロイドを銀河連邦お抱えの生物兵器にするつもりなのは明らかである。*5



そんな銀河連邦の狂気の結晶とも言えるこのラボだが、セクター6の調査をしていたサムスに発見されてしまった上に天敵の気配を嗅ぎつけたSA-Xまで乱入してきた結果自爆装置が作動し、ラボはB.S.Lから切り離されメトロイド達と1体のSA-Xを道連れに消滅した。


なお、SA-Xは前述のとおりアイスビームが使えるのだが、なぜかシークレットラボに侵入してきたSA-Xはミサイルしか使わず、しかもろくに狙いもつけずに乱射しているだけだった。
「天敵が大量にいてパニクっていたのではないか」とネタにされているが、Xの性質上SA-XはotherMの記憶も持っていることになるので、わざと自爆装置を作動させようとしていたのではないかとも言われている。







【今作のサムスの能力】

ビーム系能力


  • ノーマルビーム

初期から使える標準装備で連射可能な点以外に特徴は無いが、チャージビームを獲得することでビームのサイズが少し大きくなり、素の攻撃力が2倍になる(判定が2発に別れているのでカス当たりすることはある)。



  • チャージビーム

ノーマルビームをチャージすることで発動できる高威力のビーム。序盤から解禁され最後までお世話になる。


『スーパー』で追加された隠しテクニックであるチャージアタックは今作でも続投されているため、これを知っていると道中の敵の処理が多少楽になる。
加えて本作独自の仕様として、敵近くで溜め撃ちすると前方の衝撃波で追加ダメージを与えることができる。



  • ワイドビーム

ビームを3発同時に発射可能になる。


ビームは縦に大きく広がって発射されるため、当たりやすい上にビームそれぞれに当たり判定があるので、それぞれのビームを別々の敵に当てると言った芸当も可能。狙ってやらないと中々出来ないが。


前作の「スペイザー」に近いが、本作では後述のようにプラズマビームとの併用が可能となっている。



  • プラズマビーム

シリーズお馴染み最強のビーム。


ビームの攻撃力が更に上がる上に、敵を貫通して攻撃できるようになるため、道中の雑魚敵の処理がとても楽になる。
更に溜め打ちではボスへのダメージもかなりのものになり、作中でもSA-Xの装甲を貫くのに必須の能力とも言われるほど、攻略においても欠かせない能力。
今作のビームは重ね掛け方式となっており、ワイド等の性質を引き継いで使えるため取り立ての段階で3発同時+敵貫通という凄まじい力を見せつけてくれる。



  • ウェイブビーム

プラズマビームの後に追加されるビーム。


このビームは地形を貫通して攻撃できるというぶっ飛んだ効果を持っている。
更にワイドとプラズマの効果も上乗せされるため、これを入手すれば「敵・地形を貫通しながら3発同時に発射されるビーム」という文句なしの最強装備へと変貌を遂げる。



ミサイル系能力

  • ミサイル

毎度お馴染みの火力武器。通称「味噌」。


今作ではビームとミサイルの切り替えがセレクトからRボタンを押しながら撃つ方式へ変更されたので、道中は勿論ボス戦でも素早く撃ち分けることが簡単になった。



  • スーパーミサイル

ミサイルの上位版。通称「酢味噌」。


過去作では通常とこれが別物として扱われていたが、今作はミサイルの能力がアップデートされる形で強化されていく仕様になっていて、ミサイルの弾数は据え置きのまま威力が上がっていく。
過去作ではここぞという時に使う高火力武器だったのが、今作は比較的撃ち放題のとんでも兵器になっている。


ただし、早くに後述のアイスミサイルに換装されるため、スーパーミサイルとして使用できる期間はものすごく短い。



  • アイスミサイル

ワクチンの副作用による体質変化によって使えなくなった「アイスビーム」を補うために開発されたミサイルという塩梅で、アイスビーム同様敵に当てれば凍らせることが可能。


但し、ミサイルに弾数がある関係上アイスビームのように無限に撃てるわけではない上に、スーパーミサイルにこれが上書きされるため、実質的に威力も落ちてしまう。
とはいえ、通常のミサイルよりもダメージそのものは増えておりSA-Xを凍結させることも出来るため非常に応用性のある装備となっている。



  • ディフュージョンミサイル

基本的にはアイスミサイルと同じだが、少々特殊な効果がありミサイルの発射状態を維持するとチャージ状態になり、チャージが完了した状態で発射すると、着弾地点を中心に円形の凍結効果を持った爆発が発生するようになる。


爆発は壁を貫通して到達する上に円形の爆発もミサイルの攻撃として適用されるため、通常のミサイルでは当てることのできないミサイルブロックも破壊することが出来るようになる。更にスーパーミサイル・アイスミサイルと比べて単発威力自体もさらに上がるため、弾数も相まって攻略の心強いお供として活躍してくれる。




ボム系能力

  • ボム

モーフボール時の攻撃手段。


過去作と同じく、隠されたボムブロックを破壊して隠し通路を見つけるのが主な役割。



  • パワーボム

ボムの強化バージョン。


Rを押しながらボムを起動すると数秒の待機時間の後に爆発が起こり、画面内の敵やブロックを破壊することが出来る。
なお爆発には擬態を解除したX達を引き寄せる効果があるため、ボムの爆破で敵を撃破した後に寄ってきたX達を一気に吸収して回復すると言う荒技も可能である。


殆どの敵に有効な攻撃手段となるだけでなく、専用ブロックの他にフェイクブロックも破壊可能な上に非対応のブロックを見つけ出すことも可能なため、これを入手した後に行き止まりにぶつかったらとりあえず起爆させて隠し通路を見つけるのがセオリー。



パワードスーツ

  • フュージョンスーツ

外装の大部分をはがされ、さらにメトロイドワクチンを打たれて大幅に変異した今回の基盤になる水色のパワードスーツ。


全体的に有機的なデザインとなり、背中にはメトロイドの核を思わせる3つの丸模様が出ている。
前述の通りかなり軽やかな動きができるが、防御力は過去最低で、ラスボスからの攻撃ひと振で体力MAXから1になってしまうほど。



  • バリアスーツ

サムスの代名詞とも言えるスーツ。色は黄緑、肩パッドはつかない。


過去作同様受けるダメージを軽減してくれる上に高温・低音環境でも問題なく行動できるようにしてくれる強化スーツ。
これの入手により、メトロイドワクチンの副作用の一つである冷気弱点の体質は改善される。


入手以降はコールドXのダメージを無効化(逆にエネルギーの回復が可能になる)し、SA-Xのアイスビームを受けても凍結しなくなるため、探索・逃走の両方に於いて非常に有用な効果となっている。


元々連邦から送ってくれたのだがXにデータルーム破壊のついでに横取りされるもそいつを撃破して奪取した。



  • グラビティスーツ

バリアスーツの上位互換。見た目は紫になっただけ。


ダメージの軽減率がバリアスーツよりも高い上に移動が制限される水中や溶岩でも通常のジャンプや移動速度が保たれるようになるため、セクター3やセクター4の探索がとても快適になる。


但しB.S.L内に点在している緑色の液体には無力なためその点には注意が必要。




身体系能力

前作『スーパー』から多数の能力が続投されているが、「グラップリングビーム」や「Xレイスコープ」はオミットされており、相当する能力は登場しない。


  • モーフボール

お馴染みのボール形態へ変形出来る能力。
過去作と同じく狭い通路等に入り込むために使用される。



  • ハイジャンプ

通常よりも高く飛べるようになる能力。


同時にボール状態でのジャンプも可能になるため、前作のハイジャンプブーツとスプリングボールを統合した能力になっている。



  • スピードブースター

『スーパー』からお馴染み高速移動が可能になる能力。


サムスが一定距離を走ると発動し、凄まじい音と共に攻撃判定がある高速移動状態へ移行、敵を倒したり専用のブロックを破壊出来るようになる。隠しテクニックである「シャインスパーク」も続投されている。


前作から仕様が幾らか変更されて操作がシンプルとなった他、シャインスパークを行ってもエネルギーが減少しなくなったためとても使いやすくなった。
さらに、横方向にシャインスパークで移動している時に斜面に接触すると、シャインスパークを解除してダッシュ状態に戻るという仕様が追加された。これを連続でこなさないと取得できないアイテムや隠しイベントが存在する。



  • スペースジャンプ

無限ジャンプが可能になる能力。


前作では、連続ジャンプのタイミングがシビア且つ少々分かりづらかったが、今作はタイミングが緩和された上に通常の落下モーション中でも回転ジャンプに移行できるように改善されているため、爽快感ある連続ジャンプが出来るようになっている。



  • スクリューアタック

お馴染みジャンプ中に強力な攻撃判定を付与する能力。


殆どの道中の敵はこれでワンパン出来る様になる他、今作は専用のスクリューアタックブロック・ボムブロックも破壊可能なため、スペースジャンプが組み合わされば殆どこれだけで移動が出来る。




【ボス敵】

今作に登場するボス達は極一部を除いてXが寄生・擬態をした存在となっており、データルームで習得できない能力はこれらを倒して擬態を解いたXを吸収して能力を解禁していくことになる。



◆マルカラ


最初に戦うアルマジロのようなボス。


惑星SR388の生物であり、『II』『サムスリターンズ』をプレイしたことのある人は懐かしさを覚えたかもしれない。
Xが擬態しているためか、公式イラストではオリジナルには無かった緑色の体毛が生えている。
攻撃手段は丸まって突進・青い衝撃波を飛ばす・火炎放射の3つを用いるが、どれも予備動作が大きいため至近距離で戦いでもしない限りは簡単に避けられる。


撃破するとモーフボールを獲得出来る。



◆ザザビー


一つ目のウミユリの様なボス。サザビーではない。


そのままではダメージを与えることが出来ないが、時折大ジャンプをしてサムスを飲み込もうとしてくるので、そこを狙ってミサイルやチャージビームを当てるとダメージを与えることが出来る。
万が一飲み込まれた際にはボムを用いることで逃げることが可能。


撃破するとハイジャンプを獲得出来る。



◆イシュタル


ウツボのような体を持つ水棲ボス。セクター4を水浸しにした犯人。


頭部が弱点であり攻撃方法は突進のみでミサイルを5~6発も撃ち込めば倒せる程打たれ弱いが、バトルステージは殆どが水に満たされており水上にある足場も3マスの足場が一定距離で置かれているのみとなっている。


そのため非常に足場が確保しづらくダメージを受けてノックバックした拍子に水に落ち地上に戻ろうとしてダメージを受けると言った悪循環に陥りやすい。
更にダメージを与えるとスピードアップしてステージを駆け巡るため頭部を狙うのが中々に難しい序盤の強ボス。


……というのは正攻法で挑んだ場合であり、実は地面の特定のポイントに安全地帯が存在しそこから左右に振り向いて攻撃するだけで簡単に倒せたりする。


余談だが、ボス部屋の前には寄生される前のオリジナルのイシュタルと思わしき生物の骨が転がっており、どうやらXに寄生されるついでに美味しく戴かれてしまった模様。


撃破するとスピードブースターが獲得出来る。



◆ボクス


メタグロス(B.S.Lのすがた)B.S.Lの警備を担う武装ロボ。


元々は正常に稼働していたが、何故か暴走を始めセクター3を破壊していたため、無力化させるために戦うことになる。
基本的に歩行かジャンプでサムスに接近して、一定時間で火柱を起こす爆弾を発射する攻撃を行う。
弱点は中心の本体となっており、横からでは狙えないが、ステージの天井にぶら下がれる箇所があるのでそこに捕まって上からミサイル連打で簡単に倒すことが出来る。


但し初戦は倒しても逃げられてしまうため、終盤にて再び戦うことになる。



なんとこのロボット、メインコンピュータに人間の頭脳のようなものが用いられているという倫理観ガン無視のとんでもない設計が施されており、そこをXに侵食されて暴走状態に陥ってしまったのが真相。
(とはいえ、機械に人間の脳細胞を応用する事自体はこの世界においては珍しくない。またボクスの脳髄は明らかに人間のものではありえないサイズと耐久性を有しており、流石に人間の脳髄をそのまま使用しているのではなく、それを応用した一種のバイオコンピューターなのかもしれない)
一見完全防備に思えるサムスが冒頭でXに襲われたのも、パワードスーツの一部が着用者と同化できる生体組織だった為にそこから侵入されてしまったのだろう。


そんなボクスとの2戦目はセクター6にて戦うこととなる。基本的な動作は変わらず弱点も中央の本体となっている他ぶら下がれる天井がある点も同様。


初戦と違う点は地上が感電する水に満たされている事と火柱を起こす爆弾からミサイルによる攻撃へと変化しているため、迎撃ないし回避する必要がある。さらにぶらさがれる天井が最初は隠れているため、パワーボム等で引きはがす必要がある。また、天井の高さも以前より低いせいか、ボクスのジャンプ移動の際に接触する危険性も向上している。


ここで漸く撃破ができ、ウェイブビームを獲得可能。



◆バリアコアX


データルームのコンピュータからバリアスーツのデータを抜き取って巨大化したX。


基本的に浮遊して突進してくるのみで体全体に攻撃が通るため、突っ込んでくる位置さえわかれば比較的容易に倒せる。
戦闘開始時周囲に小型の防衛オプションを付けているため、ビームやチャージアタックで素早く処理をしておくのが吉。


撃破するとバリアスーツが獲得可能。



◆オペレーターX


B.S.L.のオペレーターに擬態したX。セクター3のボイラー機能を暴走させ、自爆装置を起動させようとした。
オペレーターの姿では戦闘能力がないため、攻撃するとすぐに擬態を解いて襲ってくる。
この個体の出現によって「Xは宿主が生来持っている能力だけでなく、後天的に得た知識・技能もコピーできる」ことが証明された。


撃破するとワイドビームが獲得可能。



◆ゲドゥ


巨大な蜘蛛の姿をした、苦手な人はとことん苦手な見た目のボス。


形態が2種類存在し、第1形態は壁を這い回りながら三方向へ炎を吐く攻撃を行う。這い回っている際に接触すると前脚でサムスを拘束してくるので、ゲドゥの動きをよく見て回避しながら弱点の口を攻撃することになる。


ある程度ダメージを与えると脚が取れて第2形態へと移行し、この形態では回転しながら空中を飛び回り、口から虫を吐き出して攻撃をするため第1形形態と同じく攻撃を避けながら口を狙い撃つことになる。


撃破するとスペースジャンプが獲得可能。


ちなみに英名は「Yakuza」



◆鳥人像


お馴染み体育座りのアレ。今作も2種類の鳥人像がボスとして登場する。


1体は序盤のエリアで既存作のようにアイテムボールを持った姿で擬態をしているが、サムスが攻撃を加える事で擬態を解き、コアXとして戦うことになる。


もう1体は終盤のセクター2にて植物に覆われた姿で登場し尚且つ第2形態まで存在する。


第1形態はマザーブレインのように周りの花達から花粉を飛ばして攻撃するのみで基本的に本体は無防備なため、花粉を避けながらチャージビームやミサイル連打で倒すことが出来る。第2形態は体の一部が剥がれ落ちてそこからビームを放ち攻撃をしてくるが、弾幕は大して激しくないので第1形態同様攻撃を連打すれば倒すのは容易。


前者はチャージビーム、後者はプラズマビームを獲得可能。



ナイトメア


本作のトラウマ要素その2。猫のぬいぐるみのような印象的な見た目が特徴のボス。


アダム曰く、「旧連邦軍が作り出した半機械生物兵器」とのこと。
重力を操る能力を持ち、推力もなしに浮遊するのみならず高重力の力場でサムスの行動に制限もかけてくる。


詳細は該当項目にて。
撃破するとグラビティスーツが獲得可能。



ネオリドリー


シリーズ恒例サムスの宿敵。


何故かB.S.Lの冷凍保管庫で管理されていた彼の肉体に寄生したXが擬態したものとなっており、厳密にはリドリーとは別物。


詳細は該当項目にて。
撃破するとスクリューアタックが獲得可能。




【???】


サムス


アイスビームを使えないことを除けば限りなく全盛期と同等の力を取り戻したが、そんな矢先にアダムから銀河連邦の恐ろしい企みを知り、連邦軍が到着する前にB.S.Lの自爆装置を利用して道連れ同然でXを殲滅しようとする。
しかしアダムに「B.S.Lを爆破したところで、SR-388に巣食っている無数のXが野放しのままでは無意味」と作戦の穴を指摘され、最早これまでと思われたが、アダムが知恵を貸した事でコントロールブリッジで推進エンジンを起動させSR-388にB.S.Lを衝突させ惑星諸共Xを根絶させる作戦を決行すべく最後のミッションへ赴く。


この際のアダムとのやりとりはシリーズ屈指の名場面の一つとなっている。



◆アダム


終盤にて突如サムスにB.S.Lから立ち去るよう命令し、銀河連邦の意向を伝えても尚命令に反くサムスをナビゲーションルームに閉じ込める等非情な対応を取るが、彼も銀河連邦のやり方に思うところがあったのか前述の根絶作戦をサムスに託して最後のミッションへ送り出した。


全てが終わった後、銀河連邦の反応が目に見えていることに落ち込むサムスに対し「連邦の役人にも今回の件を理解してくれる者がいる筈だ」と慰めている。


+ 衝撃の真実-


その正体はサムスの亡き上官「アダム・マルコビッチ」その人である。


「Other M」にて自らを犠牲にしてサムスを救った彼だったが、彼の死後銀河連邦はその卓越した指揮力や明晰な頭脳を評価してボクスのように頭脳をコンピュータAIとして利用した事でスターシップのコンピュータとして復活を果たしサムスと奇妙な再会を果たすこととなった。


{



◆銀河連邦


当初こそXを大きな脅威とみなしサムスを全面的に支援していたが、次第にXやSA-Xにクローン技術への利用価値を見出し連邦軍を動員したXの捕獲作戦を推し進めようと画策する。


Xの脅威となり得るサムスへの支援も中盤から打ち切っていたらしく、プラズマビームやディフュージョンミサイルのデータを連邦は完成させていたものの、サムスへのデータ転送の中止が決定されていた*6という話をアダムから聞けるため、中々の悪辣さが垣間見える。


無論、そんなことをしようものなら…



  1. B.S.L.内に侵入した銀河連邦部隊がXによって返り討ちにされ全滅
  2. Xが銀河連邦部隊に擬態
  3. Xが化けたニセ銀河連邦部隊が連邦に帰還
  4. 連邦に入り込んだXによる宇宙規模のバイオハザードが発生

…という、全宇宙にとって取り返しのつかない最悪の結末が待っているのは火を見るより明らかであった。
シークレットラボをパーにされた直後で焦っていたのだろうとはいえ、サムスが死にかけた化け物相手に楽観視しすぎである。



SA-X


実は既に分裂によってその個体数を増やしており、シークレットラボでメトロイドと共に散っていったのは複数体いるSA-Xのうちの1体に過ぎない。


Xの性質を考えれば有り得る話なのだが、この事実に戦慄したプレイヤーも少なからずいただろう。
正確な個体数は不明だが、その数はアダム曰く、シークレットラボ消滅の時点で「少なくとも10体はいる」らしい。
……銀河連邦がこの事実を把握していて尚捕まえる気だったとするなら、全盛期のサムスもどき10体を本気で相手にするつもりだったのだろうか。


幾度となくサムスを追跡してきたが、Xを根絶するべくコントロールブリッジへ向かうサムスの前に現れ決着の時を迎える。


最初はアイスビームやスクリューアタックを用いて攻撃を仕掛けてくるが、スクリューアタックの着地のタイミングを狙ってチャージショットを当てることができれば恐るるに足らず。ある程度ダメージを与えると膝跨いだ後に姿を変化させ、最早原形がカラーリングとバイザー部分しかない異形の第2形態へと変化。この形態ではジャンプによる踏み潰ししか行わないため、しっかりと避けつつ攻撃を当てれば手こずることはない。


撃破しても逃げられてしまうためこの時点では吸収は不可。



◆オメガメトロイド


『Ⅱ』以来久方ぶりに登場したメトロイドの第4形態にして本作のラスボス。ただし、成り行き。


シークレットラボの事故から運良く逃げ出したと思われる個体*7で、B.S.Lの軌道変更を終え発着場へ辿り着いたサムスの前に立ち塞がる。
強大な戦闘力でサムスや乱入してきたSA-Xを蹴散らすものの、擬態を解いたSA-Xをサムスが吸収したことで最後の能力「アイスビーム」を取り戻し*8た上パワードスーツの強度も回復し*9形成は逆転、弱点の冷気を撃ち込まれて撃破された。



◆エテコーン&ダチョラ


本編の中盤で救助された後はアダムの通信越しに姿を確認できるのみで特にストーリーに絡む事もなかったが、最終盤にてオメガメトロイドの襲撃から逃れるためにアダムの指揮の元でマニュアル操作の必要があるスターシップの起動を行い、一時的に施設の外へ退避させる大仕事を果たしていた。
役割分担は概ね予想がつく。
結果論ではあるが、彼らがいなければスターシップはオメガメトロイドに破壊されサムスとアダムはSR388の崩壊に巻き込まれて宇宙の藻屑となって消えていた可能性が高く、『スーパー』の頃と同様にサムスは再び彼らに窮地を救われることとなった。


サムスのふと浮かんだ素朴な疑問とアダムのお茶目な回答の後、慣れない機械を必死に操縦して疲れたのか、仲良く寝ている3匹と2羽の可愛らしい姿で今作は締め括られるのであった。


}






【余談】

  • 本作にも無強化、つまりアイテム無取得でクリアによるご褒美が存在する。本作は進行ルートの都合で1個だけ強制取得のアイテムがあるため「1%クリア」とも呼ばれる。
    (本作はモーフボールなどのアビリティは収集率に含まれず、エネルギータンク、ミサイルタンク、パワーボムタンクのみをカウントする)
    例によってかなり鬼畜な縛りプレイとなる上に、難易度「むずかしい」だとボスの攻撃を2回受けただけで死ぬことも日常茶飯事となる。特にバリアコア-X、ゲドゥ(の頭だけ形態)、ナイトメア、ネオリドリーで詰まったという人もいるのではないだろうか?

  • 元々メトロイドシリーズは『初代』『Ⅱ』『スーパー』でシリーズ完結をしていたのだが、同年に発売予定だった『メトロイドプライム』シリーズの先行きに不安を抱いていた開発陣達が既存ファンが楽しめる従来の2Dメトロイド作品として本作が製作されたと言う経緯がある。

  • 結果的に『プライム』シリーズは成功を収めメトロイドの新たな基盤を確立したが、それとは対照的に2Dシリーズはこれ以降19年以上新作(リメイク作を除く)が途絶えることとなり、2021年発売の『ドレッド』の発表があるまでは本作がストーリーに於ける最新の時系列として扱われ続けていた。

  • 本作はストーリー色が強い関係上進行もほぼ一本道なのだが、実は1ヶ所だけシーケンスブレイクが可能な場所がある。
    そこを通っていくと進行に矛盾が発生して詰んでしまう……なんてことはなく、技術を称賛した上で本来のルートを通るように、という旨の隠しメッセージを見ることができる。






◎【サムス、不味い事が起きた。】
 【この項目に荒らしが侵入した。発生した被害は現状不明だ。】
 【そこで、君に新たなミッションを与える。】
 【この項目の荒らしを速やかに鎮圧した後に項目を追記・修正するのだ。】
 【異論はないな?レディー】


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  • Xが蔓延る中、無事にシップまで辿り着いたダチョラとエテコーン実はかなり強キャラなのでは…? -- 名無しさん (2021-09-18 22:45:43)
  • なんであんな研究施設に惑星破壊できるほどの自爆装置なんてオーバーキルなもの付いてんだと当時から疑問が -- 名無しさん (2021-09-18 23:35:41)
  • 脱出直前のSA-Xの行動は。瀕死のサムス(メトロイドに似てるだけ+行動不能)よりもメトロイド(完全にメトロイドで元気一杯)で殺害の優先順位を切り替えただけらしいな -- 名無しさん (2021-09-18 23:59:49)
  • 昔ツイかスレで見かけたディフュージョンミサイルの件はプライム3の提督が裏で働きかけていたって説ただの推論に過ぎないけど個人的に胸熱で好き -- 名無しさん (2021-09-19 00:13:23)
  • 宿敵スペースパイレーツがスーパーで滅んだこともあって、この作品以降は銀河連邦に焦点があてられることが増えてきた。良い意味で作品の世界観を広げてくれた作品 -- 名無しさん (2021-09-19 01:01:39)
  • スーパーのエテコーンとダチョラってどうやって脱出したんだろう?パイレーツの宇宙船こっそり奪ったとかだと思うが… -- 名無しさん (2021-09-19 05:35:36)
  • 初めてプレイしたメトロイドはコレだったなぁ…逐一目的地が支持されるから謎解きに苦戦しても目的を見失って迷うことはなかったけど、スーパーの方にも興味が出てプレイしてみたらフュージョンと同じ感覚でプレイしたらめっちゃ迷った。 -- 名無しさん (2021-09-19 06:05:23)
  • 子供用字幕と大人用字幕の二種類なかったっけ? -- 名無しさん (2021-09-19 09:15:56)
  • ↑3 そりゃあダチョラ先生のシャインスパークでしょう -- 名無しさん (2021-09-19 10:17:56)
  • ウエイブビームはほんとに波打ってて、時間経過で復活するパネルに撃つと一部残る -- 名無しさん (2021-09-19 20:51:04)
  • 地味に銀河連邦では人間の脳みそを用いたコンピューターは珍しくないとか。仮にクローン培養されたものであっても倫理的にどうなんすかねソレ… -- 名無しさん (2021-09-20 01:55:02)
  • マザーブレイン応用したであろうオーロラユニットなんてのもあるし、生態コンピュータ自体は珍しくはないんだろう -- 名無しさん (2021-09-20 02:34:08)
  • 3DSに無料で配信された時にやってたな  -- 名無しさん (2021-09-20 17:54:13)
  • ↑発売日に2万5千円で買ったな? -- 名無しさん (2021-09-20 22:18:20)
  • 買ったよ -- 名無しさん (2021-09-21 00:05:19)
  • パワーボムの使い方に慣れてきた辺りにパワーボムで壊せるブロックのある部屋でSA-Xと遭遇させてプレイヤーを焦らせてよく調べないでパワーボムを使うと壁が崩れて追われるイベントがあるのひどい -- 名無しさん (2021-09-21 02:52:10)
  • 新規プレイヤー「誰だか知らんけど過去作にはアダムっていうかっこいい上官がいたのか」既存プレイヤー「アダムって誰だ・・・」 -- 名無しさん (2021-09-22 16:42:31)
  • 時系列が『スーパー』より前にあたる漫画(マガジンZ)にもXが登場してたな -- 名無しさん (2021-09-23 02:34:35)
  • ぶっちゃけメトロイドやフェイゾンよりもタチが悪いよなぁXって。メトロイドやフェイゾンは一応連邦でも対処出来なくはなさそうだけど、Xだけはサムスがいないとどうにもならないからなぁ… -- 名無しさん (2021-09-29 20:32:44)
  • ↑3悪魔城ドラキュラ暁月の円舞曲の来須蒼真を思い出すわ。初プレイがアレだったから特に違和感なかったけど、既存プレイヤーだったら「誰この主人公?ベルモンドの血族?」ってなったんだろうかな -- 名無しさん (2021-09-29 22:34:36)
  • よくよく考えると、サムスを救ったベビーの細胞も、サムスのパワードスーツから採取したXの細胞も連邦持ってる状態なんだな。うん、ろくなことになりそうもないというか、絶対何か起こる。起きた結果がドレッドなんだろうけど。 -- 名無しさん (2021-09-30 08:31:46)
  • この項目に限った話じゃないけど再開と再会がごっちゃになってるのをよく見る気がする -- 名無しさん (2021-09-30 22:12:57)
  • 侵食されたパワードスーツがB.S.Lに回収されたのは不幸中の幸いだったとしか言いようがないな。万が一銀河連邦の本部に送られてそこでSA-Xが目覚めようものなら詰みルートまっしぐらだったからなぁ… -- 名無しさん (2021-10-02 13:11:16)
  • BSLは極秘研究所とかも抱えてるしで連邦お抱えだから色々都合が良かったんだろう、・・・黒いし。あんまり関係ないがベビーにはサムスリターンズを考えると実質3回救われている事になる。後付けっちゃ後付けだが -- 名無しさん (2021-10-03 12:39:44)
  • 今作に登場したXがドレットのラストでまさか『親切』をしてくれるとは思わなかった(ネタバレだから深くは言わない) -- 名無しさん (2021-10-10 22:15:02)
  • あれは見かたによって解釈別れるポイントだろうな。親切と扱うか、Xの本能と見るか -- 名無しさん (2021-10-10 22:44:27)
  • にんむはここまでだ。あとは ぎんがれんぽうに まかせ、われわれは かえるのだ。 -- 名無しさん (2021-10-11 01:48:05)
  • ドレッドはきっちりとフュージョンの続きを描き、先を広げてくれた。そしてXのヤバさもイヤというほど描いてくれた。鳥人族をごく少数の紛れたXが滅ぼすとかこんなんありかよ -- 名無しさん (2021-10-11 20:45:21)
  • ドレッドにはナマ生物もX擬態のニセ生物も両方出てくるけど、擬態の方は悪い意味で生物らしくない生き物になってるのが物凄く不気味だった。生存を捨てて暴力一辺倒の生物になった感が特に。そらX絶滅すべしという結論にもなるわ -- 名無しさん (2021-10-12 13:13:09)
  • 「Xの生態」としては普通過ぎてスルーしてるが、そもそも「2体のXが合体して能力の複合した生物になる」って色々おかしいからな。本来なら何世代も進化して獲得するものを、遺伝子のかけ合わせで速攻得ちまうんだから…。というか繁殖速度おかしいし、やっぱSR388が原産じゃないだろコレ。(原生生物残ってたし) -- 名無しさん (2021-10-12 19:18:11)
  • (ネタバレ有のためタグ使用)アダムについてちょっと分からないことがあるんだけど、シークレットラボの件の後、「どうせアダムじゃないんだし」と言っていたのに、最終的につい「アダム」と言ったことを引き金に話が進んで、結局「アダムの生き写しだった」っていう結論になったじゃない。ならば何故、サムスの独白のように心配する台詞を言わなかったんだろうっていうのが引っかかってる。あの時は連邦の命令であくまでも別人を演じていたっていうことなんだろうか? -- 名無しさん (2021-11-08 05:50:03)
  • 思うに、自我が確定してなかったんじゃないかと。「コンピューター君」と言われていた時は自分が誰だか分かって無くて、サムスを「レディー」って呼んだのは無意識な癖。で、「アダム」って呼ばれたことで自分が誰だったのか思い出して最後の命令に至った…。ってことかなって。(プラグイン使用) -- 名無しさん (2021-11-08 07:53:12)
  • otherMによると生体兵器は使用禁止されてる世界なんだそうだが、ナイトメアやボクスみたいなのがホイホイ出てるの見ると本当は作りたくてしょうがないんだろうな… -- 名無しさん (2021-11-09 16:16:20)
  • 使用禁止と製造禁止は違うからという詭弁。ナイトメアの性能なら戦場に放り込むだけで相当な被害出せそうだしなんにしても凶悪だからなぁ。それ以上に厄介なXに惹かれるのもまぁ…? -- 名無しさん (2023-06-09 16:20:19)
  • 某一般人お嬢様もしてたけど、ゲドゥでもナイトメアでもSA-XでもなくコアX(次点:ゼーベス星人)に最後まで苦戦してたの本当おハーブ生える。とはいえ、不規則に動き回るから人によっては確かにやりづらいかも知れない -- 名無しさん (2023-06-09 19:23:44)
  • スイッチオンラインで遊んてみたけどアホな程迷子になったw終盤の展開が熱くて結構好きな作品になった -- 名無しさん (2024-02-06 00:58:47)

#comment(striction)

*1 NINTENDO64ゲームボーイカラーで『メトロイド』の新作が出なかった理由としては、「『メトロイド』はリアリティのあるゲームなので、表現力という点で64は少し厳しかった」「ゲームボーイカラーは出すとすればファミコンの絵柄になってしまうし、そうすると『スーパー』より見劣りがしてしまう」と坂本賀勇氏は語っている。
*2 スーツは有機的にサムスと融合しているため、今回の様に本人が昏睡状態ではスーツが外れなくなってしまう。
*3 以降の時系列の作品では、バリアスーツ無しだと高温エリアだけでなく寒冷エリアでもダメージを受けるようになった
*4 前作の最終盤にて脱出路から外れて寄り道をすると彼らをゼーベスから避難させるイベントが存在する。
*5 同作のナイトメアしかりOtherMのMスペースパイレーツ軍団しかり、本シリーズの銀河連邦は何かと自由に動かせる軍事兵器を持ちたがっている描写が多々ある
*6 ちなみにプラズマビームは、サムスがプラズマビームのデータを持っていたコアXを吸収することによって自力で覚醒してしまい、ディフュージョンミサイルのデータは手違いで既にデータルームに転送されており、それをサムスが自力で見つけ出してダウンロードしてしまった。結果的にサムスは銀河連邦の意に反し、どちらの能力も取得してしまったということとなる。
*7 終盤のマップ内に幼生体のまま大型化した個体の抜け殻が残っている場所が数ヶ所ある。
*8 当初はメトロイドワクチン投与による体質変化によってアイスビームの自力取得は不可能と言われていたのだが、この場面でアイスビームを取り戻せたのは「SA-X=ベストコンディションのサムスに擬態したXを吸収することによって本来の能力と体質を取り戻せたため」と言われている。
*9 腕一振で体力MAX→1だったのがエネルギータンク1個分にまでダメージが減少

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