マルベーニ

ページ名:マルベーニ

登録日:2021/08/29 Sun 00:04:11
更新日:2024/06/03 Mon 13:45:41NEW!
所要時間:約 20 分で読めます



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ゼノブレイド2 青肌 法王 法王庁 全ての元凶 諸悪の根源 だいたいこいつのせい 人間嫌い 破滅願望 哀しき悪役 聖職者 諏訪部順一 元善人 闇堕ち 人間臭い アーケディア メツ 神鎧 神の代行者 マスタードライバー ブレイドイーター 聖下 丸紅 黄金の国イーラ




神よ これがあなたの望んだ世界なのか───



マルベーニとは『ゼノブレイド2』及びDLCによる追加ストーリー『黄金の国イーラ』に登場するキャラクターの一人。
CV:諏訪部順一


【概要】

アルスト最大の国家を持つ巨神獣「アーケディア法王庁」の法王であり、もう一人の天の聖杯であるメツのドライバー
メツ以外にもコール(ミノチ)、ファン・レ・ノルン(カスミ)の2人とも同調しており前者はレックスたちの法王庁への招待、後者は彼の補佐として活動している。


曲がりなりにも天の聖杯のドライバーである故にマスタードライバーの能力を持っており、コアクリスタルの同調率を上げるための「洗礼」がそれである。
アーケディアが他の巨神獣に比べて規模が小さい割にアルスト最大の国家となっているのはこれによって流通しているほぼ全てのコアクリスタルを管理しているからである。



【外見・性格】

尖った耳と顎髭に加えてアーケディア人特有の青肌が特徴的であり、年齢は劇中から推測するに確実に500歳は軽く超えていながらもなお若々しい容姿を保っている
これは彼らアーケディア人が皆非常に長命な種族だからである。それにしても若過ぎでは
その人外じみた雰囲気に反して性格は穏やかで親切。戦争などによる難民を受け入れ広場のキャンプに住まわせており、レックスの仲間であるジークも過去に行き倒れていた時に彼に助けられたことがある。


しかし、レックスに対して先述した洗礼が自分にもできるのかを聞かれた際にはぐらかしたり、
ホムラがイーラに連れて行かれたことを聞いた際にあっさり見限ったりとどこか不穏な雰囲気も見られる。



【来歴・作中の主な活躍】

本編開始前にかつてある理由から神に会うべくアルストの中心にそびえる「世界樹」をその身ひとつで登頂。たどり着いた先で神に会うことは出来なかったものの、翠玉色のコアクリスタルを発見。
そのうちの後者と同調することは叶わず、前者と同調したことでメツが誕生することとなった。
その後彼の力を持って若くして助祭枢機卿にまで出世するも程なくしてメツは彼の下を離れて各地で破壊活動を開始。
そして、翠玉色のコアクリスタルがアデルと同調した結果誕生したヒカリの手によってメツは倒されたが、その余波で3体の巨神獣が雲海の藻屑となった。これが500年前の聖杯大戦である。


本編の時間軸では先述の通りコールの紹介によってレックス一行と出会い協力関係となり、テンペランティアにてシンの手によってスペルビアとインヴィディアの戦争が始まるギリギリで現れて開戦を阻止するなどの活躍を見せた。
しかし、最終的にルクスリアにてレックスがシンに破れホムラが連れて行かれたことを聞き、「所詮は子供だったか」とレックスを見限った。




追記・修正お願いします。



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注意!

ここから先は8章以降のネタバレが含まれています!








































紆余曲折を経てホムラ/ヒカリを奪還し世界樹へとたどり着いたレックス一行はイーラの者たちよりも先に楽園へとたどり着くために急ぐが、道のりも中層に差し掛かったあたりでレックスはマルベーニの目的およびその動向について考え出しその旨を仲間たちに話していた。
場面が変わってマルベーニの回想が入り、その回想では幼少期に母が囮となって盗賊から自分を逃がし、逃げ延びたマルベーニは母を探しに戻ったが既に死亡しており盗賊はその傍で宴会を開いて眠りについた後だった。憎悪に駆られたマルベーニが落ちていた石で盗賊を撲殺したところで回想は終わる。
マルベーニは天の聖杯を手に入れられなかった焦りからかアーケディアの巨神獣を操り世界樹付近へ浮上、イーラの戦闘母艦マルサネスに向けて巨神獣からの砲撃と送り出した僧兵による一斉攻撃を開始した。


交戦状態となったことによってこれ以降アーケディアには入れなくなるため、受注したクエストが終わっていなければ中層に入る前になるべく終わらせておきたい。
なお、発展度と傭兵団任務はリベラリタス島嶼群しょとうぐんと統合される。




【本当の概要】

これまで比較的穏やかと見られた彼だがその本性は非常に冷酷かつ狡猾。ブレイドを自身よりも格下の道具として扱っていると同時に人類と世界には強い憎しみを抱いている。
先述した一連の回想に加え、過去に助けた負傷兵が民家に押し入り強盗殺人を行っていた*1現場に偶然遭遇するなど人類の醜悪な面を幾度となく経験したことで上記の人格が形成されていった。
こうしたことをきっかけにがなぜこの世界を創ったのかと疑問に感じたことからその真意を確かめるべく世界樹を登る。前述の通り、神本人との対面は叶わなかったものの代わりに二つのコアクリスタルを授かったことにより自らが神の代行者であるという考えに至る契機にもなったのだった。
その後世界樹から持ち帰ったコアクリスタルと同調し誕生したメツに上述したマルベーニの心情が反映されたことがこれまでの破壊活動の発端であり、このことは回想にてマルベーニの下から離れる直前にメツ本人の口から語られている。



お別れを言いに来てやったぜ 急にいなくなったらお前も困るだろ


別れ 私から離れてどうするというのだ お前は私の


俺は 独りでも全ての力が使える ドライバーおまえが死んでも俺は存在し続けられるからな


どうすると___いうのだ?


法王庁も 信者も 誰もが唾棄すべき愚民

人間は この世界の無駄そのものだ

その おまえの願望を叶えてやろうと思ってな


私はそのようなことは___


無駄なモノは消えてしまえばいい___

だからこそお前は至高の存在___神を求め 世界樹を登った それなのに___




メツが去った後、まだ自分の本質を認め切れなかった故か危機感を感じ、もう一つのコアクリスタルを使える者を探してその者にメツを討ってもらうことにした。これが後の聖杯大戦の発端である。
ところが、世界を滅ぼすのも容易いメツの暴れぶりを見るにつれ「天の聖杯には世界を滅ぼすだけの力がある。即ち神が天の聖杯を残したのは、神が世界の破壊を望んでいるからに違いない」と裏で主張するようになる。
こうして大戦終結後、当時の法王ラダリアや枢機卿バルトリッチといった法王庁にて自分より高位だった者達を次々と暗殺して新たな法王に就任。
そして自分で持ち出しておきながら、後一つ残った天の聖杯の力を恐れ、イーラの難民を襲撃。これによりシンのドライバーであったラウラが死亡し、その時の遺言がシンがマンイーターとして生き延びると同時に人類と世界に憎しみを持つきっかけとなった。


この他にも後のイーラのメンバーとなるヨシツネとベンケイらマンイーターに対する迫害やサタヒコたち難民をブレイドイーターの実験台にしていた*2ことによってイーラの連中全員の恨みを買ったり、
ルクスリア王国に対して本当は英雄アデルの国ではないという弱みを握ってコアチップを押収したことでエーテルの流れが弱まってルクスリア全土が寒冷化したり、
コアクリスタルを管理している故にブレイドから巨神獣となりまたコアクリスタルに戻るという生命のサイクルを停滞させることで巨神獣が年々減少している一因にもなっていたりする。
結論を述べると、聖杯大戦が勃発*3したのもシンを始めとするイーラの面々が世界に憎しみを抱くようになったのもルクスリアの寒冷化も巨神獣が減少傾向にあるのも全部彼の仕業である



【作中の主な活躍】

レックス一行がイーラとアーケディアの戦いを脇目に進む中、イーラの連中を倒させるために彼らを連行しようと僧兵を嗾けるも撃退。
その後自らがマスタードライバーとしての力とファン・レ・ノルンのコアクリスタルによるブレイドイーターとしての力を合わせた「全てのブレイドを使役する力*4」によりブレイドや巨神獣を操り、デバイスや巨神獣による砲撃を開始。特に寿命の近いスペルビアで積極的に砲撃をする姿は彼の本質がよく分かる。


対してイーラ側はサタヒコがヨシツネとベンケイを退避させ、マルサネスを人型に変形させて戦闘を続行。同じブレイドイーターであるサタヒコにはファンの力は効かず、マルベーニが難民を避難すらさせてないことを知りつつも後には引けずアーケディアの攻撃を開始。
マルベーニは巨神獣による砲撃で妨害するもレックス・ヒカリ・ハナの手によって自身の力を強化する増幅塔を倒されたことで巨神獣を解放され、最後はサタヒコとマルサネスの自爆特攻によってマルベーニとアーケディアの巨神獣はサタヒコ共々雲海へ沈んでいき、死亡したと思われたが…?


なお、一握りではあるが難民たちは各地の巨神獣に逃げ延びており、アーケディアにあったショップも他の巨神獣に移転している。



【人間関係】

  • レックス&ホムラ/ヒカリ

メツを倒せるヒカリと同調できるドライバーを探し行きついたのがアデルで、インヴィディア烈王国のカラム劇場で初めてブレイドとしてヒカリが誕生。同時にアデルがメツに対する抵抗軍を決起。
『黄金の国イーラ』では同調直後にアーケディア法王庁へアデルと共に赴きマルベーニと対面したが、この時点でマルベーニに違和感を覚えている。
『2』ストーリー中盤では、メツとシンの目的の阻止という点で利害が一致したため協力関係にあったが後に見限ることとなった。
だが、まだ天の聖杯を諦め切れなかったためかイーラを殲滅すべくファンの力で支配下に置こうと狙ったものの、最終的にその目的は頓挫した。これに関してマルベーニは、過去の苦い経験も相まって「再びこの私を拒絶するか」と苛立ちを見せる。
初対面時、レックスは彼と話していた際にメツと同じ何かを感じ取っていた。その後、マルベーニの本性を徐々に知っていく内に「人を憎んで、自分を憎んで、やがては世界を憎む。世界を憎んだあとはどうする?そんな世界なくなってしまえばいい。そうならないかな?」と彼の心情を推察している。
ただし、レックスもホムラ・ヒカリも、マルベーニが幼少期から助祭枢機卿に至るまでの足跡の中で味わった苦痛を最後まで知ることはなかった。


  • コール(ミノチ)

インディヴィア烈王国の首都フォンス・マイムで劇場を経営する元傭兵の老人。孤児達の面倒も見ている。
失敗作寄りのマンイーターであり、ブレイド特有の無限の寿命を失ったため老化している。
かつてはマルベーニと行動を共にしていたが先述の赤子の一件を契機に距離を置くようになった。
『黄金の国イーラ』では、メツとの最終決戦前に、自身のドライバーであるマルベーニと同調したメツのことを「最悪の人間と同調したブレイドの例」と称した。
武器にしていた短剣は、楽園への手掛かりのヒントという形で託されたレックスを経てマルベーニに返却される。
なおマンイーターを徹底的に弾圧していたマルベーニは、彼に関しては野放しにしていた。


過去に野盗に襲われ行き倒れていた姿がかつての母と自分の姿と重なったことからブレイドイーターとして延命措置を行い助けている。マルベーニが珍しく純粋な善意で助けた人物であり、ジークもまた、マルベーニの複雑な心境を察していた。
マルベーニの息絶える最後の瞬間、打算抜きで救われたことを思い浮かべながら、「あれもあんたとちゃうんかい」と、彼を哀れむような眼で嘆いていた。


  • ファン・レ・ノルン(カスミ)

元々はラウラのブレイドだったが、ラウラの死後コアクリスタルを回収して自らの補佐として置いていると同時にコアクリスタルの一部を自身に移植している。
ファンの葬式にて死亡時にコアクリスタルに戻らなかったこと、ヒカリがコアクリスタルの形状について話しているシーンが伏線となっている。
カスミが自身の名をファンと述べているのは、コアクリスタルの半分を失っていることによる記憶損傷の可能性がある。
『黄金の国イーラ』ではメツとの最終決戦前、「マルベーニのような人間のブレイドでなくてよかった」と述べていたが、聖杯大戦後はドライバーであるラウラがマルベーニのイーラ虐殺によって死亡したため、コアクリスタルに戻ってしまいマルベーニのブレイドとなってしまった。
カスミ本人は前述の通りマルベーニを嫌悪していたが、コアクリスタル状態ではマルベーニと同調を果たしてしまうという悲惨な運命を辿った。
このようなファン(カスミ)の姿を見たシンは、「マルベーニの手から救済する=軛から解き放つ」ために彼女のコアを貫くことで殺害。


マルベーニのブレイドの一人。先述の通りメツが破壊活動を始めた動機にはマルベーニの心情が深く関わっている。
そういったことはメツの側も自覚しており、己の心の奥底にある悪性から目を背けていたマルベーニにその事実を指摘すると共に、『黄金の国イーラ』では全ての人間が本心では死にたがっているものと一方的に解釈したためにその手助けをすべく全てを滅ぼそうとする。
聖杯大戦でヒカリに敗れたものの復活した後には、自身の行動は本当に自分の意思で選び抜いた物なのかという葛藤を内心抱いていたことから、マルベーニの襲撃によりラウラを取り込む決断をしてしまったシンの願いを叶えるために動くようになる。
ラウラを愛するシンに悲壮な運命を歩ませてしまったのは、かつて破壊衝動のままに暴れていた自分…そして主のマルベーニであることも重々しく受け止めており、そんな "酷い世界" *5と "醜悪で救いようがない自分"の両方を消し去らんとの決意でレックス達の前に最後の壁として立ちはだかった。
ただし、最終決戦後に「もし俺があんたのドライバーだったら…」と仮定を口にしたレックスに対して、「気色悪いことを言うな。俺のドライバーは奴(マルベーニ)だ。それはそれで悪かねぇ」と消滅直前に吐露していた辺り、どこかマルベーニのことも憎からず思っていたのかもしれない。


マルベーニに恨みを持つ者の一人。
マルベーニのイーラ虐殺によってドライバーのラウラが死亡したことによってシンが彼だけでなく人類と世界に憎しみを持つこととなった。
元々、『黄金の国イーラ』の時点でラウラを殺害しようとしたゴウトなどの醜悪な人間の姿を見て「人間の本来の姿」の一面を理解しつつあったが、ラウラの死により決定的なものとなった。


  • ヨシツネ&ベンケイ

シンと同様にマルベーニに恨みを持つ者。
かつてドライバーであったとある兄妹の細胞を取り込みマンイーターとなった。先述したマンイーターに対する迫害を受けており、アーケディアに護送されている時にシンと出会いイーラのメンバーとなった。
ストーリー2周目以降では確率でこちらと同調できるようになるので後述する戦闘で彼らをエンゲージして挑むということも可能。


  • サタヒコ

シンと同様にマルベーニに(ry
『黄金の国イーラ』初登場時は戦争孤児。ラウラに拾われたが、マルベーニのイーラ虐殺の過程でラウラを失い難民となり、ブレイドイーターの実験台にされる。
実験台はすべて処分されていたがサタヒコだけが唯一の生き残っていた。
『2』劇中ではコアクリスタルの色が彼だけ純粋な青だったり回想シーンで幼少期の姿が映っていたりとブレイドイーターであることの伏線が張られていた。
ストーリー2周目以降では生き延びてモルスの地の世界樹入り口にいるので話しかけると仲間になるので後述する戦闘で彼らをエンゲージして挑むということも可能。


  • ゼッタ

イーラ国王の弟であり、当時の王位継承権第一位の人物。『黄金の国イーラ』に登場。
国王がアデルを贔屓していると思い込み、アデルに対して強く反発する所謂「反アデル派」。ゼッタから見てアデルは甥ではあるものの、兄と妾の間に産まれた子であるという理由で彼を蔑んでいる。
マルベーニがヒカリのコアクリスタルと同調できる者を探す過程で、ゼッタにも同調の機会が「平等に」与えられたが失敗。その結果への苛立ちからの言葉とはいえ「元はと言えば卿がメツを目覚めさせた」と一理ある非難を口にしていた*6
聖杯大戦でイーラの巨神獣が沈んだ後はアーケディア法王庁に身を寄せている。
「反アデル派」の筆頭的存在であったことから、アデルの名を不当に用いて現在のルクスリアを興した人物である可能性が極めて高く、ルクスリアの貧困の原因であるコアチップ献上に利用され始めた人物でもあるのかもしれない。



【決戦】

世界樹の上層にてレックス一行は楽園へ続くエレベーター前で待ち受けるシンと戦い死闘の末勝利、自らの思いを彼に伝えることができた。同時に活動限界が来て膝をつくシンの下にヨシツネとベンケイがたどり着くもシンは「ここまでが俺達がすべきことだった」と2人を静止した。
ベンケイはニアに応急処置を求めて治療の準備に戻ろうとするも突如地面から突き出てきた触手によってコアクリスタルを抉り取られ死亡。そしてそのまま地面を突き破り洗礼の中で見つけた優秀なコアクリスタルによって形成された異形の鎧を纏う神鎧マルベーニが姿を現し、ヨシツネを捕らえた。
同時に「ブレイドが神によって遣わされた物ならばそれは私のため」「天の聖杯の持つ、生きるに値しない存在を消し去る力こそが神の意志ではないのか」という彼の発言を聞いたホムラ/ヒカリはメツが破壊活動を始めた真相に気づくこととなる。


今 わかったわ メツがなぜあそこまで世界の消滅にこだわるのか

あなたね マルベーニ あなたの影響を受けてメツは___


だとしたらどうなのだ?何の問題がある?

アルストの世界を旅してきたのだろう?

モルスの地を見てきたのであろう?

幾万の時を経ても人は何ひとつ変わっていない


変わっていないのはあんただ

だから変わろうとした人が邪魔だった


レックスの言葉に対しマルベーニは


変わる必要などあるものか

変われば 全てが消える 私が消えてしまう

それに耐えられる者などいはしない


と真っ向から否定。
「幾万年経っても変わらぬ世界の醜さ」を嘆いておきながら、ラウラ達のように「世界を変えるために自分を変えようとした人々」を消し去ろうとしたという矛盾に近しい行動は、自己の変化は自己の消失も同然と捉え、それに恐怖したというあまりにも尊大且つ人間臭い理由から来たものであり、ジークからは「あんたは弱すぎる」と評された。
皮肉なことにこの思想は彼が求めてやまなかったアルストの神ではなく、人々の進化を恐れた別の世界の神に近い物があった。技名に「ゴッド」と付けるネーミングセンスも似ていたりする。


大変身勝手な考え方なのは間違いないが、裏を返せばマルベーニはどうせ人間の在り方など永遠に変わらず化けの皮はすぐ剥がれるはずだと心の底から断じていたわけではなく、
ある意味人間の善性(=より良い方向に変わる可能性)を未だに心のどこかで信じてしまっていたからこそこのような思考に陥ったとも言えるわけで、これについてもただ皮肉としか言いようが無い。
世界も人間も憎まれて然るべき存在であり続けなければ、彼がそれらを憎む正当性が消えてしまうのである。
神の望みを引き継いだと騙ることにより自分の中で正当化しつつも、実質的にもはやほぼ憎悪とそれに基づく破滅願望だけを己の拠り所としているマルベーニには人々の進化など受け入れられなかった。


そしてヨシツネを救出すべくレックスたちは戦闘を開始。


度し難いな___人間がなぜブレイドに肩入れする


あほか 肩入れとちゃうわ 絆いうもんや

この世界で生きる仲間同士当たり前のことや


絆? 仲間だと? こんなものがかぁ


ジークの言う人とブレイドの絆も一蹴し、ヨシツネのコアクリスタルも抉り取る。
仲間を殺されたシンは立ち上がろうとするが


そこにいてくれ

こいつは人間だ だからオレ達の手でケリをつけたい


とレックスはシンを引き止める。


俺だってこの身体にはお前達と同じ___


だったら大事にしろよ

そのために ここまで来たんだろ?


レックス__


500年の呪縛 ここで断ち切るよ


こうしてレックスとマルベーニの決戦が始まる。


相手のレベルは68。
ゴッドローブによる防御と属性変化を繰り返しつつ、

  • ブレイク効果付きのサウザンドテンタクル
  • ブレイド封鎖効果付きのドミネーション
  • ブロー効果付きのギルティーロード

これらの複数の広範囲攻撃でこちらを攻めてくる。
更に体力が少なくなるとセイクリッドアローによる正面攻撃やリンカーネイションによる吸収回復をしてくる。特に前者の威力が非常に高いので正面を避けながら戦うかチェインアタックで一気に勝負を決めたい。
普通に戦えばそこそこの強敵なのだが、ムービー中で地面を突き破って出てきたときの穴がそのまま残っているのでブローやノックバック付きの攻撃を当てて叩き落すことができれば速攻で倒すことができる
……多くの主要キャラクターの因縁の相手なのに瞬殺されるとはこれ如何に。



【最期】

倒されてもなお世界樹と融合して抵抗を続けるが最後の力を振り絞ってシンが戦いに出る


イーラの死に損ないがっ


終わりにしよう 俺達の役目は次へと渡されたんだ


役目だと この私を 貴様程度の存在と同じ次元で語るなぁ


抵抗を続けるマルベーニだが、シンの攻撃により凍結。


神よ 私こそ あなたが望んだ存在であったはずだ

あなたの望み通り 私は生きた

私は___ 私は___


再び回想が流れる。内容はジークとマルベーニが語り合う場面。
野盗に追われた時の話について聞いた後「人は欲するものが得られないと知るとそれを奪おうとする」と言うマルベーニ。ジークは全員がそうではないと否定するもマルベーニは「諦めているだけで本質は同じ」と返す。
なぜ難民を保護しているのかとジークが尋ねると「人がどういう存在かを忘れないための戒め」とマルベーニは答える。
ジークは自身を救ってくれたのも同じことかと再び尋ねるが、マルベーニはこれまでの否定的な答えとは違い「遠い昔に同じ様な光景を見た気がしてね」とかつての母と自分と重なり助けたことを話し「あれも人の姿だったのだろうか」と肯定的な答えを言った。


回想が終わり、凍結するマルベーニを見たジークはかつての語らいを思い出す。
「あれも人の姿だったのだろうか───」 そう独り言ちたマルベーニの面差しを。


何であんな哀しい目ぇしたんや───

あれもあんたとちゃうんかい───


ちちよ___ まだ届かぬのですか___


母さん___


今わの際に自分を温かく包み込む母の幻影を垣間見ると共にマルベーニは砕け散り、消滅した。
同時にシンも力尽きて消滅し、長きにわたる因縁に終止符が打たれた。



【黄金の国イーラでは】

『2』本編の500年前にあたる『黄金の国イーラ』では、助祭枢機卿となった直後のマルベーニが登場。


アーケディア法王庁の科学力を以て、コアクリスタルに内蔵されている情報が巨神獣や未知の生物(かつての地球の生物)のDNA構造と同じであることを研究員スタニフの助言により知る。
これにより、人間の細胞をブレイドに取り込むマンイーターよりもさらに強力な、人間の体にコアクリスタルを取り込ませる「ブレイドイーター」を作り上げようとする。


ラウラとシンに強い恨みを持つ碧腕のゴウトをブレイドイーターのプロトタイプ第1号に改造。
これにより、プロトタイプの量産を行ってアーケディア軍の一部に編入させる。


聖杯大戦が終結しメツが消え去った後、マンイーターのブレイドを使役してバルトリッチ枢機卿を暗殺。
さらに当時の第107代法王・ラダリアをも毒殺し、マルベーニ自身がアーケディア第108代法王の座へ就く。


アーケディア法王庁の実権を握った直後、ブレイドイーター含むアーケディア兵を編成。
人の変化や天の聖杯の力を恐れたことで、ヒカリを持つアデルと関わるイーラの抵抗軍を消し去るため、兵をスペランザに派遣し抵抗軍を虐殺。
これによりラウラを失ったシンと、そんな彼を目にしたメツの運命が大きく揺れ動くことになる。




【余談】

  • FF10シーモアとは中の人やキャラの背景、行動など複数の共通点が見られる。
    ○聖職者であり、教団内ではトップの存在
    ○幼少期に母親を喪う
    ○主人公達の最終目的地に先に辿り着いて、力を手にした過去がある
    ○世界そのものに絶望して破滅を望む
    ○ヒロインを何らかの形で奪おうとする
    ○ラスボスの前座
    ○"シン"と浅からぬ因縁を持つ
    これらの点で似通っている。

  • 『黄金の国イーラ』のメツ(一戦目)の戦闘BGM「落胆と憎悪の果てに」は、本編での神鎧マルベーニ戦のBGM「マルベーニ ~神の代行者~」のアコースティックアレンジである。

  • スマブラSPではホムラ/ヒカリ参戦に合わせて追加スピリットとして登場。世界樹での決戦をイメージしてかシャドーモセス島でメインファイターはジャイアントダークサムス+僧兵の再現でルフレ5体との対決となっている。
    もちろん戦闘BGMは彼の曲である「マルベーニ ~神の代行者~」。
    体力制なので原作よりも吹っ飛ばすのは非効率的。



追記・修正は人を憎まずお願いします。


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  • かつての母親と自分を重ねてジークとサイカを助けた部分は、シン達に手を差し伸べたメツと似てるし、意外と破壊願望だけじゃなくて良心もメツに受け継がれてたりするんだよね。だからメツもラストバトル後にマルベーニを指して「あいつだって悪くはなかったぜ」とレックスに言ってたのかもな -- 名無しさん (2021-08-29 00:44:43)
  • まあ丸紅が何もせずともゲート消失による世界樹崩壊でいつかは滅んでたろうし、クラウスもレックスに心動かされなきゃそれを受け入れたろうからな。(完全に結果論だが)レックスとホムラの縁を間接的に繋げた点はファインプレー -- 名無しさん (2021-08-29 00:58:31)
  • 実はボス戦で奈落に落とせて倒せるキャラの一人だったりする -- 名無しさん (2021-08-29 06:45:22)
  • 丸紅といいシーモアといいマルチェロといいCV:諏訪部の宗教関係者は胡散臭い -- 名無しさん (2021-08-29 07:53:19)
  • 前知識なしで穴に落として倒してしまって唖然とした思い出 -- 名無しさん (2021-08-29 08:19:42)
  • わかりづらいけど「変われば私が消えてしまう」ってのは「世界が変われば私の存在意義がなくなってしまう」ってことじゃなくて「変化を受け入れれば今の自分が消える。それはつまり自己の消失と同じ」ってことよ。要するにザンザと同じ。こいつは別に支配者として君臨するんじゃなくて世界の破滅を望んでたわけで -- 名無しさん (2021-08-29 08:21:10)
  • 悪役ではあるんだけど、最期のシーンはかなり泣けてくる。直前のジークとの回想や、直後のシンの最期も含め。 -- 名無しさん (2021-08-29 12:19:05)
  • 自分の悪性を自覚して懺悔しようと世界樹に登ったけど神と出会えなかったので、その悪性を神が認めたものとして行動してた感じ。神が自分を裁かなかったんだから自分は正しいのだ、ってのがこの人の根底じゃないかな -- 名無しさん (2021-08-29 13:07:28)
  • 善か悪かを聞かれると善なんだろうけど、ことごとく報われないどころか最悪の形で裏切られてプッツンしてる感じ -- 名無しさん (2021-08-29 15:13:22)
  • ゼノブレ2の全ての元凶はこいつ・・・を闇堕ちさせた人間の悪意なのかもしれない -- 名無しさん (2021-08-29 19:23:30)
  • モデルとなったなったキャラはソーマブリンガーのマスターラバンだろうな。台詞中にメツの姿がオーバーラップする演出からも察せる -- 名無しさん (2021-08-29 19:50:47)
  • 決して根っからの悪ではない……けどその後の所業が所業すぎてなー。人間がどうの悪性がどうの語られてもあんたはやり過ぎだよ……ってなってしまう。 -- 名無しさん (2021-08-30 00:04:22)
  • ↑サタヒコもその辺を汲んで巨大ロボット対決のラストで「もういいだろ…マルベーニ」って言い回しで語りかけてたんだろうな -- 名無しさん (2021-08-30 00:16:18)
  • 「何であんな哀しい目ぇしたんや___ あれもあんたとちゃうんかい___」のジークの声が、悲しすぎる -- 名無しさん (2021-08-30 00:25:25)
  • 神鎧無しだとどれくらいの強さだったのかが今一わからない。刃物持った強盗犯を容易く制圧したくらいだから一般人よりは強いんだろうけど -- 名無しさん (2021-09-07 16:45:19)
  • ネタ扱いされがちだし製作陣としても不慮のハプニングなんだろうけど、自分の作った穴に自分自身が落ちるって凄く皮肉利いてるよな。 -- 名無しさん (2022-03-03 20:45:25)
  • メツが何だかんだマルベーニのこともそこまで悪くなかったと思ってたの好き -- 名無しさん (2022-06-04 10:47:04)
  • ↑3生身であそこまで登るような体力の持ち主なのは確か -- 名無しさん (2022-06-05 19:57:35)
  • メツってマルベーニ大好きだろ -- 名無しさん (2022-06-25 06:28:23)
  • 「抵抗するのか!再びこの私を拒絶するのか!」ってヒカリにキレてたの、台詞だけ抜き出したら一見ヤバいストーカーみたいで草 -- 名無しさん (2022-10-13 10:42:25)
  • 黄金の国イーラにおける回想で赤ん坊助けた後の「間に合わなかった」って台詞は、「赤ん坊の親を救うのには間に合わなかった」という意味なんだろうか?🤔自分が通りかかるのがもっと早ければという意味で。 -- 名無しさん (2022-11-14 20:28:29)
  • 助けられたジークのポジションがレックス(主人公)でも良かったかもしれない -- 名無しさん (2023-03-26 20:11:25)
  • どこまで人間臭いやつだと思う -- 名無しさん (2023-04-25 23:54:53)
  • ↑4 Cvが同じ別のキャラが似たようなセリフを言ってたなぁ…言った対象は母親だけど -- 名無しさん (2023-08-21 13:51:20)
  • ↑ついでに言い方もそっちは寂しげな諦観のこもった感じだよね -- 名無しさん (2023-10-23 21:26:04)

#comment(striction)

*1 最後に殺されそうになっていた赤ん坊は、マルベーニがギリギリの所でその負傷兵の手を捻り始末したことで辛うじて生き延びた。その後赤ん坊がどうなったかは不明だったが、『黄金の国イーラ』では直後にミノチが現れ彼に「間に合わなかった」と告げた。
*2 勿論サタヒコ以外の被験者は全て処分されている
*3 これについては彼が悪意を以て起こしたわけではないが
*4 マンイーターには効果が半減する。人工ブレイドには完全に無効
*5 奇しくもマルベーニも赤子を救った際に「酷い世界だな、ここは」と呟いていたことが『黄金の国イーラ』で明らかになっている。
*6 当のマルベーニはそれに対して「確かに生み出したのは私だが、その後のメツの行いは神の意志だ」と嘯いた。そして、神の望みし世界の破滅は我々人の手で為すものであると締め括っている。

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