登録日:2021/08/21 Sat 12:41:10
更新日:2024/06/03 Mon 13:43:19NEW!
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長谷川裕一 漫画 sf タイムパトロール 歴史 未来 タイムトラベル 星雲賞 タイムパラドックス マガジンz クロノアイズ グランサー
時計の針がゆっくりとまわるように
このゆるやかな日常の向こうに未来はただ待っているものだと
そう思っていた
そうあの日──せっかちなあの未来が
向こうからやってくるまでは
▷目次
◇概要
『クロノアイズ』は、長谷川裕一が1999年~2002年まで「マガジンZ」誌にて連載した漫画作品。
続編として『クロノアイズ グランサー』が2002年~2003年まで同誌で連載されており、本項でも扱う。
無印が第1部、グランサーが第2部にあたるため以下そのように表記する。
コミックスは無印が全6巻、グランサーが全3巻。
長谷川オリジナル作品ではスペオペの『マップス』、ポストアポカリプスの『鋼鉄の狩人』、ファンタジーロボの『轟世剣ダイ・ソード』などがあったが、
今作はタイムトラベル系SF作品となっており、簡単に言えば長谷川版『T・Pぼん』といった内容。
タイムマシンが変形合体ロボだったり、ロボに連動するビメイダーの存在など長谷川作品おなじみの要素も加わっており、
特に第1部終盤で明かされる世界観の真実、クロノアイズの存在意義など時間の存在に深く踏み込んだ描写が評価され、星雲賞コミック部門を受賞している。
アニメ化の話もあったらしいが、残念ながら実現しなかった。
第2部では主人公とヒロイン以外は一新され、第1部メンバーの出番は終盤のみ。
※以下ネタバレが含まれますので、未読の方はご注意ください。
◇あらすじ◇
<第1部>
1999年7月7日、ごく普通の高校生・西郷大樹(タイキ)は突然、女ガンマンや原始人、侍に襲われてしまう。
実は彼女たちは時空監視員「時空神の目」のメンバーで、アイズの一員に選ばれたタイキを勧誘に来たのだった。
クロノアイズの目的は様々な時間に干渉する犯罪組織「冥王の吐息」をはじめとする時間犯罪者たちから時間を守り、タイムパラドックスを阻止すること。
そして時空犯罪者が狙うこの時代にいたクロノアイズ入隊資格「高い潜在的知力と体力」を持ちながら、「死んでも歴史に何の影響も与えない」人間だった大樹の勧誘だったのだ。
将来の出世が有り得ない事に脱力しながらも、持ち前の正義感でクロノアイズに入隊しハデスサイズと戦っていくタイキだったが、次第にクロノアイズの話には嘘が存在することに気付いていき…。
<第2部>
ハデスとの戦いから数年後、クロノアイズを辞めたタイキとアナは表向きは時計屋、裏では時間犯罪者と戦う時間の修理屋「グランサー」を開業していた。
とある時間で二人に助けられたサイボーグ化された少女ヒルダはグランサーの一員となり、次第に仕事に参加するようになるが、
タイキとアナには別の目的、そして追い続けている敵が存在することを知る。
◇登場人物◇
・西郷 大樹→空我 大揮
本作の主人公。コードネームは「狼の目」。
ごく普通の高校生だったが、「歴史に何の影響も及ぼさない」という理由からアイズに選ばれた少年。
前髪に二本のメッシュが入っており、時計の針のようになっているのが特徴。
長谷川作品の主人公らしく不屈で頭も悪くなく、祖父に鍛えられたためケンカにも強いが無暗に力は使わない*1正義感の持ち主。
アイズに入隊後は自宅を勝手に改造されて秘密基地にされたり、学校にアナたちが転入してきたりと苦労しまくり。
第2部では、とある事情から別の戸籍を入手して名前を変え、アナと共に「未来屋」という時計屋兼グランサーを営んでいる。
実はクロノダイバーの誕生に深く関わる存在。
ある時、偶然助けた外国人の少女キャサリンと恋仲になるが、
彼女とデートしに行った際に地震に巻き込まれ、さらにデートしていたビルが手抜き工事と地震で崩壊。
残された鉄骨は一人分の体重しか支えられず、タイキはキャサリンを助けて自分は手を放して落下死する。
この出来事とキャサリンが辿った数奇な運命の末にクロノダイバーが誕生するのが正史となっている。
劇中ではハデスによってクロノアイズが支配されてしまったために歴史通り死亡させられるが、
ハデスを裏切った四大幹部によって蘇生。ハデスを止めるために行動を起こした際に時間の秘密とクロノアイズの真実を知ってしまう。
全てが終わった後は元の時代に戻るが、すでに公式記録では死亡扱いになっていたため、
クロノアイズの配慮で新しい戸籍を取得した…というのが前述の事情である。
・アナ・ホーキンス→アナ・キャナリー
本作のヒロイン。16歳。コードネームは「鷲の目」。
西部開拓時代から来た女ガンマンでボーイッシュな見た目と性格をしている。
タイキとは一緒に行動する機会が多く、徐々に信頼と想いを寄せていく。
いきなり裸を見られたり水着をはぎ取られたりお色気要素も忘れない。
第2部ではタイキと共にグランサー稼業を開き、公私に渡るパートナーとなっている。
その正体は西部開拓時代を代表する女ガンマン、カラミティー・ジェーン。
本名マーサ・ジェーン・キャナリー。
第2部では人形の巣で死ぬ運命だったが、グリーナムによって救われる。
これはグリーナムがタイキを自分の仲間に引き入れるための工作だったとのことだが…。
・ペル14
ペルセディアの頭脳体であるビメイダー。14歳型。
クロノアイズ本部から派遣された唯一のメンバーで、一行のサポートを担当する。
規定により攻撃行動を禁じられているため、戦闘時は人間メンバーの指示がなければ攻撃できない。
初戦闘でタイキから逆流した強い精神圧を受けて以来、タイキを意識するようになる。
・クレオ
18歳。コードネームは「蛇神の目」。
古代エジプト王朝出身で適正検査により一行のリーダーを務める。クレオパトラではない。
タイキ達にとってお姉さん的な立ち位置で、家庭的。
その正体はアトランティス王国の王妃クレオ・アトランティカ。
エジプト人である事は間違いないが、その聡明さをアトランティス王グラナバスに見出され、
当時のエジプトがアトランティスの属国だったことから人質同然の立場で嫁いだ。
グラナバスへの想いは本物で、亡びゆく運命のアトランティスを救うためクロノアイズに反逆。
タイキ達と刃を交えることになってしまうが、民たちが宇宙へ逃亡したのを見届け、タイキ達の元に戻った。
しかし、彼女を匿ったためタイキ達はクロノアイズに追われることになってしまい…。
第2部ではクロノアイズに復帰しており、退屈丸といい仲になっているらしい。
・日暮退屈丸
36歳。コードネームは「馬の目」。
戦国時代末期の日本の浪人。特技は剣技。
就職先を探していたところをクロノアイズにスカウトされたらしい。
普段はお茶らけたおっさんだが、やる時はやる人物。
その正体は二刀流の剣豪宮本武蔵。
剣豪として日本中に名を轟かせたのはいいものの、そうこうしている内に太平の世になってしまい、
時代の流れを見切れず後世に残るようなことを成し遂げなかった(と思い込んでいる)事にコンプレックスがあり本名を隠していた。
侵略大帝によって過去の自分と出会った際には信長を倒し、
それが過去の自分が剣の修行に励むきっかけとなってしまった。
第2部でもクロノアイズで活躍しており、クレオといい感じになっているらしい。
・エルザ
12歳くらい。コードネームは「化石の目」。
言葉すらない原始時代からやってきたロリ。
しかし、見た目に反して力はメンバーでもっとも強い。
割と空気だが…。
その正体は現生人類全ての母ミトコンドリア・イブ。
人間の細胞に含まれるミトコンドリアは母親からしか遺伝せず、
現生人類全てのミトコンドリアはほぼ共通しているため共通の女系祖先にまで遡ることが出来る。
それが彼女であり、彼女が死ねば現人類は存在しなくなってしまう。
その特異性からアトランティス編ではクロノアイズに対する人質にされてしまう。
・クロノス
クロノアイズを統括する長官。
穏やかそうな見た目をしており、実際穏やかな性格だが、歴史のためには非情な決断も厭わない。
時空神はもちろんコードネームで、個人名は「ルーダ・ミリオ」。
時間の秘密を守るために造られたクローン。
キャサリンの残した研究から時間の秘密を知った科学者たちは、
それが漏洩することは全歴史へ大混乱を起こすことであることに気付き、
秘密を守るには一人の人間だけが知っていればいいということで代々秘密を語り継ぐ者として生み出された。
他の時間枝にも存在しており、各クロノスが連絡を取り合って秘密を守り続けている。
作中では他にもっとも正しい分枝を進んだ「最良解の世界」のクロノスも登場した。
なお、オリジナルとなったのは歴史改変に成功してしまったキャサリン本人であることが示唆されている。
・キャサリン・キンネアド
タイキが助けた某国の外交官の娘。
正史では何度かの再会を経てタイキと付き合い始めるが…。
大地震にてタイキと死別してしまう。
その後、元々当時の医学では治療できない病気だった彼女は未来の医学に賭け、コールドスリープ。
治療法が確立されたのは54年後だったが、冷凍睡眠施設の経営不振により覚醒が先延ばしにされ、
彼女の番が来たのはさらに132年後の2291年だった。
しかし、この時代は最終戦争の真っただ中で、覚醒途中に攻撃を受け再凍結、
ようやく目を覚ましたのは眠ってから約700年後、2708年のことだった。
2度の覚醒の際、その時代の情報を脳にインプットされた彼女は天才的な頭脳を手に入れ、タイキと再会するために航時理論を研究。
2725年、ついにプロトタイプ・クロノダイバーを完成させるが、戻ることはなく、
残された彼女の研究成果からクロノダイバー、クロノアイズの誕生へと繋がった。
タイキが彼女を救って命を落とすことこそが歴史の最大の分岐点だったのである。
・冥王ハデス
時空犯罪組織ハデスサイズの首領。
道化師のような覆面をした女性で、正体は謎に包まれている。
正体はキャサリンの娘ディーナ。
幼少期からクロノダイバーの研究に打ち込む母を見続け、
彼女の目の前でプロトタイプ・クロノダイバーに乗ったキャサリンは時空から消滅してしまう。
さらに宇宙飛行士の父親も遠い宇宙で通信が途絶えてしまい、完全に身寄りを失くしてしまった。
そこに現れたパペッティアによって「母親の遺産である航時理論は全て自分のものである」と思い込まされ、
肉体的改造も施された結果、狂気の時間犯罪者ハデスとなってしまった。
パペッティアが干渉しなかった歴史では父親の死を認めず、宇宙飛行士となってコールドスリープで生存していた父親と再会するらしい。
・パペッティア
ハデスが所有する道化師のような姿をしたビメイダー。
専用クロノダイバー“パペッティア”を操作し、幾度も大樹たちの前に現れる。
ビメイダーでありながら攻撃行動も自由に行える。
実はさらなる未来に存在する人類とビメイダーが戦争を繰り広げる世界から未来を改変するために派遣された存在の一人。
人間に危害を加える事も可能だが、それには人間の命令を必要とするためハデスを生み出し、様々な時間に対して破壊工作を行わせることで未来改変を行うつもりだった。
しかし、時間の秘密を知った大樹によって彼女がやってきたことは全て無駄だったことを知る。
・スパイディ
ハデスサイズ四大幹部の一人。
未来の完璧に管理された世界を変革するため破壊により歴史改変を目論む。
名前の由来は「スーパージェッター」のスパイダー。
未来のなよなよした男たちに嫌気がさしており、野性味あふれる大樹を気に入っている。
・ジャギィ
ハデスサイズ四大幹部の一人。
古代生物を未来へ転移させるといった方法で生物相を変化させ、歴史改変を目論む。
……というのは建前で、実は無類の食いしん坊。あらゆる絶滅動物・食品を食べたいだけのはた迷惑なお姉さん。
名前の由来は同じく「スーパージェッター」のジャガー。
・侵略大帝
長谷川作品のスターシステムキャラ。ハデスサイズ四大幹部唯一の男性。
女性社会となった未来を改変するため、過去から連れてきた戦国武将たちで20世紀に新たな戦乱をもたらそうとする。
実は大変な恐妻家で、自分の奥さんを消すためだけに歴史改変をしようとしている。
間抜けな外見と言動のわりに、ハデスサイズの中では優れた発明家、技術家であり、ハデス以外ではチームに結構なピンチをもたらしている。
第1部では分からなかったが、大変な美形。
クロノアイズの時間地図作成人となっており、密かにタイキ達グランサーへ客を紹介している。
・スリーピィ
ハデスサイズ四大幹部の一人。
鎧に身を包んだ首無し騎士。どこかの時間で失った自分の首を探しているらしい。実は女性。
第2部
・ヒルダ
とある時間でタイキたちが助けた少女。
実験で体の7割がサイボーグ化されてしまい、肉体的に強化されている。腕には「28」のマーキングがある。
すでに両親も死亡しており、行き場がなかったためタイキたちが開く「未来屋」の一員となる。
夢は給料を溜めて生身の肉体に戻ること。
・カロス17
タイキたちが運用する車型クロノダイバー“カロス17”のAI。
生意気な性格で、ビメイダーの体を手に入れてアナからタイキを奪おうと目論んでいる。
ヒルダの28と合わせてダブル鉄人
・グリーナム・ターンディック
かつてタイキたちとグランサーをしていた男。
高い戦闘能力を持ち、新米だった二人のよき兄貴分だった。
とある事件でヒルダたちと出会うが……
正体は様々な時間に干渉して分枝を作り続けていた「千界の王」。
パペッティアが送り込まれて来た「人形の巣」と呼ばれる時間を生み出した存在で、全ての元凶。
◇登場メカ◇
・ペルセディア
本作の主役機。ディア1〜5の5機の戦闘機が合体して完成する女性型ロボット。
クロノアイズが運用する量産型多目的時空潜航機。
多数の同型機が存在しており、タイキ達が乗り込む機体は「ペルセディア14」が正式名称。
合体飛行形態のペルペガスになることで時空間潜航が可能となる。
設定ではメディアタイプと呼ばれる素体にペルセウスドレスを装備させ、パトロール艇にしたものらしい。
見た目は細いが、各部に装備したミサイルやレーザー砲、右腕に持った弓に変形する剣などを主武装とする。
左腕に装備した盾「メデューサの瞳」は短時間ながら限定空間の時間を止めてしまうことが可能で、
前垂れを分離して砲身とグリップを展開した大型エネルギー砲から発射する「時空貫通弾が必殺武器。
時空貫通弾を食らった対象は約46億年前に発生した地球に巨大隕石が衝突し、月が誕生するジャイアントインパクトの瞬間に送られ、
その巨大な爆発に紛れさせることで処理される。
操縦は乗り込んだ人間たちの思考や精神力によって行われ、タイキやアナは驚くべき力を発揮している。
・パペッティア
ハデスサイズが有する多目的クロノダイバー。
御伽噺をモチーフとした装甲と呼ばれるオプション装備により様々な姿・戦闘能力を発揮する。
基本的にはペルセディア同様のメディアタイプと呼ばれる機体だが、装甲との連携性を高める改良が施されている。
白雪姫
白雪姫モチーフの空間機動戦闘用ドレス。
花弁状になった7枚のスカートユニットから遠隔戦闘兵器“7人の地精”を射出する。
本来は宇宙開発時代を守るクロノアイズチーム用に開発されたもので、
劇中でもクロノアイズ側の機体が装備している姿を確認できる。
設定では飛行形態への変形も可能だが、パペッティアが装備したものはオミットされていた模様。
ラプンツェル
ラプンツェルモチーフの対鋼物生体用ドレス。
銀河系開発時代に鉱物生命体との戦闘状態に陥った際に使用された特殊装備。
10万本からなる特殊合金製の髪の毛を一本ずつ自由自在に操ることが可能。
この髪の毛は本物のような柔軟性とペルセディアの装甲を貫けるほどの剛性を併せ持つ。
赤ずきん
赤ずきんモチーフの近接物理攻撃用ドレス。
クロノダイバーに対してもっとも有効な戦法を考慮して開発された装備で、巨大なフードを被ったような姿をしている。
一応、実弾式の銃も装備されているが、あくまで格闘戦向けのため補助的なものに過ぎない。
フード状のパーツが機体を覆う形で変形することで狼モードになり、パペッティアの優秀な運動性能を極限まで高める。
ただし、変形システムの発動には人間の恐怖や怒りといった動物的な衝動が必要で、劇中ではスパイディが乗せられた。
・ウズメ
パペッティアのデータを元に開発された模倣品で豪華なオモチャとも呼ばれる。
踊り子型の姿をしており、軟質装甲で出来た布を体に巻き付けている。
この布はリアクティブアーマーになっており、攻撃された部分の破片を使って攻撃することも可能。
<第2部>
・カロス17
グランサーを始めたタイキ達が非合法の手段で入手した車から変形するクロノダイバー。
ペルセディアに比べてかなりの小型で、内部は人ひとりがやっと乗れる程度の広さしかない。
その分、カロス自身の考えで戦闘可能なため、タイキ達との連携戦闘が可能になっている。
後に一度破壊された際に改修され、2台のバイクが両腕になる合体メカとなり、ビメイダー体も手に入れた。
開発者はスパイディ。
◇用語◇
・時空神の目
310世紀の未来で結成された時空監視機構。
様々な歴史に現地監視員を配置しながら歴史を守っている。
他のSF作品で言うところの『タイム・パトロール』に相当する組織だが、アナ曰く「タイム・パトロールという呼び名はダサい」とのこと。
隊員には専用スーツが支給され、カプセル型の受信機を飲み込んで
「クロノスーツディメンジョンチェンジ」と叫び、ジャンプすることで変身できる(叫ぶのは心の中でもOK)。
なお、ジャンプするのはスーツ転送時に床の分子と混ざってしまうのを防ぐため。
異なる時間同士の通信などは不可能らしい。
・ファウンデーション
地球から10万光年先に建造された人工の情報惑星。
小さな惑星と大きな惑星の二重連星で、大きな方が本星で小さな方は港兼繁華街兼宿。
地球のあらゆる歴史の情報が詰め込まれており、タイムパラドックスが発生していないかを監視している。
・310世紀(311世紀)
西暦3000年の終わり頃、航時機の発明により行われた未来殖民計画により2万年後に移り住んだ人類が築いた新たな世界。
2万年の間、人間がいなかったことで自然環境が回復した地球の上空に浮遊島を作って生活している。
ただ、地上に残されたバイオテクノロジーのせいで植物が巨大化したりしている模様。
この時代では男子の出生率が減り、社会で働く80%が女性の社会となっている。
ペルセディアが女性型だったり、クロノアイズのメンバーの多くが女性なのはこのため。
・タイムパラドックス
歴史に改変を加えることで発生するという現象。
タイムパラドックスも光の速度を超えられず、徐々に伝搬していくらしい。
・クロノダイバー/トーイ
戦闘能力を備えたタイムマシンの総称。クロノアイズ側の物をクロノダイバー、時空犯罪者が制作したものをトーイと呼称する。
高度に発展した科学技術により、レーザーやビームなど非実体兵器に対してほぼ無敵の防御力が装甲に備わっており、戦闘は近接格闘戦が主体となる。
またクロノダイバーに限ったことではないが、エンジン出力に対して構造材の強度が根本的に不足しているため、厳重にリミッターが課せられ最大出力では稼働しないように設計されている。
ここから先は本作最大のネタバレとなります。
「タイムパラドックスは 起きないだと?」
実は、本作における時間の流れを五次元空間から見ると宇宙誕生のビッグバンを起点として延々と伸びる巨大な樹のようになっている。
これが時間の流れ“タイムストリーム”である。
この流れにおいて、正しい歴史である幹の部分に大幅な変革が発生した場合、どうなるか?
答えはその歴史改変が発生した時点で正常な歴史から分枝した枝のようになり、元の歴史とは異なる歴史として続いていく。
いわゆるパラレルワールド仮説にあたるものだが、このために決してタイムパラドックスは発生しえないのである。
なお、ごく小さな分枝、例えばのび太が異なる相手と結婚する分枝が発生した場合、
最終的にセワシが誕生するという結果さえ変わらなければ時間枝は幹に統合され、部分分枝として歴史に何の影響も及ぼさないことになる。
では、タイムパラドックスが起こりえないのであればクロノアイズやファウンデーションの存在とは何なのか?
もしこの事実を全世界の人間が知れば、人々が自分にとって都合のいいように歴史改変を行ってしまう可能性がある。
そうすると、例え善意の行動であっても取り返しのつかない悲劇に繋がる可能性もある。
実際に、時空跳躍に成功したキャサリンはタイキの死亡を回避する分枝を作り出したものの、その世界では航時理論は完成せず、
人類の未来殖民計画も行われなかった結果、西暦3200年代に人類が死滅するという悲劇の歴史が誕生してしまった。
このような悲劇を回避し、出来る限り時間の分枝を発生させないよう結成されたのがクロノアイズである。
つまりクロノアイズとは、タイムパラドックスが起きないという事実を隠すための存在であり、
もし万が一分枝が発生した場合は一切手を出さず、二度と干渉しないことで時空の混乱を回避しているのであった。
(隊員たちはもちろんこの事実を知らず、歴史改変を守るために行動していると思い込まされている)
ファウンデーションもタイムパラドックスが発生すると思い込ませるためのブラフに過ぎない。
この事実を知ったタイキが作ったのがあらゆる時間枝における歴史改変の原因を取り除く非合法組織“グランサー”である。
追記修正は未来へ走り出しながらお願いします。
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▷ コメント欄
- おそらくアマゾンの9円セールでハマった人が建てたんだろうな… -- 名無しさん (2021-08-21 13:11:25)
- コミケ破壊指令のエピソードほんと好き -- 名無しさん (2021-08-21 15:03:14)
- マガジンZの中だとかなり印象に残ってるなあ。面白い -- 名無しさん (2021-08-21 15:06:29)
- 本編のパペッティア好き。大外伝のパペッティアもっと好き -- 名無しさん (2021-08-21 16:01:14)
- ↑3 コミケ破壊指令は、あれだけで一記事立てられるよね。 -- 名無しさん (2021-08-21 19:27:04)
- 第一話でアナが「タイムパトロールという呼び名はダサい」という発言をしていたが、治安維持組織なんだから変に凝った名前付けるよりも多少カッコ悪くても分かりやすくて覚えやすい名前の方が良い気がする -- 名無しさん (2021-08-21 20:36:57)
- 長谷川先生を知るきっかけになった漫画。ここからクロスボーン、マップス、ダイソードとはまっていった。懐かしいなぁ。記事中にもあるが、発売時期が近かった某伝奇えr……ゲフンゲフン、ノベルゲーとネタが被ったのは偶然だろうけど、プレイしてて彼の正体に気付くきっかけになった。 -- 名無しさん (2021-08-22 08:33:55)
- ↑3 今風に「これが昭和の次の年号で出た仮面ライダーだぞ!」とか「『約束された勝利の剣』と書いて『エクスカリバ-』と読むぞ!」とか言っても全員が可哀想な人を見る目になるだろうな… -- 名無しさん (2021-08-23 11:02:05)
- アトランティス編の最終話クッソドラマチックで大好き。 -- 名無しさん (2022-08-29 23:06:06)
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