アルミサエル(新世紀エヴァンゲリオン)

ページ名:アルミサエル_新世紀エヴァンゲリオン_

登録日:2021/06/13 Sun 22:17:11
更新日:2024/05/27 Mon 13:47:24NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



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使徒 新世紀エヴァンゲリオン エヴァ エヴァンゲリオン 零号機 トラウマ 精神攻撃 侵食 強敵 使徒(新世紀エヴァンゲリオン) アルミサエル 第十六使徒




これが私の心!?『碇君と一緒になりたい』……


……ダメ。



アルミサエル(ALMISAEL)とは『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する謎の生命体「使徒」の一体。
なお、新劇場版には登場しない。


+ 目次-

基礎データ

呼称:第16使徒
天使名:アルミサエル
全高:不明*1
体重:不明
象徴:子宮
能力:侵食、精神攻撃



概要

第3新東京市地下のNERV本部を目指し侵攻をした使徒の一体。
名前の「アルミサエル」はキリスト教ユダヤ教の伝承にある「子宮の天使」の名に由来している。
ただし他の使徒同様劇中では天使名で呼ばれることはなく、主に「第16使徒」と呼称される。


外見は白く光る紐のような姿で、初登場時は二重螺旋のような構造で円形になって動いていた。ちなみにコアのような部分は見受けられない。


戦闘時には形態を1本にまとめて鞭の様な細長い光の線になり、攻撃を行う。
肉眼で確認した姿は誰の目にも明らかな使徒のようでレリエルの様に「実は実体ではない」と言ったトリックでもない。)なのだが、波長パターンは青(使徒である)とオレンジ(使徒でない)を周期的に変化させている。ちなみにこの理由は劇中で明かされておらず、MAGIも「解答不能」を提示している。


能力

そんなアルミサエルの戦闘方法は対象への侵食と、前話でアラエルがその脅威を見せつけた精神攻撃迎撃する側にとって非常にタチの悪い要素を詰め込んだ使徒である。
更にエヴァのスナイパーライフルを全く意に介さず、プログナイフの刺突で出血するも攻撃を緩めない等見た目に反してかなりのタフネスを誇る。
総じてバルディエル、ゼルエル、アラエルの強みを統合したかのような特性を誇る、使徒の中でもトップクラスの強敵である


精神攻撃の目的は前話のアラエル同様、人の心に迫り、その何たるかを知るためである。
そのためこれまでの侵食タイプの使徒とは異なり、エヴァを介してはいるものの、侵食対象は人間である。これはイロウルバルディエルにはなかった特徴である。



侵食

体を変形・伸長させて対象に接触、接触面から侵食、物理的融合をしていく。
伸ばす勢いだけでパレットライフルを破壊する刺突になる上、エヴァのA.T.フィールドを容易く中和・浸食してしまう為
防御・回避はほぼ不可能。



精神攻撃

侵食した相手の精神に対して攻撃を仕掛けてくる。
やり口としてはアラエルのそれとほぼ同等ではあるが、「遠距離からの心への接触」から一転して使徒が一次的接触を試みてきたことにリツコは驚きを見せていた。



A.T.フィールド

使徒の共通能力。
エヴァの展開するA.T.フィールドを超えて侵食を行うことができる為、強さは相当なものと思われる。


劇中の活躍

TVアニメ版

第弐拾参話に登場。


大涌谷上空にて定点回転をしている所を発見される。


NERVに向かう ミサト*2零号機を出撃させ、弐号機をバックアップにつかせる*3ように指示。(初号機は前回から引き続き凍結中で、ミサトには解除の権限もないため、本部にて待機となる。)


現れたアルミサエルに対してミサトはしばらく様子見をするようレイに指示するが、零号機に気付いたアルミサエルが零号機に突進して零号機の腹部に自身の先端を突き刺す形で先制攻撃。


零号機もアルミサエルの身体を掴んでライフルで零距離射撃を行うも全く効果がなく、接触している腹部・左腕を侵食。そのまま生体部品と融合をしていく。


ミサトはレイ救出及び援護のために弐号機を地上に出すが、前回の出来事で何もかもがズタズタにされたアスカのシンクロ率は遂に10未満となり、弐号機を動かすことさえも不可能になってしまう。
この状態ではただ餌食にされるだけなのでミサトはリフトを降下させて弐号機を撤退させる。弐号機にはダミープラグのデータがあるはずだが、なぜ使用しなかったのかは不明。


なおも続く侵食。零号機・そして自身の身体を侵食されるレイ。




誰?私?エヴァの中の私?


いいえ、私以外の誰かを感じる……あなた誰?


使徒?私たちが「使徒」と呼んでいる「ヒト」?


私と一つにならない?


いいえ。私は私。あなたじゃないわ。


そう…。でもダメ。もう遅いわ。


私の心をあなたに分けてあげる。この気持ち、あなたにも分けてあげる。



痛いでしょう?ほら、心が痛いでしょう?


「痛い」……?いえ、違うわ……


……「寂しい」。そう。「寂しい」のね。


「サビシイ」?分からないわ。


一人が嫌なんでしょ?


私達はたくさんいるのに一人でいるのがが嫌なんでしょ?


それを「寂しい」と言うの。


それはあなた自身の心よ。


悲しみに満ち満ちている、あなた自身の心よ。




L.C.Lに満ち満ちた精神世界。その水面に立つレイ。目の前には半身が沈んだ自分自身。
しかしそれは言うまでもなく、自分の姿を借りただけのアルミサエルである。


彼女は自らの持つ「痛み」をレイに共有させ、精神面に揺さぶりをかけて心に迫ってくるが、レイはそれを「寂しさ」と再定義。


アルミサエルは嘲りの様な笑みを浮かべながらそれが彼女の偽りなき心であると告げる……






ッ……!?


これが「涙」……?


泣いているのは、私……?








レイは引きずり出された寂しさに導かれたかのような突然の涙に驚いていた……
(ちなみにL.C.Lは他の液体と混ざらないという設定がある。)
これに呼応するがごとく零号機側の侵食もさらに進む。


ゲンドウはこの状況を見てこれまで続けてきた初号機の凍結の解除及び出撃を指示。
地上に出されたシンジはレイの救出に動こうとするが、初号機のA.T.フィールドを感知したアルミサエルが自身のもう片方の先端を使って初号機の持つライフルを破壊して動きを妨害。


シンジにも危険が及んでいる事に気が付いたレイは零号機のA.T.フィールドを反転。今までフィールドの押し競饅頭状態だった中で片方が突如消えたことでアルミサエルは零号機に引き寄せられ、コア部分に押し込まれていく。
当然コア部分が生体融合することになるのでエヴァも原形を保てなくなる。


変質していく零号機を見てミサトはレイに脱出を指示するが、自身が離れるとA.T.フィールドが消失してしまうとしてレイはこれを拒否。
そして、幾つかのボタン操作の後にレバーを引く。すると座席の側部に「MODE:D」の表示が……。




レイ、死ぬ気……!?



レイが行ったのは零号機の自爆モードへの移行。
エヴァの内部、即ちA.T.フィールド内側での爆発の為、当然レイも助からない。


爆発の刹那にレイが見たもの。それはゲンドウが自らに優しい笑みを見せる姿だった。
それを見たレイは涙を流し、そして……。





零号機はアルミサエルを抑え込んだまま自爆。
その威力はすさまじく第3新東京市の大半を巻き込み、一瞬にして灼熱のクレーターに変えた。
ジオフロントのNERVメンバー、そして初号機のA.T.フィールドに守られたシンジはその壮絶な光景をただ唖然としながら見ていることしかできなかった。
零号機・アルミサエル共に反応は消失。第3新東京市は芦ノ湖と繋がって湖と化した。




ミサトは第一種警戒体制への移行及びレイの救出を指示。
アルミサエルとの戦闘は様々な人物に衝撃を与えながら幕が下りることとなった。




その後の捜索で、アルミサエルの構成物質の消失が確認され、ボロボロになった零号機のエントリープラグが発見されるものの、中には爆発時の熱で黒焦げになっていると思われるレイの手があった。


これを見たリツコは……。





赤木博士……


この事は極秘とします。


プラグは回収。関係部品は処分して。


了解。作業、急げ!




ちなみにビデオフォーマット版では戦闘時に以下のシーンが追加されている。



  • 侵食を受けた零号機の背面部からこれまで倒してきた使徒達のシルエットをかき集めたような生体部分が出現する。
  • 初号機出撃時に本部に戻されていく弐号機の中でアスカが「何よ!私の時は出さなかったくせに!」と恨み言を吐露する。
  • 出撃後の初号機の戦闘の様子が掘り下げられ、以下の描写が追加される。どれもトラウマレベルの描写である。

ライフル破壊後に初号機に接触して侵食。
プログナイフで攻撃された際にはレイの声で悲鳴を上げる。
侵食中のシンジの腕から小さなレイの群れを出現させて精神攻撃。
シンジが動揺する隙に先端部をレイの姿に変えて初号機に取りついて侵食を加速。

  • 自爆する際にゲンドウの幻を見てレイが反応し、零号機が手を伸ばし始め、姿が白い姿のレイに変わる。*4




漫画版

基本的な能力は変わらないのだが、漫画版独自の描写として「先端部が枝分かれする」「侵食して得た武装を自由に操る」などがあり、戦闘力はアニメ版よりも高くなっている。



また戦闘の大まかな流れは同じだが、決定的な違いとしては「弐号機の戦闘参加」が挙げられる。


アスカがアラエル戦の時点で既に精神面に深手を負って入院しているために、弐号機には次なるパイロットとして選出されたカヲルが搭乗。
出撃構図は零号機主体・弐号機バックアップで変わらないものの、後から弐号機が出たアニメ版と違い、弐号機も最初から戦闘に加わっている


弐号機も戦闘に積極的に参加し応戦するも、ライフルが効かない為にカヲルはミサトの指示を受けてアクロバティックな動きを見せながら二重のチェーンソー型の武装「デュアルソー」に切り替えて戦闘にかかるが、これも効かずに逆に侵食を受けて武装を奪取され、左足を切断されて零号機同様の侵食を受ける。*5


その他にも心情描写がアニメ版以上に明確に示されており*6、シンジがアニメ版以上に必死になってレイを救おうと行動していたり、爆破時のレイの心情が具体的に言葉にされている。




私の心… こんなにも 狂おしいほど 人と繋がりたい 私の心


いつの間にか 震え もがき 血を流し 息づいていた


最後のこんな瞬間に気づくなんて 碇くん



そしてこれらの思いは精神の受け皿たるアルミサエルを介してカヲルにも伝わり……。





他作品での活躍

エヴァンゲリオン2

侵食をメインの攻撃方法としているが、原典と違い、ライフルの狙撃でもダメージを与えることが可能。
ダメージを受けたくないのであれば背後に回る、もしくはライフルの狙撃によってダメージを与えていく必要がある。
正面に陣取ると繰り出してくる侵食は喰らうと悲痛なやり取りの末自爆確定……つまり即死攻撃なので絶対に正面には立たない事。
PS2版ではガード可能だったがPSP版ではガードコマンド自体削除されているため使われると即お陀仏。
因みに漫画版でカヲルが使用したデュアルソーは本作が初出で逆輸入されて登場した経緯がある。
尚、ゲーム本編ではデュアルソーを装備すると移動速度が極端に落ちる都合上侵食を食らう恐れが大きいので再現は非推奨。


バトルオーケストラ

ステージギミックとして登場。
サハクィエルほどではないがサイズがものすごく縮小されており、細い体と相まって出現してもなかなか見つけにくい。
出現するとキャラクターをランダムにロックオンして執拗に追跡し、取り憑いた相手のシンクロゲージ(所謂必殺技ゲージ)を吸い取りつつ低速化させる。
本編での強敵ぶりを考えると随分おとなしい能力になっているが、シンクロゲージが低下すると通常技の性能までガタ落ちするシステム上狙われると一気に劣勢に陥るのでダメージを受けないからと放置すると痛い目を見る。


スーパーロボット大戦シリーズ

第3次α』でのみ登場。シナリオの都合でわざわざアステロイドベルトの宇宙基地まで出張して、ついでにアラエルに代わってアスカにも精神攻撃を行った。
本編では自爆による道連れでようやく撃破することが出来た強敵だったが、こちらでははっきり言って大して強くない
おまけにアスカに精神攻撃を行って一時的には錯乱させたのはよかったのだが、既に『α』でもユーゼスから精神攻撃を喰らって精神崩壊を経験した後だったので
すぐに復活されたばかりか、アスカの本気を引き出させる結果になってしまう。
申し訳程度に1度倒された後に復活するのだが、アラエルの再現が混じったせいか、ここでロンギヌスの槍が登場
アスカが本気を出した結果久々に使えるようになった弐号機のATフィールド投げ→零号機のロンギヌスの槍投げというオーバーキルな連携を喰らって消滅した。
なんというか、本編でアラエルとアルミサエルにやられたお返しと言わんばかりの逆襲劇であった。



余談

後に出た『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』において、Evangelion Mark.09と改2号機の勝負は「Mark.09の侵食によるヴンダーの主導権の乗っ取り」や「相手側の自爆によって決着がつけられる」など、共通点がいくつか見受けられる。
またあちらでは第12の使徒がオリジナルの使徒として登場するが、形状や能力がアルミサエルとどことなくではあるが似ている。


アルミサエルに侵食を受けもがくレイの姿は林原めぐみ氏の演技も相まって非常にエr……官能的でありそっちの性癖に目覚めてしまう人も多かったとか。




追記・修正は侵食を受けても自我を失わない人がお願いいたします。



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  • トラウマシーンではあるのだが、同時に綾波が侵食されるシーンはどこか官能的でそっちの性癖に目覚める人も多かったと思う。 -- 名無しさん (2021-06-13 23:19:41)
  • 新劇のこいつの似たような奴って、Q冒頭の封印柩内に潜んでたコード04Bじゃないのか。登場後まんま輪っかだったし -- 名無しさん (2021-06-13 23:39:19)
  • ビデオパッケージの「侵食された綾波」のイラストは美しいの一言 -- 名無しさん (2021-06-14 00:03:50)
  • 旧エヴァ最強使徒議論ではほぼゼルエル一択になるけどコイツも候補に挙げていいと思う。自爆以外に勝つ方法無いじゃん特に漫画版 -- 名無しさん (2021-06-14 17:37:35)
  • アスカの「私の時は〜」は初号機には出たGOサインが二号機には出なかった事?(シンジへの嫉妬?)それともアラエル戦では出なかった初号機のGOサインが今回は出た事?(レイへの嫉妬?) -- 名無しさん (2021-06-14 18:03:31)
  • ↑後者だと思う。嫉妬というよりかはレイと比較された自分の存在価値に傷を付けられていることに対する恨み言みたいなもんじゃないかな(すでに満身創痍だが) -- 名無しさん (2021-06-14 21:12:45)
  • あの侵食されたレイのビジュアルはかなり気に入ってたから新劇場版で出て欲しかった。数少ない不満点である。 -- 名無しさん (2021-06-15 20:26:41)
  • オリラジのあっちゃんははっきりとそれで目覚めたことを公言しているな… -- 名無しさん (2021-07-17 23:23:47)
  • 事実上レイ最期の敵。ここで事実上シンジやアスカと共に戦ってきた二代目レイが犠牲になってしまった事が二人にとっても大きな溝を作った。スパロボだとぶっちゃけ雑魚だが -- 名無しさん (2021-07-17 23:42:21)
  • 両津勘吉や岩鬼将造みたいに「覗いたらアウト」的なメンタル持った奴と絡ませてみたい -- 名無しさん (2021-08-11 07:20:51)
  • ↑オバケじみたメンタルを学習した結果よりとんでもねえ化け物になりそうなリスクはらんでるな -- 名無しさん (2023-07-17 21:38:15)

#comment(striction)

*1 伸縮や変形を盛んに行っているためある意味不定形である。
*2 [[加持>加持リョウジ]]からのメッセージを聞いて自宅で抜け殻の様になっていた為に使徒襲来時にはまだNERV本部にいなかった。
*3 ちなみにこの際ゲンドウはシンクロ率低下の著しいアスカが乗る弐号機には戦力としての期待を殆ど抱いていおらず、「囮くらいには役に立つ」とあんまりな物言いをしている。
*4 レイの精神の反映なのか、あるいはそれを読み取ったアルミサエルが変質を行ったのかは不明。
*5 ただし、カヲルが使徒タブリスである事に気が付いたアルミサエルは途中からそれ以上の侵食を止めていた。
*6 例えばアラエル戦後以降、廃人状態になったアスカをお見舞いに行くシンジの姿にアスカに対し嫉妬の感情を抱いていたことを、レイの姿をしたアルミサエルから指摘されていた。

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