登録日:2020/12/24 Thu 22:17:14
更新日:2024/05/24 Fri 12:45:43NEW!
所要時間:約 11 分で読めます
▽タグ一覧
ザ☆ドラえもんズ ドラえもん 特番 クリスマスパーティー クリスマス ドラミ クリスマスイブに立った項目 未ソフト化 米たにヨシトモ 笑撃のラスト どんでん返し 雪合戦 アニメ 大山ドラ ミステリーx’マス大作戦 サービスシーン担当・ドラニコフ ミミコさんはどうした 樅ノ木は残った
『ザ☆ドラえもんズ ミステリーX'マス大作戦』*1とは、1996年12月21日放送の『X'マスだよ! ドラえもん&ドラえもんズ超スペシャル』内で流れた短編アニメである。
概要
大山ドラ末期を彩ったザ☆ドラえもんズを主人公とした20分ほどの短編作品。
構成は『2112年 ドラえもん誕生』から『おかしなお菓子なオカシナナ?』までの監督を務め、
ドラえもんズのテーマソング『我等ザ☆ドラえもんズ』を作詞した米たにヨシトモ(名義は米谷良知)。
というわけでこの記事では米たに氏に敬意を表し、同楽曲の歌詞を一部引用させていただく。悪しからず。
劇場映画ではなくTV放映された作品であり、DVDは愚かVHSにすら収録されたことが無い超マイナーな短編の一つ。
本作の設定ではコロコロ版やドラスぺ同様に、のび太もドラえもんズのメンバーを知っているらしい。
この年の9月23日に原作者の藤子・F・不二雄先生は病没しており、本作はF先生没後に最初に発表されたドラえもんズの映像作品ということになる。
ちなみにタイトルの「X'マス」は文法ミスである。(最近はOKという説もあるけどね)
★あらすじ
■Prologue 月の砂漠/ドラえもん
深夜の砂漠に集合したドラえもんズ。
全員が集まったことを確認したドラえもんは、「久々に『アレ』をやろうと思う」とおどろおどろしげな面持ちで語り出した。
アホのドラリーニョと何考えてるかわからないドラニコフ以外の面々が慄然とする中、ドラえもんは真相を告げる。
「実はドラミはまだ『アレ』をしらないんだ」
『アレ』とは、ロボット養成学校の卒業生なら誰しもが知っているもの。
親友の妹の為なら黙っちゃいられない。友情勇気冒険を旗印に、7人はさっそく分担を決めるジャンケンを行う。
…が、全員手がグーなので失敗。果たして『アレ』を完成させることは出来るのか…?
■Phase-01 中国/王ドラ
「アチャァーーーーー!!」
深山幽谷の中に生い茂る竹林。怪鳥の如き咆哮と共に、真面目で照れ屋の中国カンフー・王ドラは次々と青竹を蹴り折っていく。
次なる相手とばかりに直径2メートルほどのバケモノ竹に襲い掛かった王ドラは、鋭い手刀足刀の雨を浴びせ、たちまち輪切りにしてしまった。
…一番上の輪が落ちてきて頭に命中したりもしたが。
気を取り直し、片足を挙げて気を練る王ドラ。
たちまち、コマのように猛スピードで回転を始め、生い茂る竹を次々とぶった切っていった。
…お約束通り、目を回してぶっ倒れもしたが。
必要な資材を作るべく、王ドラは切り出した竹を寸分の狂いなく組み立てていく。
「王ドラサン、イチュモ修行大変ネ♡」と美少女・チャオチャオさんからアンマンをおすそ分けしてもらい鼻の下を伸ばしながら、
気合の入った王ドラは、竹を加工して美しい鶴の置物を拵える。林原御大を有効活用して一人芝居しつつプレゼントするのしないのとデヘデヘする王ドラ。
その背後で水汲みを終えたチャオチャオさんはとっくに家に帰っていたのでしたとさ。
…という親友の平常運転を手鏡(タイムテレビ?)で眺めていたドラメッドは、慌てて準備に取り掛かるのであった。
「やれやれ、一体何をやってるであるか王ドラは……おおっと! いかんいかん、こんなことしてる場合ではないのである! 我輩は、あれの準備をしてたのである!」
その光景を見て、こそこそと兄たちが何かを画策していることに不満げなドラミちゃんは、もう少し様子を見てみようと視聴者に促した…。
■Phase-02 古代アラビア/ドラメッド三世
灼熱の砂漠の片隅で、泳ぎが苦手なアラブの魔法使い_ドラメッドⅢ世は苗を育てていた。
よりにもよってそんなところで育てたせいで、こまめに水をやらないとすぐに苗たちは萎れてしまう。
のんびり屋のドラメッドもこれでは休む間もない。面倒くさがってたくさん水を与えた結果、地面が煮立って余計に萎びてしまう始末。
しかも手を滑らせてしまい、すっぽ抜けたバケツはドラメッドの頭上へ…。水が大の苦手なドラメッドはパニックになってしまった。
気を取り直して今度は如雨露で水をやるドラメッド。
旅商人から励まされたりしつつ、丹精込めて育てた苗は若木となっていく。そのピンと立った針葉、これは間違いなく‥‥。
苗はすくすく育ち、とうとう大木となった。だが、安心するのも束の間。
砂漠の彼方から、王下七武海が発生させたのかというほど巨大な砂竜巻が向かってきたのだ!
魔法のクロスをかぶせ、「お前たちは死んでも守ってやるのである!」と宣言するドラメッド。
だが砂嵐はあまりに強力で、木々は全て薙ぎ倒され、ドラメッドも吹き飛んでいった…。
目を覚ましたドラメッドは、木々が全滅したことをしり、嘆く。
だが、そのしりに(誰馬)一本だけ被害を免れた若木の頂が刺さり、一本だけは守れたことを大喜びするのだった。
■Phase-03 スペイン/エル・マタドーラ
のどかな海辺の町上空を、タケコプターで彷徨うドラミちゃん。
と、その静かな町に地響きが轟く。一匹の牛が、通りを爆走しているのだ。
牛は黒牛、すごい鼻息、五人がかりでも(多分)止められぬ。オレ!
暴れ牛とあっては黙っちゃいられぬ、お昼寝大好きスペインの闘牛士エル・マタドーラ。
颯爽とひらりマントをかざして牛に襲い掛かるが、逆に自分が吹っ飛ばされて壁にめり込んでしまった。
鼻や目の形まで残ったクレーターから巨顔を引き抜いたマタドーラは、跳ねる短足朗らかに家々を飛び移り、爆走する牛にモウ然と追いすがる。
屋根を蹴って牛に飛び乗り、街路を爆走する黒い弾丸にしがみつくマタドーラ。
しかし牛とて黙って129.3㎏の巨デブを載せ続けるほどお人好し、もとい牡牛良しではない。
町はずれの草原に辿り着いた牛はマタドーラを振り落とし、マントを無くしたマタドーラにモウ烈な勢いで襲い掛かる!
牛はカンカン、角を振りたて、マタドーラ目掛け、突いて来たが、オレ!
負けじとマタドーラも牛に真正面から飛び掛かり、角と角との一騎打ちに。
気合一閃、クワガタムシのように角で牛を投げ飛ばし、角相撲はマタドーラが制した。
「へん、どうだい。俺はドラえもんズ一の力持ちなんだぜ」
勝ち誇るマタドーラは戦いよりも昼寝が好きとばかりにシエスタを始めるが、
隣でのびていた黒いベッドもとい暴れ牛は蹄でチョンチョンとマタドーラを小突く。
牛は闘牛をやるのが怖くて闘技場から逃げてきたのだと訴える。
なぜかウシ語のわかるマタドーラは代わりの仕事を紹介してやると言い、べそっかきの黒牛を連れていずこへと去っていく。
そのウシろ姿を陰で見ていたミニドラたちは、どこでもドアで一路ブラジルへと向かう。
サッカー場で、親分のドラリーニョに逐一報連相するミニドラ。なぜ牛を、と頭をかしげるドラリーニョ。
「ああ、そーだった。すっかり忘れてた。みんなで『アレ』をやるんだっけー」
何をするかは理解したうえでするのを忘れるという高度なボケを見せつつ、ドラリーニョはこうしちゃいられんと駆け出していく。
いったい『アレ』とは何なのか。ドラミちゃんと視聴者も気になりつつ、いったんCM入ります。
■Phase-04 ブラジル/ドラリーニョ
南国の果樹園。得意のシュートで次々とフルーツを落としていくのは、ちょっぴり忘れん坊・ブラジルストライカーのドラリーニョ。
ミニドラと協力して、パイナップルやバナナ、オレンジやブドウにリンゴと様々なフルーツを収穫していく。パイナップルとリンゴは同時に育たんだろ
軽快な歌を口ずさみながら、でっかいサッカーボールの付いたログハウスという偏りすぎなイメージの小屋に次々とフルーツを運んでいった。
ジェドーラ譲り(※当時はまだ未登場)のコック帽をかぶり、10秒1回ペースで目的を忘れながらドラリーニョはお菓子を作っていく。
卵、牛乳を混ぜ合わせ、変な形のオーブンに生地を入れるドラリーニョであったが、オーブンはウイングガン●ムの如く閃光を漏らして大爆発。
「やっぱり何か忘れてた~……」
真っ黒こげになったお菓子だったものにうずもれつつ、ドラリーニョは「何か」を忘れていたことに気付く。
気を取り直してもう1回。作画を使い回しつつ軽快なメロディと共に生地をかき混ぜるドラリーニョ。
「タマゴを割って! ミルクを入れて~♪ えーと、なんだっけ……そうだ! 後は焼くだけー♪」
新しく設置した新型巨大オーブンに生地を入れ、ミニドラと共に1リットルほど汗を流しながらかたずを飲んで先行きを見守る。
おおよそオーブンが上げるべきではない音と共に扉は開き、無事に………なんとも形容しづらい、ボタ山のような巨大なケーキが焼きあがった。
「やった、やった、完成だー!」
ミニドラ達と共に飛び跳ねて喜ぶドラリーニョであった。
■Phase-05 アメリカ/ドラ・ザ・キッド
「キッドは何をしてるのかしら」
荒野を彷徨うドラミちゃんに気付くわけもなく、腹ペコガンマン=アメリカンカウボーイ_ドラ・ザ・キッドは奮戦していた。
ドラミちゃんから受け取った空気砲が唸り、愛馬ロボ・エドが立てた鉄板を、○、△、□と宣告通りの形状に次々射貫いていく。
無茶なウィリアム・テルまがいの荒行に文句を言うエドを「何か言ったかー!?」とけん制しつつ、キッドは穴ぼこから落ちたプレートを拾い集めていく。
「つべこべ言わず! ほら、もう一働きだ!」
エドに用意させた2枚目の鉄板を、今度はイカやタコなど凄まじく複雑な形状で射貫いていくキッド。もはや技巧がどうのという段ではない。こんな対戦車ライフルみたいな貫通性を有する武器を人に向けてバカスカ撃つんじゃないと言いたい
「ナス! キュウリ! シイタケ!」
おっと、今度は野菜縛りだ。
「ニンジン!」
ってあんさん、そりゃあきまへんで。
「ニンジン~~~~ッ!!!」
「違う、バカ!」
当然このエドくん、馬なもんでニンジンにゃ目が無いと来たもんだ。
いきり立つエドに驚いたキッドは狙いを外してしまい、空気弾は後ろの岩山を直撃。
「あちゃ~……やってしまいましたぁ」
「オマエのせいだろうがああああ!?」
当然ながら鉄板を板ガムみたいにぶち抜く空気砲が命中して無事なわけがなく、岩山は崩落して巨岩がどんぶらこっこすっこっこ。
あまりの恐怖に思わずモノクロになりつつ、馬の癖に二本足で走るエドと共にキッドは巨岩から逃げ惑う。
こんな時こそエドの真骨頂を見せるべきだ、とキッドはエドをペガサス形態に変形させ、飛び上がる。
先ほどまで突っ走っていた谷底をゴロゴロ転がっていく岩を見て安堵するバカ2人であったが、よそ見した拍子にエドは自由の女神の松明に激突してしまうのであった。いったいどんだけ長い時間よそ見してたんだこのアホども…
「高い所怖い~~~~!! エド~~何とかしてよ~~!!」
タイムテレビの画面を震わせてのび太のように泣き叫ぶキッド(とその前でやってるウル●ラクイズ)を見て呆れつつ、
ドラニコフは踵を返して小屋の奥へと向かって行く。
「何をやっているか、だんだんわかってきたわ。でもまだちょっと引っかかるわね。もう少し様子を見てみましょう!」
ということで、ドラミちゃんに促されてCM入ります。
■Phase-06 ロシア/ドラニコフ
寒風吹きすさぶシベリアの氷原。
その中にポツンと佇むロッジの中で、ロシアの風来坊・ドラニコフは布を被った「それ」と対峙していた。
覚悟を決め、布を取り去ったそこに現れたのは、真球を描くバレーボール。
たちまち空に輝く満月を思い起こし、ドラニコフは野獣に変身!
「ウワオ~~~~~!!! ドガオオオオオ~~~ン!!!」
咆哮と共にチラホラと飛び散る褐色の毛…ドラニコフが探し求めていたのは、自身の毛皮であった。
抜け毛をポリポリ編み込みつつ、鶴女房の如くドラニコフはチマチマと帽子を編んでいく。
「人数分」編み終えた頃にはすっかり全身ツルッパゲ、尻尾に至るまで丸坊主になってしまい、ドラニコフは勢いよくクシャミをする。
夜空には天文学上有り得ない煎餅を齧ったような欠けた月が浮かんでいた。
■Epilogue 真昼の銀世界/ドラミ
「さあドラミ、ここだよ。」
どこでもドアを開けると、そこは雪国だった。
雪原の上にキレイに並べられたパーティー会場は、ドラえもんがドラミちゃんの為に設営したものだった。
驚くドラミちゃんを迎えに来たのは、鈴の音を響かせてやってきたドラえもんズ。
「「「「「メリークリスマス、ドラミ(ちゃん)」」」」」
その声を聴いてドラミは、『アレ』がクリスマスパーティだと納得。
ドラえもんズの乗るソリは、王ドラの作った竹細工。それを引くのはマタドーラの連れてきた牛。
サンタの帽子は当然ドラニコフの手編みで、小さいけれども立派に残ったドラメッドのモミの木に、キッドの鉄板飾りをデコレート。
そして巨大なうん●……ではなくデコレーションケーキはドラリーニョ特製だ(流石にドラミちゃんも冷や汗を垂らしていた)。
たのしいひと時を過ごした7人に、主催者のドラえもんはお開きの言葉を述べ、すぐさま緊張した面持ちで二の句を継ぐ。
「ではそろそろ『アレ』を始めようと思う」
そう、実は『アレ』とはクリスマスパーティのことではなかったのである。
その言葉に、ドラドラ7はニヤリ。
「アレか」
「アレですね」
「アレであ~るな」
「アレだぜ」
「アレ…って何だっけ?」
「がるる」
呆気にとられるドラミちゃんの前で、ドラえもんは風呂敷包みを開く。そこには山のように積もった雪玉が…。
「この日のために、頑張って用意したのだーっ!!」
「ひょっとして、『アレ』って……!? わぶっ!!」
「おーっと! ゴメンよセニョリータ、つい待ちきれなくて!」
「それでは! ロボット学校卒業生対抗大雪合戦、スタート~~~!!!!」
「ホラお嬢ちゃんも!」
「嘘でしょ~~~~~!?」
わざわざドラドラ7にドラミを入れたのは、紅白戦が出来るように偶数人そろえる必要があったからであった…。
空気砲、ヒラリマント、更には野獣の咆哮や巨大化まで…。
が、巨大化したドラメッド三世が持ち上げた雪玉を支えきれず転倒、全員揃って下敷きに。
おバカな雪合戦の果てに雪だるまになってしまったドラミは、隣で同じく雪だるまになっているドラえもんに向け
「もうこおりごおり…」とサムいダジャレを決めるのであった。
余談
『空想科学読本』の柳田理科雄氏はTwitter上で読者から本エピソードの空気砲に関して質問を受けたことがある。
検証の結果、厚さ1㎝の鉄板を貫通するには1千気圧(深海1万mの水圧と同等)が必要という結論が出た。そりゃ、岩山も崩落するわけだ。
追記・修正なんてもうこおりごおりよ…。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,8)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
- 懐かしいなーオイ。確かねじまき都市冒険記の宣伝スペシャルでもあって、ここで流れたアニメが「サンタメール」だったな。 -- 名無しさん (2020-12-24 23:23:40)
- 懐かしいなーwこれでのぶよ版のサンタメール観てめっちゃ感動したの今でも覚えてる。あとCMでロックマン8やってた -- 名無しさん (2020-12-25 00:41:36)
- ドラえもんズは本当によくできたキャラクターたちだった。この話も記憶に残るくらい大好きだったよ -- 名無しさん (2020-12-25 00:45:00)
- ↑そうだったそうだった! あと確か、記憶が別のとごっちゃでなければセーラースターズソーセージと、後イトーキの、ロックマンとセーラースターズの学習デスクのCMもやっていたはず。 -- 名無しさん (2020-12-25 00:50:07)
- こんなエピソードあったんだ。てっきりジェドーラが作ったケーキが盗まれるエピソード(という名の総集編)のことかと思った。今じゃ観れないのか -- 名無しさん (2020-12-25 08:14:38)
- ちなみにマタドーラの声がフリーザ様の中尾氏に変わったのはこの短編アニメから。 -- 名無しさん (2020-12-25 19:38:26)
- 見たけど、最後の展開は予測できなかったな… -- 名無しさん (2020-12-25 19:59:03)
- ちょうどCMの位置にバナー広告挟まってて草 -- 名無しさん (2020-12-25 23:10:05)
- サンタクロースはどこの人~山の向こうの山から来るよ~ -- 名無しさん (2020-12-26 03:09:11)
- 他のクリスマススペシャルと一緒にザ☆ドラえもんズDVD-BOXまたはザ☆ドラえもんズDVDセレクションでDVD収録してほしいのとソフト化してほしいですね。 -- 名無しさん (2020-12-26 21:06:09)
- 当時ビデオに録ってたけどどっかにいっちゃった… -- 名無しさん (2021-03-28 13:13:35)
- 王ドラ&マタドーラが主役ものと、ドラリーニョが主役ものの短編アニメも覚えてた。 -- 名無しさん (2022-08-28 19:15:39)
- チャオチャオさんすき -- 名無しさん (2023-12-10 22:02:30)
#comment
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧