登録日:2020/06/16 (火曜日) 00:56:00
更新日:2024/05/17 Fri 13:37:36NEW!
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ゾンビ ジョージ・a・ロメロ ゾンビ映画 コメディ r18+ ダメな大人の万国博覧会 ブラックユーモア
『サバイバル・オブ・ザ・デッド』とは、2010年に公開されたアメリカ・カナダ合作のゾンビ映画。
監督・脚本はジョージ・A・ロメロで、『ロメロのデッドシリーズ』第六作にして事実上の最終作。
作中の時系列としては『ゾンビ』とほぼ同時期。
大作映画だった『ランド・オブ・ザ・デッド』と違い、前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』と同じ低予算のインディーズ映画。
過去作の「決して相容れない対立する人間達」、「ゾンビと人間の共存」、「理性を失った人間達のゾンビより恐ろしい狂暴性」といったテーマを反復している一方、西部劇的な要素や『ショーン・オブ・ザ・デッド』をリスペクトした漫画的なコメディー要素が盛りだくさん。
特に前作で批判が多かった「露骨すぎる社会風刺」と「俳優の酷い演技」は解消され、初期三部作や『ランド・オブ・ザ・デッド』には及ばないもののゾンビ映画としては悪くない出来になっている。
ストーリー
ゾンビアポカリプスから間もなく、ペンシルベニア州の州兵「軍曹(サージ)」は同僚達と共に職務を放棄し略奪集団と化していた。
一方、デラウェア州沖のプラム島では「ゾンビを殺す派」のオフリン家と「ゾンビと共存する派」のマルドゥーン家が争っていた。
結果、数で劣るオフリン家は島外に追放されてしまった。
三週間後
仲間が僅か三人になっていた軍曹は市民軍からトラックを略奪し、市民軍に捕らわれていた少年を仲間に加え入れてゾンビのいない場所を目指す。
YouTubeでパトリック・オフリンがプラム島が安全だと宣伝しているのを知った軍曹は、その島に一縷の希望を託し船着き場を目指すが、それは罠で、彼らの物資を狙うオフリン家が待ち構えていた。
オフリン家との死闘の末、客船を奪うことに成功した軍曹達は、成り行きで仲間に加わったオフリン家の家長パトリックと共にプラム島へ上陸する。
しかし、オフリン家がいなくなったプラム島はマルドゥーン家の家長シェイマスが支配する非常に排他的な独裁国家と化しており、ゾンビ達は鎖で繋がれ意味の無い労働をさせられ、浜には上陸した人々の大量の射殺された死体が転がっていた。
さらに見張りのマルドゥーン家によって軍曹の友人ケニーが射殺されてしまい、軍曹は復讐を決意。パトリックもシェイマスとの因縁に決着をつける決意をする。
果たして勝つのは誰か‥‥‥‥。
登場人物
軍曹と愉快な仲間達
◆サージ(軍曹)/ニコチン・クロケット
演者:アラン・ヴァン・スプラング
本作の狂言回し的存在。元ペンシルベニア州軍所属の軍人で、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』に登場した「大佐(カーネル)」や『ランド・オブ・ザ・デッド』に登場した「ブルーベイカー」と同一人物で、よく見ると三作とも同じデザインの軍服を着ている。本作中では「軍曹(サージ)」と呼ばれる。権利上の問題で作品毎に呼び名が違う。
毛深く厳つい白人男性で、髪や髭は黒。
ヘビースモーカーでしばしば喫煙シーンがあることから、英雄デイビー・クロケットに因み脚本上では“ニコチン・クロケット”という渾名をつけられている。
激昂しやすく刹那的な性格で、過去作のヒャッハーな強盗団に極めて近いキャラクター。
ゾンビアポカリプスから間もなく、大勢の部下を失ったことで「大佐」から「軍曹」に降格させられた。その後、同僚達と共に職務放棄して強盗団と化した。
前作で主人公達から略奪した映像がネットに流出した結果、悪人として有名人になってしまった。
三週間後には仲間がたったの三人に減ってしまうが、フィラデルフィアで新たな仲間「少年」とトラックを獲得。少年が持っていた端末からプラム島のことを知り、一縷の希望を託し船着き場へ向かう。
三年後にビッグ・ダディ率いるゾンビ抵抗軍と交戦しゾンビ化する運命にある。
◆トムボーイ
演者:アテナ・カルカニス
軍曹の部下。肌が薄目のアフリカ系アメリカ人女性。ベン、ピーター、ジョン、ビッグ・ダディ、ストレンジャーに次ぐ本作の「強い黒人」であると同時にフラン、サラ、リメイク版バーバラ、スラック、デブラに次ぐ「能動的なヒロイン」。レズビアンの美人。射撃の腕は作中一番で百発百中。
仲間の前で堂々とオナニーしたり、ついさっきまで敵対していたパトリックと親しくなったりと変人。
しかしマジキチシェイマスにはドン引き。
当然生き延びる。
「トムボーイ」はお転婆の意の愛称で本名不明。
◆ケニー
演者:エリック・ウルフ
軍曹の部下で親友。白人ハゲ親父。
プラム島上陸後、すぐにマルドゥーン家の狙撃手に狙撃され、軍曹が咄嗟に盾になるも貫通して致命的な傷を負い死亡。
ロメロ「何てこった!ケニーが死んだ!」
スタッフ「この人でなし!」
◆フランシスコ/シスコ
演者:ステファノ・ディマッテオ
ラテン系アメリカ人。通称「シスコ」。
過去作のミゲルと違い、頼りになる優男。
ことあるごとにトムボーイを口説く。
「5分くれ!5分で世界を変えてやる!」が口癖。
船着き場から客船まで泳いだ際、掴みかかってきたゾンビを逆に噛みついた結果、感染症を罹患し急激に衰弱していき、最後はトムボーイに介錯を頼み射殺された。
◆ボーイ(少年)
演者:デヴォン・ボスティック
本名不明の白人少年。
フィラデルフィアの市民軍に捕まっていたが軍曹の仲間になる。
射撃が得意。
オフリン家
プラム島の半分を支配していた一家。
◆パトリック・オフリン/キャプテン
演者:ケネス・ウェルシュ
実質的な主人公。
オフリン家の家長。アイルランド系アメリカ人の老年男性。ニット帽と小柄な体躯がトレードマーク。愛称は「船長」。
ゾンビアポカリプス後にゾンビを殺し回っていたが、6日後に娘ジャネットの裏切りでマルドゥーン家に追放された。
その後は船着き場を占拠して地雷を埋め、YouTubeにプラム島を紹介する動画を流しては誘き寄せられた生存者達から追い剥ぎした上でプラム島に送るなど、結構なゲスジジイ。
軍曹達、ゾンビとの混戦の末に味方が全滅し、トムボーイに助けられたことで軍曹の仲間になる。
プラム島では仲間を集めマルドゥーン家にリベンジを果たそうと目論むが‥‥‥。
決して善人とは言えないキャラクター性やマルドゥーンと下らない意地の張り合いをする様子は、第一作目の主人公ベンを彷彿させる。
◆トードリー・オフリン
演者:ウェイン・ロブソン
パトリックと共に島外に追放された一人。船着き場で軍曹やゾンビ達と交戦するも、最後はゾンビに噛まれ、パトリックにダイナマイトで小屋ごと爆殺された。
◆ジェームズ・オフリン
演者:ジュリアン・リッチングス
プラム島に残り身を潜めて暮らしていたパトリックの弟。
映画終盤にチャックが解放したゾンビ達に喰い殺された。
◆ジャネット・オフリン
演者:キャスリーン・マンロー
パトリックの双子の娘の片割れ。
両家の争いにうんざりしており、裏切ることで処刑されそうになった父を追放に留めた。
映画終盤にゾンビのとある「変化」を目撃するが‥‥‥‥。
◆フィッシャーマン(漁師)
演者:ホー・チョウ
船着き場で釣りをしていたパトリックの仲間。
ゾンビを釣ってしまい海に転落した。
マルドゥーン家
プラム島の半分を支配していた一家。オフリン家を追放後は極めて排他的で独裁的な社会を築く。
◆シェイマス・マルドゥーン
演者:リチャード・フィッツパトリック
マルドゥーン家の家長である、アイルランド系アメリカ人のハゲ親父。
非常に意地っ張りで見栄っ張りで頑固で排他的で攻撃的な性格で、過去作品のハリー・クーパー、ローズ大尉、カウフマンのキャラクター性を引き継いだ本作のヴィラン。
ゾンビアポカリプス発生後、「ゾンビとの共存」を掲げており、ラウシュ博士やローガン博士の意志も引き継いでいる。オフリン家と対立する。
オフリン家追放後は事実上の独裁者と化し、自分の妻を含むゾンビ達を鎖で繋ぎ意味の無い労働を課しているマジキチ。
「ゾンビが家畜を食うよう仕向ける実験」をし続けているが成果が出ず、三週間後には保護すると決めたにも関わらず八つ当たりでゾンビを殺すようになってしまった。
◆レム・マルドゥーン
演者:マット・バーマン
シェイマスの右腕的存在。
最後はチャックが解放したゾンビに囲まれ消息不明。
前々作『ランド~』及び前作『ダイアリー~』、そして本作のスタントマンも担当。
◆マシュー・マルドゥーン
演者:ジョン・ハーリー
交通事故で死に、ゾンビ化した幼い娘と息子を屋根裏に隠していたが、オフリン家に見つかり、抵抗して返り討ちにされた妻ベスのゾンビ化を防ぐため、自ら妻の脳天を撃ち抜く羽目に。
◆ベス・マルドゥーン
演者:フィリッパ・ドンヴィル
マシューの妻。オフリン家に拳銃で抵抗した結果返り討ちにされ、マシューにとどめを刺された。
◆チャック
演者:ジョリス・ジャースキー
マルドゥーン家の人間ではなく雇われている農夫。
ジェーンに惚れていた。
ゾンビの飼育を任されうんざりしており、最後に裏切り銃撃を受けながらもゾンビ達を解放し、過去作のスレッジやローズ大尉の如くゾンビ達に八つ裂きにされた。
その他
◆ヴォーン
演者:バーディー・T・リネハム
ペンシルベニア州軍中尉。
部下のDJを死なせてしまい、軍曹から「責任を取れ」と銃を渡されるも撃てず、別のゾンビに頬を噛まれた挙げ句軍曹に射殺され作中最初の犠牲者となった。
◆トークショー・ホスト
演者:ジョージ・ストロウンプロポロス
◆トークショー・ストゥージ(ボケ役)
演者:ピート・ゼトラシェ
ケニーがパソコンで鑑賞していたコメディ番組の出演者達。
◆ホッドヘッデッド・グッドオールドボーイ&ガットショット・グッドオールドボーイ
演者:マイケル・ローデス&ブライアン・フランク
「グッドオールドボーイ」は強い仲間意識を持つ白人男性の俗称。自警団メンバー。
ゾンビ
お馴染み謎パワーで蘇った人の屍達。
本作では『ゾンビ』~『死霊のえじき』の中間位の知性があるが、感情は芽生えていない。
泳げる。
◆ジェーン・オフリン
演者:キャスリーン・モンロー
本作の看板キャラクター。
ジャネットの双子の片割れであるアイルランド系アメリカ人。
ゾンビアポカリプス後、何らかの原因で死に、ゾンビ化した。
技術や経験を要する乗馬が可能。
◆DJ
演者:ジョシュア・ピース
ヴォーンのミスで死に、ゾンビ化した兵士。
本作のファーストゾンビ。
◆ティモシー・スキャンロン/スキャンロン・ボーイ
演者:カーティス・パーカー
飼育されていた少年ゾンビ。三日間豚と同じ柵に閉じ込められていたが豚を食わなかったためシェイマスに射殺された。
◆サリー・マルドゥーン
演者:ヘザー・アリン
シェイマスの妻の成れの果て。
ゾンビ化後も鎖で繋がれ家事をしている。
◆ソルジャーゾンビ
演者:ドリュー・ヴァーグヴァー
ヴォーン中尉に背後から噛みついたペンシルベニア州兵の成れの果て。ケニーに頭を吹き飛ばされた。
◆ドローリングゾンビ
演者:ミッチ・リスマン
プラム島の住人の成れの果て。名前の通りよだれを垂らしたデブゾンビ。
◆ゾンビガール&ゾンビボーイ
演者:クリスティーナ・ミラー&ジョン・フレミング
◆ハーバーゾンビ
演者:ダン・ベリー
フィッシャーマンに釣られたゾンビ。ギャグマンガじゃ無いんだから‥‥‥。
◆トードリーバイター
演者:アンジェラ・ブラウン
トードリーに噛みついた女ゾンビ。
◆ダイナマイトゾンビ
演者:マルクス・ボブシッチ
髭面の白人ゾンビ。パトリックからダイナマイトを手渡され、訳もわからず眺めていたら爆死した。
◆ファイアエクスティングイシャーゾンビ
演者:ジェリー・シェーファー
客船内にいたゾンビ。シスコに消火器のノズルを口に突っ込まれ、消火剤を流し込まれた結果、目玉が飛び出し沈黙。
◆ホットドッグゾンビ
演者:ジェームズ・ダン
パトリックにウインナーが刺さったフォークで頭を貫かれたゾンビ。
◆フレーミングゾンビ
演者:チャド・カミレリ
軍曹に照明弾を撃ち込まれ頭が燃え上がったゾンビ。
CGが少し不自然。
◆ピッチフォークゾンビ
演者:ゼリコ・ケコエビッチ
シェイマスが飼育していたゾンビの一体。
逃げ出したためピッチフォークで足を貫かれ地面に縫い付けられるが、自力で足を引きちぎり拘束を脱したためチャックに射殺された。
◆ハットゾンビ
演者:ケビン・ラシュトン
シェイマスの帽子を奪って噛んだゾンビ。
激昂したシェイマスに射殺された。
◆ホースイーティングゾンビ
演者:リック・パーカー
ジェーンと共に馬肉を貪ったプライド柄シャツを着たゾンビ。
ジョージ・A・ロメロのデッドシリーズ関連項目
- ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(映画)(一作目)
- ゾンビ(映画)(二作目)
- 死霊のえじき(三作目)
- ランド・オブ・ザ・デッド(四作目)
- ダイアリー・オブ・ザ・デッド(五作目)
- サバイバル・オブ・ザ・デッド(六作目)
- ゾンビ/グール(ロメロのデッドシリーズ)
- セメタリーゾンビ(ナイト・オブ・ザ・リビングデッド)
- バブ(死霊のえじき)
- ビッグ・ダディ(ランド・オブ・ザ・デッド)
- ショーン・オブ・ザ・デッド(映画)(パロディ作)
- バタリアン(映画)(パロディ兼権利上の正式な続編)
追記、修正はゾンビと共存してから
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