セレズニア議事会/The Selesnya Conclave(MtG)

ページ名:セレズニア議事会_The Selesnya Conclave_MtG_

登録日:2020/05/29 Fri 22:58:00
更新日:2024/05/17 Fri 13:20:39NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



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我ら一人ひとりの中に、

我ら全員の力があるのです。



セレズニア議事会/The Selesnya Conclaveとは、TCG「マジック・ザ・ギャザリング」の背景世界に存在する組織である。



概要

都市次元ラヴニカ/Ravnicaを支配する、10のギルドの一つ。配色は自然の[[>緑/Green(MtG)]]と協調性の[[>白/White(MtG)]]。


自然文明が衰退し都市によって埋め尽くされたラヴニカにおいて、自然を重視し調和することを目的としたギルド。
その理念を世界中に広めるべく活動しているが、少々やり方が強引で他ギルドと揉めることがある。*1
とはいえ基本的には大人しいギルドであり、自ら他ギルドに攻撃するよりも被害者になっていることの方が多い。


大きな特徴として他のギルドのような階級制度はなく、共同体主義であることを理念にしている。
セレズニアには普通の市民からウィザードや騎士など様々な人員を有しているが、それら全ては役割の違いはあれど皆平等であるとされる。


構成員は全てギルド指導者であるマット・セレズニアと部分的に意識を共有しており、個人が得た情報をマット・セレズニアを介して他の構成員に共有することができる。
メンバー達はマット・セレズニアの声に従い無私無欲で他人に尽くすが、端から見れば「洗脳でもされてるんじゃないか?」を疑われるほど、その活動は狂信的に見えるようだ。
一方で戦力が皆無と言うわけでもなく、巨大なワームやエレメンタルなど強大な戦力も保有している……っていうかラヴニカのデカブツ枠はだいたいこのギルドに所属している


『ラヴニカ・ブロック』のストーリーでは[[ディミーア家/House Dimir>ディミーア家/House Dimir(MtG)]]サデックの手により、マット・セレズニアが抹消されかけたが、[[ボロス軍/Boros Legion>ボロス軍/Boros Legion(MtG)]]のコスの活躍により事なきことを得る。
しかしサデックの策略によってギルドパクトが破られたことでマット・セレズニアは深い眠りに付き、誰も交信することができなくなってしまう。
さらにラヴニカ全体でギルドへの不信感が高まったことで、多くのラヴニカ市民がセレズニアから離れたことにより消滅の危機に瀕してしまう。


その後の『ラヴニカへの回帰ブロック』ではドライアドのトロスターニがマット・セレズニアとの交信に成功したことでギルドは復興。
その後はトロスターニが事実上の指導者として活動するが、『ラヴニカ三部作』*2のストーリーではトロスターニ自身の不和によって再びギルドが揺らぐことになる。


他ギルドとの関係性として、ボロス軍に対してはラヴニカブロックのこともあってか、「比較的」友好的な態度である。
一方で[[イゼット団/The Izzet>イゼット団/The Izzet(MtG)]]に対しては科学と自然の対立からか、仲は悪い。
同じく都市よりも自然を好む[[グルール一族/The Gruul Clans>グルール一族/The Gruul Clans(MtG)]]とは一見相性がよさそうだが、セレズニア側は「無駄」なギルドだと考えており、グルール側も彼らの言う自然が実物とかけ離れているとみなしているなど、やはり仲は悪い。
他のギルドに対しても何らかの文句を言っているが、基本的にどのギルドも他のギルドを嫌っているためセレズニアが特段性格が悪いわけではない。



主要人物

マット・セレズニア/Mat'Selesnya
パルンと呼ばれるギルドの創設者であり、「自然そのものの顕現」「世界魂」とも呼称される概念めいた存在。
「議事会」と呼ばれるドライアドのグループがマット・セレズニアの代弁者としてギルドを動かしている。
カード化はされていない。


トルシミール・ウルフブラッド/Tolsimir Wolfblood
「レーデヴ守護団/Ledev Guardians」と呼ばれる狼に騎乗して戦う騎士団の一員であるエルフの男性。相棒である狼は「ヴォジャ/Voja」。
彼の放った「我らと共にあるならば、すべてが平等だ。それまでは、お前の存在は無い。」という言葉は、そのままセレズニアの本質を示している。
『ラヴニカ・ブロック』の背景小説では登場しなかった。その後の『灯争大戦』で再びカード化したが、今回もストーリーでは登場せず、何かと謎の多い存在。


登場カード

  • トルシミール・ウルフブラッド/Tolsimir Wolfblood
  • 狼の友、トルシミール/Tolsimir, Friend to Wolves

トロスターニ/Trostani
『ラヴニカへの回帰ブロック』時代においてマット・セレズニアの代弁者となった、三人一組のドライアドの女性。
元々はドライアドの三姉妹であったが、マット・セレズニアとの交信時にセレズニア復興の使命を受けると同時に一つの存在となった。
三姉妹それぞれが「秩序」「生命」「調和」とセレズニアの価値観を司っている。
『ラヴニカ三部作』のストーリーではニヴ=ミゼット/Niv-Mizzetによる全ギルドの協力という提案に対して、三姉妹それぞれの意見が対立したことで、機能不全となってしまいギルドが機能しなくなってしまう。
その後、ボーラスが攻めてきたときには意見が一致し、ボーラスを打倒するため他ギルドと手を取った。


登場カード

  • セレズニアの声、トロスターニ/Trostani, Selesnya's Voice
  • 不和のトロスターニ/Trostani Discordant

イマーラ・タンドリス/Emmara Tandris
癒しの魔法の使い手である、エルフの女性。『ラヴニカへの回帰ブロック』のストーリーではヒロインのような立場。
プレインズウォーカー・ジェイス・ベレレンの旧友であり、ジェイスが初めてプレインズウォークしラヴニカへ訪れたとき、記憶喪失で途方に暮れていた彼を匿った。*3
平和主義者であり、トロスターニが他ギルドとの紛争を起こそうとした際は必死に止めるも、逆に不満分子とされ幽閉される憂き目にあってしまう。
『ドラゴンの迷路』ストーリーでは迷路走者を務め、ギルドからの支援がない孤独な状況でもジェイスと共に迷路競争に挑んだ。
初めてカード化された際は、その華奢な見た目に反した5/7というサイズでプレイヤーを驚かせた。
その後再びカード化された際は2/2と適正なサイズになった。


登場カード

  • イマーラ・タンドリス/Emmara Tandris
  • 協約の魂、イマーラ/Emmara, Soul of the Accord

ゲーム内での特徴

緑、白共にクリーチャーの質に優れているため、小型~大型まで様々な優良クリーチャーを備えている。
トークンの扱いが得意で、生成したトークンを生かす戦術も得意。


固有メカニズム

召集/Convoke

Hour of Reckoning / 報いの時 (4)(白)(白)(白)
ソーサリー
召集(あなたのクリーチャーが、この呪文を唱える助けとなる。この呪文を唱えるに際しあなたがタップしたクリーチャー1体で、(1)かそのクリーチャーの色のマナ1点を支払う。)
すべてのトークンでないクリーチャーを破壊する。


『ラヴニカ・ブロック』、『ラヴニカのギルド』におけるメカニズム。
自軍のクリーチャーをタップすることでマナコストが軽くなる能力。自分のクリーチャーがみんなマナクリーチャーになるようなものである。
やや攻め手が止まってしまうが、あらかじめ軽量クリーチャーを並べれば素早く大型のカードを展開できる。特にセレズニアの特徴であるトークン生成とは相性がいい。
『ラヴニカのギルド』でも他のギルドと違い3つ目の固有能力を得られず*4再録され、召集によってタップしたクリーチャーに恩恵を与えるカードも作られた。


コスト軽減系のメカニズムの中では非常に珍しくバランスがとれたものと好評であり、『未来予知』では派生カードが登場、『基本セット2015』「機械兵団の進軍」でも主要メカニズムとして登場しており、全ての色に配られた。
中でも赤の火力呪文《かき立てる炎》が大いに活躍した。
一方で初出の『ラヴニカ:ギルドの都』期ではコスト軽減を前提にしすぎていたせいで非常に重く、《召喚の調べ》以外はリミテ用とばっさり切り捨てられてしまっていた。


居住/Populate

Vitu-Ghazi Guildmage / ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士 (緑)(白)
クリーチャー — ドライアド・シャーマン
(4)(緑)(白):緑の3/3のケンタウルス・クリーチャー・トークンを1体生成する。
(2)(緑)(白):居住を行う。(あなたがコントロールするクリーチャー・トークン1体のコピーであるトークンを1体生成する。)
2/2


『ラヴニカへの回帰ブロック』におけるメカニズム。
トークンのコピーを行う能力。事前にトークンを出す必要があるものの、強力なトークンがいればそれをどんどんコピーして強力な布陣を作ることができる。
また居住を持つ呪文には、コピー元のトークンを自己生成するカードもある。1枚で使う際にはそのトークンをコピーすればよく、他のカードと併用することも狙えるというナイスデザイン。
ただしトークンはマナ総量を0として扱うため、当時存在していた《漸増爆弾》《突然の衰微》が激烈に刺さる。
トークンを並べるという戦略自体が当時の環境を定義していた《至高の評決》に弱いこともあり、分かりやすい理念に対してまったく活躍できなかった。
一応『統率者2018』で再登場しているのだが、環境の速度がプレイヤーによってまちまちなので評価が非常に難しい。



主なカード

Watchwolf / 番狼 (緑)(白)
クリーチャー — 狼
3/3


『ラヴニカ:ギルドの都』で登場した2マナ3/3のバニラ。非常にシンプルかつ優秀なスペックで、セレズニアを代表する優良なクリーチャー。
当時のウィニーデッキに広く使われ、これを入れるために森を入れる白デッキも存在した。
ほとんどのカードゲームにおいて「バニラが活躍するのは黎明期の話」と思われやすいのだが、MTGの中興時代においてトークン以外のバニラが活躍することは話題を呼んでいる。
ただし2019年くらいになると、この程度のスペックのクリーチャーはすっかりありふれてしまっている。インフレとは怖いものである。


Loxodon Hierarch / ロクソドンの教主(2)(緑)(白)
クリーチャー — 象・クレリック
ロクソドンの教主が戦場に出たとき、あなたは4点のライフを得る。
(緑)(白),ロクソドンの教主を生け贄に捧げる:あなたがコントロールする各クリーチャーを再生する。
4/4


『ラヴニカ:ギルドの都』で登場したセレズニアを代表する優良クリーチャーその2。
コスト4で4/4とまあまあのスペックに加え、出た時の4点回復でショックランドでのダメージを補える。
また自分を犠牲にしたクリーチャー再生で全体除去などから味方を守れるのも嬉しい。


Chord of Calling / 召喚の調べ (X)(緑)(緑)(緑)
インスタント
召集(あなたのクリーチャーが、この呪文を唱える助けとなる。この呪文を唱えるに際しあなたがタップしたクリーチャー1体で、(1)かそのクリーチャーの色のマナ1点を支払う。)
あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストがX以下であるクリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。


『ラヴニカ:ギルドの都』で登場した優秀な召集持ちインスタント。
ライブラリーから直接クリーチャーを呼び出すカード。緑の呪文だが多色のカードを呼び寄せることも可能。
高マナコストのクリーチャーを出そうとするほどマナが必要になるが、召集でそれを補うことができる。
モダン以下のコンボデッキでは、特定のクリーチャーを呼び出すためのパーツとして採用されている。


Autochthon Wurm / 土着のワーム (10)(緑)(緑)(緑)(白)(白)
クリーチャー — ワーム
召集(あなたのクリーチャーが、この呪文を唱える助けとなる。この呪文を唱えるに際しあなたがタップしたクリーチャー1体で、(1)かそのクリーチャーの色のマナ1点を支払う。)
トランプル
9/14


『ラヴニカ:ギルドの都』で登場したレアのワーム。点数で見たマナ・コストが15という異様な重さだが、召集によってコストを軽くすることができる。
しかしそれを加味しても、出せるサイズに対して重すぎる上にトランプル以外の能力を持たないという始末。ぶっちゃけこのカードを出すくらいならもっと他に選ぶべきカードはあったため、カスレアとして扱われていた。


「コストが重いと言っても参照できるカードが《滋養の群れ》*5と《輝く群れ》じゃしょうがない」「モミールで《引き裂かれし永劫、エムラクール》を狙う際のハズレ枠」と酷評されていたが、
時代が流れて「ネオブランド」というデッキが完成すると「《滋養の群れ》でライフを15点回復できるうえに《アロサウルス乗り》などのコストにもできる」という性質が評価されていくことになる。
今ではグリセルさんの女房役を《世界棘のワーム》から奪ってしまった。早い話が遊戯王のマシンナーズ・フォースみたいな枠。


Seeds of Strength / 力の種 (緑)(白)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。


『ラヴニカ:ギルドの都』で登場したインスタント。同じ文章が3回連続で書いてあるというしつこいインパクトに溢れたカードである。
要は+1/+1修整を3体のクリーチャーに割り振ったり、1体に集中したりという様々な使い方ができるという柔軟性に溢れたカードなのだが、実を言うと別にこんな表記をする必要はない。
これは当時の対象に関するルール改訂を宣伝する役割があったと言われている。こういったテキストによってルールが改訂されたことをアピールする*6という、細やかな気遣いのあるゲームである。
このテキストで分かりやすいインパクトを与える文章がセレズニアの性格とされたのか、ラヴニカを舞台にするたびに《共有の絆》《力の報奨》《議事会の大鎚隊長》のような類似カードが登場している。


Loxodon Smiter / ロクソドンの強打者 (1)(緑)(白)
クリーチャー — 象・兵士
この呪文は打ち消されない。
対戦相手1人がコントロールする呪文や能力があなたにロクソドンの強打者を捨てさせるなら、それをあなたの墓地に置く代わりに戦場に出す。
4/4


『ラヴニカへの回帰』で登場した、書いてあることがおかしいカードの1枚。3マナ4/4という当時としても高いスペックに加え「打ち消されない」「ハンデスされるとコストを踏み倒して登場する」という始末。
《ヴェールのリリアナ》のような恒久的なハンデスに対する安易な回答となり、さらに当時は《東屋のエルフ》という《ラノワールのエルフ》枠が存在していたことから2ターン目に平然と出てくる。
シンプルながらメタ次第では激烈に刺さるカードなので、一時期モダンの緑白デッキでも採用が試みられた。しかし戦場に出た後は単なるバニラであり、メタ次第ではバニラと何も変わらない。
『基本セット2014』では《生命散らしのゾンビ》《潮縛りの魔道士》といった緑いじめに特化したカードが登場し、『テーロス』以降はローテーションで脅威となるカードが消えてしまったことですっかり姿を減らしてしまった。


Armada Wurm / 大軍のワーム (2)(緑)(緑)(白)(白)
クリーチャー — ワーム
トランプル
大軍のワームが戦場に出たとき、トランプルを持つ緑の5/5のワーム・クリーチャー・トークンを1体生成する。
5/5


6マナで5/5トランプルが2体並ぶというふざけた性能のカード。さらに《修復の天使》などを使えばトークンが増えていく。
当時はクリーチャーに対して風当たりの強い環境だったが、さすがに6マナで単体除去で対処しきれないカードともなれば話は変わってくる。当時の緑白デッキでたびたび採用されていた。
5/5というかなりのサイズのトークンが出てくるという点は「居住」との相性も良い。


Voice of Resurgence / 復活の声 (緑)(白)
クリーチャー — エレメンタル
対戦相手1人があなたのターンに呪文を1つ唱えるたび、または復活の声が死亡したとき、「このクリーチャーのパワーとタフネスは、あなたがコントロールするクリーチャーの総数に等しい。」を持つ緑であり白であるエレメンタル・クリーチャー・トークンを1体生成する。
2/2


『ドラゴンの迷路』のトップレア、通称鹿。圧倒的な性能からドラゴンの迷路は「鹿くじ」と呼ばれ、さらにこのカードが別のセットで再録されると一気に値段を落とすなど様々な話題を作った。
生成されるトークンは単体だけなら1/1と貧弱だが、戦力を増やすことでどんどん強化される。
打ち消しなどの呪文を使うと更に戦力が増えてしまうため、コントロール相手には抑止力のような存在になる。
死亡時にも誘発するため、クリーチャーの殴り合いにもアドバンテージを稼ぐことができる。
モダンでは緑白絡みのデッキでつかわれ、《出産の殻》が現役だったときも生け贄先として使われていた。
実はイマーラが本来この能力を持つはずだった。


Isolate / 疎外 (白)
インスタント
マナ総量が1のパーマネント1つを対象とし、それを追放する。


『基本セット2019』で登場した白のインスタント。マナ総量が1のパーマネントに対して軽量の1:1交換ができる。狙える仮想敵は意外と多く、下環境になればなるほどその有用性は上がる。
一方で下環境になれば《剣を鍬に》のような優秀な除去もあるわけで、採用は非常に悩ましい。当時1マナのパワーカードがひしめいていたモダンあたりを狙って作ったカードなのだろう。
ここまでならごく普通のカードなのだがカード名、フレーバー・テキスト、イラストがセレズニアのもの。
優しい全体主義的なギルドに見えて、度を越えた罪人に対しては「疎外」を行うという全体主義の恐ろしさを示したカード。トルシーミルの台詞なんかと組み合わせてみると、セレズニアの性格がよく理解できる。


Knight of Autumn / 秋の騎士 (1)(緑)(白)
クリーチャー — ドライアド・騎士
秋の騎士が戦場に出たとき、以下から1つを選ぶ。

  • 秋の騎士の上に+1/+1カウンターを2個置く。
  • アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。
  • あなたは4点のライフを得る。

2/1


『ラヴニカのギルド』で登場したインフレの象徴。戦場に出たときに、3種類の能力のどれかを使える。
自己強化すれば3マナ4/3という高マナレシオのクリーチャーになる上、アーティファクトなどをメインにするデッキの対策にもなる。
通常アーティファクトやエンチャント破壊のカードはサイドボードに積まれることが多いが、このクリーチャーはその能力からメインデッキから入れても腐らない点が優秀。
ライフ回復も相手がバーンやアグロなら有用であり、どんな場面でも活躍できる汎用性の高いクリーチャー。一方でこのただ強な性能から「ゲーム性を損ねている」という批判も多く見られた*7
モダンでも人間デッキやスピリットデッキにクリーチャー・タイプが違うにも関わらず採用されることがある。


Venerated Loxodon / 敬慕されるロクソドン (4)(白)
クリーチャー — 象・クレリック
召集(あなたのクリーチャーが、この呪文を唱える助けとなる。この呪文を唱える段階であなたがタップした各クリーチャーは、(1)かそのクリーチャーの色のマナ1点を支払う。)
敬慕されるロクソドンが戦場に出たとき、これを召集するためにタップした各クリーチャーの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。
4/4


『ラヴニカのギルド』で登場したカード。普通に出すと5マナ4/4の無駄に重たいバニラだが、召集で出すと全体強化のおまけにそこそこのサイズのクリーチャーが付いてくる。
召集したクリーチャーの数を参照するという、実はこれまでになかった新機軸を打ち立てているクリーチャー。うまく使えば0マナ9/9というとんでもないカードになる。
白系ウィニーデッキの切札として広く採用されたのだが、クリーチャーを展開していることが前提になること、2体以上の召集を前提にするとブロッカーや打点を捨てることにつながることなどから好き嫌いが分かれ、
特に全体除去の返しなどで出す場合は5マナ4/4というしょっぱい性能になることなどもあって嫌う層も多かったというかなりの優良カード。当時はプロの間でもかなり議論が分かれたカードである。


Awakening of Vitu-Ghazi / ヴィトゥ=ガジーの目覚め (3)(緑)(緑)
インスタント
あなたがコントロールしている土地1つを対象とし、それの上に+1/+1カウンターを9個置く。それは「ヴィトゥ=ガジー」という名前で速攻を持つ0/0の伝説のエレメンタル・クリーチャーになる。それは土地でもある。


『灯争大戦』で登場したカード。
9/9という破格のサイズを生み出せるインスタントという点から注目を集めたが、実際にはトランプルや飛行などを持たないこと、同時期にもっと強力なカードがひしめいていたことなどもあってさっぱり活躍しなかった。
名前を変えるというかなり珍しい処理を行うため、ルール問題を出すときなどに好まれる。


『灯争大戦』はプレビュー期がMTG史上で最も盛り上がった時期であり、このカードがプレビューに登場する前にも《一騎討ち》《王神の立像》など様々なネタカードが登場していた。
特に「独裁者の腹立たしい笑顔。ラヴニカが耐えてきたものすべてに対する侮辱。」と評された自己顕示欲の塊のような《王神の立像》が、このカードのプレビューと同時に公開された《立像崩し》のイラストであっさり崩されてしまったことが爆笑を誘った。


《パルへリオンII》《心火》のような様々なカードが話題を呼ぶ中で堂々と登場したこのカードは、これまでのストーリーでやられ役だったセレズニアがついに本気を出したような印象を抱かせたのだが、
実際は部外者のニッサがよさげな樹を見繕って魔法で動かしていただけでセレズニア議事会の面々にまったく許可を取っていないこと、その後の流れで結局この樹が倒されてしまうこと、そのせいでラヴニカに顔を出しづらくなったことなどいくつかの笑いを添えた。
結局彼らは最後まで被害を被る役だったのである。


Ghired, Conclave Exile / 議事会の流刑者、ギレッド (2)(赤)(緑)(白)
伝説のクリーチャー — 人間・シャーマン
議事会の流刑者、ギレッドが戦場に出たとき、トランプルを持つ緑の4/4のサイ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
議事会の流刑者、ギレッドが攻撃するたび、居住を行う。そのトークンはタップ状態で攻撃している状態で戦場に出る。(居住を行うとは、あなたがコントロールしているクリーチャー・トークン1体のコピーであるトークンを1体生成することである。)
2/5


『統率者2019』で登場したカード。ETBで4/4のサイ・トークンを生成し、さらに攻撃するだけで「攻撃している状態で戦場に出る」居住を行うという非常に好戦的なカード。
居住するトークンは何でも構わない。たいていの場合はこのサイをコピーすることになるだろう。
設定としては「灯争大戦のさなかに《猪の神、イルハグ》の顕現を目の当たりにして、グルールへと忠誠を変えた元セレズニアのギルド魔道士。しかしセレズニアの魔法への愛着は持ち続ける」というものであり、流刑者という訳は若干誤訳。
統率者セットで登場するラヴニカ人のカードには、彼のようにほかのギルドに鞍替えしたという設定のカードがいくつかある。さらに彼にまつわるカードという体裁で赤にも居住を行うカードが登場した。




Wiki篭りは目覚めると、記事の頭から末尾までの追記・修正を始めた。
追記・修正し終える頃には日が暮れていた。


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  • ところで「ラヴニカのギルド」ブロックのことを「ラヴニカ三部作」と呼ぶ記事が散見されるけど、初代ラヴニカブロックも回帰ブロックも三部作なんだからおかしくない? -- 名無しさん (2020-05-29 23:05:00)
  • ↑ラブニカのギルド・ラヴニカの献身・灯争大戦の3つのエキスパンションをまとめて「ラヴニカ三部作」と呼んでいます(公式の名称だったはず)。ブロックという概念がなくなったのでこういう呼称をしているのだと思います。 -- 名無しさん (2020-05-29 23:18:46)
  • 公式の訳し方の話をするなら「旧ラヴニカ三部作」という言葉も使われている。全てのラヴニカ関連ブロックは三部作 -- 名無しさん (2020-05-29 23:28:28)
  • ↑要はラヴニカのギルド~灯争大戦の3つを「ラヴニカのギルド」ブロックと呼称できない(ブロックが存在しない為)以上、便宜上そのような呼称をしています。公式でこれら3つを「ラヴニカ三部作」と呼んでいるので、アニヲタwiki内のローカルルールでそう呼んでいる訳ではないことをご理解頂ければ。 -- 名無しさん (2020-05-30 00:19:22)

#comment(striction)

*1 例えば市街地に植物性のハイドラを放つなど。
*2 ブロック制度が廃止されたが連作となっているラヴニカのギルド・ラヴニカの献身・灯争大戦の3セットの通称
*3 この時点では彼がプレインズウォーカーである事は知らなかった。
*4 ただし以前のメカニズムの片方が失敗として扱われているギルドは少なからずある(ディミーアに至っては両方である)ため、3つ目が無いことが一概に悪いわけではない
*5 当時はカスレア扱いだった
*6 イクサランでも「プレインズウォーカーの唯一性ルールの廃止」が行われ、その宣伝として増えるジェイスこと《狡猾な漂流者、ジェイス》が登場した。
*7 この時期のMTGはeスポーツへの参入を意識しており、カードデザインでも競技性と相反する「手札事故」「ランダム性」のようなものを徹底的に嫌っていた節が見受けられる。

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