ディシースト

ページ名:ディシースト

登録日:2020/01/02 (木) 21:36:57
更新日:2024/05/16 Thu 10:41:57NEW!
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『DCeased』は2019年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。


+ 作品情報-

『DCeased』#1~#6
発売 2019年5月から
脚本 トム・テイラー
作画 トレバー・ヘアーサイン、ジェームズ・ハレン(#1)


『DCeased: A Good Day to Die』
発売 2019年9月
脚本 トム・テイラー
作画 ローラ・ブラガ、ダリック・ロバートソン


日本では2020年に小学館集英社プロダクションから邦訳本が発売されている。


『DCユニバース』を舞台にしたゾンビ作品。凶暴な感染者によるパンデミックとそれに立ち向かう超人たちの悲劇を描いている。


ヒーローとゾンビ作品の組み合わせは『ブラッケスト・ナイト』や『マーベルゾンビーズ』などで高い評価を得ており、
変わり果てたヒーローの姿や何十年にも及ぶ歴史が生み出す人間ドラマがその要因となっている。
本作でも現代の世界観をベースに過去の人間関係を取り入れることで、濃密かつ残酷な物語が生み出されている。


さらに本作は『インジャスティス』シリーズや『Earth-2』で絶望的な状況を描いてきたトム・テイラーが担当し、
人気キャラクターが次々とその才能の犠牲となり抗いようのない悲劇につながっている。
本作終了後、その高い人気から外伝『DCeased: Unkillables』と続編『DCeased: Dead Planet』が発表された。




【物語】

地球に攻撃を仕掛けヒーローに敗北したダークサイドだったが、密かにヒーローの1人サイボーグの回収に成功していた。
ダークサイドの真の目的はサイボーグが宿す『反生命方程式』を手に入れ全宇宙を支配することだった。
しかし回収のために死神ブラックレーサーの力を利用した結果、『反生命方程式』は殺人ゾンビウイルスに変異してしまう。
地球に送り返されたサイボーグからウイルスは爆発的に広がり、地球は瞬く間に死が支配する星に変わり果てた。
難を逃れたスーパーマンをはじめとするヒーローたちは残された生命を救うために必死の抵抗を試みる。



【反生命方程式】

手にした者に宇宙を支配する力を与える方程式。ダークサイドが長きに渡って探し求めていた。
その半分をダークサイドが有し、もう半分はアポコリプスの技術が使われたサイボーグに宿っていた。
ダークサイドはサイボーグの体で『反生命方程式』を完成させ、死を操るブラックレーサーを利用し取り出す予定だったが、
ブラックレーサーのエネルギーをサイボーグに与えたために『反生命方程式』は危険なウイルスに変化した。


感染者はまず『反生命方程式』を追い出そうと頭をかきむしり、完全に感染すると本能的に生命に襲いかかる。
知能は低下し耐久力に変化はないが、感染前の知識は有しておりそれに基づき効率的に生命を奪おうとする。
感染経路は傷口への血液感染とインターネットで、特にインターネットはつながった画面を見ただけで感染してしまう。
一度感染すれば回復の可能性は存在しないとされていたが……。



【登場人物】

≪ヒーロー≫

スーパーマンを中心に生き残ったヒーローが『孤独の要塞』に集結し事態の収拾に動く。
手始めに各地のサーバーや通信衛星、海底ケーブルを破壊し、インターネット経由の感染を防いだ。
そしてセミッシラとゴッサムを生存者の避難所に定め、『孤独の要塞』では避難用の宇宙船建造を進める。


メトロポリスを守る鋼鉄の男。ダークサイドとの決戦後、サイボーグ捜索に向かおうとしていると異変に気づいた。
家族や市民の救出に向かい絶望的状況を目にするが、どんな状況でも人命や地球を諦めようとはしなかった。
しかし感染したフラッシュを殺した際に自身も感染したため、キッド・フラッシュの力を借りて家族に別れを告げ、
完全に感染する前に宇宙に飛び出し自殺を試みたが、家族との別れの時間が原因で間に合わず最凶の感染者となった。


ゴッサムを守る闇の騎士。異変にいち早く気が付き、フラッシュへの警告や『バットケイブ』のネット切断を実行していた。
しかしウェイン邸の対策を怠ったためにナイトウィングロビン(ティム・ドレイク)が感染、
アルフレッドを守るためとはいえ2人を殺し、激しい戦いで自身も感染してしまった。
ミスター・フリーズのスーツで感染速度を遅めるとロビン(ダミアン・ウェイン)と連絡を取り、
息子と行動を共にするスーパーマンたちに情報を伝え、最後に息子に別れを告げアルフレッドに殺された。


超人的力を持つアマゾン族の王女。故郷セミッシラで事態を見守っていたが、ロイスの放送を聞きスーパーマンの元に現れた。
スーパーマンをサポートする他、母ヒッポリタを説得しセミッシラを生存者の避難所として認めさせた。


  • メラ

水を操る力を持つアクアマンの婚約者。アトランティスでテンペストの修行をしていると異変に巻き込まれた。
感染したアクアマンが原因で海中の汚染が瞬く間に広がってしまうが、水を操る力で独り難を逃れてセミッシラに保護された。


超スピードを操る鑑識官。感染した場合の危険性からバットマンの指示でキッド・フラッシュと共に隠れていた。
スーパーマンの頼みで外に出ると、その力でサーバーの破壊や避難船建造に尽力したが、
『孤独の要塞』で感染したマーシャン・マンハンターの襲撃を受け感染してしまう。
バットマンの予想通り一瞬にして感染者を増やしていくが、スーパーマンの決死の一撃で殺された。


  • グリーンアロー(オリバー・クイーン)、ブラックキャナリー/グリーンランタン(ダイナ・ランス)

シアトルを守るエメラルドの射手と彼の恋人。グリーンランタン(ハル・ジョーダン)と共にキャンプに向かい異変に巻き込まれた。
グリーンランタンが感染し追い詰められたが何とか勝利し、ブラックキャナリーが新たなグリーンランタンに選ばれた。
その後スーパーマンたちと合流し、友人たちの死にショックを受けながらもグリーンランタンの力でサポートを行う。


  • サイボーグ(ビクター・ストーン)

特殊な技術で半身が機械化された青年。その身に宿す『反生命方程式』が凶悪なウイルスに変化した。
地球に戻されるとすぐに対策を行おうとしたが間に合わず、インターネットを通じて全世界に広まってしまった。
幸い彼自身は感染せずに済み、スーパーマンたちと合流すると『孤独の要塞』で避難船建造を進める。


  • ロビン/バットマン(ダミアン・ウェイン)、スーパーボーイ(ジョナサン(ジョン)・ケント)

バットマンの息子とスーパーマンの息子。またの名を『スーパーサンズ』。ケント家で遊んでいると異変に巻き込まれた。
スーパーマンがすぐに駆けつけたため感染せずに済み、子供ながらに人命救助に協力する。
ロビンはゴッサムから脱出したアルフレッドと再会し、彼から父の遺品を受け取り新たなバットマンになった。


  • キャプテン・アトム(ナザニエル・アダム)

実験で特殊な合金が肌と一体化し強力なパワーを操れるようになった軍人。
アマンダ・ウォラーの指示でアトム(レイ・パーマー)と協力しウイルスの原因究明を急いでいた。
新たな指示で感染が酷いエリアの処理に向かうが、感染したアトムが体内に侵入し彼も感染してしまう。
その力でホワイトハウスを破壊するとスーパーマンとワンダーウーマンに取り押さえられるが、
ワシントン、ボルチモアそしてメトロポリスを巻き込む大爆発を起こし死亡した。


  • ミスター・テリフィック(マイケル・ホルト)

優れた身体能力と自称世界で3番目の頭脳を有するヒーロー。協力者を集い事態を解決する計画の実現に向け動く。
まずウイルスとアポコリプスとの関係性からミスター・ミラクルを頼るが、アポコリプスの消滅を知り失敗に終わる。
次に魔法による解決を狙いコンスタンティンに接触したが、協力を拒まれこの計画も失敗に終わった。
最後にタイムマシンによる現実の改変を狙うが、時間を守るウェーブライダーの妨害でタイムマシンを使用できず、
そうしている間に感染したビッグ・バルダの攻撃で死亡した。


  • ミスター・ミラクル(スコット・フリー)、ビッグ・バルダ

奇抜な格好に身を包んだ脱出の天才と彼の妻の女戦士。ニューゴッズの神々でアポコリプスと強い因縁を持つ。
スーパーマンの頼みで因縁の地アポコリプスに向かい、その最期の瞬間を見届けた。
地球に帰還するとミスター・テリフィックと行動を共にし、戦闘要員として彼の計画のサポートを行う。
そしてタイムマシンがあるファイアとアイスの家で感染者と戦うが、圧倒的物量を前に敗北しビッグ・バルダが感染者になった。


  • ブルービートル(テッド・コード)、ブースターゴールド(マイケル・カーター)

様々なガジェットを駆使して戦うヒーローと25世紀の未来からやって来たヒーロー。大親友コンビ。
ブルービートルのマシン『バグ』とブースターゴールドのタイムマシンを目当てにミスター・テリフィックから協力を求められた。
何とかタイムマシンの元にたどり着いたがウェーブライダーから使用を止められ、ブースターは現在の変化で消滅してしまう。
ブルービートルは感染したビッグ・バルダの攻撃で感染し、復讐とばかりにウェーブライダーを殺害した。


  • ジョン・コンスタンティン

性格は最悪だが天才的な魔術の才能を持つオカルトのエキスパート。
感染者から逃げ惑った末に助手でタクシー運転手のチャズと合流したが、彼も感染していたため魔法でとどめを刺した。
そしてタクシーで逃げようとして失敗したところをミスター・テリフィックたちに救われ、協力を求められた。
彼自身は地球の危機やヒーローとしての活動に興味がなかったため、協力を断り『忘却酒場』で飲んだくれようとしていたが、
命の恩人を見捨てられず、ウェーブライダーの妨害を受けるミスター・テリフィックたちの前に現れた。
魔法でウェーブライダーの動きを封じようとしたが、感染したビッグ・バルダが現れ失敗、
さらにミスター・テリフィック、ブースターゴールド、ブルービートルが次々に命を落としてしまう。
最後の抵抗に動きを封じたウェーブライダーを感染したブルービートルに殺させ、自身は死を受け入れようとしたが、
その瞬間に現れたドクター・フェイトとザターナに命を救われ、愚痴をこぼしながら彼らについていった。



≪その他≫

  • ロイス・レーン

世界を股にかける美人記者でスーパーマンの妻。本作の語り部。
息子たちと共にスーパーマンに救われ、ネット以外の方法で連絡を取ろうとデイリー・プラネットへ向かい成功させた。
その後は一般人ながらスーパーマンの母マーサと共に『孤独の要塞』で過ごし、夫と息子の活躍を見守る。


  • レックス・ルーサー

大企業レックス・コープの社長でスーパーマンのライバル。
キャプテン・アトムによるメトロポリス崩壊を生き延び、スーパーマンの前で膝を付き協力を求めた。
その後は『孤独の要塞』で避難船建造を進めていたが、感染したマーシャン・マンハンターの襲撃で死亡した。


  • ハーレイ・クイン(ハーリーン・クインゼル)、ポイズン・アイビー(パメラ・アイズリー)

ジョーカーの元愛人と植物を操る力を持つ女性。大親友コンビ。
アイビーに呆れられながらもハーレイがジョーカーと縁を切ろうと彼の元に向かうと、彼は既に感染していた。
ジョーカーを撃ち殺し気分が晴れたハーレイだったが、感染した『バーズ・オブ・プレイ』の襲撃を受けアイビーに救われた。
その後はアイビーがゴッサムに生み出したジャングルで過ごしていたが、ヒーローの頼みで避難民を受け入れていく。


  • ダークサイド

惑星アポコリプスの王。自らを囮にサイボーグを捕らえ、腹心デサードと共に『反生命方程式』を手に入れようとした。
しかしウイルスに変化した『反生命方程式』に感染、アポコリプスの太陽『ソーラーピット』に飛び込み惑星ごと死亡した。




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