ねずみ男

ページ名:ねずみ男

登録日:2018/04/05 Thu 14:29:10
更新日:2024/02/19 Mon 13:51:51NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



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けんかはよせ。腹がへるぞ


この世の中にこれは価値だと声を大にして叫ぶに値することがあるかね。すべてまやかしじゃないか。



ねずみ男」とは、水木しげる氏の漫画作品に登場するキャラクターである。
水木先生一番のお気に入りのキャラクターであり、彼を主役にした短編もいくつかあるが、ここでは「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズに登場するねずみ男について記述する。




●目次


【プロフィール】

身長:160cm
体重:49 kg
年齢:360歳
本名「ペケペケ」(鬼太郎地獄編のみの設定)


【概要】

布切れを一枚羽織ったねずみ顔の男。
初登場は貸本漫画「下宿屋」で、四代目ドラキュラの召使という役割だった。
誕生の経緯は諸説あり、「ねずみしかいない島に何故か生まれた人間」だったり、
「あの世とこの世の狭間に存在する「ねずみ男の世界」から来た」等があるが、どれも各メディアで軽く触れられただけであり一定はしていない。
唯一固定されている設定は人間と妖怪の間に生まれた半妖怪ということだけである。
自称鬼太郎の大親友であり、「怪奇大学の不潔学科を卒業、なまけ大学院に入りなまけ学の博士号を取得した」と述べているが、信ぴょう性は低い。


水木しげる作品では半ば『ゲゲゲの鬼太郎』という枠を超えた常連キャラとなっており、ある時は「人の若さを吸い取る仙人」なんてゲゲゲに持ち込んだらまずそうな設定で登場した時もあった。



【特徴】

「不潔」「がめつい」「卑しい」。これに尽きる。
と女のことしか頭になく、自らの目的を達成するためには手段を選ばない。
自己保身の塊のような男で、敵が鬼太郎より強そうに見えたり金に目が眩んだりすると親友である鬼太郎をあっさり裏切り殺害する事すら厭わない。
そのくせ鬼太郎が有利になるとこれまたあっさり鬼太郎側に寝返るので始末に負えない。


目玉おやじ「おいねずみ男、お前は敵か味方なのかどっちだ」

「今は味方だ」


このやり取りがねずみ男がどういう立ち位置なのかを非常にわかりやすく表している。


そして「楽して儲ける」の信条の元、様々なインチキ商売にも手を出している。
中には倫理的に問題ありまくりなヤバい事業も行っているが、大抵は欲の皮を張りすぎたり鬼太郎たちの介入で失敗することが大半である。


こんな救いようのない性格から目玉おやじを始めあらゆる妖怪から毛嫌いされているが、
「腐れ縁」とも評される鬼太郎とは金や女が絡まなければ、なんやかんやで仲良くやっていることも多い。
……というか殺されかけてもなお彼を友達と言い張る鬼太郎の懐の深さが異常なのだが。


一方、当たり前だが鬼太郎以外の面々からは嫌われており、接触禁止令や追放令、火あぶりの刑を言い渡されたこともある。
生物的にも人格的にも天敵である猫娘や、息子をひどい目に遭わせられる目玉おやじをはじめ、ほとんどの妖怪から大なり小なり嫌われている。
(程度の差はあり、砂かけばばあは顔を見るなり殴りつけるなど特に嫌っているが、子なきじじいは弁護することが多い)
ある時には事件の元凶とみなされ、すべての妖怪から石を投げつけられて追い払われたことさえあった。



一方で項目冒頭のセリフを見ていただければ分かるように、300年以上生きてきた年季があるからか、時には鬼太郎や目玉おやじ以上に世の中の本質を見抜いた風刺的な発言をすることも多い。
頭の回転も非常に早く、口八丁手八丁で敵の妖怪を丸め込んだり、思い付きの商売でちゃっかり儲けたりなど地頭は鬼太郎ファミリーの中でもかなり高い方である。



そしてシリーズを通して子供には甘い他、自分のことを慕ってくれたり本気で惚れた相手には、それが人間であれ妖怪であれ真剣に向き合い守りぬこうとする責任感の強さも原作、アニメ共に併せ持っている。
普段の彼からは想像が出来ないが、これは鬼太郎に出会うまで半妖怪ということで人間からも妖怪からも蔑まれて天涯孤独に過ごしてきたという非常に重い経験からくるもので、この時は普段の意地汚さは鳴りを潜め真面目に働こうとする。
この時のねずみ男の姿はそのカッコよさからファンから「ねずみ」とも呼ばれている。



決して善人ではないものの、完全な悪人でもないトリックスター、それがねずみ男なのだ。


そのダーティかつ人間臭いキャラから意外とファンが多い。
作者的にも悪さをしたりドジを踏んでお話を動かしてくれるねずみ男は非常にありがたかったようで、彼が出ない回はほとんどない。



【能力】

鬼太郎ファミリーの中ではこれといった特殊な妖力は持ち合わせておらず、単純な戦闘能力は最底辺クラス。
しかし、ねずみ男最大の特徴は武器になるほどの不潔さ
生まれてこの方風呂にもほとんど入らず、歯もほとんど磨かず、主食は主に生ゴミといった具合で、口臭、体臭共に凄まじい威力を持つ。
ピンチの時はこれらの不潔さを存分に発揮し、時には遥か格上の妖怪ですらダウンさせるのだから恐ろしい。
……こんな奴と常に一緒にいる鬼太郎たちの嗅覚はどうなっているのだろうか。


●体臭

ただ歩くだけで通りすがりの人間をダウンさせるほどの臭いを発している。
だが、これはアニメシリーズ初期によくみられる能力であり、物語が進むにつれてこう言った描写が描かれることは少ない。
あまりの臭さに嗅覚が破壊されてしまったのだろうか



●口臭

口の中にある口臭袋なる機関から出る臭いを息に混ぜて吐き出す。
その威力たるや10メートル先にいるハエを打ち落とすほど。



●オナラ

ねずみ男最強の武器。
その臭いは人間がまともに嗅ぐと発狂したりショックで心臓麻痺を起こして即死する威力で、アニメ5期ではバックベアードに並ぶほどの伝説の妖怪初代ドラキュラ伯爵をも怯ませた。
オナラというよりもはや化学兵器である。
貯めこんだ屁を一斉放射することでロケット噴射として空を飛ぶことも出来るほか、
アニメでは屁で気球を作る「屁バリング」、屁の勢いを利用して重いものを持ち上げる「オナラパワー」、火炎放射といった応用技もある。
ねずみ男の屁を詰め込んだ缶詰を使って鬼太郎達を一網打尽にしようとする作戦も行われたほどで、
爆風が上方向にいきすぎて失敗には終わったが「まともに喰らえば命を落とすところだった」と妖怪たちでも死を覚悟するほどの威力である。


●その他

透明になったり妖力を放出したりと、一般の妖怪が使える技は最低限備えている模様。
また『墓場鬼太郎』の「アホな男」では彼のヒゲから創った毛生え薬(原作では彼の血)を服用した病床のやくざの親分が若返り&精力旺盛と一気に元気になった(但しラストで服用した分を取りかえされたらすぐ他界した)。
鬼太郎のご先祖様のちゃんちゃんこを着た時は妖力が上がったのか髪の毛針ならぬヒゲ針を披露していた。
『鬼太郎国盗り物語』では読心術持ちの相手に鬼太郎が苦戦しているところに目玉の親父に連れられてやってきて「いつもの生活を思い出せ」と言われ、
ゴミに湧いたウジ虫がうまいとか牛のウンコシチューが最高とか自分のうんこだけは食べられないとか考えた結果、一ページ程でこの強敵のSAN値を消し飛ばしてしまった。
なお『その後のゲゲゲの鬼太郎』で自分のうんこを食うことで数ヶ月ほどカロリーを自給自足して生き延びた*1


【アニメ版】

鬼太郎をはじめとした他の主要キャラがビジュアルや性格がメディアごとに一変することが多い中、ねずみ男は「墓場鬼太郎」を除いて服の色以外の外見や性格の変化はほとんど見られない
演じる声優さんの演技によって雰囲気は多少変わるものの、シリーズを通して不変な存在を貫き通しているのは流石というべきか。


1期2期


「こいつどうかしてんなア、あのなダイヤモンドの一と欠片もありゃあネ、第一、働かなくったってすまアな」


「バカ言え!みんなの幸せなんかどうだっていいんだ!俺は鬼太郎が生きててくれた方がいいんだ!!」


CV大塚周夫
服の色は1期はモノクロだったため不明だが、2期では灰色。
歴代のねずみ男の中でも卑劣な性格。
1期初期の方は原作と同じくしょうもない金儲けに手を出す、敵の妖怪の手下として登場する、といったまだ生易しい悪事ばかり働いており、
鬼太郎にも散々な言われ方をしていたがそれでもまだまともな方だった。
しかし中盤以降はどんどん非道な行いをすることが多くなり、原作と同じく「ねずみ男とねこ娘」回ではついに処刑命令が出るほど。


2期に至っては完全に鬼太郎の仲間であり敵でもあるという浮ついたポジションが完全に確立。
助けるふりをして鬼太郎を奈落の底に突き落とす、自殺に追い込もうとする、自分の利益のためだけに第三次世界大戦を引き起こそうとする等もはやその姿は極悪人であり、
シリーズ通しても鬼太郎に絶交を言い渡された回数は最多である。
その一方で鬼太郎ファミリーが確立していないこともあり、原作に近い形で鬼太郎親子と共に行動する回数が一番多いのも1期・2期シリーズの特徴である。
1期の大海獣の回では目玉おやじの面倒を見ていたし、2期で鬼太郎が牛鬼と共に火山に飛び込んだ際は目玉おやじの慰めに上記二つ目のセリフで即座に言い返すなど、確かな友情を育んでいる。


ただ基本的に鬼太郎のことは金儲けの道具として考えているようにしか見えず、悪辣さが増した1期中盤以降はそれが顕著。
例えば2期の1話で行方知れずの鬼太郎を探そうとしたのも、彼が妖怪事件に対応しなくなったことでねずみ男の実入りが少なくなったからだし、
かまぼこの回では「親友を金で買うなんて残酷なことはとてもできない」と嘯いて、
目玉おやじが鬼太郎かまぼこを買い占めるために借金してまで作った大金なのにもかかわらず文字通り懐に入れている。(ちなみに鬼太郎のかまぼこは全部盗んだ
結局最終的に鬼太郎側に付くのは、自分の命に危険が及んでしまうからである。


2期からは猫娘が本格的にレギュラー化して水と油の仲、というより……天敵が誕生したのだが、むしろ悪事は上記のようにエスカレートしている。
しかしこの頃の猫娘はより年相応として描かれていたこともあって、ねずみ男が普通に助けられたこともあれば、逆にねずみ男がいいように利用していたこともある。
一方で自分の誘ったアルバイト先で起こった事件により猫娘が警察に事情聴取された際は、「自分のせい」と彼女を心配したこともあるので歴代一仲がいいとも言えるだろう。


大塚周夫版の特徴として、たまにオネェ口調になる
このオネェ口調を大塚に伝授したのは目玉親父役の田の中勇らしく、おべっかを使う時などに荒い口調だと通りが悪いため、
「そういう風に喋ると逆に通りがいい」という発見があったためとのこと。
例えば誰かに擦り寄るときに「アンタ」というより「アナタ」という方が見ている側も納得しやすいということである。
また、アドリブもかなり多く、原作者の水木しげるに許可を求めたところ「面白いからやってみな」と
また演じている大塚の口八丁の上手さもあって詭弁を捲し立てた時はかなりうるさい。
二言目には怪奇愛好家とか妖怪研究家と名乗る。


第1期時代は悪役としてメタメタにやられていたが、第2期からはより悪辣になった……にもかかわらず鬼太郎から優しくされることが増えた。
こういうところが5期とは真逆なのが面白いところかもしれない。
また、2期は鬼太郎を主役に据えづらい鬼太郎外の短編をモチーフにした回が多いこともあり、実質主役のような大立ち回りをしている回もある。


因みに声を演じた大塚は「両方のどちらからも仲間に入れてもらえず、それ故にひねくれ、さらに嫌われていき、さらにひねくれていく悪循環」という考察をしており、それを演技に反映していたらしい。
足掛け2年以上演じ続け、稽古も数多くこなし、たくさん考察した役柄だけに「これ(ねずみ男)出来る人他にいないんじゃないかな?」と断言するほど自信を持っていた。
しかし声優としての大塚周夫の有名作はどちらかというと威厳のある役が多く、ハイトーンで軽妙な演技もあってあまりアニメオタクには初代ねずみ男=大塚周夫という事実はあまり知られていなかった。
しかし演じている当人にとってはそれだけ豪語するだけあって非常に思い入れの深い役だったそうで、
3期で交代の憂き目にあったときは長らく納得できず、野沢雅子と会う度に愚痴をこぼしていたそうである。
その分墓場鬼太郎で再び演じることが出来るようになった時は大層喜んでいた。



3期

「へっへっへっへっへ……俺は力のあるやつに仕えるのが生きがいなんだ」


CV:富山敬
上記のセリフ通り基本的な立ち位置は変化ないが、鬼太郎の折檻が非常に激しくなったせいか卑劣な面は少し鳴りを潜めた。
本作では2期よりも濃い配色となったねずみ色のローブを着ており、この外見が印象的だったことも合って6期のローブのモチーフともなった。


3期ヒロインであるユメコに惚れており、彼女のためを思って行った行動が裏目に出たり、鬼太郎と醜い争いを繰り広げる等、シリーズでもトラブルメーカーの面が強いが、当のユメコからはそこまで邪険にされておらず、鬼太郎ファミリーとの仲間意識も歴代の中では強い方。
そして3期の彼を語る上で外せないのが劇場版『激突!!異次元妖怪の大反乱』である。
映画を見ていただければ分かるが、まさしくねずみ男のための映画と言っても過言では無い
また、3期のOPは初代OPの怪奇色強いものではなく、当時人気だったテクノ系の色が強いものとなった。
なお、ねずみ男をボーカルにしたバンドが歌っているような映像のためか、演じている富山敬の声のように聞こえるが、実際の歌は吉幾三である。


声を演じた富山敬は当時青二の分裂騒動において分裂先のぷろだくしょんバオバブに付いた人間であり、
青二の声優を主に使う東映アニメーションの作品に、本当ならば起用されるはずのない状態であった。
しかし富山はそういった中で、実力のみで選出されたという非常に稀有な例である。大塚周夫曰く「他に演じられる人はいない」と言われるだけの役だけあって
人選はかなり慎重に行われたのだと伺える。
普段はアドリブはあまり入れないらしいのだが、本作に限ってはアドリブを多用したとのこと。



4期

「いいんだよ、その通りだしよ。」
「俺がここで頑張って、その娘から金をもらう!
 そのためだったら……なんだって我慢するぜ。俺には大したことじゃねえよ……慣れちまってるしな!」
「でなきゃ……俺ぁ生きていけねえんだよ……他に方法を知らねえんだ!!」
「でもよ……俺はこれでも必死に生きているんだ!!」


CV:千葉繁
今シリーズでは服装が初めて原作と同じ黄色となった。
アドリブ大王である千葉繁の熱演も相まって、歴代でもかなり親しみやすいキャラである。
そして「先代のねずみ男像を踏まえたうえで自分なりのねずみ男を探っていければ…」と言っていたように、
演技方針としては双方の折衷しつつ独自路線を歩んだ感じになっており、悪辣な部分は初代寄り、お涙頂戴要素や茶目っ気は3期寄りといったところ。
金儲けに弱いのは相変わらずであるものの、同時に人情深い面や、人生を見据えた重厚な一面も掘り下げられており、
あかなめとしろうねりの回や陰摩羅鬼の回、むじなの回などはねずみ男屈指の感動回として有名。
上記のセリフは天邪鬼の回で「金儲けだけが目的」と暴言を吐かれたときに非常に悔しそうに吐き捨てており、自分の立場や生き方に苦しんでいるような描写も見受けられる。
妖怪コンサルタントの肩書きを使うことが多い。


鬼太郎との関係は最もドライで、3期どころかシリーズ全てを見てみてもかなり関係性が薄い。
とはいえ事件の発端になることが多いため何かと蜂合わせること自体は多かった。
また、絡みが薄い分たまに仲の良いところを見せる点がむしろ貴重で良いシーンになっている。
ねずみ男が鬼太郎にラーメンを奢って見せる回や、マンモスフラワーになった時は鬼太郎が必死に助けようとするなど、
疎遠ではあったが鬼太郎側もそれなりに親友としての情があったことが伺える。


ただ2年目以降、特にデジタル製作移行後はそういった人情エピソードが一切ないため、
あまりにもねずみ男を感動要員にしすぎた、という反省も当時はあったのかもしれない。
また、半妖怪であることが強調される回もしばしばあった。本人曰く「ハーフ」。


5期

「時代は変わったんだよ鬼太郎……。俺がそれを証明してやるからな……!!」



「っつーか!軽々しく比べんな!!高級外車&ステーキとお茶漬けなんかを!!」



CV:高木渉
今作ではレギュラーから準レギュラーに格下げされ、全く登場しない回もあったが、相変わらずの名バイブレイヤーぶりをみせてくれた。
実はシリーズで数少ない、アニメではほぼ初となる「設定上完全に妖怪として扱われているねずみ男」である。
が、初当番回となる2話で砂かけに「半分人間、半分妖怪、悪い所は人間似」と言われているので確定というわけでもない。(あくまでこれは生き方の話とも言えるが)


最大の特徴は鬼太郎との友情が明確に強く描かれていること。たとえ裏切ったとしても最終的には鬼太郎を救うために行動したり、
始めから鬼太郎を救うために敵の懐に潜り込み無償で走り回る等、かなり善人寄りのキャラクターとして描かれている。
そういった事情から鬼太郎のねずみ男に対する態度は歴代一寛容。鬼太郎本人からは「大切な友達」とまで言い切られており、
「裏切るわ嘘を付くわ褒められた人格ではないが『友達』」「地獄に落ちるほどの悪者じゃない」
という人物評を受け、皆から見捨てるべきと言われても鬼太郎が命懸けで助けにいこうとするほど。
そのため、ろくでなしではあるが人情味が残っており、おかげで妖怪横丁の面々からも疎まれながらもなんやかんやで上手くやっている。
猫娘からはそこまで鬼太郎に大切に思われるねずみ男が「羨ましい」とまで言われているくらい。


何度も裏切っては元の鞘に収まってきたからこそ感じ取れる鬼太郎との友情は本作ならでは。
ねずみ男にしては良い人過ぎる、と言われやすいが、なんだかんだ言っても性根はねずみ男である。
闇雲に良い人になっているわけではなく、鬼太郎がねずみ男と文字通り親友という扱いだからこそ、ねずみ男も歩み寄った設定になったのである。
鬼太郎が居なければ自分も生きていけない、ということを理解しているため、鬼太郎の危機とあらば敵妖怪すらも欺いて最終的に鬼太郎に付くなど、その方法も狡猾である。
ただ善人じみたその変わりようにはねずみ男自身何か思うところがあるのか、かつて容赦なく鬼太郎を裏切っていた頃を思い出して、「あの頃の俺はもっと輝いていた」と懐かしむ場面もある。


ちなみに善人寄りとは言え最後まで裏切ってたり、金の為なら大量殺人(未遂)にも手は貸すし、命の危険があるものは売るし、先の昔を思い返した回などではガチで鬼太郎を殺そうとした回もある。
また、「どうせ鬼太郎なら最終的に勝つだろう」と見込んで悪事を働いているような回もあり、良くも悪くも悪友である。
なので悪いねずみ男好きさんにもお勧めできる。
そんなんだから鬼太郎も全面的にアフターケアをしているわけでもなく、例え途中で改心してもやったことが本当にろくでもなければ猫娘にお仕置きさせたり後始末などを自分でやらせたりしているので、決して闇雲に甘やかしているわけでもない。


とはいえファンに人気なのは腐れ縁的に二人で旅をしたりするエピソードで、何かと慕われまくって疲弊している鬼太郎にとっては、
気を遣う必要がなく良い息抜きができる相手として、なんだかんだ重宝されている。
二人で旅行して昔を懐かしむ回や、猫娘とのデートよりねずみ男との虫取りを優先した回はいろいろ必見。


ちなみにデザインは第4シリーズにかなり近い。違いは主にヒゲの太さで見分けられる。


演じた高木渉は4期でむじなを演じていたが、この時は「ねずみ男の弟」と偽っていた。その偽りが現実になるのは不思議なものを感じる。
また、大塚周夫にねずみ男に決まったことを報告した際「君の役なんだから思うようにやりなさい」と言われたのに後日細かいダメ出しを受けたことがあるらしい。
その後番組中に大塚周夫演じる白山坊と共演することになり、この掛け合いが楽しく印象深かったこともあって高木自身が直訴して後に白山坊を演じることとなった。


あと見た目が子供で頭脳が大人な主人公の知人だが、別にうな重が好物ではない。


墓場鬼太郎

「どうだいすごいねェー。東西の吸血鬼対決! こりゃ見ものだよ、吸うか吸われるか一大決戦ンンン!!」



「池垣?そんな奴が政治しとるのかね、チェッ」



CV:大塚周夫


原点であるから、という方針からなんと声優が、一期・二期でねずみ男を務めた大塚周夫に戻る。
(オファーした時は当人は大喜びだったとか)
貸本版をベースにしているせいか容姿は他のアニメとは大幅に異なっており、顔が若干小さい。
衣は黄色寄りで、これは大塚周夫演じるものとしては初。


基本的に原作と同じ役回りであるが、金にがめついこと以上に好奇心旺盛な面が強く、
トランク重井に吸血鬼の種を植え付けたりと要所要所で怪奇事件のきっかけを作ることも多かった。
怪奇研究科を自称しているだけあって歴代でもかなり肝が据わっており、
鬼太郎の幽霊電車では狼男がビビりまくる中1人平然としていた。



6期


「豊かな自然ねぇ。ヘッ、自然が何してくれるってんだ。金が生る樹が生えてるのか?花なんて腹の足しにもならねんだよ!」


「お前ら、バカかぁ!?この期に及んでまだ争いやがって!
何が妖怪の意地だ!人間の尊厳だ!一銭もならねぇモンに生命懸けんな!てめぇの生命と引き換えにしていいモンなんて、この世にはねぇんだよ!
てめぇら、『どうせ死ぬなら一人でも道連れに』とか思ってんだろ!くだらねぇ!
戦争なんて腹が減るだけだ!腹が減ったらメシ食って、クソして寝る!それを犠牲にしてまで戦って、どーしようってんだ!
勝ったら何が残るってんだよ!?焼けちまった角のラーメン屋は二度と食えねぇんだ!
てめぇらがくだらねぇ理由で殺し合ってる間に、たった一人で頑張ってる奴がいる!たった一人でだ!
戦争なんてしてる暇があったら、鬼太郎を応援しろぉぉぉっ!!」


CV:古川登志夫
5期同様準レギュラーとなっており、1期同様第2話からの登場となった。今期から再び服の色が灰色に戻った。性格は1,2期に近い。
初登場回では愚痴りながら花を蹴散らして立ち小便をやらかす(しかもその小便が原因で見上げ入道の封印を解く)などモラルの欠片も無いが、
早速見上げ入道から得た金塊を元手にアイドル事務所を買い取って5万人収容の単独ライブを即座に企画するなどバイタリティは歴代でも凄まじいものがある。
戦時下を生きていたと思われる描写があり、当時のことを一切茶化さず「嫌な時代だった」と回顧している。故に妖花に守られていた兵士達の遺骨を蔑ろにしようとした業者には怒りを露わにしたり、玉藻の前の影響で開戦待ったなしになった状況下で総理に攻撃命令をやめさせるよう直談判した。2年目のクライマックス(最終回)では上記2番目の台詞をもって、互いの誇りのためだけの無益な戦争を続ける人間と妖怪を叱責、心を一つにさせている。
また、人間にも妖怪にも邪険に扱われてきた経験からか、双方に厳しいが的を射た持論で説教する事も。
以上の事柄と今作の鬼太郎が精神的に非常に未熟と言えることから、レギュラーキャラの中ではかなり大人びて達観しているとも言えなくない。


それでもやはり数々の問題行動を起こすのはシリーズ通してのお約束であり、明確に逮捕されたりしている。しかしそれは悪意ではなく弱さ故の失敗と鬼太郎からは見なされており、自業自得で痛い目に遭うことはあれど鬼太郎からの制裁は歴代でも少ない方。
5期に隠れがちだが、鬼太郎との友情も深く描かれており、輪入道回のように一時険悪になってもなんやかんやで元に戻っている他、名無しの謀略によって戦意を喪失していた彼を立ち直らせたりしている。
なお、声優を務める古川氏は前作で仲間の妖怪である蒼坊主を務めていた他、ねずみ男のオーディションを受けて落選した過去があり、この度無事に役を射止めることが出来てとても喜んでいた。



【その他作品での担当声優・俳優】

  • 月曜ドラマランド版『ゲゲゲの鬼太郎』 演:竹中直人
  • 『妖怪奇伝ゲゲゲの鬼太郎 魔笛エロイムエッサイム』』 演:うえだ峻
  • 『ゲゲゲの鬼太郎〜異聞妖怪奇譚〜』 CV:野沢那智
  • 映画『ゲゲゲの鬼太郎』『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』 演:大泉洋
  • 映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』 CV:大塚明夫
  • 2022年舞台版『ゲゲゲの鬼太郎』:藤井隆
  • レノアCM:大悟(千鳥)


【モデル】

キャラクターのモデルは、水木先生の貸本漫画時代の友人「梅田栄太郎」氏とされる。
但しその後一般人となったせいか、『コミック昭和史』では「猫山」・『東西奇ッ怪紳士録』では「上田」と仮名で登場している。
また水木夫婦を基にした朝の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』では、オリジナルキャラクターとして「浦木克夫」(先生の幼馴染)が登場。彼がねずみ男のモデルとされた。


【余談】

アニメだけでも第1作から半世紀以上の時が流れているため、同じ作品・シリーズに「ねずみ男経験者」が複数出演したケースが存在する。


NHK大河ドラマ
アニメ版担当の内大塚周夫・千葉繁・高木渉・古川登志夫、ドラマ版の竹中直人、Vシネマ版のうえだ峻、映画版の大泉洋、舞台版の藤井隆、『シャドウサイド』版の大塚明夫が参加。但しねずみ男経験後に参加したのは竹中・高木・大泉・大塚明夫の4人。
2016年の大河『真田丸』では主人公の兄:大泉洋・主人公の姉の夫:高木渉なんてねずみ男同士の共演が実現した上、後に忍び役の藤井氏もねずみ男化している。


●『うる星やつら
1981年版に後にアニメ版担当になる千葉繁・古川登志夫、2022年版に古川登志夫・高木渉が出演。
余談だが2022年版では主役コンビが6期のサブ出演者と舞台版猫娘、古川が演じる男性の妻が3期鬼太郎で高木演じる僧侶の姪が6期鬼太郎だったりする。


●『機動警察パトレイバー 2 the Movie』→『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』
後にアニメ版担当になる千葉繁・古川登志夫とドラマ版の竹中直人が出演。


●『ONE PIECE
制作会社と放送局が同じなせいか、アニメ版担当の内大塚周夫・千葉繁・高木渉・古川登志夫と『シャドウサイド』版の大塚明夫、劇場版ゲストでドラマ版の竹中直人が参加。
結果一部のシリアスな場面や関係性で、ねずみ男とねずみ男というシュールな例えが出来るようになってしまった。


●キングダムハーツシリーズ
アニメ版担当の内大塚周夫・千葉繁、『ゲゲゲの鬼太郎〜異聞妖怪奇譚〜』版の野沢那智、『シャドウサイド』版の大塚明夫が参加。ちなみに千葉は野沢が他界した後の代役として出演している。


●『ポプテピピック
アニメ版に4~6期の担当である千葉繁・高木渉・古川登志夫、ゲーム『竹書房クエスト 〜強襲ポプテピピック〜』に『シャドウサイド』版の大塚明夫が参加。
この内千葉・古川は2話後半にて共演している。


また竹中氏・大泉氏はねずみ男後ハゲ鼠とも言われる武将を演じており、高木氏もある作品でその物まねをしていた。





追記、修正は生まれて一度も風呂に入ったことがない人がお願いします。



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*1 非常時でやむなくのことではなく、ねずみ男自身の意思でその状況を選んでいる。

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