本庁の刑事恋物語(名探偵コナン)

ページ名:本庁の刑事恋物語_名探偵コナン_

登録日:2018/02/24 (土) 10:20:48
更新日:2024/04/13 Sat 09:39:17NEW!
所要時間:約 14 分で読めます



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僕にだっていますよ!
好きな人ぐらい…


『本庁の刑事恋物語』とは、「名探偵コナン」において江戸川コナンが解決した事件の名称である。
単行本第21巻に収録。テレビアニメでは第146話・第147話として、1999年5月24日と31日に放送された。
今まで目暮の部下として何度か登場した高木渉と、捜査一課の紅一点である佐藤美和子との恋愛模様を描いた『本庁の刑事恋物語』シリーズの1作目。
また本作は劇場版オリジナルキャラであった白鳥任三郎が原作に初登場した回でもある。



※以下ネタバレが含まれますので、未読・未視聴の方はご注意ください。



【ストーリー】

コナン達少年探偵団は、以前間宮家の城で巻き込まれた事件の事情聴取のために警視庁を訪れる。
しかし、捜査一課は3日前に杯戸町で起きた銀行強盗事件の捜査のため、ほとんどの刑事が出払っている状態であった。
コナン達を呼んだ目暮に代わって高木が事情聴取を行う事となるが、そこに高木の想い人である女刑事・佐藤美和子が現れる。
佐藤は例の強盗事件で襲われた支店長と、事件で人質となった彼の妻から話を聞く予定だったらしく、そのすぐ後で東都銀行支店長・増尾桂造が到着した。
桂造は妻の加代と警視庁で落ち合うつもりであったが、まだ彼女が来ていない事に気づくと、まだ家にいるのではないかと思い自宅へ電話をかける。
加代はまだ自宅にいたが、電話の最中に高木が誤って電話機のスピーカーのボタンを押してしまった途端、加代は突然悲鳴をあげ、そのまま返事をしなくなってしまった。
すぐに桂造の自宅へ向かう佐藤と高木、コナンであったが、加代はリビングで背中を刺されて死亡していた。
現場の状況から、加代はエアロバイクでトレーニングをしている最中に襲われたと考えられ、事件の担当となった白鳥任三郎はこの犯行は銀行強盗の仕業だと推理する。
しかしコナンは不自然な態度を繰り返す桂造が犯人だと睨むが、桂造には犯行時刻に本庁、それもコナンの目の前にいたという鉄壁のアリバイがあった……



【事件関係者】

  • 増尾桂造(ますお けいぞう)

CV:村松康雄
東都銀行杯戸支店長。53歳。
今から3日前、自分の銀行に強盗が押し入り、現金2億円を強奪される。
強盗には逃げられるが、その事で思い出した事があるらしく、その事を話すために加代と2時に警視庁を訪れる事になっていた。
だが銀行のほうに予定があったので、加代とは警視庁で落ち合う事にしていたらしい。
待ち合わせ時間の2時までに何とか警視庁に到着するが、まだ来ていない加代が気になり、本庁から自宅に電話をかけた。
電話で加代の悲鳴を聞いた後は、佐藤達と共に急いで自宅へ戻る。そしてリビングに入った際に加代の遺体を見つけ、思わず悲鳴をあげた。
加代を殺した犯人は銀行強盗だと刑事達に訴えるが、警視庁で何度も時間を確認していた事や、リビングに入ってすぐに悲鳴をあげなかった事などから、コナンに犯人だと疑われる。
しかし彼には加代が襲われていた時には警視庁にいたという鉄壁のアリバイがあった。

  • 増尾加代(ますお かよ)

CV:速見圭
主婦。桂造の妻。42歳。
3日前に東都銀行を利用していた際に強盗事件に巻き込まれ、強盗犯に人質にされてしまう。
だがその時に激しく抵抗したため、強盗犯に手に負えないと判断されすぐに解放された。
その際に何かに気づいたらしく、その事を今日警視庁へ行った時に話すつもりであったが、高木には「5時に1人でそちらに行く」と約束していた。
桂造の話では、昨夜、話し合って明るいうちに2人で来る事に決めたそうだが、待ち合わせ時間の2時頃には自宅でエアロバイクをこいで汗を流していた。
桂造や高木と電話で会話をしていた最中に何者かに襲われ、背中にナイフを突き立てられて即死する。
警察は彼女を刺したのは銀行強盗犯だと推測するが、襲われる直前に「2時に行くなんて聞いてない」と気になる事も言っていた。

  • 銀行強盗犯

3日前に東都銀行杯戸支店に押し入った2人組の強盗犯。
2億円を強奪した後で逃走し、今も尚捕まっていない。
押し入った時に加代を人質にするが、彼女が激しく抵抗したので、たまたま来店していたみどりに人質を変更した。


【レギュラー陣】

  • 江戸川コナン

ご存知主人公。
事情聴取のために警視庁へ来た際、少年探偵団の様子に「ピクニックに来たわけじゃねーんだから」と冷めた態度をとっていたが、
本当は「未解決の事件の話が聞けるかも」と密かに誰よりもはしゃいでいた。
警視庁での不可解な言動や、現場での怪しい行動などから、加代を殺害した犯人は桂造と断定して推理を進めていく。

  • 高木渉

ご存知高木君で今回のメイン。
強盗事件で忙しい目暮に代わり、コナン達の事情聴取を担当する。
同じ課の佐藤に片思いしており、由美に教えてもらった佐藤の好きな人が自分ではないかと期待している。
しかし、佐藤が白鳥に「お嫁さん候補に入れといてくれる?」と冗談っぽく言っているのを見て、
「もしかして佐藤さん、白鳥警部の事が好きなんじゃ…」とあらぬ想像をしてしまい、事件中もその事が何度も頭をよぎり気が散ってしまう事に。
今回では中々の切れ者ぶりを見せ、「犯人が本棚の棚板を外して中に潜んでいたとしたら、警察と電話をしていた加代を襲った後でわざわざそれを戻すのはおかしい」と白鳥に指摘した。
なお、この回では名前の表記が渉ではなくワタルとカタカナ表記だった。

  • 佐藤美和子

競技場無差別脅迫事件』で少しだけ登場していた捜査一課のマドンナ。
競技場の事件で少年探偵団の事は「現場をチョロチョロしていたおチビちゃん達」と認識していたが、彼らの功績は素直に認めていた。
そして「正義のために活動している」という探偵団(特に元太)に向かって…


正義って言葉はね、
やたらと口に出してふりかざすものじゃないの…


自分の心の中に大切に強く秘めておくものなのよ…


…と優しく諭した。
コナンの優れた観察眼に感心し「大きくなったら刑事になりなさい!ウチに配属されたら私達が優しく面倒みてあげるから…」と警察に誘う場面も。
昨夜飲み屋で酔いつぶれた際に、由美に「一課に好きな人がいる」などとくだを巻いていたようだが、その「好きな人」とは一体誰の事なのだろうか……?

  • 灰原哀

ご存知哀ちゃん。
間宮家の事件は彼女の活躍で解決したようなものであったが、警視庁の前まで来たところで「私は帰るからあなた達で適当に答えて」と帰ろうとしていた。
だが阿笠に呼び止められたので、渋々事情聴取を受ける事に。

  • 阿笠博士

ご存知天才発明家。
恋人がいなさそうな高木を見て「なんならワシの従兄のお孫さんを紹介しようか?」と心配する。
人の心配をするより、自分のお嫁さんを見つけるほうが先なのでは……?

  • 吉田歩美
  • 小嶋元太
  • 円谷光彦

ご存知少年探偵団。
警視庁に来るのは今回が初だったので、その威風堂々とした佇まいを見て感動を覚える。
だが「刑事の部屋は常にタバコの煙でいっぱいで、強面の刑事ばかりがいる」とのイメージを持っていたので、内部がごく普通の清潔感あふれるオフィスであるのを見て拍子抜けしていた。

  • 目暮十三

ご存知警部殿。
事情聴取のためにコナン達を呼び寄せるが、3日前に東都銀行で強盗事件が発生したため、その捜査本部にかり出されていた。
その事件で妻のみどりが人質となり強盗犯に突き飛ばされてケガを負ったので、誰よりも捜査に気合が入っている。

  • 白鳥任三郎

ご存知御曹司警部補。
劇場版オリジナルキャラだったが、今回で原作初登場を果たす。
本日付で警部に昇進したらしく、部下の刑事に何かと「今日から僕は警部だから」と言っていた。まるで後の誰かさんのように。
今回の刺殺事件は3日前の強盗事件の犯人によるものと考え、動機は加代に顔を見られたと思った口封じと推理。
そして犯人は加代を刺す直前までエアロバイクの後ろの本棚に隠れていたと考える。
どうやら彼も佐藤に好意を寄せているようだが……

  • 松本清長

ご存知一課の管理官。
エピローグに少しだけ登場。

  • 宮本由美

警視庁交通課の婦警で佐藤の親友。ちなみにフルネームが判明するのはもう少し後になる。
昨夜飲み屋で佐藤を酔わせ、一課に彼女の好きな人がいる事を知る。
その「好きな人」は高木の事だと考え、今朝その事を高木に話していた。

  • 目暮みどり

目暮の妻。
東都銀行に来ていた際に強盗事件に巻き込まれ、激しく抵抗する加代に代わって人質となる。
加代と違って自ら進んで人質になったが、強盗犯に突き飛ばされてケガを負ってしまったので、目暮はいつにも増して気合を入れて犯人をあげようとしている。
今回は会話の中でのみの登場だが、後の事件で容姿と意外な経歴が明らかとなる。

  • 小林刑事
  • 横山刑事

CV:布目貞雄・井上隆之
アニメオリジナルキャラの捜査一課刑事。
小林は前編に、横山は後編に少しだけ登場している。



【以下、事件の真相。さらなるネタバレにご注意ください】


























…まったく…
本棚を起こす時、念のためはがしたんだが…


それがアダになるとは…



増尾桂造
今回の事件の犯人。
刺される寸前まで加代がこいでいたエアロバイクと、彼女の後ろにあった本棚を使い、遠く離れた警視庁にいながら彼女を刺殺した。
まずは本棚の一番上の棚に本をぎっちり詰め、ナイフをその隙間に差し込む。
そのままだとトリックが作動する前に見つかってしまう恐れがあったので、ナイフの上に本を積み上げて見えにくくしている。
次に画鋲を、針を上にした状態で本棚の上部にしっかり取り付け、そこにタコ糸の輪を引っ掛ける。
このタコ糸はエアロバイクのペダルに繋がっているので、加代がエアロバイクをこぐだけで糸が巻き取られて本棚が倒れ、ナイフが加代の背中に刺さる事となる。
トリックを仕掛けた後は加代がトレーニングを始める2時頃に警視庁から電話をかけ、
エアロバイクの仕掛けで電話中に加代の背中にナイフが刺されば、これ以上ない鉄壁のアリバイが完成するというわけである。
そしてタコ糸は、エアロバイクの回転の惰性で巻き取られてしまう、という仕掛け。


一緒に家に来た高木達に2階を見てくるよう頼んだのは、リビングに入られたら仕掛けがバレてしまうためと、本棚を片付け画鋲を回収するための時間稼ぎ。
リビングに入ってすぐに悲鳴をあげなかったのは、倒れている本棚を元に戻していたから。
またナイフをテープで固定しなかったのは、万一先に刑事に踏み込まれて現場を見られた場合に、本棚が倒れているのを犯人と加代が争った跡に見せかけようとしたからである。
本棚を元に戻した時に本棚に取り付けていた画鋲を回収するが、それをポケットに入れていた事をつい忘れていたのかそれとも単なるうっかりなのか、手を突っ込んだ時に指を刺してしまう。
その様子をコナンに見られた事で、彼にアリバイトリックを見抜かれる事となった。
万が一警察に本棚についた血や画鋲を発見されても、画鋲は被害者がダイエット目標を書いた札をかけるため、血はその際に指を刺してしまったため、と言い訳するつもりだった模様*1。
しかし、トリックを見破られてしまったうえにポケットに入れていた画鋲を使ってトリックを再現されそうになったため、「試さなくてもうまくいきますよ…」と犯行を素直に認めた。


動機を訊かれた際には「加代の保険金目当てで強盗の仕業に見せかけて殺した」と答えるが、コナンと佐藤には本当の動機を見抜かれていた。
実は先日起きた銀行強盗事件の主犯は彼であり、友人とつるんで自分の銀行から2億円を強奪したのである。
だが強盗に入った際にたまたま来店していた加代を誤って人質にとってしまった事で、声や雰囲気で彼女に強盗犯の正体が自分の友人だと気づかれてしまう。
強盗犯が人質を変更したのも、暴れられたからではなく、主犯の妻だったからであった。
最近の加代の様子から近々警察でその事を話そうとしていると感づき、全てをバラされる前に彼女の口を封じたというのが今回の殺人事件の本当の動機であった。


ちなみに今回の銀行強盗は贅沢三昧で金遣いの荒い加代のために計画した事だが、その発端となった加代を殺害する事になるとはなんとも皮肉な結末であった。


  • 増尾加代

銀行強盗に人質にとられた際、強盗犯の声や雰囲気から桂造の友人だと気づき、警視庁を訪れた際にその事を話そうとしていた。
自宅のアルバムにマル印をつけていたのは、このアルバムを警察に持っていって「強盗犯はこの人達」と言うためであった。
「警視庁へ1人で行く」と言っていた事から、主犯は桂造である事にも薄々感づいていた可能性もあるが、友人から計画の全容がバレるのを恐れた桂造に先手を打たれ殺される事となった。


金遣いが荒いのは決して褒められたことではないが、夫に義理立てすることなく警察に犯人を教えようとして殺された、気の毒な被害者であった。
強盗の動機が自分のためであることも知らなかったと思われ、仮に知って(気づいて)いたとしても、強盗事件を起こしたのはあくまでも桂造の勝手な判断なので、それを告発しようとした彼女の行動自体には落ち度は無い。
そもそも、強盗犯が逮捕されたら金も手に入らないので、彼女が知っていたとしたら告発するメリットは何も無い。
それでも告発しようとしたということは、加代は何も知らなかったか知っていてもそんな金は不要とばかりに犯人を告発しようとした常識人か。どちらにせよ、加代には落ち度は無い。

  • 銀行強盗犯

正体は桂造の友人である男性2人組。
殺人事件が解決した2時間後、自宅マンションで強奪した金を数えていたところを刑事に踏み込まれ、そのままお縄となった。



【事件解決、その後】
昇進早々手柄をあげた事で、白鳥は「流石だな」と松本に褒められる。
白鳥は「あれしきの事件…なにも僕の頭脳を活用しなくとも…」と謙遜するが、そこに事件解決の立役者であるコナンを連れた佐藤が現れる。
「みーんなこの子のおかげだもんね!!」と佐藤に褒められつい照れるコナンであったが、
そんな彼を見て白鳥は「幼稚な子供の方が大人より先に知恵の輪を解く場合もあるし」と面白くない様子で呟いた。


事件が解決し、そろそろ夕食時であったので、高木は佐藤を食事に誘おうとする。だがその前に白鳥が彼女を夕食に誘ってしまった。
白鳥に誘われてまんざらでもない様子を見せる佐藤を見て、「佐藤の好きな人=白鳥」だと考え落ち込む高木。
ところが佐藤は「私フランス料理苦手だから」という理由でその誘いを断り、白鳥は「それは残念…」と肩を落としながら去っていった。
佐藤がフランス料理が嫌いだった事を知り驚く高木であったが、佐藤が白鳥の誘いを断った理由はフランス料理が嫌いだからではなく、肩がこりそうな高い店が苦手だったからであった。


その後は佐藤にラーメン屋に誘われ、喜んでお供しようとした高木であったが、そこにほろ酔い状態の目暮が登場。
どうやら銀行強盗事件の解決を祝い、特捜本部の刑事達と近くの飲み屋で祝杯をあげているらしい。
だからと言って酔った状態で本庁に入るのはさすがにいかがなものか…というかケガをしたみどりさんのところに行かなくていいの?
目暮に祝賀会に誘われた佐藤は、二つ返事で目暮について行くが、それを見た高木は「佐藤の好きな人=目暮」という結論に達し、思わず顔が青ざめる。


意外すぎる恋敵の登場でかなりのショックを受けた高木は、佐藤の誘いを断って古城の事件の事情聴取を行う事に。
しかしショックのあまり仕事に身が入らず、探偵団に「いつになったら始めるんですか?」「早くしてくれよ!」などと文句を言われるのだった。




追記・修正は、女刑事に片思いしてからお願いします。

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