希陽の禍龍と万藾の祝樂

ページ名:希陽の禍龍と万藾の祝樂

登録日:2018/02/17 Sat 19:43:41
更新日:2024/02/19 Mon 11:43:18NEW!
所要時間:約 30 分で読めます



タグ一覧
メルクストーリア 少数民族の国 故郷 すれ違い 国別イベント 2周目の締め括り 希陽の禍龍と万藾の祝樂



希陽の禍龍と万藾の祝樂」はメルクストーリアの少数民族の国二週目イベント。
一民族に焦点を置いた一周目と異なり、様々な民族の交流が描かれている。



【あらすじ】

様々な民族が独立して暮らす、少数民族の国。
ジャモ商隊と共にクシャの地へやってきた主人公たちは第二皇子のユゥルと仲良くなるが、その傍にはテンライという人ならざる存在が侍っており……。
幼い皇子が旅立つ時、民族を超えて新たな時代が動き始める!



【登場人物】

  • 主人公
  • メルク
  • ジャモ

主人公御一行。詳細はメルクストーリア参照。


  • ユゥル

クシャの第二皇子。
明るく優しいが泣き虫な少年。
世間知らずなため、少しでも信頼を寄せた相手の言うことを真に受けがち。


  • グエン

故郷を持たず、様々な依頼を引き受けながら旅をしている青年。
「等価交換」を心情としており貸し借りや深い付き合いを避けており、少し捻くれた性格をしていが、
顔が広く彼を慕うものも多い。


  • テンライ

両親と兄の多忙により寂しさを感じていたユゥルの面倒を見ている謎の女性。
自分の存在を他人に教えないようにユゥルに言い聞かせていた。


  • ジュエン

クシャの第一皇子。クシャの政策を一人で担っている。呪術の使い手。
近頃は激務による疲労で肉体的に虚弱になっている。
弟のユゥルを愛しているが、彼に纏わりつく良くない気によって体調を崩すため長時間は触れ合えず誤解させてしまっている。


  • ルオシャ

クシャの皇家に使える部大将の女性。
真面目で有能だが、天然で猪突猛進、人の話を聞かないところがあるのが玉に瑕。
可愛いもの好きで、特に猫に目がない。


  • ホロロ

「大風」と呼ばれる天災で3年前に滅んだ集落・ヨルダ出身の少女。
3年前から涙が止まらない体質となっている。
同胞が集まれば故郷を復興できると信じ、各地に散った同胞を探し旅をしている。


  • ランファ

剣舞を伝統として受け継ぐイルハン出身の少女。
剣舞の修行のためにヘーゼルとネズと共に旅に出た。


  • ヘーゼル

イルハン出身の少女。
あまりにも下手で危険なため剣を持たせて貰えず、自己流の踊りを踊る。
裁縫も得意で衣装も自己流にアレンジしている。


  • ネズ

死者の国出身の青年。呪術の研究のために少数民族の国に訪れランファたちと共に旅をする。
趣味は研究とイタズラ。ヘーゼルの踊りも好き。


  • ザウル

各地の村を周り、商売や情報で糧を得ている男性。
かつては血気盛んな傭兵だった。


  • エンフィー

仙術師の弟子の女性。
山に籠もり修行している師に代わり俗世に出向くことも多く、仙人を名乗り調子に乗っている。
現在は師匠が留守にしているためエントラに指導されている。


  • エントラ

仙郷に住む仙術師の女性。
膨大な気を宿す体質であり、それを制御するために仙人となった。
実年齢は62歳だが、無茶な修行で異例の速さで仙人となったため外見は若い。
しかし、体を酷使し過ぎた反動で、定期的に薬酒を飲む必要がある。
かつて、共に旅した少年に求愛され自身も満更では無かったが、仙術師と只人の時間の流れの違いを理由に、受け入れることなく去った過去を持ち、そのことを悔いている。


  • カザニ

刺繍を伝統とするハタ族の族長の娘。
村のことを第一に考えており、他部族や他国との交流にも意欲的。


  • カペル

酪農を営むハタ族の女性。
常に意味有りげに微笑んでいる。


  • ウェンロン

ハタの村の護衛に雇われているリャン族の男性。
カペルに思いを寄せている。


  • アナーヒト

部族の歴史を紡ぐ語り部の女性。
可愛いと感じた男性に女ものの服を着せる趣味を持つ。


  • シオン

イルハン出身の少年でヘーゼルの兄。
剣舞の腕を磨くため見識を拡げようと旅をしている。


  • エヴァン

呪術師を重要視する、とある民族の呪術師見習いの少女。
兄のように慕っていた青年の危機を予知し、助けるために単身村を飛び出し旅をしている。
火球を操る術を使うが、制御できておらず感情に合わせて勝手に火の玉が出現する。


  • ラディット

エヴァンを娘のように可愛がっているお目付け役。それ故に村の制度に疑問を抱いてもいる。
村を出たエヴァンを連れ戻すために旅をしている。


  • マウム

何らかの理由でヨウのもとに身を寄せている10歳の少女。
不躾な態度を取られるとすぐに蹴りを入れる性格。


  • ヨウ

戦闘に特化したリャン族の青年。マウムの面倒を見ている。
自分たちの「普通」が他の一族の普通と異なることから、マウムの負担となっていないか悩んでいる。


  • 水神/テイシュウ

祠で水神として祀られている男性。
肉体を無くし気の塊となった元人間。自身を水底から掬い上げた妻を第一に考えている。


  • ナターシャ

とある部族の水の御使い。
過去に行方不明となった時期に、水底で揺蕩うテイシュウを見つけ彼を夫とした。


  • リンジー

水神に使える祈祷師の少女。
恋愛話が好きで、ナターシャや訪問者の恋愛相談に乗っているが、本人は恋愛したことはない。


■モンスター

  • イグラシド

縄張り意識の強い鷹のモンスター。
人に慣れた個体は畑の害獣を追い払うなど、パートナーとして活躍している。


  • クラーリン

瘴気を食べ浄化する金魚のモンスター。
水中だけでなく、空も泳げ瘴気を生む生き物の近くに生息する。


  • ラムハーン

モコモコの体毛を持つ、草食で温和なモンスター。
群れで行動すると言う設定通り、クエストでは中ボスにも関わらず約30匹の数の暴力を仕掛けてくる。


  • 禍龍ヨウコク

瘴気を帯びた泥を纏った禍龍。かつて星読みの里を襲ったと伝えられている。
瘴気は草木を枯らし、水を汚染し、生き物の心を病ませる。



【ネタバレ】


????「どうして、母上 (br,11)あなたの元だけが、帰るべき場所なのに (br,11)泣かないでいい子で待っていれば、帰ってきてくれるの?」




商隊の護衛としてクシャの村に滞在していた主人公とメルク。
第二皇子のユゥルは、彼らに懐き明日の夕食に誘うが、商隊は明日出発する予定だった。


外はモンスターがいて危険とテンライが言っていたと引き止めようとするユゥルに、
癒術について説明し、外に出る機会があれば本当に危険なだけの存在か確かめて欲しい。
もしかしたら、モンスターの友達ができるかもしれないと諭すが、
「ぼくの友だちは主人公とメルクだけ」と走り去ってしまう。



翌日の夕方、商売が上手く行きウハウハのジャモを横目に主人公たちは落ち込んでいたが、
出発の間際、ユゥルは見送りに駆け付け、手作りのお守りを手渡し笑顔で別れることができた。


邑に戻ったユゥルに、喧嘩別れほどつらいものはないと我慢し手見送りに行ったことを褒め、
兄との夕食前に着替えるために部屋に向かいながら和やかに会話していたが、


テンライ「姿映しの術? あ……うっ!」



テンライの存在を察したジュエンとルオシャは、
ユゥルに取り憑いた化生の者とテンライを追い払ってしまう。
「健やかに育って」と消える間際にテンライが遺した言葉と共に、遺跡を幻視したユゥルは、
遺跡を見つければテンライを救えると考え、各地を旅する主人公達なら遺跡の場所を知っているかもと、彼らを追い雨の中に飛び出すが、ぬかるみに足を取られ力尽きてしまう。


商品輸送の依頼を受け旅をしていたグエンは、
そんなユゥルを目撃し、気絶した彼を馬車に運び、ルオシャも誤魔化し連れて行くことにした。




一方、主人公一行は雨の中に倒れた女性を発見し、助けようと駆け付けるが、
彼女を襲っていたイグラシドの群れに襲われてしまう。
数が多すぎて窮地に陥るが、偶然通りかかったイルハン出身の三人組に助けられ、どうにか窮地を乗り越える。


気絶した女性を馬車に運ぼうとする中で、ネズは彼女の杖に付いた玉が異常なものと察し触れないように忠告を送った。




ジュエンとルオシャは、化生の者がユゥルを攫ったと考え、
仙術師の力を借りることを決め、仙術師を名乗る少女が現れるという噂のエンの里を目指し旅立った。






グエン「オレはな、お前の見た場所に行きたいんだ。お前はその場所の記憶でオレを案内しろ。代わりにオレはそこまでの足になってやる」
ユゥル「それがとーかこーかん?」
グエン「ご不満か?」
ユゥル「う、ううん! わかった案内する!」


依頼人のザウルと合流したグエンがユゥルについて説明していると、ユゥルが目覚める。
状況を掴めていないユゥルに対し名乗ろうとした矢先、ザウルが誘拐犯などと茶々を入れたため騒動になるも、
ユゥルと共に遺跡を探すことを決め、心当たりのありそうなザウルの友人の元を目指すこととなった。


ユゥル「えへへ、あの、グエン」
グエン「ああ?」
ユゥル「助けてくれてありがとう。うふふ。グエンはいいひとなんだね」
グエン「お前、等価交換の意味わかってないな」





ハタの村に到着した主人公一行は族長のカペルから歓待を受ける。
カペルは、イルハンの伝統衣装からランファ達の出自を見抜くと、ハタの伝統である刺繍を披露、
ランファが衣装を自作していることを知ると、ハタの刺繍にも興味を示すだろうと、
ひと目ひと目想いを込めて針を指す縫い目に宿す歴史を語り、
ネズも興味を示すが、詳しく説明しようとした矢先、モンスター襲撃の警報が響く


過去に癒術師に癒やされたはずのラムハーンの群れの暴走に、戦闘要員総出で対処に当たろうとするが、
癒術が効いている筈なのに興奮が収まらず、さらに謎の泥によって剣は防がれてしまう。
暴走の原因が泥と推測し、ランファの剣なら泥を削ぎ落とせることも判明するが、多勢に無勢な状況だったが、


ホロロ「光を」


目覚めたホロロが、杖から光を放ちラムハーンを気絶させ、
なんとか泥を削ぎ尽くし癒やすことができた。



自体が収束し宴が開かれることもなった夜、
ネズはホロロの持つ杖に付けられた玉が「龍玉」と指摘、
ホロロ自身も玉の正体は知らず、故郷の開けてはいけないとされた祠の中にあったものだと説明する。


開けてはいけない祠にあった玉をホロロが持っていることを不思議がるメルクに、
3年前に故郷が滅びた際に、祠も壊れその時に出てきたものと説明。
主人公は故郷が滅びたと聞き絶句するが、ホロロ自身はあくまで明るい。


ホロロ「たしかに人が住めない土地になっちゃいましたけれどちょっとの怪我人だけですんだんです! (br,12)水に沈んだ故郷だって、私がいつの日か各地に散ったみんなを見つけて、また元通り復興させますし!」


ネズは強大な力を宿す「龍玉」と開けてはいけないとされていた伝承から、何か祠に役目があったのではと訝しむが、
ホロロも祠の由来を知らず、ホロロが村を離れた時点で異変が無かったかどうかも、
村は水底に沈んでいて確認できなかったと聞き納得し、疲れが残るというホロロを除き皆で宴に向かう。


宴ではランファが剣舞を披露することとなるが、
故郷を襲ったモンスターから村を守った英雄の踊り、
モンスターを倒したことを祝う踊りと、癒術師である主人公に見せることを躊躇うも、
主人公は王国にも似た過去はあり、そうした過去の先に現在があると観覧する。


ランファの剣舞に感嘆する主人公たちを見てヘーゼルは、ランファは兄に並ぶ一族1の剣舞の舞手だと我が事のように喜ぶが、
ハタの伝統を知ったこともあり、衣装や舞をアレンジしてきた自身に落ち込んでしまう。



カザニ「それも必要なことさ」 (br,12)「受け継ぐということは同じものだけを残していくということではない」


変化がなければ発展はない、その理由を忘れなければ伝統は続くと諭し、
ネズも死者の国との交流の軌跡を示したものとランファが手を加えた、自身の衣装を宝物だと続け、
ランファも剣舞をヘーゼルがアレンジした舞に変化させていく。
主人公も交えみなで舞を踊り、その様子を見てカペルはイルハン、そしてハタにも新たな風が吹いていると確信し宴の夜は更けていく。


そんな宴から少し離れ、ウェンロンはジャモの口車に乗り商品を勧められていた。
異国の物品をカペルに贈り好感度アップと脳内シュミレートを始める。
結婚しハタに残ることとなり、リャンにいる友人のヨウに相談した段階で、
ヨウが世話している子供が、ホロロと似た帽子を身に着けていた事に気付く。





ザウルの友人・ロウソウが滞在していた村を訪れたグエンとユゥルだが、余所見をしたユゥルが逸れてしまう。
ユゥルがグエンに心当たりがあるというアナーヒトと出会い、彼女と共にグエンを探し始めた頃、
グエンはイルハンに滞在していた頃の知り合いのシオンと再会、
修行の一環として手合わせを望むシオンに、等価交換でユゥルを探させようとするが、
探すまでもなくアナーヒトと合流、「グエンは友人が大勢いる」と感嘆するユゥルにただの依頼人と否定しつつ会話を続けていると
シオンがロウソウの居場所を知っていると判明、手合わせすることを対価にロウソウの居場所を聞き出し、二人にユゥルを預けロウソウ元に向かう。



ユゥルにグエンと手合わせしたがる理由を問われ、答えられずにいるシオンを見て、
アナーヒトはイルハンの伝統音楽を奏で、剣舞を舞うように促す、


シオン「しかし……、僕はまだ未熟な身なのです。それゆえ、師に旅へと出されてしまった。見聞を広め、己が踊りを極めよと」 (br,12)「……旅に出ても、未だにわかりません。自分の踊りとはいかなるものなのか。受け継がれてきた剣舞を……、僕がいったいどう踊ればいいのか」


迷いながらも舞うシオンを真似て、ユゥルも楽しげに踊り始める。
剣舞を習いたいなら自分よりも師に請うた方が良いと俯くシオンだが、
ただ楽しいから踊っているだけなのに気にしすぎだとアナーヒトに諭される。
お祝い事で舞う踊りなのだから楽しいのは当然というアナーヒトの言葉、そしてユゥルの様子を見て、
剣舞の舞い手を志した理由を思い出したシオンは、微笑みながら剣舞を披露する。




商人を連れて仙郷へ戻ったという仙術師を追い、
霧に包まれた険路を進むジュエンとルオシャだが男性に追われる少女と出会い、彼女を助け一時撤退する。


呪術師の少女・エヴァンの感情の高ぶりに合わせ出現する火の玉から、
追跡者に見つかることを避けるために対処しようとしていると、
火の玉を仙術師によるものと誤解しやってきたエンフィーと彼女に連れられたザウルと遭遇、
テンライについて尋ねると詳しい説明は仙郷に着いてから行うと告げるエンフィーだが、
里に戻る方向など見当違いの場所に向かっていく。


????「エンフィー……、まったく困った子ですね。 (br,11)軽々しく仙術師の名をかたってはなりませんと、あれほど言い聞かせたと言うのに」
エンフィー「ひぃっ! こ、この声は……! (br,23)酒仙・エントラさま!」



ジュエンからテンライについて聞いたエントラは、仙術師の成れの果てに似ていると告げる。
気を司り長い月日を生きる仙術師だが、最終的に肉体そのものが気へと転じて散逸してしまうという。
しかし、自分ではテンライの正体を断定は出来ないと
自分よりも詳しく説明出来るという水の神に紹介すると続けた。


ユゥルを救えると安堵するジュエンだが、溜め込んだ疲労により倒れてしまう。
ジュエンが回復するまでの間、エヴァンはラディットが暴漢だと言う誤解を解き、
自身の村の伝統や旅の目的について説明する。
呪術師を重用する村に生まれ修行をしていたが、兄のように思っている人物の危機を予知し助けるために旅に出ようとし、
自分の理解者だと信じていたラディットが、実際は村長の命令で自分を監視していたと知り一人村を飛び出たと。


エヴァンの話を聞いたエンフィーは自分が力になると太鼓判を押し、
エントラに目的の人物の居場所を突き止めるよう頼みに行こうとする。
日が明けてからでもいいのではないかというルオシャの言葉を、ザウルと会ってからエントラの様子がおかしいと押切り、エントラの元に向かおうとするが、
仙郷の外に迷い出て暴走するラムハーンの群れに襲われてしまい、
霧の中をエヴァンを探し続けていたラディットに救われる。


傷だらけとなってまでエヴァンを探し続け、そんな状態でラムハーンから彼女を守りきったラディットの様子を見たルオシャは、
弟を溺愛しながら、弟に負担をかけないように本心を圧し殺し続けている、とある知り合いを連想し、
エヴァンにラディットと話し合うように促した。




翌朝、ジュエンたちは水の神を訪ねに、
エヴァンとラディットは尋ね人を助けてから村に帰ると、
それぞれの目的のために別れ仙境から旅立つ。
ザウルも同じく仙境を出ることとなり、案内に着いてきたエンフィーに問われ、
エントラを若気の至りで落とし損ねた女だと答える。
彼らを見送ったエントラは、この教訓からエンフィーが自分と同じ間違いを犯さないよう祈りつつ、ラムハーンに付着していた泥を調べ始めた。




ハタの村にしばらく滞在することを決めた、ランファ達と別れ、
主人公一行はホロロの同胞がいるというリャンの村を目指す。
道中、ホロロの郷土料理に舌鼓を打ちつつ、薄紅色の花が咲き誇るヨルダの復興を応援する一行だが、



マウム「なにを馬鹿なことを言っておるのだ。つきあってられん。私は修行に忙しいのだ。あの地は諦めるがいい」



族長の娘だったマウムは取り付く島もない拒絶の言葉を返す。
なおも復興を諦めないホロロに今一度ヨルダを見に行くように告げ、


マウムの故郷を知りたいと同行したヨウを加え、ヨルダへと向かう。
ヨウは馬と走るのが気持ちいいという主人公の言葉に戦闘民族である自分にはない「普通」を感じ取り、
マウムがそれを育んだであろう故郷に思いを巡らすが、



たどり着いたヨルダの地は濃い瘴気を帯びた泥に飲まれていた。




主人公「マウムが言っていたのはこのことだったのか。ホロロが思ってるより、故郷の再興は難しいってことを伝えようと」
ホロロ「そうかもしれませんね。でも、大丈夫ですよ」 (br,12)「大丈夫なんですよ。みんなで協力すれば、きっと元通りになりますから」
メルク「ホロロさん……?」
ホロロ「ふふ、早く主人公さんたちに見せたいなあ。季節が来ればヨルダの花が谷中に咲いて、風が吹くたびに薄紅色の花びらが舞うんです! (br,12)それはとってもきれいな光景で、子どもの頃は友だちと一緒に花びらを追いかける遊びをしていました (br,12)そうだ! 主人公さんたちが里に来た時には、友だちを誘って祝宴を開きましょう! (br,12)みんな、今はバラバラですけど私が居場所を見つけさえすればなにもかも元通りになるんです (br,12)そう、みんな元通りに! 何にも変わらずあの頃のまま、また花咲く地に……」


マウム「戻らぬのだ!



人の手では決して叶えられない理想に縋るホロロを一活すると、
涙を滲ませながら、かつて馬とは円も縁もなかった自分が馬に乗りこなす様に、
他の同胞も、すでに新たな居場所を見つけ根付いていると説く。


それでも、自分の居場所はヨルダにしかないとホロロが湖に近付くと、
それに呼応したかのように泥中から龍が現れ襲いかかる。
ホロロは主人公に庇われたが、主人公は龍が纏う泥に飲まれ、龍ごと湖底に消えてしまった。




エントラの紹介を受け、水神の祠へと向かったジュエンとルオシャ。
彼らを待っていた水神は、テイライと同じように肉体を失った魂の残骸・テイシュウだった。




ロウソウから得た情報をもとにグエンとユゥルは、遺跡・かつての星読みの里にたどり着く。
またもグエンと逸れたユゥルは金魚のモンスターがタカを突付いているのを発見し助けようと追い払うが、タカもまたモンスター・イグラシドで怯えて逃げ惑っていると、


勇気を出してタカを救おうとしたユゥルを褒め、その相手がモンスターだったことを慰めながらテンライが姿を見せた。
再会を喜びテンライに駆け寄ろうとするユゥルだが、



「行くな!」



二人を割って裂くようにグエンが姿を見せる。


グエン「こいつに今、何しようとした?」
テンライ「ただ触れようとしただけのことです」
グエン「そして体を乗っ取ろうとしたわけか」


テンライが、かつて自分にしたように、
気の質が似たユゥルの体を乗っ取り目的のために利用しようとしていると責め立てる。


困惑するユゥルを連れ、逃げ出したグエンだがテンライの術を防ぐために力を出し切り倒れてしまう。
テンライが光を苦手としながらも、光のない闇の中では活動できないことを伝えると、
「足手まといのお前がいない方が安全だ」と夜のうちに一人で逃げるよう言い残すが、
ユゥルは気絶したグエンを見捨てられず、近寄るイグラシドから庇いつつ、道中で通りかかった村へ向かって引き摺って行こうとするが、自身も疲れきり倒れてしまう。




エントラから受け取った術具を使いグエンを探していたエヴァン達はイグラシドの案内で、
倒れる二人を発見し、近くの洞窟で治療し、一足先に目覚めたユゥルに、
10年程前にエヴァン達の村を訪れた、自分に故郷はないと語っていた抜け殻のようだった少年・グエンとの関係を語る。


翌朝、グエンとエヴァンたちが情報を交換していると、
またもイグラシドがユゥルの前に現れる。怯えるユゥルだが、
グエンはイグラシドがすでに癒やされていることに気付き、
出会った状況を聞いたラディットは、クラーリンは瘴気を食べる大人しいモンスターで襲っていたと言うのは誤解、
それでも助けようとした気持ちが嬉しかったのだろうと推測し、ユゥルとイグラシドは友達となる。


グエンの危機を救うという目的は達成し、あとはグエン自身がなんとかするだろうと、
ラディットがエヴァンを連れて村に帰ろうとしたタイミングで、
彼から連絡を受けたルオシャがユゥルを迎えに現れた。


自分を騙しユゥルを連れ去ったグエンを敵視するも、ユゥルの説得でジュエンの判断を仰ぐと、水神の祠へと向かう。
グエンとユゥルから経緯を聞き、一応はユゥルを助けたことから誘拐は不問とし、テンライについて話題を移すと、
テンライの兄・水神テイシュウが姿を現す。


ただの気の塊が神を名乗っていることを訝しむグエンに、当然の反応だと笑い返すと、自身とテンライが元は人間だったことを語り始める。


テンライより早く肉体を失い最近まで水底を漂っていたと、今のテンライについては知らないと続け、
テンライの気を帯びたグエンの方がよく知っているのではないかと問いかけた。


完全に体を乗っ取るには対象に受け入れられる必要があり、
ユゥルに行っていたように、テンライは孤児の自分を誑かしていた、
しかし、体質が合わなかったようで自分を置いて消えたと説明。


グエンがテンライの素性までは知らなかっことから改めて、テンライが体を求める理由を、
テンライの過去についてテイシュウに問いかける。


肉体を失うと少しずつ記憶が削られていくため、多くは説明出来ないと前置きしつつ、
自分が人間だった頃の最後の記憶は、禍龍が星読みの里を襲撃した時のもので、
禍龍を封じるために禁呪を使い、代償として肉体を失った。


テンライが自分と同じく肉体を失ったということは、
おそらく自分を蘇らせるために不可能と知りながら禁呪に手を出し失敗したのだろうと推測すると、


長い時を水底で揺蕩ううちに自身は里や禍龍に対する想いも薄れているが、おそらくテンライは違うのだろうと、
彼女を孤独の昼へと閉じ込めた元凶である禍龍に復讐しようとしているのだと語る。



日も落ち水神の祠で一夜を過ごすこととなり、
ジュエンは、彼女の目的を知ってなおテンライを案ずるユゥルに、二度とテンライと会わないように命じる。


ジュエン「……あなたが彼女を信じたいというのなら。優しい思い出のままに。たとえ恨まれようと僕はあなたを……」


そのまま去ろうとしたジュエンだが、隠れて様子を見ていたルオシャの空気を和ませようとする言葉に思わず笑ってしまう。
ユゥルも、ジュエンがグエンと同じで「辛い本心を隠している」ように見えると告げ、
ジュエンはユゥルを愛していることを言葉にし、寂しい思いをさせていることを謝罪し、
ユゥルも、黙って村を出て迷惑をかけたことを謝罪し和解する。


改めてテンライについて話し合おうとするが、突如、水底から龍が現れユゥルに襲いかかる。
とっさにグエンが救ったことで泥に飲まれることは防いだが、龍の瘴気に当てられたユゥルは気絶する。


暗闇の中、ユゥルの前にテンライが現れ、
モンスターは恐ろしい存在であること、そして龍に主人公が囚われていることを教え、
自分からすべてを奪った龍を滅ぼすまでの間だけ体を貸してほしいと続ける。


ユゥル「だめだよ、テンライ」
テンライ「……殿下。もはやわたくしのことは信用なりませぬか? やはり、お嫌いになりましたか?」
ユゥル「……ううん。あのね。いまでもありがとうって思ってるの (br,11)いつも一緒にごはんを食べてくれたでしょ? (br,11)それはテンライにとって、とてもつらいことだったのに。あれはきっと、ぼくのためでよね」
ユゥル「だからね。たとえ、ぼくにとってつらいことだったとしても (br,11)今度はぼくがテンライを助けてあげたい」
テンライ「殿下、ならは……」
ユゥル「でもねテンライ (br,11)テンライのお願いは、本当に龍を倒すことなの?」



ユゥルが目覚め、テンライの気配が消えたことを察すると同時に、
龍は後退し川へと姿を消した


ルオシャ「いったいなんだったのだ、あの龍は」
グエン「……、禍龍」



報告を受け、ユゥルの治療をしていたテイシュウは、
彼が持っていたお守りにテンライの気が宿っていた痕跡から、お守りのおかげで瘴気に飲まれても無事だったのだろうと推測。


グエンもまた、テンライが去ったと言うユゥルの言葉と同時に龍が姿を消したことから、
龍の狙いがテンライであること、かつて星読みの里を襲った禍龍だと続ける。



禍龍の帯びた膨大な瘴気、そして星読みの民でさえも封じるのがやっとだったと言う実例から、
ジュエンは野放しには出来ないと龍に立ち向かうことを決めるが、
先程の戦いでも防戦一方で、祠から離れられないテイシュウの協力も得られないと、テンライと手を組むことを決めた。



その頃、一人考え事をしていたグエンのもとにテイシュウが現れ、
星読みの地の真の名前が「グエンの地」であることを教え、テンライが彼を故郷としたかったのではないかと伝える。
否定しながらもテンライと過ごした幼少の一時を思い出していた。



テンライ「気にしないでグエン。わたくしの可愛い子。健やかに大きくおなりなさい。そうしていつか。わたくしと共に故郷へと」




水の流れから龍が地下水脈を通りヨルダの地へと向かったことを感知したテイシュウは、
そこが龍を封じた地であり、龍玉が存在していることをジュエンに教え、
ジュエンは、グエンにユゥルをクシャまで護送するよう依頼すると、
ルオシャと共にヨルダへと向かう。



翌朝、ジュエンの行動を知ったユゥルは、
龍の中に主人公がいること、そして主人公とテンライを悲しませることになるから龍を倒してはいけないとグエンを説得。
渋るグエンに策を伝える。


クラーリンが瘴気を食べ、癒術師が龍を癒やすという策を
穴だらけだと顔をしかめるグエンだが、ナターシャとリンジーは乗り気となり、
エントラやグエンの知り合い達にイグラシドに頼み書状を送るとヨルダに向かい歩を進める。




主人公が攫われてから数日が経ち、意識を取り戻したホロロは現状を知り、龍玉が龍を封じていたのだと推測。
龍玉を使い龍を誘き寄せ主人公を助けに行くことを決め、協力を決めたマウムが策を練ろうとしたタイミングで、
彼女をリャンへと連れてきた恩人であるグエンからの手紙が届いた。


アナーヒトやエントラ、エヴァン達のもとにも書状が届き、
ハタへの書状も、ランファ達の噂を聞き会いに向かったシオンが道中で傷付いたイグラシドを拾ったことで無事届けられた。




ジュエンと手を組んだテンライは、ヨルダが龍が封じられた地と知ると、
彼らの反対を制止し龍玉を探し瘴気に汚染された湖に潜る。



テンライ「ふふふ。わたくしが瘴気に乗っ取られ、策に障りが出ぬかと心配しているのでしょう。瘴気など……、とうの昔にこの身に宿しております。禍龍が故郷を襲ったあの日から



しかし、龍玉はホロロがすでに持ち出しており、


テンライ「どうして。裏切った。わたくしを。なぜ!



ジュエンに騙されたと誤解し怒りから瘴気に飲まれてしまう。


ユゥル達とエントラもヨルダへと辿り着き、
エントラは肉体がないが故に、自ら湧き出る瘴気と湖の瘴気が呼応し、放っておけば瘴気そのものに変わり果ててしまうと推測。


クラーリンに負担をかければ龍に対処できなくなり、封じるにも器が必要と相談しているとマウムが合流、
龍玉を器とすることを提案し、リンジーが術の準備が始める。


テンライを封じるには力が必要と、他の術師にも協力を求める


グエン「ちっ、知らねえ術式だ。期待はするなよ」
ナターシャ「星読みの一族が、かつて用いていた術だ。……テンライから教わらなかったのか (br,23)器にするのであれば、術は学ばせていた方が都合がよかっただろうに」



術を破ろうと龍玉を持つホロロを狙うテンライだが、ナターシャの体を借りたテイシュウが割って入る。



テンライ「なぜ! いや兄上さま! わたくしは龍を、龍を滅ぼさねばならぬのに……!」
テイシュウ「俺が龍を滅ぼさず、封じるにとどまったのは、お前がそう願ったからだったんだけどな」
テンライ「えっ……」


封印される寸前、テンライはユゥルの言葉を思い出していた。



ユゥル「テンライのお願いは、本当に龍を倒すことなの?」





テンライを封じ、テイシュウを宿した反動で倒れるナターシャを気にかける一同だが、


ナターシャ「我が夫君が……、龍が来ると」


息着く間もなく禍龍が襲来、焦る一同が、


禍龍「グッ、グウウッ!?」
カザニ「どうにか待ち合わせには間に合ったようだな」


グエンからの手紙を受け取った各地の民族が駆け付け、禍龍の動きを封じる。


龍を止めなければ瘴気の被害を受けるから当然手を貸すかと毒づくグエンだが、
「本当にそれだけだと思っているのか」と問いかけるアナーヒトの言葉に沈黙する。



しかし、禍龍の力は強大、そして帯びた瘴気も膨大で、
クラーリンの食事が追い付かず、術も解けてしまう。


龍の気を逸らそうにも、もう余裕がない、
再び術をかけても、クラーリンが食べ尽くすまでの時間は保てない。
やはり倒すしかないのかと、諦めの言葉も出始めるが、



ネズ「布を飛ばしてください!」


各地の呪術を研究していたネズの提案を受け、グエンが指揮を取り、
アナーヒトも飛行に使う、ハタの呪布をエヴァンたちが操作、
龍玉を持つホロロが囮となり、龍が一直線に移動するように誘導、
他の術師は、龍の動きを鈍らせる。



ジュエン「いったい何をするつもりでしょう……!」
ユゥル「わからないけど……。大丈夫だよ。グエンが信じた人だから」



彼らの行動を理解できてはいないものの信頼を寄せるユゥル、


ネズ「では、後は任せましたよ。ランファさん、シオンさん!」
ランファ&シオン「えっ!?」
グエン「俺は保証しねえぞ」


が、ネズとグエンは、ランファとシオンに丸投げ。
一瞬戸惑うシオンだが、自分以上に困惑するユゥルを見て、大丈夫だと告げるとランファに声をかけ、彼の言葉から得た新たな剣舞を披露する


ランファ「わかったわよ、シオン! 新たな時代には……!」
ランファ&シオン「新たな舞を……!」






(テンライ)
(どうして)
(俺は……)
(違う……!)
(違う、俺は、龍じゃない!)


暗闇の中、意識を取り戻した主人公だが、その意識は禍龍に取り込まれ始めていた。


???「お前、ほかのモンスターとは違うのですね」


どうにか脱出を試みようとする主人公は、誰かの声を感じ取り、そこに----龍の記憶を垣間見る。




凄まじい重圧に襲われ体を動かすこともできなくなった弱った龍に近付く一人の女性がいた。


テンライ「モンスターは皆、人を襲う恐ろしい生き物と聞いていました。けれど、お前のような人間を襲わぬ、心優しいモンスターもいるんですね」


膨大な気により人々を苦しめてしまうテンライは、一人里の外に出て龍と出会った。
人間に対してと同じように、弱った龍さえも苦しめてしまう程の気を放つテンライだが、
意図して人間を襲わない優しいモンスターなのだと誤解し、龍のもとに通うようになる。


時に治療と称して患部に触れ激痛を走らせ、時に共に空を飛びたいと勝手な約束を結ぶテンライ
そんな彼女を疎ましく感じ、弱ってさえいなければ手にかけることも出来るとすら思っていた龍だが、


テンライ「……太陽は嫌いでした。わたくしの力を増し、人々を傷つけてしまうから。でも、おかしなものですね。それゆえ人を避け昼間に里を出たおかげでお前に会うことができた。ヨウコク。陽が昇る地を意味する言葉です。わたくしに力を与えてくれるお前に、ぴったりな名だとは……、」
禍龍「グッ……」
テンライ「思いませんか?」
禍龍「グルルラアアアッ!」
テンライ「ヨウコク?」
ヨウコク「グルッ…! グウウゥ……ッ!」
テンライ「ふふっ。気に入ってくれたのですね」


メフテルハーネに生きるすべてのモンスターは癒やされない限り人間を襲う運命にある、
どこからか流れ込む衝動に飲まれ、やがては自身の意思に関係なく人間を襲ってしまう。
そして彼らを癒やす癒術も存在しなかった遠い昔



だが、癒やされず衝動に襲われ続けながらも、
自身のもとを訪ね続けるテンライに、確かに害意ではない何かを感じ始めていた。



やがて空を飛べるまでに体力を回復したヨウコクはテンライを探すが、



禍龍「グルアアアアッ!」
人々「きゃあああっ! (br,9)「龍だ!」 (br,9)「逃げろぉー!」
(だめだ)
禍龍「グルルアアアアッ!」
(やめろ! なんのためにここまで……!)
(……っ、だめだ! もう衝動を抑えきれな……)


衝動に飲まれ、星読みの里を襲ってしまう。


テイシュウが自身を犠牲に禁術を使い禍龍を滅ぼそうとしたその時、



テンライ「兄上さまっ!」



里のために犠牲になろうとする兄の思惑を察し、止めようとテンライが駆け付けた


テンライ「な……」
(なぜ)
テンライ「何故……」
(なんでお前が俺を!)
テンライ「なぜお前が里を!」



龍にできた一瞬の隙を見逃さず、テイシュウは力の源の龍玉を奪い取り、


禍龍「グルアアアアアッ⁉」
(やめろ! 返せ! それは、俺の大事な……)



テンライ「龍玉には形のないものが宿ると聞きます。わたくしとお前の約束も宿っているのでしょうか」



(テンライ!)



テンライ「ヨウコク。陽はまた昇るのです」



意識が途切れる間際、龍の脳裏によぎったのはテンライの笑顔であった。





並行して浮遊する二枚の布の上で、剣舞を踊るランファとシオン、
その間を通り抜けるようにホロロ----龍玉目掛けて突き進む禍龍。
二人が龍目掛け剣を振るうと、龍が帯びていた瘴気が剥がれ落ちる。


唯一、ラムハーンの泥を剥がせたランファの剣、
イルハンに伝わる剣舞の本質は瘴気を削ぐ呪法だと語るネズ。


龍玉を取り戻し、そして重く纏わり付いていた瘴気の剥がれ落ちた龍は空に向かい飛翔する。
それに合わせ、まるで涙のように天気雨が降り注ぐと、ヨルダを覆い尽くしていた瘴気も消え失せた。
瘴気に飲まれていた主人公も、雨とともに湖に落ち助け出される。
全ては解決した、瘴気に飲まれたまま龍玉へと封印されたテンライと水底に沈んだままの村を除いて。



ユゥル「ぼく、テンライを救うことができたかな……。ねえ、グエ……」
グエン「雨が降ってんな」
ユゥル「……そうだね」



俯いていたユゥルが、グエンに意見を求めようと目線を上に向けると、
晴れ渡った空には、澄んだ水色の龍。そして、その背に乗るテンライがいた。


ホロロも、その光景を見つめて静かに涙を零していた。




それから数日、クシャに帰還することになったユゥルは、
主人公の言っていたことは本当だったとイグラシドと共に笑顔を見せる。
微笑み返した主人公も、瘴気の中で無事だった理由がユゥルから貰ったお守りだったことを思い出し感謝し、
再会を約束して、商隊に合流する。


出発時間ギリギリに駆け付けたホロロは、自分も同行したいと申し出る。


ホロロ「私、この種を植える場所を探しに行きたいんです」




龍の対処に集まった面々も、それぞれの故郷へと歩を進めていた。


アナーヒトは村へと戻り今回の出来事が紡いだ新たな歴史を人々に語り、



ラディットは村に向かって歩みながら、良かったのかとエヴァンに問いかける。
「グエンに頼られた、それだけでいい」と答えながらも、
師匠に叱られることを案ずるエヴァンを見て、その時は一緒に怒られると笑いかけるのだった。



ハタでは、ウェンロンが出迎えに現れたカペルを前にしどろもどろになっていた。
カペルは、そんな彼の頬に口付けすると意味ありげに微笑み、テンパる彼を置き去りに何も言わずに去っていく。



イルハンに帰還する道中、
各民族に伝わる呪術と文化、それらがパズルのように噛み合ったことに興奮し語り続けるネズと、その様子に呆れるランファ。
ヘーゼルはシオンに踊りを見せて欲しいと請われ笑顔を浮かべていた。



仙郷へと戻り、いつもと同じように月を望み薬酒を嗜むエントラ
一つ違うのは、その隣にザウルがいるという点。



リャンでは、ヨウがマウムに、ホロロ達と共に行った方が良かったのではないかと問いかけていた。
リャンの「普通」を気に入っていると下手糞な蹴り技を見せるマウムに微笑むと、
二人で咲き誇る薄紅色の花を見つめるのだった。




クシャに戻ったユゥルは、無事の生還を喜ぶ臣下達やジュエンとルオシャに笑顔で迎え入れられ、
ここにはいない誰かに思いを馳せていた。


ユゥル「いつでも帰ってきていいんだよ。ぼくのところに。それからきっと、みんなのところに」




皆が故郷に帰ったその頃、故郷を持たないグエンは
テンライが去ったことで緑に飲まれつつある星読みの里に訪れ、今後どうしようかと思案していた。



???「グエン」



何者かの呼びかけに驚き目を開き、その姿を確認すると、静かに笑みを浮かべるのだった。



追記・修正お願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600)

[#include(name=テンプレ3)]


#comment

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧