東京モノレール

ページ名:東京モノレール

登録日:2017/10/01 Sun 22:17:19
更新日:2024/02/15 Thu 13:28:52NEW!
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東京モノレールとは、東京都内でモノレール路線「東京モノレール羽田空港線」を運営する鉄道会社。
本項では羽田空港線についても説明する。


概要

元々は日立グループ傘下で、当初の企業名も「日立運輸東京モノレール」だったが、2002年に株式の70パーセントがJR東日本に、残り30%が日立製作所に譲渡され、JR東日本グループとなった。その影響でこっそりと浜松町駅が京浜東北線快速停車駅になった。


そのためJR以外では初となるSuicaを発行する事業者となり、当初計画していたパスネットへの参加を見送ったという経緯がある。


新人運転士の養成は研修所を持っている別の鉄道会社へ委託しており、学科教育はJR東日本の施設で受け、実車訓練は自社で行う。


また、フランスのタイヤメーカー・ミシュランが本格的に日本へ進出するきっかけを作ったのは東京モノレールの車両用にタイヤを納入したことだったりする。



羽田空港線

浜松町駅羽田空港第2ターミナル駅までの17.8kmを結ぶ。路線記号はMO
東京都心と羽田空港を結ぶ軌道系交通機関の一つで、京急空港線が空港敷地内に乗り入れるまで唯一の軌道系交通機関だった。


1964年の東京オリンピック開催に際し、羽田空港に降り立った海外からのオリンピック観戦者を都心まで運ぶため急ピッチで建設が進められ、開業したのは開会式まで1ヶ月を切った9月17日だった。


この路線はモノレールの中でもコンクリート製の軌道に車両が跨る跨座式を採用しており、高架橋またはトンネルとなっている。
更に用地買収の手間を省くため、運河の上やの上を走っている区間も多く存在する。そのため、停電などで列車が運河や海の上で止まってしまうこともあった。
これを防ぐため、停電時でも最寄りの駅まで列車を動かせるように変電所に大容量のバッテリーが設置されている。


ライバルは京浜急行とリムジンバス。リムジンバスは空港から乗り換え無しで東京都心部はおろか首都圏各地へ直結、京急は乗換なしで品川、日本橋などに行けるため、浜松町での乗り換えを必要とするモノレールにはやや不利。尤も京急と違って全部の列車が羽田空港止まりのため、うっかり乗り間違えても浜松町と往復するだけというメリット?もある。
モノレール側も手をこまぬいているわけではなく、浜松町と羽田空港各ターミナルの往復乗車券を200円引きで買える「モノレール羽割往復きっぷ」というものがあるが、2015年4月からこの切符は都内で買えず、地方空港の出発ロビーにある券売機でだけ購入できるという、地方民へのトラップのような謎仕様となっている。また、JR東日本が発売する休日おでかけパスにも対応しており、一枚の切符で各線に行ける利点もある。


なお、JR東日本では自社線から羽田空港に直通する「羽田空港アクセス線」の計画を進めており、このうち田町駅付近から大汐線~東京貨物ターミナルを経由して空港に向かう東山手ルート*1については2023年に着工、2031年度に開業予定であることを発表した。
これに伴い東京モノレール線はどうなるのかと『ブラタモリ』内でタモさんがJR東日本の担当者に聞いたところ、「モノレールには途中駅があるので棲み分けが出来るのではないか」としている。



種別

空港快速・区間快速・普通の3種類の種別が運行されており、最高速度は80km/hとかなりの俊足ぶりを誇る。
国内のモノレールで通過運転、更に追い抜きを行うのは東京モノレールだけである。


  • 空港快速

最速種別で、停車駅は浜松町・羽田空港第3ターミナル・羽田空港第1ターミナル・羽田空港第2ターミナルのみ。
途中、昭和島駅で先発の普通を追い抜く。


  • 区間快速

天王洲アイルや大井競馬場といった、行楽スポットへのアクセス輸送も担う準速達種別。
停車駅は空港快速の停車駅に天王洲アイル〜流通センターまでの各駅を追加したもの。
空港快速と異なり、先発の普通を追い抜くことはなく、後続の空港快速に追い抜かれることもない。


  • 普通

ほぼ全ての列車が途中、昭和島駅で空港快速に追い抜かれる。


過去の種別

  • 快速

空港快速が運転される前の2001年冬から運行を開始した。
当初は浜松町と羽田空港第1ビル・羽田空港第2ビルのみ停車(当時は国際線ターミナルが未開業)で、2003年夏から天王洲アイルが追加された。
その頃は昭和島駅に待避設備がなく、追い抜きはできなかった。
その後、空港快速と区間快速に置き換わる形で廃止された。



車両

車両は開業以来日立製作所製である。これは特許の問題上、日立以外のメーカーが対応できないためである。

現行の車両

  • 1000形

老朽化した従来車両の置き換えを目的に製造された車両で、1989年デビュー。
塗装も落成当初のものや2代目塗装、東京モノレール開業時のもの、500形復刻塗装やリニューアル塗装などバラエティに富む。
一部の車両は10000形に置き換えられ廃車が開始。この車両までは客用扉が片開きであった。

  • 2000形

老朽化した700・800形の置き換えと羽田空港ターミナルへの延伸による車両運用増を満たすため製造された車両で、1997年デビュー。
同社初のVVVF車で4編成が在籍する。
また、東京モノレール初の両開きの客用扉を採用した車両でもある。

  • 10000形

1000形の置き換えを目的に2014年デビュー。車内に公衆無線LANを設置、スーツケース置き場も拡大し、空港アクセスの快適性をよりアップさせた。
2022年5月に一部編成で台車枠の亀裂が発覚し、修理に伴い朝ラッシュ時の列車が一部減便されることとなった。


過去の車両

  • 500形

赤と白のカラーリングを採用した最初の車両で、モノレール車両では世界初となるボギー車でもあった。

  • 600・700・800形

昭和世代に東京モノレールと聞いて思いつくであろう車両は多分これ。
500形を簡素にした切妻前面デザインで、700・800形は初の冷房車となった。



駅一覧

JR山手線京浜東北線(浜松町駅)、都営浅草線大江戸線(大門駅)乗り換え。
駅はモノレールビルの中にあり、降車ホーム1面、乗車ホーム1面が線路1本を挟む形態を取る。この構造のため、1時間最大18本までしか運転できない。
このように運行上のネックとなっているため、2線に拡張する計画あり。


  • MO 02 天王洲アイル

東京臨海高速鉄道 りんかい線乗り換え。
1992年6月に開業。
周辺は品川区の再開発地域で、線内では浜松町駅に次いで利用が多い。また、「駅名の語感がアニメヒロインっぽい」と何かとネタにされがち。というか実際にキャラクター名として使われる作品も幾つかあるし。
関東の駅百選に選定されている。


  • MO 03 大井競馬場前

名前の通り大井競馬場の近くにある駅。東京モノレール初の中間駅で、開業当初は競馬・オートレース開催期間中のみ営業の臨時駅だった。
駅が開設された当初、周囲の埋め立てが行われていなかったので駅が海の上にあった
競馬場来場客だけでなく、八潮パークタウン等の周辺住民や大井ふ頭中央海浜公園の来園客もそこそこ利用している。
また東京貨物ターミナル、JR東海大井車両基地も近い。


  • MO 04 流通センター

1969年12月に新平和島駅として開業。現在の名称になったのは1972年1月のこと。
昭和島の車両基地出庫線の配置の関係で、朝と平日の夕方にこの駅始発の浜松町行の電車がある。
同人イベントなどでもよく使われる東京流通センターはこの駅が最寄り。
利用客は天王洲アイル、第2・1ターミナルに次いで多い。


  • MO 05 昭和島

1985年2月に開業。車両基地所在駅で、夜間に浜松町発の昭和島止まりの列車が設定されている。
殆どの普通がこの駅で空港快速に追い抜かれる。
駅開業前は昭和島車両基地職員の通勤用に、一部の列車が駅ではない場所で停車・乗降扱いしていたが、現業部門の昭和島集約の際に正式な駅に格上げされた。
その後永らく2面2線の駅だったが、空港快速運転開始時に待避線を設けたという歴史を持つ。
駅に隣接する車両基地には開業前のモノレールに試乗した俳優の三遊亭小遊三アラン・ドロンが植樹したキョウチクトウがある。


  • MO 06 整備場

1967年3月開業。メインの利用者は駅周辺にオフィスや整備、訓練施設などを置く企業や団体に勤務する関係者。
開業当初の駅名は「羽田整備場」で、飛行機利用者が間違えて降りてしまう事例が多発し、整備場駅に改称された。一応この駅や天空橋駅、新整備場駅も羽田空港敷地内に存在するのだが、空港利用客が間違って降りてしまわないよう「羽田」は旅客ターミナル駅以外に付けていない。
現在は複線のまま地下トンネルへ入って天空橋駅へ向かっているが、旧羽田駅が営業していた頃はこの駅を出てすぐの場所で単線になり、急勾配を一気に下って単線のトンネルへ入り旧羽田駅へ列車が向かっていた。


  • MO 07 天空橋

京急空港線乗り換え。空港ターミナルビルの沖合移転による路線延伸により、旧羽田駅が移転・改称したもの。
ちなみに旧羽田駅は現在のB滑走路西端付近にあり、駅使用停止後は大量の土砂で埋められたという。なお、駅へ通じていたトンネルは今も残っているらしい。


  • MO 08 羽田空港第3ターミナル

京急空港線乗り換え。
2010年10月に羽田空港国際線ビル駅として開業し、駅開業に際して環八の上を走っていた軌道を新設された国際線旅客ターミナルビルに近い場所に付け替えた。
2020年3月14日から第2ターミナルでも国際線が発着開始するのに伴い、国際線ターミナルが第3ターミナルに改称されるため現在の名称に変更された。
なお、前後の駅や京急の駅とは異なり地上に駅があり、しかも出発・到着ロビーに直結しているので荷物の多くなりがちな国際線利用者には嬉しい。


ちなみに羽田空港で国内線⇔国際線を乗り継ぐ場合、乗り継ぎ票を改札で提示することで第1ターミナル駅・第2ターミナル駅と当駅の間の運賃が無料になる(勿論新整備場での途中下車はできない)。


  • MO 09 新整備場

メインの利用者は羽田空港の整備工場や空港関連企業、団体に勤務する人々で、一般利用者は整備工場を見学する人ぐらいしか居ない。


  • MO 10 羽田空港第1ターミナル

次駅の第2ターミナル駅と共に京急空港線に乗り換え可能。
旧名羽田空港駅。
2020年3月までは「羽田空港第1ビル」と名乗っていた。
関東の駅百選に認定。


  • MO 11 羽田空港第2ターミナル

2面3線の規模を持つが、1面1線は臨時ホーム扱いで普段は列車が入ることはない。
2020年3月までは「羽田空港第2ビル」と(ry


余談

  • 開業当時の運賃は片道250円。往復運賃は450円だった。
    これは国鉄の初乗が20円、タクシーの初乗が100円だった時代の話である。国鉄で250円の運賃帯は東京駅から87km先の根府川駅。
    オリンピック終了後この高額運賃が仇となって1日の利用者が2000人程度に落ち込み、
    夜には車内灯を消して夜景を楽しめるデートコースにしていたこともあったとか。
  • 1985年8月12日、この日遅れることが珍しいモノレールに何故か遅延が発生し、日本航空123便に乗り遅れた人が居たという。
    この後JAL123便がどのような運命を辿ったかはここで書く必要はないだろう。
    尚、このJAL123便の残骸・ブラックボックス等を展示している「日本航空安全啓発センター」は、新整備場駅が最寄りである。
  • 開業前、タイヤに関する実験を横浜市磯子区で行っていた。その土地には今も当時使われていた枕木が塀として再利用されている。
  • 浜松町から東京まで延伸する構想がある。
    2014年当時の計画見積では、事業期間10年、事業費1,095億円で、所要時間は東京~羽田空港国内線が28分から23分、東京~羽田空港国際線は18分に短縮される予定。
    ただし上述の羽田空港アクセス線事業が具体化したため現在構想は凍結となっている。


追記・修正は昭和島駅で通過待ちをしながらお願いします。


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  • 現在の消費者物価指数は昭和40年の4.1倍らしいので、当時の250円は現在の1025円相当。現在は浜松町~羽田空港第2ビル間が490円(開業当時の終点天空橋までなら420円)なので、実質的半額以下まで値下げしてるのか。 -- 名無しさん (2017-10-02 10:21:31)
  • >1985年8月12日(略) そんなことがあったんだ…。人間万事塞翁が馬ということか。 -- 名無しさん (2017-10-04 03:11:57)
  • 羽田から東京モノレールで移動するときが近未来感あってすき -- 名無しさん (2017-10-10 11:54:31)

#comment

*1 他にもりんかい線大井町から新宿方面へ直通する西山手ルートと、新木場から京葉線方面へ直通する臨海部ルートの構想がある。

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