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更新日:2024/01/26 Fri 10:50:01NEW!
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『Batman R.I.P.』は2008年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。
『Batman Vol.1』#676~#683
発売 2008年5月から
脚本 グラント・モリソン
作画 トニー・S・ダニエル(#676~#681)、リー・ガーベット(#682~#683)
日本では2012年に小学館集英社プロダクションから邦訳本が発売されている。
また『Batman Vol.1』#682~#683は2018年にヴィレッジブックスから発売された『ファイナル・クライシス Vol.2』にも収録されている。
異才グラント・モリソンの描くバットマン・サーガ第1部の最終巻。謎の組織『ブラックグローブ』との戦いの決着とバットマンの死が描かれる作品。
これまでの伏線を回収しながら新たな謎を描くとともに、『バットマン:ブラックグローブ』でも見られた
モリソンらしい点と点をつなぐようなストーリー展開や1950年代のエピソードから着想を得たアイディアがさらに強烈に描かれている。
最後の2話では不可思議なバットマンの回想と敵の陰謀を織り交ぜながらモリソンの採用した70年にも及ぶバットマンの歴史を振り返る内容になっている。
『Batman Vol.1』#676~#681
『Batman Vol.1』#682~#683
『Batman Vol.1』#676~#681
【物語】
ほとんどの悪党が捕まったゴッサム。ブルースは自身の正体を知ったイザベルとの生活を楽しみながら『ブラックグローブ』について探っていた。
そんな中イザベルに『ブラックグローブ』からの手紙を届く。ブルースはイザベルを守ろうとするが逆に彼女から自身の精神状態を心配されてしまう。
その時、彼の頭に声が響き『ブラックグローブ』の襲撃が始まった。
【登場人物】
- バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムを守る闇の騎士。『ブラックグローブ』の手掛かりを追う一方、
自分の正体を知ったイザベルをウェイン邸に招き彼女との生活を楽しんでいる。
イザベルを『ブラックグローブ』から守るため彼女を『バットケイブ』に招くが、
その際『ズー・イン・アール』という言葉をきっかけに気を失ってしまう。
その後、街中で目覚めた彼はオナー・ジャクソンに導かれ『ズー・イン・アール』のバットマンへと変化した。
- ズー・イン・アールのバットマン(ブルース・ウェイン)
オナー・ジャクソンに導かれた後、ブルースが名乗ったバットマン。赤や黄、紫といった派手なコスチュームをしておりバットを武器にする。
オナーからもらった壊れたラジオを『バットラディア』と呼び大事にしている。
その正体はドクター・ハートが感覚遮断実験を利用してバットマンに仕掛けた後催眠暗示に対抗するために生み出された別の人格。
マイロ教授のガスで見た幻覚に登場した超人的なバットマン、トラノを人格のベースにしている。
チャーリー・カリギュラを尋問し『アーカム・アサイラム』に向かい『ブラックグローブ』とジョーカーに立ち向かう。
元ネタは1958年の『Batman Vol.1』#113に収録された"Batman - The Superman of Planet X"。
- イザベル・ジェット
元モデルで小国ムタンバの元首。ブルースがバットマンだと知りながらも彼を受け入れウェイン邸に招かれるまでになった。
『ブラックグローブ』からの手紙を受け取るがその存在を疑いブルースを説得しようとする。
しかしその最中にブルースが倒れ『ブラックグローブ』にさらわれてしまう。
≪バットファミリー≫
- ロビン(ティム・ドレイク)
高い探偵としての能力を持つ3代目ロビンでブルースの養子。ブルースの精神状態やブルースの実子を名乗るダミアンの存在に不安を感じている。
休暇の最中に『ブラックグローブ』に襲撃されナイトウィングやナイトと連絡を取る。
- アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家に仕える執事。それぞれ不安を抱えるブルースやティムにアドバイスを送る。
ブルースの指示で映画ブラックグローブを見てウェイン邸に帰ってくるが、ちょうど『ブラックグローブ』に出くわし痛めつけられてしまう。
『ブラックグローブ』が『アーカム・アサイラム』に向かった後タリアたちに救われる。
- ナイトウィング(ディック・グレイソン)
初代ロビンでブルースの養子。ロビンから連絡を受け彼と合流しようとするがスコルピアナに捕まり『アーカム・アサイラム』に連れていかれる。
≪ヴィラン≫
犯罪の道化王子とも呼ばれるバットマンのライバル。物語冒頭でバットマンの面会を受けポーカーのデッドマンズ・ハンドを披露する。
その後ガイ・ダックスからロールシャッハテストを受けている最中に『ブラックグローブ』の計画に誘われる。
『アーカム・アサイラム』に『ズー・イン・アール』のバットマンが現れると彼の目の前でイザベルを殺そうとする。
- ドクター・ハート(サイモン・ハート/トーマス・ウェイン)
かつてバットマンに感覚遮断実験を行い新たなバットマンを生み出す実験を行った人物。
その正体は『ブラックグローブ』の首領でブルースの実父トーマス・ウェインを名乗る。
バットマンを知り尽くしていると語り彼を精神から破壊しようと目論む。
『ヴィランクラブ』を率いウェイン邸を襲撃、ブルースを後催眠暗示と薬物で身も心もボロボロにする。
その際『バットケイブ』にあったトーマス・ウェインの仮装を身に着ける。
『ズー・イン・アール』のバットマンの出現にも動じず『アーカム・アサイラム』で他の『ブラックグローブ』のメンバーと共にバットマンを待つ。
- ブラックグローブ
善と悪の戦いを賭けの対象にする組織。メンバーは首領のドクター・ハートと世界各国の大金持ち5人。全員がドミノマスクをつけている。
バットマンとヴィランクラブの戦いを見届けるため家族などを引き連れ『アーカム・アサイラム』に現れる。
≪ヴィランクラブ≫
ドクター・ハートに仕える各国のヴィランたち。
- ル・ボッシュ(ガイ・ダックス)
醜いマスクを身に着けた小男。普段は『アーカム・アサイラム』の優秀な神経外科医で子持ち。
しかし内面には醜い感情を隠しておりジョーカーと出会った結果それが表面化しル・ボッシュとして『ヴィランクラブ』に参加した。
ドクター・ハート以上にジョーカーに心酔している。ガイ・ダックスとしてジョーカーを『ブラックグローブ』の計画に誘う。
ウェイン邸の襲撃に参加した後、『アーカム・アサイラム』に連れてこられたナイトウィングを拘束しロボトミー手術を行おうとする。
そのことがジェレマイアにばれるが、逆に彼を拘束し『アーカム』を乗っ取りジョーカーを開放する。
- キング・クラーケン
スウェーデンのバットマン、ウィングマンのヴィラン。元ダイバーで潜水服をアレンジしたコスチュームを身に着けた海賊王。
ウェイン邸襲撃参加後、チャーリー・カリギュラに連れられ彼の縄張りを荒らすガーゴイルを始末していたが
『ズー・イン・アール』のバットマンの不意打ちを受け敗北した。
- チャーリー・カリギュラ
イタリアのバットマン、リージョナリーのヴィラン。月桂冠をかぶり顔を白く塗っている。
ジョーカーのような支離滅裂な言動をしているがバットマン曰く演技らしい。
ウェイン邸襲撃参加後、キング・クラーケンと共に自身の縄張りを荒らすガーゴイルを始末していたが
『ズー・イン・アール』のバットマンの不意打ちを受け敗北した。その後、バットマンに『ブラックグローブ』の居場所を聞かれる。
- エル・ソンブレロ
アルゼンチンのバットマン、ガウチョのヴィラン。中南米のプロレス、ルチャリブレで使われるマスクをつけソンブレロをかぶっている。
罠の達人でウェイン邸襲撃後、屋敷の中に罠を仕掛けた。『アーカム・アサイラム』では警備を任されていたがジョーカーに攻撃された。
- ピエロ・ルネア
フランスのバットマン、マスケティアのヴィラン。パントマイムのピエロのような風貌で決して喋らない。スワッグマンと共にロビンの命を狙う。
- スコルピアナ
アルゼンチンのバットマン、ガウチョのヴィラン。サソリのような鎧を身に着け青サソリと呼ぶ小型ロボットを使う。
ナイトウィングを捕まえ『アーカム・アサイラム』で彼の手術の準備をする。
- スワッグマン
オーストラリアのバットマン、ダーク・レンジャーのヴィラン。オーストラリアの義賊ネッド・ケリーをモチーフにしたコスチュームを着ている。
ピエロ・ルネアと共にロビンの命を狙う。
- ガーゴイル
ル・ボッシュの部下。ガーゴイルの面をつけている。
- グラディエーター
チャーリー・カリギュラの部下。古代ローマ兵のような服装をしている。
≪その他≫
- ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長。バットマンの良き理解者。市長からウェイン家のスキャンダルを教えられ真実を確かめるためにウェイン邸を訪れる。
そこでエル・ソンブレロの仕掛けた罠に追い詰められるがダミアンに命を救われる。
- オナー・ジャクソン
物語冒頭でバットマンによって異常者の車の暴走から命を救われたホームレス。
ドクター・ハートに心身ともにボロボロにされたブルースを助け、彼としばらく行動を共にする。その後彼の命を救えたことを感謝し姿を消す。
この時のオナーが本物なのかブルースの見た幻なのかは不明。
- バットマイト/魔異人
『ズー・イン・アール』のバットマンに語り掛けるバットマンのような姿をした謎の存在。その正体は本人曰くバットマンに残された数少ない理性。
『アーカム・アサイラム』までバットマンをサポートしていたがアーカムでは理性が通じないという理由で姿を消す。
その際五次元から来た存在の可能性も示唆していた。
- ナイト(シリル・シェルドレイク)、スクワイア(ベリル・ハッチンソン)
イギリスのバットマンとそのサイドキック。ロビンから援護を求められる。
- ジェレマイア・アーカム
アーカム・アサイラムの責任者。ガイ・ダックスがロボトミー手術を行うのを咎めるがガーゴイルに襲われ捕まってしまう。
- タリア・アル・グール、ダミアン、ウブー
『リーグ・オブ・アサシンズ』の首領ラーズ・アル・グールの娘と彼女とブルースの息子を名乗る少年と彼らに忠実な部下。
ウェイン邸を訪れアルフレッドとゴードンを救う。
『Batman Vol.1』#682~#683
時系列順では『Batman Vol.1』#681の後ではなく『Final Crisis』#2の後に当たる。
【物語】
バットマンの始まりからロビンとの出会いなど様々なバットマンの歴史が振り返られていく。しかしそれはある敵の陰謀によるものだった。
【登場人物】
- バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムを守る闇の騎士。始まりから今に至るまでの歴史を振り返っていく。
その中で別の可能性も描かれ、両親が殺されなかった場合には眼鏡をかけ父同様に医者になっている。
- アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家に仕える執事。皮肉交じりにブルースを支えていく姿が描かれるがどこか様子がおかしい。
ウェイン夫妻が殺されなかった場合でもそのスタンスは変わらない。
≪バットファミリー≫
- ロビン/ナイトウィング(ディック・グレイソン)
バットマンの最初の相棒。出会いからともに活動する日々そして独立までが描かれる。
ウェイン夫妻が殺されなかった場合はジョーカー・キラーを名乗る何者かに拷問の末に殺されウェイン邸の井戸に捨てられた。
- エース・ザ・バットハウンド
ブルースのペットの犬で共に捜査を行うこともあった。
- バットウーマン(キャシー・ケイン)
黄色のタイツと赤いマントに身を包んだ女ヴィジランテ。バットマンとは恋人同士だったが破局した。
- ロビン(ジェイソン・トッド)
バットマンの2人目の相棒。出会いからジョーカーに殺されるまでが描かれる。
- ロビン(ティム・ドレイク)
バットマンの3人目の相棒。出会いから実父との別れまでが描かれる。
- バットマン(ジャン=ポール・バレー)
ベインによって引退に追い込まれたブルースの跡を継いだ男。ベインを打倒するがその後暴走した。
バットマンに復帰したブルースと戦う姿が描かれている。
≪ヴィラン≫
- ランプ
自分が作り出した幻想空間に相手を閉じ込める生命体。
- モッカリ、シミアン
悪の帝王ダークサイドに仕える科学者。ランプを使ってバットマンの記憶を探りバットマンのクローンに移すことで
バットマン軍団を作ろうと企む。
≪バットマン・ヴィラン≫
- ドクター・デス
悪の科学者。『Detective Comics Vol.1』#29の一場面が描かれる。
- モンスターメン
ヒューゴ・ストレンジの開発した『怪物血清』によって生まれた怪人。『Batman Vol.1』#1の一場面が描かれる。
犯罪の道化王子とも呼ばれるバットマンのライバル。宿敵として様々な時代、姿が描かれる。
- サイモン・ハート
バットマンに感覚遮断実験を施した人物。
- キャットウーマン(セリーナ・カイル)
猫のようなコスチュームに身を包んだ女盗賊。『Batman Vol.1』#197でのコスチュームが描かれる。
ウェイン夫妻が殺されなかった場合はエルバ・パールを名乗りブルースに近づき盗みを働いた。
- イレイサー、ギャギー
バットマンの明るい時代を象徴するヴィラン。イレイサーは頭が消しゴムになっている。ギャギーはジョーカーが自分を笑わせるために雇った道化師。
- ペンギン(オズワルド・コブルポット)
鉤鼻と小柄な体格が特徴的なギャング。現在でも活躍しているが明るい時代でも活躍しており
イレイサーやギャギーと共に描かれる。
- タリア・アル・グール
『リーグ・オブ・アサシンズ』の首領ラーズ・アル・グールの娘。ブルースとの情熱的な夜が描かれる。
- ラーズ・アル・グール
『リーグ・オブ・アサシンズ』の首領。『Batman Vol.1』#244でのバットマンとの対決シーンが描かれる。
- アンソニー・ルーパス
『Batman Vol.1』#255でバットマンと戦った狼男。その対決シーンが描かれる。
- マンバット(カーク・ラングストローム)
蝙蝠専門の生物学者。自身の難聴を治すため蝙蝠の血清を投与したところ蝙蝠人間マンバットに変身してしまった。
- デッドショット(フロイド・ロートン)
腕に着けた特殊な銃で戦う暗殺者。『Detective Comics Vol.1』#474の一場面が描かれる。
力と知性を併せ持ちバットマンを一度引退に追い込んだ男。バットマンの背骨を折るシーンが描かれる。
- ハッシュ(トーマス・エリオット)
ブルースの旧友でとある一件でブルースを逆恨みし彼に挑戦する。『Batman Vol.1』#619の一場面が描かれる。
≪その他≫
- ジュリー・マディソン
ブルースの婚約者で女優。ブルースがバットマンとしての活動で忙しく会えない日々が続き婚約を解消する。
- ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長。バットマンの良き理解者。ブルースにバットマンの存在を報告する。
ウェイン夫妻が殺されなかった場合はバットマンがいなかったからか殉職している。
- トーマス・ウェイン、マーサ・ウェイン
ブルースの両親。彼らが殺されたことでバットマンが生まれた。
殺されなかった場合はトーマスはブルースに厳しく接し、マーサはブルースを溺愛している。
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