登録日:2016/03/19 (土) 01:21:50
更新日:2024/01/22 Mon 13:34:00NEW!
所要時間:約 5 分で読めます
▽タグ一覧
漫画 緑のルーペ 青春のアフター 月刊アクション 思い出と現実 タイムスリップ 青春 どうしようもない 双葉社
こじれた青春の、歪んだ後始末
『青春のアフター』とは月刊アクションで連載された漫画作品。
作者は『ブラパ』や『ガーデン』などで知られる緑のルーペ。
なので今作も作者の作品の例に漏れず明るく可愛らしい絵柄でありながら、鬱々し、そして退廃的な雰囲気が漂う作品となっている。
単行本は全四巻で発売中。
また、IFストーリーを描いたセルフ同人「青春のアフターIF」が全一巻で発売中なので、単行本と合わせて読んでみるのもいいかもしれない。
■ストーリー
高校生の鳥羽まことはクラスメートの十和さくらに片想いをし、彼女と少しずつ交流を持とうとしていた。
あるとき、さくらが同じクラスの倉橋辰巳に告白し、辰巳がそれを受け入れる場面に遭遇。
まことは咄嗟に声をかけ二人の邪魔をし、その場から立ち去るさくらを追いかけた。
だが、まことの行為と苦し紛れに彼の口から出た告白の言葉に腹を立てたさくらは彼を責めた。
鳥羽なんていなくなっちゃえばいいんだ!!!!
そう叫んだ次の瞬間、さくらはまことの目前から消失し、そのまま消えてしまった。
それから16年後。
時が経って大人になり、恋人との同棲を始めようとしていたまことは毎年のようにさくらが消えた場所を訪れていた。
ところがそんなまことの前にあの日と同じように突然、あの日と同じ姿のさくらが現れたのだった――
■登場人物
◆鳥羽まこと
「いつだって僕が助けるから!!」
主人公。
黒髪に眼鏡の地味な見た目だったが、さくらが消えた後辰巳の影響で髪を金色に染め現在は眼鏡もしていない。
高校時代から絵が上手く、現在はゲーム会社に就職し『ギガン4』のキャラクターデザインなどを手がけている。
優しく面倒見がいい一方で、さくらとのことをはじめ大学留年や親からの勘当など、16年の間に多くの挫折と後悔をしてきたため少々卑屈な部分を覗かせることも。
また、他者に依存し自分の心を委ねてしまいやすいと自己評価もしている。
同僚のみい子と交際しており同棲を始めている。勿論肉体関係も有り。
家事も一通り担当しており料理のスキルもある模様。
さくらとの再会を夢見ながらも半ば諦めていたため、突然の再会を喜ぶ。
しかしそれと同時に16年の間に積み上げた《今の現実》と諦め捨てたつもりだった《過去の想い出》、両立出来ない二つの狭間で苦しむことになる。
◆十和さくら
「……その…ほんとは…ずっと前から好きでした…」
まことのクラスメートだった少女。
小柄でアホ毛の生えた長い髪が特徴。大食いだが太ると肉が胸に行くタイプ。
なんらかの事情で両親は既に他界しており、祖母との二人暮らしだった。
あまりクラスに馴染めておらず孤立気味だったが、自分に構ってくる辰巳に恋心を抱いていた。
真面目そうに見えて実は『ギガン』にド嵌りし教室でもブックカバーを付けた攻略本を読み耽っていた。これがきっかけでまことと交流を持ち友達になるが、辰巳とのことを邪魔したまことを責めた直後16年後の未来へとタイムスリップ。
心身共に16年前のままであり、現実味の無い状況に戸惑うがまことの厚意で彼とみい子の部屋に転がり込む(みい子に対しては「記憶喪失」ということにしている)。
決して嫌いではなかったはずのまことにひどい言葉を浴びせたことを後悔すると同時に大人になった彼を改めて異性として意識するようになる。
しかし彼女に起こった不可思議な現象は一度では無く……
◆上牧みい子
「おかえりっ」
まことの恋人。セミロングの髪と眼鏡が特徴。
まことと同じゲーム会社に勤めている。『ギガンシリーズ』の大ファンであり凄腕のゲーマー。
一緒にプレイできる相手が中々いないため一人で遊んでいることが多いが、人懐っこい性格。
料理などの家事は苦手で生活力はかなり低い(まことと付き合う前は自宅がゴミだらけだった)。
まことに惚れこんでおり幸せな同棲生活を始めようとしていた矢先、さくらを預かることになる。
『ギガン』を通してさくらと仲良くなるが、まことが気にかけるさくらへの仄かな嫉妬や二人きりの生活ができない不満を抱えることとなる。
◆倉橋辰巳
「おうよ、俺はいつだって自由な男さ」
まことやさくらのクラスメート。
金髪のチャラいイケメンで以前はまことからは「キンパツ」と呼ばれていた。
クラスの中心にいる人気者であり、さくらによくちょっかいを出していたが彼女にそれなりの好意を持っていた模様。
さくらが失踪した後まことが事情を知っているのではないかと接触したのをきっかけに彼に興味を持ち、一緒にさくらの祖母の世話をしたりまことの髪を金髪にしたりと友人として接し彼を励ましてきた。
大学を卒業してからはボランティアなどで海外に行ったりしているらしい。ちなみに大学卒業後は髪を黒くしているが言動はちょっとチャラいまま。
まことに遅れてさくらと再会するが、「自分たち三人で友人として歩めていたのではないか」という想いから二人に気を遣っている。
◆さくらの祖母
「さくらはもう独りで全部出来るもんね、あたしがどうなっても安心や」
さくらの唯一の肉親。
厳しい性格の持ち主で幼少のさくらに勉強や家事を身に付けさせた。といってもこれは自分がいなくなっても身寄りの無いさくらが自力で生きていけるようにさせるためであり、本当はさくらに深い愛情を向けていた。
さくらが高校生になったころには既に寝たきりで介護を受けており、さくらの失踪後には度々訪ねてくるまことや辰巳と親しくしていた。
彼らの大学進学を機に老人ホームに移り、その後2007年6月1日に死去。
残った十和の家の管理はまことたちが請け負っていた。
◆岸田梅子
「愛だよ、まこと」
20歳のフリーター女性。
二度目のタイムスリップの先(2003年前後)でさくらが出会った女性だが、何故かその外見はさくらと瓜二つ。
自宅の部屋は雑然としており何かの絵を描いている模様。また、自動車の運転がかなり荒い。
まことが大学時代にセフレのような関係にあった人物であり、行為の際にさくらと同じ服を着てまことに抱かれていた。まことからは「ほんとはさくらなのではないか?」と思われていたが本人は否定していた。
しかし出会ったばかりのさくらに意味深な言葉を伝えたうえでまこととの情事を見せつけるなど無関係とは思えない行動をしている。
現在の動向は不明。
■キーワード
◆タイムスリップ
さくらに起こった不可思議な現象。原因などは一切不明。
ちなみに巻末のおまけコーナーでタイムスリップに関して色々紹介してくれている。まぁ紹介しきれるわけもないが。
◆豊海高の化け桜
まことたちが通っていた高校の裏手ある桜並木の中でも一際大きな桜の木。
この木の下でさくらは消え、そして再び現れた。
◆ギガン
正式名は『重装機神ギガンニュート』。
さくらが好きだったゲームソフトでロボットと怪獣がステージの街を破壊しながら戦うアクション系のゲーム。
まことたちが就職した会社が製作しており、さくらがいなくなった16年の間にシリーズ化されている。最新作は『ギガン4』。
追記・修正はロールケーキを平らげてからからお願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,11)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
- ほんとこの人の漫画は最高だ -- 名無しさん (2016-03-19 01:40:11)
- すげーそそられる記事だな、今度読んでみよう -- 名無しさん (2016-09-30 13:03:33)
- 色々どうしようもない感がすごい -- 名無しさん (2016-11-20 06:07:42)
- ゲロ吐くぐらい引き込まれて歪んだ笑顔になれる作品 -- 名無しさん (2017-06-08 22:43:00)
- 今でもツイッターとかで作者が相変わらず的確に読者の急所をでひと突きにしてくるのが逆に快感よ -- 名無しさん (2020-07-15 19:25:35)
#comment
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧