ウォッカ(名探偵コナン)

ページ名:ウォッカ_名探偵コナン_

登録日:2016/01/18 Mon 10:34:05
更新日:2024/01/18 Thu 13:47:59NEW!
所要時間:約 9 分で読めます



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名探偵コナン ウォッカ 立木文彦 黒の組織 ドジっ子 サングラス グラサン マダオ 帽子 短気 愛煙家 江戸弁 名探偵コナン登場人物項目 ネクタイ 弟分 犯罪者 アシスタント 憎めない悪役 器用 かわいい 世話焼き コメント欄ログ化項目 岡田太郎 実はいい人説 ジンの相棒 マダウォッカ 魚塚三郎 案外有能 フォローの達人




疑わしきは罰せよってヤツですね 兄貴!



名探偵コナン』の登場人物。


CV:立木文彦
演:岡田太郎



概要

黒の組織の構成員でジンの相棒。
初登場はジン共々『ジェットコースター殺人事件』。


福井県の美國島を訪れた際には「魚塚三郎」と名簿に書いていたが、これが本名なのか偽名なのかは厳密には不明*1
黒いスーツを纏った大柄な体格の男で受け口。ちなみに連載初期はそれほど受け口でもなかったりする。
常にグラサンをかけて帽子を目深に被っているため素顔は不明。
冷酷な人物が多い組織の中では割と人間臭い感性の持ち主で、犯罪組織の一員とは思えないほど穏健な振る舞いが多い。
とはいえ今にも射殺されそうになっている人間の映像を見て「こいつはヘビーな映像が撮れそうだ」と笑ったり、誘拐した人質を服従させるため嬉々として脅迫している辺り、やはり何だかんだ残忍で危険な人物であることが伺える。


作者によると、「推理もの漫画なんか半年ぐらいですぐ終わるやろwww」みたいなノリで当初コナンを描いていたため、ジンとウォッカのデザインは深く考えずに2人合わせて30秒程度でチャチャっと決めたらしい。ジンとウォッカェ…
サングラスを取った素顔については、作者ですら把握できていない模様(笑)。そりゃテキトーにデザインしたわけだし……。
ちなみに、ファンブックの質問でウォッカの素顔のことを質問された際には「意外と二重だったりして結構可愛い目してるのかも(笑)」とも回答している。


ジンと二人セットで行動する事が多いが、基本的に無口なジンに対して健気にも一方的に話しかけ続けて読者&視聴者に対して状況を説明してくれる役回りが多い。
ジンが意味深に呟いた単語について掘り下げてくれることも多々あり、もし彼がいてくれなければ我々は作品内の状況把握すらままならないことだろう。


劇中では主に実行部隊として潜入捜査や裏取引を担当する場合が多い。時として下級構成員達への指示も出しているようだ。
現在はある事件に巻き込まれて死亡したテキーラが二年前から受け持っていた仕事も任されている。
少なくともジンよりは記憶力に優れているような節があり、ジンの手によって殺された人物の事などをよく覚えている様子。
作者曰く、「組織にとってのワトソン的なキャラ」のようで、ジンや他のメンバーの引き立て役でもあるらしい。



人物

ジンの事を「兄貴」と呼んで慕っているが、83巻のおまけページによれば「コードネームを持っているものは基本的に皆同格である」*2らしいので、ジンとも実は同格だったりする。
ジンがリーダー的な立ち位置なのは、チームを組んだらたまたまそんな感じになっているだけである。
彼がジンを兄貴と呼んだり敬語で話したり*3する理由は下っ端時代に世話になったか何かだろうか?ちなみにベルモットに対しても敬語を使う*4
上司に当たるラムの事はたまに「旦那」と付けて呼んでいる模様。だが自分自身はラムと実際に会った事はなく、ジンに聞いたラムの特徴からイメージしてそう呼んでいるらしい。


ジンの太鼓持ちというイメージが強いが、あれだけ一緒にいる場面が描かれている割に彼をヨイショしているシーンは案外少なく、ベルモットやラムなどに対しても賞賛の言葉を口にしていたりする。
また、作戦会議中にキャンティとコルンが任務の方針に不満を見せた時には穏やかになだめつつジンの説明を補足していたこともあり、言ってみれば組織のムードメーカーといった所。
今乗っている潜水艦について人命に関わる基本的なことを全然知らない(という演技をする)キールのために、わざわざ場所を移動しながら手取り足取りレクチャーしたことも。
ジンを慕ってはいるものの盲信的に従っているわけではなく、ジンの判断が他のメンバーの主張と衝突した場合には、後者の方が合理的だと見なせばそちらの意見を採用するようにジンを説得することもある。


「…ですぜ」「…ですかい?」などと言った、いかにも手下が使いそうな特徴的な敬語(江戸訛り)で話す。一応素だと「RUM本人が流した誤情報ブラフらしいよ…」などとちょっとかわいい口調だったりする。
ある事件では保険屋を装い、声と口調を変えて留守電にメッセージを残していたが、その隠し切れない特徴的な話し方で江戸川コナン灰原哀にすぐにばれてしまっていた。
バーでジンが贔屓している歌姫から差し入れがあった時*5には口笛を吹いて対応するなどノリのいい一面も。


原作第1話では取引相手が1人で来ているかを確認する目的でジェットコースターに乗る際に子供を押しのけて割り込んだり、探偵として有名な工藤新一が目の前にいると知って思わず大声をあげたり、首ビームに凄い顔で驚くなど最初から小心者丸出しだった。まあさすがにアレは誰でもあれくらい驚くだろう
更に首無し死体を前にして「ア、アニキ…」と声を震わせながらジンの腕にしがみついていたりもした。
もっとも流石に情け無さ過ぎるからかアニメ第1話だと、ここの部分はカットされている。


なお、アニメ化20周年を企画して放送された第1話のリメイク『名探偵コナン エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』だと、ジンが原作で口にしていたあの迷言*6を代わりに叫ぶという損な役回りをやらされることに。
その他、彼なりに組織の一員としてのプライドがあるということなのか、こちらでは取引相手の社長(暴力団「泥参会」の組員)からの「お前達のやってることに比べたらワシなんて…」という負け惜しみの言葉に対して、「お前に俺達の何が分かるんだ?」と厳しく詰め寄っていた。


用心深いジンとは違い注意力が散漫で、短慮で詰めの甘い部分が多い。
まぁジンもジンで慢心から来るポカは相当多いのだが
ジェットコースター殺人事件』の時は、近くに警察がいるにも関わらずその場で拳銃を使い新一を始末しようとしたり、
新幹線大爆破事件』の時は、他人に聞かれてはまずい話を周りの席に大勢の乗客がいる時に大声で話し、
黒の組織との接触』では、取引相手と直接会って受け取る手筈だったはずのCD-ROMケースがコインロッカーに置かれ、ケースの蓋もセロテープで止めてあるという不審極まりない状況だったにもかかわらず、何の疑問も抱かず指紋や唾液といった個人の特定に繋がる様な痕跡を残しそうになった*7
劇場版作品『漆黒の追跡者』においては、事件現場に落ちていた絵の具を踏んで足跡を残してしまい、佐藤刑事が連続殺人事件の裏で暗躍する不審人物の存在に気付く一因となってしまう。
更に『黒ずくめの謀略』にて屋内を走って標的を追跡していた時は、床に散らばっていたコーヒー豆で足を滑らせて転倒したせいで相手を見失ってしまったことも。
そういった失敗をする度にジンに叱責されることもあるが、取り返しの付かないような大きなミスではないからかそれ以上の重い罰に問われているような節はない。
その他、雑学にもあまり明るくないのか、ロンドンのハイド・パークの歴史*8を知らなくてベルモットから「少しは向こうの歴史も勉強することね」と笑われたこともある。


「組織に出来るキャラばかりがいても困るため」という作者の考えによって、ウォッカはこのように組織のダメな部分を一手に担うキャラとなってしまった模様。
組織のメンバーが言うほど出来るキャラばかりでもないというのは禁句。
そんな貧乏くじを引かされるためにいるような間の抜けたところの多い男だが、そのせいで不思議な愛嬌があり、非常に分かりやすい外見や第1話から出ているキャラということもあって連載初期からの古い読者や今は読んでいない人なんかにも妙に人気が高い。
公式側もそうした彼のニッチな人気を把握しているのか、ウォッカがメインを担うコミカルな映像が公開されたこともある(詳細は後述)。



技能

長所として、拳銃は勿論バイクや戦闘ヘリも問題なく扱う事が出来る他、信頼されている証なのかよくジンの愛車ポルシェ356Aを替わりに運転している。
それに加え、前述のような記憶力や情報収集能力などでジンをサポートする事も多いため、ジンからもその従順振りを評価されている。
黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー』では、あの方からの命令(を受けたジンの命令)に従い、ベルモットが主催する「季節外れのハロウィンパーティー」に潜入して彼女の真意を探った。この際にゾンビ風の特殊メイクを披露している。
更に劇場版『純黒の悪夢』公開時の公式サイトでの彼の人物説明では様々な乗り物の操縦に加えて、ITスキルにも長けていることが記載されており、
実際映画劇中ではオスプレイのような戦闘用のヘリ内部でサーモグラフィー*9を操作することによる索敵を担当していた他、
前述の『黒の組織との接触』では「指定した対象がメールを閲覧しようとした時10秒以内にパスワードを入れてメールを即座に開かなかった場合、メールが消える上に自分へそのことを通知する」という旨のプログラムを組んでいたりと地味にその設定通りの活躍を見せている。



余談

公式本「コナンドリル」では、ウォッカは「全体監視役(ジンの事)秘書係」という重要なポストを任されていて、
組織の潤滑油のような役割を担っているのではないかと考察されている。
また、彼のような男がジンと下っ端を繋いでいるからこそ、組織の人間も円滑に動けているのだろうとも推測されていた。
まぁ同書ではこれ以外にもウォッカに関して「探偵団並みの警戒心」「ちょっと間の抜けた人のいいおっちゃん」などと言われているのだが……


なおこの「コナンドリル」には、コラムとして「ウォッカの長い夜」というものが掲載されている。
あくまでこれは公式設定ではなく、著者がウォッカのプライベートを予想した物なのだが、あのウォッカが普段はアイドルのポスターを貼った古びたアパートに住み、ジンに対してちょっとした不満を漏らしたり、
そのジンがピスコを殺した事は「やりすぎだったんじゃないか。兄貴もあの方も血の気が多くて困る」とぼやいていたり、
テレビに1人寂しく突っ込みを入れたり、モーニング娘。の加護ちゃん(本書発売の2003年当時)がお気に入りでその姿を見るだけでご機嫌になったり、どこかで女性との縁がないかと愚痴をこぼしたり、夜には故郷を思い出して枕を濡らしている……
などと様々な面白い予想がされているため、興味のある方は是非一度読んでみる事をお勧めする。
ちなみにこのコラムの中でのウォッカの携帯の着信音は、組織関連の着信だと「必殺仕事人」が、
プライベートな着信だと「大きな古時計」が鳴るように設定されていた。



その他2023年には『黒鉄の魚影』公開期間中に、ウォッカがナレーションを務める特別映像が地上波で放送された。現在はYouTubeの『東宝MOVIEチャンネル』にて視聴可能。
メインテーマをBGMに紡がれる彼の言葉は明らかに主人公の決め台詞を意識しており、シュールな笑いを生んだ。





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*1 もっとも一緒に記名されていた「宮野志保」及び「黒澤陣」はそれぞれシェリーとジンの本名であることが確定しているので、こちらもおそらくウォッカの本名なのだろう。
*2 例えばシェリー(灰原)の姉である宮野明美は末端のためコードネームが無い。
*3 余談だが、『黒の組織から来た女 大学教授殺人事件』にて逃亡したシェリーの行方についてジンと話し合っていた時だけは何故かため口だった。
*4 ただし劇場版作品『黒鉄の魚影』では彼女に対して敬語を使っていなかった。
*5 実際はベルモットの仕組んだ悪戯。
*6 「おらおら、犯人はそのアマで決まりだ!!早く俺達を返してくれ、刑事さんよ!!」
*7 彼が手袋を外して素手で剥がしたセロテープや、待ち合わせ予定の相手を待つ間に吸った煙草をその場に捨てることで、指紋や唾液を解析出来る物品がその場に残ってしまう。
*8 16世紀頃まで鹿や猪などが生息していて貴族の狩猟場だったこと。
*9 小型の物であれば『赤と黒のクラッシュ』にてキャンティ達もバイクに乗りながら使用していたが、こちらの映画におけるサーモグラフィーは大型であり、キーボード型の演算器を用いた複雑な操作が求められる代物である。

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