星野伸之

ページ名:星野伸之

登録日:2014/3/19 (水) 22:50:00
更新日:2023/12/14 Thu 11:10:02NEW!
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星野伸之とは1980年代後半~90年代に活躍したプロ野球の投手である。北海道旭川市出身。


経歴:1983年ドラフト5位入団→阪急・オリックス(1984~1999)→阪神(2000~2002)


生涯成績:176勝140敗2セーブ 2041奪三振
タイトル:最高勝率(1989年、1996年)



引退して10年以上たった今では、星野伸之投手の現役時代を知らない人も増えてきていると思われる為、
彼の特徴を述べる。


1.体型
身長183cmに対し、体重は70kg。
筋肉分だけ一般人よりも体重が大きくなるアスリートでありながら標準体重を下回っているというヤセ型であり、阪神移籍の際は「縦縞効果でますますヤセて見えるのでは」とネタにされた事も。


2.球速
球速は130km/h前半
決して引退間際の話では無く、全盛期での話である。
1試合で130km/h以上を出した事が1度も無かったという事もそれなりにあった
尚、球速の出にくいサイドスロー、アンダースローでは無く、彼は紛れもないオーバースローである。


3.コントロール
彼の与四死球率(9イニングで与える与四死球の確率)は3.25。
2013年度の全投手の平均は3.5なので平均値よりは良いが、コントロールに定評のある投手は1~2前半をマークする投手も一定数いる為、
決して針の穴に糸を通す程では無い。


4.球種
ストレート以外では、カーブ、フォーク。以上。
ナックルボールは無い。
ワンポイントリリーフならともかく、打者と付き合う回数が多い先発の役割では、持ち球種が極めて少ないと言える。


決してパワプロ上のデータの話では無く、実際にこの球種である。



さて、特徴を上げてみたが現役時代を知らない人は首を傾げた人も多いだろう。
「これでプロ176勝、奪三振2000以上が出来たの?」
「これなら甲子園の高校球児でもっと凄い投手がいるんじゃ…?」
「そもそもよくドラフト指名されたな…」


実際、スカウトは「左腕である事とカーブが面白い。球速は(ヤセ型だったので)身体を鍛えてれば伸びるだろう。」と完全に将来性を買った指名であった。
さらに当時はスピードガンも今ほど気軽に携帯できる代物では無かった為、彼の地元である北海道までスピードガンを持っていけず、「スカウトが真の球速を把握しないまま指名したのでは?」という逸話もある。





しかし、そこは厳しいプロ野球の世界。
本当に彼が何の芸もない人間だったら、そもそも1軍で投げることすら難しいのは皆様よくご存じの通りである。
では、彼が176勝、奪三振2000以上した理由は…


スタミナ
その野球選手としてはヒョロめの体つきとは裏腹に、非常にタフであった。
「1シーズン完投数16」「通算完投数129」という記録を持っている。これは「あの黒田博樹の完投数(NPBで76、MLBで6の計82)よりも遥かに多い」と言ったら驚かれるだろう。
また、キャンプ時の投げ込みも尋常ではなく、全盛期は「一日に300球~500球」ほども投げ込んで身体を作っていたとか。
同じく物凄い球数を投げ込むことで有名であった、ハマの番長こと三浦大輔といい勝負、どころか上回っている。
これはスタミナもさることながら、「力の入れ加減が絶妙に上手く、無駄な力を一切使わない投球フォームを作り上げていた」という点も大きい。


カーブ
プロ入りの決め手となったカーブは90km/h台
当然ながらよく曲がるため、打者のタイミングを外すボールとしては最高。
それゆえの逸話も多く、なんと試合中キャッチャーがミットをしていない右手で素手キャッチをした事も。


なお、勘違いされがちだが実はウイニングショット(ここぞという時の決め球)はフォークか、ストレートであった。
本人が著作で認めているため間違いないと思われる。
ただ、スローカーブを決め球と勝手に認識してくれる打者が多かったので、黙っていただけだったらしい。


そして最大の理由は……


投球フォーム
普通は130km/hの球と90km/hの球を投げ分けようとすると、どうしても力加減で腕の振り等が変わってしまう事が多い。
プロ野球の世界だと打者や相手コーチもそれを見逃さないため、球種がバレて打たれる。
だからといってフォームは簡単に矯正できるものではない。プロでももちろん難しいことであり、改良しようとしても上手くいかない選手もとても多い。
だが、なんと星野は130km/hのストレートと90km/hのカーブを、まったく同じフォームで投げる事が出来る


そして彼の身体の柔らかさから、振りかぶってから投げる直前まで星野の左腕が身体の後ろにスッポリ隠れ、打者からはボール、腕が完全に消えたように見えるので、
タイミングが取りづらく、突然ボールが放たれたような感覚に打者は囚われる。


打者は「1,2の3で150km/hを投げます」という状態で150km/hが来るのと、
「90km/hが来るかもしれないという状態で突然」130km/hが来るのでは後者の130km/hのほうが遥かに打ちにくいのである。


実際、星野と対決した打者達は…
初芝清「(当時日本最速の158km/hを記録した)伊良部より星野さんのほうが速いと思う」
清原和博「星野さんのストレートが一番打ちにくい」
梨田昌孝「あまりにも速く感じて金縛りのようになった」


という感想を述べている。


こうして、史上最速の130km/hストレートと超スローカーブ、フォークを駆使して
176勝、奪三振2000以上を達成したのである。
「投球術」というものの大切さを、まざまざと教えてくれる選手だったと言える。
実際、星野は自著の中で「(球種と威力、コースや組み立て次第では)小学生でもプロ野球選手を打ち取る事ができる可能性がある。」と記述している。



さて、この星野伸之に対して扱いに困った人達がいた。


野球ゲームの開発者達である。


何しろ当時の技術では彼の「突然ボールが放たれたような感覚に陥るフォーム」が再現出来なった。
その為、彼のMAX130kn/hでは…とっても打ちやすい投手であった。


なので、球速を140km/hに水増ししたりしてなんとかしていたのであった…。


又、実況パワフルプロ野球99に収録されたモード冥球島では
「特のサクセス選手の入団先にの拘りがないのなら、オリックスを選択しよう。
 星野伸之は球速が遅いので一番攻略しやすい」と半ば公式的な攻略法となってしまった……。


パワプロ2000から「ノビ○」の特殊能力が新たに追加され、これにより速く見えるストレートをある程度再現出来るようになった。




なお、現在は吉本興業とマネージメント契約をしている。
星野以外に吉本とマネージメント契約をしているプロ野球関係者では、東京ヤクルトスワローズ監督の高津臣吾や東北楽天ゴールデンイーグルス監督兼GMの石井一久などがいる。




追記・修正はストレート・変化球をまったく同じフォームで投げれる方がお願いします。



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  • 高校時代にバンバン三振とってたからスカウトも本人も典型的な本格派だと思ってたとか。プロ入り後に球速計って唖然っていう -- 名無しさん (2014-03-20 17:02:05)
  • 軟投派・技巧派って呼ばれる部類の投手でありながら、通算通算2041奪三振を記録してるんだよね。 -- 名無しさん (2014-03-20 17:55:05)
  • ジャイロボールがブームだった頃、この人がジャイロボーラーじゃないか?と検証されたことがあったね。 -- 名無しさん (2014-03-21 15:52:52)
  • ちなみに素手でキャッチしたキャッチャーはまだ現役(日本ハムの中嶋) -- 名無しさん (2014-10-02 20:29:47)
  • ファミスタでは使いやすかったけどな。球遅いから左方向の変化球がめっちゃ曲がる。 -- 名無しさん (2019-03-30 20:23:22)
  • パワプロってよっぽどの使い手じゃないと変化球7にならないけど、星野のスロカはその7だった気がする -- 名無しさん (2019-04-27 17:45:27)
  • こういう伸びのある速球と緩急で勝負する投手はたぶんいつの時代でもある程度通用するんだろうな。 -- 名無しさん (2019-11-09 01:57:37)
  • プロ野球そこそこ昔話で金やんがバッティングセンターのオーナーのアドバイスに従ったら星野キラーに変貌した逸話は草生えた -- 名無しさん (2019-12-13 19:55:25)
  • 現代野球じゃ通用しない一人だろうなー時代の狭間に輝いた選手 -- 名無しさん (2020-04-04 10:58:24)

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