登録日:2010/06/10(木) 16:39:30
更新日:2023/08/08 Tue 17:10:45NEW!
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我はウォーダン…ウォーダン・ユミル!
メイガスの剣なり!
ウォーダン・ユミルはゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズの登場人物。
初出は版権作品の参戦しないオリジナルの世界観を舞台とした「OG」シリーズ第2弾、
「スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2」。後にGBAからPS2へハードを変更した移植作品
「スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS」にも登場し、
据置きハード参戦に伴い声がついた。名前は北欧神話の主神、オーディンの異称と巨人ユミルに因む。
□ウォーダン・ユミル
年齢:不明
身長:不明
体重:不明
主な搭乗機:スレードゲルミル
声優:小野健一
戦闘曲:THE GATE OF MAGUS
敵か味方かゼンガー仮面(敵です)
異星人の侵略に対抗するべく地球圏を武力で統一せんとする秘密結社・ノイエDC(ディバイン・クルセイダーズ)に所属する
特機(スーパーロボット)・スレードゲルミルのパイロット。
ノイエDCの中核戦力として、乗機・スレードゲルミルの圧倒的な威力を駆使し自軍(後の鋼龍戦隊)の前に立ち塞がり、
その度に壮絶な激闘を繰り広げた。
ゲーム上でのパイロット技能は格闘・技量に優れ、加えて攻撃力に大幅な補正のかかる
アタッカー・リベンジ・気力限界突破を兼備、PS2版のEXハードモードではそこに
エースボーナス「格闘武器の与えるダメージ+10%」がぶちこまれ、うかつに仕掛けると真っ二つは必定。
高レベルの底力もただでさえ硬いうえにHP回復持ちのスレードゲルミルを鉄壁の鬼神と化す。
こちらも一撃必殺の布陣で挑まねば大損害を受けることは確実な恐るべき存在である。強化が不十分な序盤だと一度の采配ミスで詰む可能性も大。
常時帯刀し、大柄な体格。素顔は兜とオニめいたメンポ面頬に似せた厳めしい鉄仮面で口部を除き覆い隠されている。
…口のまわり銀色に塗ったら完全にロボか特撮ヒーローの面として成立するくらいにいかつい。
っていうかご当地ヒーロー、薩摩剣士隼人のモデル疑惑がある*1。
基本的に任務第一の寡黙な男であり、普段は感情の起伏をほとんど見せず、どこか機械的ですらある。
しかし、一度戦陣に降り立てば大音声で冒頭の名乗り口上を轟かせ、鬼神の如き戦いぶりを見せる。
その佇まいや物言い、規格外の武装である「斬艦刀」を自在に操る技量などから、
自軍の一部の人間からは当時行方不明となっていたゼンガー・ゾンボルトこそがその正体ではないかと考えられていた。
この疑惑自体は、ゼンガーが先の戦役でも(事情はあったが)DCに寝返ったことがあるという事実や、
OG世界は個人の感情を無視して戦いを強制する精神操作関係の技術も多数存在するという前提もあって無理からぬことではある。
まあ、それ以上に「あんなヤツがこの世に二人もいてたまるか」という感覚的なものが先に来るかもしれないが。
…そして実際、ウォーダンの正体は「この世」の「人間」ではなかったのである。
自軍を襲撃したスレードゲルミルの前になんと当のゼンガーが登場するグルンガスト参式が立ちはだかったことを機に、
彼はゼンガーとはまったくの別人であることが明らかになる。その正体は、ノイエDCの旗揚げを裏で支援していた陰の組織、
「向こう側の世界」、つまり並行世界に存在する地球連邦軍特殊部隊シャドウミラーに所属する人造人間兵士。
レモン・ブロウニングが産み出した「Wシリーズ」の一体、W15(ダブリュー・ワン・ファイブ)であった*2。
Wシリーズとしてのウォーダン
ウォーダンが産み出された本来の目的は、「向こう側のキョウスケ・ナンブ」に対抗しうる戦力=パイロットの創造である。
向こう側のキョウスケはアインストの浸食によって既に人ならざる者へと変貌しており、押しも押されもせぬエースパイロットである
アクセル・アルマーすら勝ち目の薄い存在となっていた。
……まあ、いくらゼンガー親分のコピーとはいえ、そんな化物を果たして相手に出来たかは微妙なところ。
また、スレードゲルミルはこちらの世界に来てから用意された機体なので、
それ以前は別の機体に搭乗させる予定だったようである(ヴァイサーガとか?それも見てみたかったかも)。
「強いパイロット」としての役割しか求められていなかったために、潜入工作活動系のスキルは持っていない。
W15はWシリーズ全体を通してみると生身の人間に近い後期型*3に位置するが、
後続のW16(エキドナ・イーサッキ)やW17(ラミア・ラヴレス)のような独自のキャラクターを持たない「器」であり、
「向こう側の世界」のゼンガーの人格を移植し、自我のベースとしている*4。
序盤の「機械的な人柄」と「ゼンガーのような振る舞い」の混ざったような人物像の理由がこれ。
既にある人格をそっくりそのままコピペしているため、他のWシリーズよりは情緒の安定性が高い。
しかし人格移植の技術的問題で、定期的にアースクレイドル*5のメインコンピューター「メイガス・ゲボ」と接続して人格データの調整をしなければならない。
よってゼンガーのコピーではあるが、調整された「決まったパターン」の思考しか出来ないという欠点を持つ。
彼が「メイガスの剣」と名乗っているのは「メイガスを守る事」を存在意義として規定されているから。
また、ウォーダンは本物のゼンガーと対峙した際、まるで人の執念があるかのように強い対抗意識を見せるが、
これも「ゼンガー・ゾンボルトを倒す事で真のメイガスの剣となれる」と刷り込まれている為であり、
実のところ彼は「感情があるようで造物主の意図する範囲内でしか思考/行動していない」といえる。
まあ、元が元だけにそれでも充分強力ではあるし、上役であるヴィンデル・マウザーやアクセル(クズの方)は
「Wシリーズは心を持たない道具のままであるべし」というスタンスなので製作者のレモンの意図を除けばこれでも問題は無かったのであろう。
ちなみに、完全に後付けの逆算で生まれたキャラではあるが、
OGシリーズの外伝的作品「無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ」の登場人物である
ガグン・ラウズの魂の憑代として利用されたギムノス・バシレウス=W05は彼のプロトタイプにあたる。
眠れ、地の底に
以上のように、物語初期においては所詮「武骨な操り人形」どまりの存在であったウォーダンだが、
ゼンガーと直に剣を交えるうちに刷り込まれたコマンドとは別の打倒・ゼンガーの意志を抱くようになる。
それはまさに一流の武人同士にのみ起こりうる魂の共鳴であった。
調整が不完全なDGG1号機でインスペクターと戦うことを強いられ、窮地に陥ったゼンガーに
愛刀・参式斬艦刀を投げ渡し、武神装攻ダイゼンガーの誕生に一役買うなど、
時に敵味方の利害を超えた独断専行とも取れる行為に走る姿に、最早シャドウミラーの傀儡の姿は無かった。
また、メイガスとリンクしたソフィア・ネート博士にゼンガー同様の感情*6を抱くことで、
徐々に彼の中でメイガス=ソフィアは単純な防衛対象以上の護るべき対象としての価値を持つようになっていった。
これらの要素が重なったことで最終的に彼は「ゼンガーに打ち克ち、真にメイガスを守る剣となる」事を志すに至り
ラミア・ラヴレス同様、ゼンガーのコピー=W15では無い、ウォーダン・ユミルとしての自我を築きあげたのだった。
アクセルはそんなウォーダンを「互角の勝負をしてどうするつもりだ?それで貴様が敗れたら?」とウォーダンの行動は自分本位なものであることに指揮官の立場から苦言を呈していた。
逆に言えばアクセルから見てもウォーダンが人格を確立しつつある事は認めざるを得なかったようで「言ったからには必ずゼンガーを仕留めてみせろ」とも言っている。*7
そして迎える決戦の日。アースクレイドルの直上でウォーダンは自軍の殿としてただ一人残ったゼンガーとの激しい一騎打ちを繰り広げる。
奇しくもゼンガーもまた、かつてソフィアと交わした「アースクレイドルが戦火に巻き込まれる事があれば必ず駆け付ける」約束を果たすために戦いに臨んでおり、
ウォーダンにとってはあらゆる意味で避けては通れぬ相手となっていた。
火花を散らす一対の斬艦刀。互角の闘いを演じた二人だったが、最後の一太刀を制したのはゼンガーだった。
「お前はまさにメイガスの剣……だが俺は、この世界に仇なす者…悪を断つ剣!!」
「その差が雌雄を決した…!」
ソフィアだけではなく、この世界すべてをも背負って戦うゼンガーとはあまりにも背負っているものが小さすぎたのであった…
そしてその時、彼の素顔を覆っていた仮面は砕け、初めてその素顔を晒す事になる。
仮面の隙間から覗いた面差しは、ゼンガーと瓜二つのものであった*8。
この段階でもメイガスの支援さえあればマシンセルによる修復で戦闘続行が可能であったが、
ウォーダンは邪道により形だけの勝利を得ることより一騎打ちの結果を受け入れ、潔く死を受け入れることを選択*9。
その想いを受け入れたかのように、メイガスもまた機能を停止する。
しかし、敗北を認めようとしないイーグレット・フェフ及びイーグレット・ウルズに率いられたマシンナリー・チルドレンに囲まれ窮地に陥ったゼンガーを救う為、
ウォーダンは最後の力を振り絞り最終奥義『斬艦刀・星薙の太刀』で群れ成すベルゲルミルを一刀両断。
ゼンガーにソフィアの事を託し、その命を散らした。
その最期はまさしく一人の武人、一人の漢であった……
ウォーダン誕生秘話
人物造形のモデルはOG参戦を境にサムライ路線が定着する以前の
「スーパーロボット大戦α外伝」のオリジナル敵「アンセスター」としてのゼンガー・ゾンボルト。
・多くを語らず、剣とドリルで猛然と突撃してくる強大な敵
・同じ剣士でも「武士」というよりは「騎士」である
・最期は自我を確立し(自軍につくかどうかは別にして)自分を操っていた真の敵と袂を分かつ
…といった要点はほぼオリジナルと共通している。
OGシリーズのゼンガーは前作からの流れだと既に自軍の味方で、敵に寝返らす理由も無く、
なおかつ敵サイドに対になるようなキャラがいないためドラマを構築しにくかったゆえ、
本来同キャラの「IF」であったα外伝版ゼンガーを独立したキャラクターという形で登場させるに至った。
上述のように幕間の会話シーンよりも戦場における立ち回りこそが真骨頂のキャラクターゆえ、
OGSではムービー二つに武装の追加と、かなり演出のパワーアップが解り易く、最も優遇されてい部類に入る。
プロデューサーであるテラーダ曰く、「ゼンガーとは勝負させるしかないと思った」らしい。
ライバル関係となる事で結果的にゼンガーの見せ場まで作った美味しいキャラである。
なお、謎を散りばめてプレイヤーを攪乱したいという製作サイドの意図からか
OG2のPVではウォーダンの前にレーツェル・ファインシュメッカーが紹介されている。
紛らわしいが、こっちは「あの人」の変装で、ウォーダンはゼンガーとは別人。
尤も、劇中ではウォーダンは登場初期から「自分はゼンガーでは無い」と明言している。
□搭乗機
●スレードゲルミル
初出は「α外伝」におけるゼンガーの機体。グルンガスト参式がマシンセルによって変質した機体。
顔はグルンガストがマスクを被ったようなデザインをしており、結果的にウォーダンの出自と絶妙なシンクロを帯びることに。
メタ的には実はこっちの方がオリジナルの参式より登場は早く、むしろ参式がスレードゲルミルから逆算する形で誕生した機体である。
グルンガスト零式もそうだが、ゼンガー周りの設定は逆算が多い。
OGSでは「ドリル・インフェルノ」や「斬艦刀・星薙の太刀」が追加され、大幅にパワーアップした。
この2つの必殺技はα外伝のコミカライズ作品「鋼の救世主」が初出。
執筆した富士原昌幸氏はスレードゲルミルのデザイン担当者でもある。
□類縁
●ゼンガー・ゾンボルト
ウォーダンのオリジナルにして最大の好敵手。といってもウォーダンの原型はあくまで「向こうの世界のゼンガー」のため、
自軍のゼンガーとの因縁はこちらの世界に来てから生じたものである。
OG2の時点で単なる逆恨みでこちらの世界のキョウスケを一方的に敵視してボコボコにした悪セルに比べると
良好なライバル関係を築けていた。ある意味彼の人格形成の半分を担った「父」と言える存在かもしれない。
●ソフィア・ネート
アースクレイドルの研究者にしてゼンガーとウォーダン、双方にとっての心の伴侶。*10ウォーダンにとっては自我を育んでくれた「母」でもある。
α外伝ではメイガスに自我を乗っ取られ、通常ルートではラスボスとしてプリベンターと戦うが、
OGでは諸般の事情で非戦闘員に留まっている。
メイガスに自意識を組み込まれてしまうが、それによりウォーダンの中にソフィアを想う心が芽生えた。
●タスク・シングウジ
ゼンガーの斬艦刀に続きウォーダンの斬艦刀も受けた伝説の斬艦刀受け。
ぶっちゃけ大した因縁はない。ただ単に機体が堅くて普通に助かりそうだから斬られただけ。
ただのアニヲタ民ではなく……真のアニヲタWikiの編集者、Wiki籠もりとなるのが俺自身の意志だ!
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▷ コメント欄
- まあ、そもそも普通の人間だってだいたい決まったパターンの思考判断しかしないけどね。 -- 名無しさん (2014-01-17 11:48:30)
- ゼンガー本人では?という自軍の推測の理由が「あんな濃い人が何人もいてたまるか」で吹いたw -- 名無しさん (2014-01-17 12:30:06)
- ↑まあ、普通そう思うよねwww -- 名無しさん (2014-03-02 12:29:59)
- ダークヒーローだわ -- 名無しさん (2014-06-01 04:13:41)
- 敵だけど、かっこいいfinish演出あるのこいつ以外にいる? -- 七紙 (2014-07-26 12:58:02)
- ↑かっこいいっていうのは所詮主観だからどうともいえんが、Zシリーズのオリ敵にはフィニッシュ演出持ちが多い。アサキム・シュバル・ウェイン・アイム・ユーサー… -- 名無しさん (2014-07-26 13:05:25)
- また洗脳かよ、何回やるんだこのネタ・・・と思わせておいて戦闘中に本人が助太刀に来る。初見じゃ見事に驚いた -- 名無しさん (2014-09-26 07:13:25)
- OG2終盤、ウォーダンと親分はメイガスことソフィアを助ける為イーグレット父子を斬った。でも、今にして見ればこれを境に、マシンナリー・チルドレンはOG世界に大きく影響を及ばす様になったと言える。 -- 名無しさん (2016-07-13 17:22:51)
- もう「済んだ」キャラは追記もラクでいいね。彼は見事に役割を全うした良キャラ。 -- 名無しさん (2016-07-13 21:55:14)
- こいつもまたミスター・ブシドー。 -- 名無しさん (2017-03-09 21:55:22)
#comment
*2 実は、この真実が開示される以前の段階でもシャドウミラーのスパイであるW17=ラミアをウォーダンと交戦させると「W15か…」という特殊台詞が発生する。
*3 人間離れしたタフネスを誇るものの、アニメでは赤い血を流す場面があり、一応有機的な造りの人造人間らしい。
*4 なお、「向こう側」のゼンガーはある内乱の終息と共に行方不明となっているらしい。
*5 本来は人工冬眠施設であるが、作品内ではノイエDC(シャドウミラー)の重要な軍事拠点として利用されている。
*6 これは一般的な男女間の恋愛感情というより騎士道的な心の中だけの愛に近いニュアンス。
*7 対応が柔らかくなった現行の設定ではこうなるが、GBA版だと「命令が聞けないなら俺がお前を処分する」とまで言っていた。おま言う。
*8 後述の通りα外伝のゼンガーがモデルとなっているせいか、GBA版「OG2」ではやや髪の色が濃い。
*9 後の戦いで学習型人工知能「AI1」が自身の敗北を認め同じ結論を出している。
*10 と言っても、OGシリーズのゼンガーはソフィアとの関係が「DC残党にいた頃に立ち寄った基地の責任者」くらいでしかないので現状恋愛感情があるかも怪しい。むしろOG2で突然「ソフィアの剣」と言い出してプレイヤーから「そこまで親しくなかっただろ」と突っ込まれるレベル。アニメシリーズだとまともな会話もしてないので「ソフィアの剣」発言すらなくなった。
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