登録日:2012/01/12(木) 15:24:31
更新日:2023/11/09 Thu 13:41:36NEW!
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軍事 銃 アサルトライフル カービン銃 不遇 萌え もっと評価されるべき 特殊部隊御用達 兵器 コルト アブダビ・カービン 奥ゆかしい 出来る子 m727
コルト M727は、アメリカの銃火器会社コルト・ファイヤーアームズ社(以下コルト社)の銃。
▽目次
【諸元】
全長 755~840mm
銃身長 368.3mm(14.5インチ)
重量 2.6kg
口径 5.56mm×45
使用弾薬 5.56mmNATO弾
装弾数 20/30
発射形式 セミ/フル
作動方式 ガス圧利用リュングマン式
ロータリーボルト/マイクロ・ロッキング・ラグ閉鎖
【概要】
アラブ首長国連邦(以下UAE)からの要請により、コルト社がM16A2をベースに開発したアサルトカービンであり、
XM177に始まるコルト社のカービン銃の総称であるコルト・コマンドーの一つ。
UAEからの要請を受け開発されたため、同国の首都アブダビをとってアブダビ・カービンの俗称を持つ。
そして現在アメリカ陸軍を初め、世界中の各軍隊や特殊部隊、警察に採用されているM4カービンの直接の原形となった銃でもある。
そのためコルト・コマンドーを含むM16シリーズの中では非常に完成度の高い傑作銃なのだが、
後述の理由から知名度は著しく低く、とても不遇な銃になってしまった。
アメリカ4軍にM4カービンが制式採用されている現在でも、アメリカの公的機関や中東の空軍警備隊を始めとした諸外国に対して少数ながら生産されている。
【開発まで】
1962年にアメリカ軍に制式採用されたM16(余談だが最初にM16を採用したのは空軍)だが、
最前線で隠密作戦や長距離偵察を行う特殊部隊員を初め、将校、車輌搭乗員等からより軽量で短く取り回しの良いカービン銃が望まれていた。
そこでコルト社は現場の声に耳を傾け、M16の全長を短く切り詰め、細々した改良を施したXM177を開発した。
しかしこのXM177、実際に使ってみると曳光弾が十分に発火しない、マズルフラッシュ(弾丸を撃った際に銃口で発生する光)が大きくて目立つうえ、
発砲音も大きく隠密行動に支障が出る、銃身長を切り詰め過ぎたため、反動が大きくなり集弾性(命中率)が悪いなどの欠陥が続出した。
これら噴出した諸問題をコルト社はその都度細々と改良していくこととなる。
なお上記の問題を改良したアサルトカービンはかなりの数に上り、コルト社内ではM6XXとモデルナンバーを振っていくことになった(MGSピースウォーカーに登場するM653等)。
その後使用弾薬が変更となり、M16A2に更新されるとM6XXシリーズもそれに準じた設計変更が行われた。
M16A2に準じた変更を施したM6XXシリーズにコルト社はM7XXのモデルナンバーを振っていきそしてM725と呼ばれるモデルを開発し、早速アメリカ軍の特殊部隊へと提供した。
しかし当の特殊部隊員達はこのM725に不満タラタラであった。
なぜならこのM725にはM203グレネードランチャーを装着できなかったのである。
そこで現場の特殊部隊隊員から「M203取り付けできるように改良しやがれ。」というクレームがついた。
そんな1985年のある日、UAEが
(U∀E)「M203が装着出来るM16A2のカービン銃作って作って」
と言い出した。
UAEと現場からせっつかれ、M203が装着出来る様に設計されたのがM727である。
【特徴】
それまでのM7XXシリーズと比較してM727最大の変更点は、M203が装着出来る様に銃身長にステップカット(段付き 早い話画像の銃身長にあるくびれ)を設けたことである。
(余談だがM203はM727に装着出来る様に改良されM203A1になっている)
M727はXM177から始まりM6XXシリーズを経たコルト・コマンドーの集大成とも言えるべき存在であり、比較的高い性能を有していた。
そのため特殊部隊の隊員はM4カービンが採用されるまで、好んでM727を使用し1980〜90年代にかけての特殊部隊御用達の銃であった。
またこの頃始まっていたアメリカ軍の次期制式ライフル(現在のM4カービン)XM4のベースにもなった。
派生
- M733…M727の銃身長を11.5インチに短く変更したモデル。
- M933…M733をフラットトップレシーバーに変更したモデル。
【不遇】
冒頭でも述べたがこの銃凄く不遇である。
その理由はひとえに、銃本体の高い性能とは裏腹に物凄くメディアへの露出が少ない為である。
以下その理由を列挙していく。
①採用先が特殊部隊であり軍制式採用ではない。
②なぜかXM177の知名度の方が高かった。
③ルフトハンザ航空機ハイジャック事件を解決したGSG-9、駐英イラン大使館占拠事件を解決したSAS共にH&K社のMP5を装備していたため、特殊部隊=MP5という図式が成立してしまった。
④後継であるM4カービンが1994年に制式採用された。
⑤派生のM733とM933はエアガン化されたが、M727はエアガン化されなかった。
などが挙げられる。
つまりXM177、MP5、M4に押し潰された訳である。
結果、創作作品においてもM727が登場するのは
「設定舞台が1980年後半~90前半で、アメリカ特殊部隊が主軸の作品」か、
あるいは「極めてマニアックな銃器が登場しする作品」と、
極めて狭い範囲になってしまっている。
【M727が登場する作品】
◆ヨルムンガンド…レームが好んで使用。恐らくM727が最も活躍する漫画。特に5巻。
しかし7巻の武器統一に伴いマグプル MASADAへ。MASADAェ…
でも回想で9巻の序盤大活躍。ヤッタネ!
◆ブラックホーク・ダウン…恐らくM727がry。
フート一等軍曹を初めDボーイズ(デルタフォース隊員)が使用。
追記・修正はM4カービンよりM727に愛と浪漫を感じる方お願いします。
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