登録日:2011/05/29(日) 16:05:41
更新日:2023/09/29 Fri 13:20:28NEW!
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だいたいどの家庭にも消毒薬ってあるやんか?
でも一口に"消毒薬"って言っても、使う目的によって種類が沢山あるんや。
だからこの項目は、消毒薬ってどんなものなんか、みんなで学ぶのが目的なんや。一緒に勉強して行こう!
◆消毒薬の定義
感染症をおこさない水準にまで病原微生物を減少させることを消毒といい、これに用いる薬を消毒薬という。
世界には様々な病原微生物が存在することは言うまでもないやろうけど、その全てに平等に効く消毒薬なんてものはない。
せやから、これを目的や場所、微生物の種類によって使い分ける必要があるんや。
◆微生物の抵抗性
病原微生物は、その種類によって薬品への抵抗性が大きくことなる。
具体的には、
一般細菌・酵母様真菌<糸状真菌<結核菌・ウイルス<芽胞
の順に抵抗性が高い。
全部同じ菌じゃないのかい?
うん、ややこしいとは思うけど、全部違うんや。
微生物としての種族や形態の違いって言ったら分かりやすいかな?
種族が違うから、同じ微生物でも耐性が大きく異なるんや。
なるほど!だから薬品を使い分けるんだね?
◆消毒薬の水準
何に効いて、何に効かないかを、薬理学では水準という言葉で表す。
水準は、効果範囲によって
低水準、中水準、高水準
に区分され、属する消毒薬も大幅に異なる。
専門的な話はだいたいこれで終わりや。
次は各水準の消毒薬を上げていくで。
全部はさすがに無理やから、一般でも聞く機会のありそうなもんを上げてくな?
◆低水準消毒薬
一般細菌や真菌には効果があるが、ウイルスに効果があるものは少なく、結核菌、芽胞には効果がない。
主な低水準消毒薬にはクロルヘキシジンがある。
◆クロルヘキシジン
製品名のヒビテンと呼ばれることが多い。
においもなく、皮膚への刺激も少ないため、手指や皮膚、医療用器材、床などの消毒に用いられる。
用途によって濃度がことなるので、使用に際しては濃度の確認が必要である。
クロルヘキシジンさんは主に病院で使われることが多いんや。
アルコールでかぶれる人なんかは消毒のときにこれを使うんやで。
◆中水準消毒薬
一般家庭でも馴染みある製品が多く属する。
一部は結核菌や芽胞にも有効。
◆ポビドンヨード
ポリビニルピロリドンとヨウ素を結合させた化合物で、早い話がイソジン液の正式名称。
一般細菌から結核菌、真菌、ウイルスにまで有効。効果は持続的で皮膚刺激も少ないため、手術前後の皮膚消毒や、細菌による感染症の予防に用いられている。
◆次亜塩素酸ナトリウム
芽胞以外のほとんどの病原体に有効。タンパク質と反応して食塩となるか、塩素ガスとして気化するため、様々な医療器具の消毒に用いられる。
ミル○ンもの成分もこれである。
◆消毒用エタノール
説明するまでもないだろう。アルコールである。
持続性には欠けるが、速効性があり洗浄力も強く毒性も低いため、広く利用されている。
ちなみに人体に直接かける用途の消毒用アルコールは度数70前後で販売されている。
それよりも度数が高いと消毒よりも人体の細胞を破壊する方が大きくかえって体に悪い。
じゃあウイスキーなどの40〜50度ならどうかというと、それを一瞬傷口に付けても殺菌する力が足りない。
器具などを長時間漬け込むなら40度でも殺菌できるが、人の傷口にそんな長時間アルコールを付けるとやっぱり殺菌よりも正常な細胞がダメージ受ける割合のが大きくなる。
創作作品でやるような傷口に焼酎をプーっとしたいなら度数70度の酒を使おう。
適切でない酒を使うくらいなら清潔な水で洗うだけの方がマシだぞ。
普通に聞くものが沢山あるね。ミル○ンは俺も使ったことがあるよ。
みんな、全部一度は聞いたことがあるんちゃうかな?
さて、次に高水準消毒薬の説明なんやけど、その前にこいつの説明をしとかなあかんねん。
◆芽胞
細菌のある種で、発育に適さない環境下で形成される形態。
多くの芽胞形成菌は土壌に生息する菌だが、芽胞はほこりを含むほとんどどこにでも生息できる。
かなりの抵抗性を持ち、極端な熱、pH、乾燥、紫外線や一部の消毒薬のような毒性化学物質に耐え、発育に適さない環境下でも数年は生きる。
炭疽菌や破傷風菌が芽胞を形成することで有名。
…なんだ、こいつ…
芽胞は破壊することがとにかく難しい。せやからこいつを消したい場合は、消毒でなくて滅菌法が用いられることが多いんや。
消毒では…俺では無理なのかい?
全滅はまず無理やなぁ。そもそもそれなら消毒の定義から外れとるやん?
けど、効果のある薬品はあるんよ?それが高水準消毒薬や!
◆グルタラール
酵素タンパク質の活性を失わせるとともにタンパク質凝固作用を持ち、DNA合成やタンパク合成を阻害する。
全ての病原微生物に強力な殺菌作用を持つ。
おお!これなら芽胞をやっつけられるな!
まあ、そうなんやけど問題があってな…
何かリスクがあるのかい?
グルタラールさんは強すぎるねん。
環境への使用は禁止されたし、人体にも強い有毒作用があって、ゴム手袋なしでは扱えへん。
揮発性も高いから、ふた付きの特殊な容器で使用しないと、消毒されんのは自分の方や。
グルタラールさんは主に内視鏡など医療機具の消毒に使用されるんやけど、一般人が触れることはまずないやろうね。
それほど強力な消毒薬が必要になることもないだろうしね。
グルタラールさんは極端な例やけど、消毒薬ってのは毒物なんや。量を誤ればアルコールでも事故を起こせるんやで?
だから消毒薬を使うんやったら、目的と場所に応じて、適切なものを使ってな?
くれぐれも悪ふざけで使ってはダメだよ?おっちゃんとの約束だ!
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▷ コメント欄
- 知らんかった -- 名無しさん (2014-10-15 07:07:09)
- 何で関西弁!? -- 名無しさん (2014-10-15 11:44:06)
- 洗浄・除菌・抗菌・防カビ・静菌・消毒・殺菌・滅菌のリスペクト項目だから -- 名無しさん (2014-11-14 20:36:23)
- というか続編 -- 名無しさん (2016-01-08 17:34:33)
- 消毒...消毒って言うけどウイルスっていう人の細胞と同じ『活動しているもの』を殺す薬な訳だからそりゃ扱い間違えりゃ危険か...勉強になるなぁ -- 名無しさん (2021-02-02 18:09:04)
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