登録日:2016/01/13 Wed 14:31:12
更新日:2024/01/18 Thu 13:45:49NEW!
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ライトノベル 電撃文庫 支倉凍砂 錬金術 シスター 剣も魔法もないファンタジー マグダラで眠れ 鍋島テツヒロ
【概要】
『マグダラで眠れ』とは、電撃文庫より刊行されているライトノベル作品である。
著者・支倉凍砂、イラスト・鍋島テツヒロ。既刊8巻(2016年1月現在)。
『月刊ヤングエース』(KADOKAWA 角川書店)にてコミカライズ版が2013年6月号から2015年5月号まで連載されていた。
著者の前作『狼と香辛料』同様、中世ヨーロッパがモデルと思われる世界観。
錬金術師の青年クースラと、呪われた一族の血を引く少女フェネシスの関係を描く物語である。
超常的な存在の描写もされるが、それらに頼って物語を回していくのではなく、現実的な技術や知略が物語の主幹となる。
…というか、オーパーツや科学技術(を元ネタにしたもの)が各巻の話の主軸となるので、そういうのに詳しければ詳しいほど楽しいかも知れない。
いわば前作に続く「剣も魔法もない」ファンタジー作品である。
【あらすじ】
聖人の遺骨を錬金の材料に使おうとした罪で投獄された錬金術師クースラはクラジウス騎士団により身柄を預かられる。
そして騎士団の命により、昔なじみの錬金術師ウェランドと共に、戦争の最前線の町グルベッティの工房へと向かった。
そこで2人は、騎士団の聖歌隊から監視役として遣わされた修道女フェネシスと出会うのだが――
【主な登場人物】
本作の主人公。「眠らない錬金術師」の異名をもつ赤髪の青年。クースラという名には「利子」という意味がある。
研究欲や好奇心のために手段を選ばず、危険を顧みない面もあるが錬金術師の中では常識がある方とされている。
皮肉めいた言動や斜に構えた態度を見せることが多いが、物語が進むにつれ面倒見の良さや親切心を表に出すようになっていく。
とある理由から伝説の金属オリハルコンの錬成を目指し、同時にその力で守るものを欲している。
本作のメインヒロイン。白髪に緑色の目をした、年頃は十代前半の修道女。生真面目だがやや視野が狭く、また使命感のために自身を顧みない面がある。
錬金術師に対しては所属する聖歌隊の思想から偏見を抱いていたが、クースラ達との交流でだいぶ払拭された模様。
忌み嫌われる呪われた血を引く流浪の民の一族出身であり、迫害の原因ともいえる重大な秘密を抱えている。
クースラと共にグルベッティに送られた錬金術師。彼とは見習い時代からの馴染みである。
研究のためにはクースラ以上に手段を選ばず、脅迫などもためらわず行う。出会って早々にフェネシスの胸を揉……触った
かなりの女好きで、普段の振る舞いは軽薄そのもの。しかし錬金術の実験や作業では人が変わったような真剣さを見せる。
グルベッティで鍛冶屋組合の頭領を務める若い女職人。
先代の頭領とかなりの年の差婚をし、夫が亡くなってその地位を継いだ。つまりは幼妻の未亡人。
組合の親方たちにはあまり良く思われていない。彼女自身、本当は町を出たがっている。
とある伝説の金属にまつわる秘密を抱えており、それに関する紆余曲折を経てクースラ達の旅に同行することとなる。
【用語】
錬金術
[[「錬成陣を描いて物質の理解・分解・再構成をしたり」>鋼の錬金術師]] 、「釜に薬草や鉱石を放り込んでアイテム等を作る魔法」
――ではない。
錬金術とは、金属を始めとする諸材質の性質について考察し実験し記録し研究する、現代でいう「科学」の先駆け。
ただし世間一般の、内情を知らない者からは常識から外れた異様な仕事ととらえられ、錬金術師は魔女や悪魔憑きと同等に扱われている。
研究成果によっては莫大な利益に繋がる(例えば冶金技術の向上は直接的に戦争に役立つ)ため、
腕の立つ錬金術師は騎士団のように理解ある権力者の庇護を受けることが多い。
マグダラ
己の夢や抑えようのない好奇心にかられ、不安定な身分や周囲の白眼視も厭わず突き進んだ先にある世界を「マグダラの地」と作中では表現している。
つまりは個人の理想や信念、夢、最終目標を言い換えたもの。
それにふさわしい偉業をなしとげた人物を「マグダラの住人」とも表現する。
普通の人は生計をたてるだけで精一杯な時代柄もあり、現代にもまして市井の人々がそこを目指すことは難しい。
そのため、一芸を極めに極めた職人のような一種の変人・狂人、あるいは強力な庇護を得た錬金術師のような特権階級の者でなければ目指そうともしないものでもある。
クラジウス騎士団
前身はクラジウス兄弟団という、聖地を奪還する戦争に向かう兵士や巡礼者の宿泊地・治療所を請け負う病院のような組織。
そこで亡くなった者達に託された遺産によって勢力を増し、財産を守るための武力を揃えた結果、利益追求を第一とするようになった。
騎士団と教会・商工会の三つ巴の争いが作中世界における権力抗争の主軸となっている。
クースラ達にとっては雇い主であり、身分や資金を保証される一方で行動を制限されたり、時に無茶な命令を下してくる存在である。
【スピンオフ作品】
本作の過去を描いた『少女は書架の海で眠る』がコミック・小説の両方で出版されている。
- 小説版『少女は書架の海で眠る』
著作・支倉凍砂、イラスト・松風水蓮。電撃文庫より既刊1巻。
- コミック版『少女は書架の海で眠る』
原作・支倉凍砂、作画・松風水蓮。月刊コミック電撃大王にて2014年8月号から2015年9月号まで連載。電撃コミックスNEXTにて既刊2巻。
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- 作成乙。病院が前身の利益団体って、クラウジス騎士団は現実のマルタ騎士団あたりがモデルかな? -- 名無しさん (2016-01-13 14:41:59)
- タグ忘れたん? とりあえず付けたけど作品知ってる人、追記よろ -- 名無しさん (2016-01-13 15:26:20)
- おお、知ってるぞ。 -- 名無しさん (2016-01-13 20:40:01)
- 最初見たとき、"マタグラで眠れ"に見えた -- 名無しさん (2016-01-13 21:43:06)
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