能面の人々
二本足の狐:おっと、居た居た旦那旦那!
[ さっきの二本足の狐が急いでやって来た。 ]
セツナ
ん?……あぁ、さっきの!
[ 良いことがあったので、明るく返事した ]
聞いてよ。この子の名前を思い出せたんだ。雪慈っていうんだけどさ!
……おっと、どうしたの。
[ 興奮してるのでペラペラ話してしまいそうだった ]
能面の人々
二本足の狐:なるほど!それでかぁ!名前持ちになったせいか、化け物が、降りてきやがった。
[ 冷静にトーンを変えずに報告する。 ]
セツナ
……。
え?
[ 一瞬、思考が停止した ]
ば……化け物って……!!?
名前持ちになったからって……どういう……!?
[ 思考が追い付かない ]
能面の人々
二本足の狐:やれる事はいくつかある、サコウの姉さんが化け物を見張ってる。その子が夢から覚めればそれで化け物も消える。ここでの安全地帯はいくつかある。潜り抜けてやり過ごしにいくか、それとも真正面からやりあうか、それは旦那次第だ。
セツナ
なるほど……!
[ とにかく、雪慈の身の安全を最優先すべきだろう ]
正面から打ち合うのは流石に厳しいな。まず、安全地帯に避難しよう。
[ 雪慈の手を取り ]
二足狐、案内してもらえるか?
能面の人々
二本足の狐:悪くねぇなそれ、まあいいか。安全地帯と言っても、地蔵と神社の近くだけだ。その子守れんのは旦那だけだ。だから頼むな。
[ 最初のは、たぶん狐の名前の事であろう ]
[ 目指す場所は神社だ、地図によると、山道の途中にはいくつか地蔵もあるようである。 ]
セツナ
……うん、任せて!
[ そして雪慈のほうを見る ]
すまない、少し怖いけど……行こう。
[ 優しい瞳で彼女に言う ]
夢はまだまだ終わらない…ってか。
[ 地図を広げ、まずは民家の近くにある地蔵に向かうことにした ]
能面の人々
雪慈:うん。
[ 民家の近くの地蔵には、サコウと二足狐がいた。そして、こちらに手招きしている。 ]
[ そしてサコウの視線の先には、真っ黒い、狐のような人の様な、しかし巨大な影のようなものが形状をブレさせながらそこに存在していた。 ]
セツナ
あれは…!
[ 山で感じた恐怖…間違いない。そう確信した ]
[ 手招きされるまま、サコウたちの下へ行く ]
サコウ。名前持ちって、この村じゃ危険だと聞いたんけど…アレが原因なの?
能面の人々
サコウ:たぶんな、あれが名前を喰ってるんだろう。その子が名前持ちになったせいだな。
サコウ:アレの正体は、実はよくわからん。だが見つかったら危ないのは確かだ。だが地蔵のそばを、アイツは見れないようだ。
セツナ
地蔵には近づけないってことかな。
[ 雪慈の手を引き連れ、地蔵の側まで来る ]
名前を食べる怪物…名前持ちが生きていけないのは、アイツのせいだっていうの?
……まるでセルリアンだな。
[ 名前とは、その個人の輝きと言ってもいい。そう置き換えれば、確かにセルリアンに似ている ]
能面の人々
サコウ:たぶん、ヤコウの恐怖感の象徴か何かなんだろう。気を付けろ、自らを罰するための存在は自分の心では何よりも強い。でも夢の中にアイツへの対抗手段が存在しているという事は、ヤコウだってそうしたいって事なんだろう。
[ 離してる最中に、化け物は水田の方へと歩み始めた、どうやらこっちには居ないと思ったらしい。動くなら今だ。 ]
セツナ
あれがヤコウの……?
[ その時、以前彼女が言っていたことを思い出す ]
本当の名前があるって言ってた……まさか……。
……くっ、とにかく今のうちに移動しよう!
[ いつまでも居ても仕方ない。地図を見ると山道に地蔵があるらしい。その場を後にし、山道に向かう ]
能面の人々
[ 化け物は水田の辺りを見ていて、こちらには気が付いていない様であった。 ]
[ …… ]
[ 山道をある程度進むと、そこは暗闇が支配している。 ]
[ お陰で、少し歩きにくい。 ]
セツナ
暗っ!しまった…まだ夜だったの忘れてた。
[ 懐を漁り、何かないかと必死になる ]
[ すると… ]
あ、蝋燭!
[ 灯りになる物を見つけた ]
能面の人々
[ しかし、火はついていない。 ]
[ 何かで火をつける必要がありそうだ ]
セツナ
って、火が無いね…ねぇ、誰か持ってない?
[ この状況で都合良くそんな物を持ってるとは思えないが… ]
能面の人々
雪慈:………そうだ!
[ そう言うと、蝋燭の先を両手で包んで、また離した。 ]
[ すると、蝋燭の先端に火がともっていた。恐らくは狐火の一種であろう。 ]
雪慈:これで、大丈夫かな?
セツナ
え……すごっ……。
[ 目が点になる ]
雪慈すごいよ!ありがとう!
[ いつもより強めに彼女の頭を撫でる ]
能面の人々
雪慈:……うん
[ 静かに返すが、その表情はとても嬉しそうである。 ]
[ そして、火が付いたことによって、闇が照られ、さっきより視界が広まった。 ]
[ 山へと続く道にはいくつか灯籠が立っていて、その中に火のついていない蝋燭があった。 ]
セツナ
よっし、これで歩いていける。
[ 灯りを先に向けると、点いてない灯籠を見つけた ]
あの怪物、夜目が利くだろうし、恐らく点けても問題は無いかな……!
[ 怪物が来ない内に、次の地蔵までの灯籠に火を点けながら進む ]
能面の人々
[ 山道が徐々に明るくなる。その歩みは順調で、化け物の所気配も今のところはない。 ]
[ そうするうちに、一つ目の地蔵に辿り着く。 ]
サコウ:……どうやら、アイツは光に近づけないみたいだ。山道を登って来る様子がない。
[ それでも、遭遇する可能性は否定はできないが、少なくとも後ろから不意に襲われる可能性は消すことが出来た。 ]
セツナ
そう、みたいだね。
[ 地蔵の傍に雪慈を座らせ、自分もそこに座る ]
でもジリ貧だね。火がいつまでも灯ってる訳ないし、最後には何とかあの怪物を退けないとだもん。
[ 危険と隣り合わせ ]
( …あの時を思い出す )
[ "あの時"。それは、セツナが何処かの危険地帯に迷い混んだ時のことだ。セルリアンを退けられたのは、その場にいたとあるフレンズが協力してくれたからだ ]
( あの時のように… )
アイツを倒そう…それでおおよそはカタが着く筈だ。
能面の人々
サコウ:………決戦場はどうする、ここで迎え撃つか?
[ アイツの正体が完全に把握できていないため、戦えるのが3人、やれるかどうかは五分五分である ]
雪慈:……神社に、まだ戦えそうな人もいた気がするよ。
セツナ
決戦は…神社だ。
[ 決まりだ ]
神社には巫女さんがいるはずだ。
でも……。
[ 夏祭りの屋台を思い出す ]
……ここから行って、もし無関係の人たちが巻き込まれたら大変だよね。
くそう、どうすりゃ……!
[ 自分の持ち物を見ながら ]
二足狐、これらの有効な使い方を教えてくれないか
[ 縄と古びたお札を見せる ]
能面の人々
二足狐:ふむふむ、まずは、縄だな。
「そうだな、なにかに縛り付けたりしてぶん回したり、固定したりできそうだな。」
二足狐:次にこの、札か?そっちの子が持ってたやつだな。
「妖怪とかには特効だろうな。そんでもって祓う事が出来そうだな。でもアイツに効果があるかどうか。それに名付け札としても使えそうだな。その時は、上の方に小さく命名と書いてから使うんだ。」
セツナ
そうか……。
じゃあ…、これをどう思う?
[ 妖刀を引き抜き、刀身を二足狐に見せてみる ]
能面の人々
二足狐:…なんてもん持ってやがる。
「そいつには九十九神の気配を感じる、切れ味は言わずもがなだろう。妖怪や幽霊なんかも両断できるはずだ。」
セツナ
そんなにスゴいのかッ…!
ならこれは、切り札として置いておかないとね。
…最後は、これら。
[ お守り、そして狐面を見せる ]
能面の人々
二足狐:ふむ、コイツは。
「ただの狐面、と言うわけじゃないな。この面にはまだ通り名前が無いから、今の状態だと被ったら食われて憑りつかれるぞ。」
二足狐:そんでもって、こいつか。
「年代物だな、でも大切にされてる感じだ。きっとそいつが守ってくれるさ。」
セツナ
( お守りはやっぱ守る系だったか )
[ ふと、まだ見てもらってない物が目に入る ]
……ホントの最後だけど、これってどう思う?
[ イイズナのぬいぐるみを見せてみる ]
能面の人々
二足狐:こいつか。
「ふうむ、なんかイイズナの匂いとかもあって見かけ以上に本物っぽいな。……そうだ、ここまで本物に近いなら依り代か何かにも出来そうだ。式神なんか呼んだりも出来そうだな。」
セツナ
式神……。
( イイズナ…それが元ネタの生き物を僕は知ってる。なら……! )
今すぐ呼んでみよう。
見知ってる奴だって自信がある。
[ 二足狐にやり方を頼み込む ]
能面の人々
二足狐:ふぁ、なるほど。
「んじゃ、心の底から強くそいつを呼びながらそのぬいぐるみに憑依させれば良い。簡単だ、念じろ。」
セツナ
うん。やってみる。
…………。
[ そのぬいぐるみを手前に置き、瞼を閉じて念じる ]
( 僕の呼び掛けに……応えてくれ! )
[ そう強く念じると、そのぬいぐるみに異変が起こり始める ]
[ 周りに霧が生じ始め、ぬいぐるみが見えなくなる。暫くして晴れてくるが…… ]
さぁ、僕に力を貸してくれ。
イズ……な……、
……ッ!?
[ 霧が晴れると、予想にしない存在が現れた ]
???:……私を呼んだのね。
[ 現れたのは…白い髪に狐耳と尻尾。そして青年と同じ"蒼い瞳"を持った、女の子だった。 ]
…………。
[ 予想外な再開に沈黙してしまう ]
能面の人々
雪慈:お知り合い?
サコウ:ありゃ、てっきりあのイズナだと…。
[ サコウは頭に疑問符を浮かべる ]
セツナ
……そっか。君はイズナと長くいたから、それに寄り添うように僕の中で関連付けられてしまってたんだね。
[ イイズナのぬいぐるみでイズナが召喚されると考えていたが、生前それに憑依され続けた故に近い存在になってしまってたらしい ]
でもこうして、君と話ができるんだから……!
???:それは違うわ。
……え?
???:私は影法師。貴方の知るあの子とは少し違うの。ガワの一部を真似た…そう、コピーのようなものよ。
…そう、なのか……。
[ 残念そうに呟く ]
???:それでも、貴方のことは忘れてないわ。…ええ、本当に。
[ その蒼い目の狐は、優しく青年に微笑みかける ]
……僕が君を忘れることはないよ。
それより僕の頼み、聞いてもらえる?
???:勿論♪
[ その狐は、嬉しそうに返事する ]
能面の人々
二足狐:狐か、なるほど。なるほど。
[ 何か納得する様な頷きを繰り返す。 ]
雪慈:……綺麗な目。
[ 何か魅入る様に見つめている。 ]
セツナ
???:ん……?
[ ふと、雪慈を見つめる ]
???:……じーー…。
[ 彼女をじっと見つめ、それから近寄る。蒼い瞳がそこまで来た ]
能面の人々
雪慈:…………。
[ 瞬きもせずにじっと見つめ返す。何処か憧れを抱くような真っすぐな視線で。 ]
雪慈:…やっぱり綺麗。
セツナ
???:わぁ……綺麗って言ったの?
ねぇねぇ、綺麗だって!やったー!
[ 雪慈に抱き付く ]
あのさぁミドリ…。
[ 事態は一刻を争うというのに、マイペースな狐である ]
能面の人々
雪慈:にゅぇっ!!むぐっ。
[ なすがまま抱き着かれてそのまま何も言えなくなってしまった。 ]
サコウ: ( 何も言わんでおこう、今のとこは。 )
[ 心の中でそう言い、頷くだけだった。 ]
セツナ
???:ふふふ……貴女とは仲良くなれそう♪
[ 雪慈の髪を掻き撫でる ]
???:あ、ところでセツナ。頼みって?
[ 撫でながら、ようやく本題に入れそうだ ]
……君ってそんな子だったのか……(ガックリ
[ ようやく話せた子。しかしその性格は、あまりにも予想とはかけ離れてた ]
( いかんいかん…切り替えろセツナ。本物とは違うんだから割り切れ )
[ 心の中で解決する ]
そ、そうだよ。…はぁ。
能面の人々
雪慈:こ、こちらこそ、よろしくお願いします…。
[ 少し緊張しているのか、少し固めである。 ]
二足狐: ( 隅に置けないねぇ…旦那ぁ。 )
[ 小さめの声でそう吐いた ]
セツナ
んぇ?…何か言ったか?
[ よく聞こえなかった ]
能面の人々
二足狐:いえいえ、気になさらず。
[ ごまかした。 ]
セツナ
…そう、ならいいや。
[ 一度咳払いをし ]
さて。あの怪物を倒す作戦だ。
???:ふむふむ。それで具体的に?
……神社前の屋台広場には入らせる訳にはいかないから、その階段付近まで引き寄せて倒す。
[ 内容は、いたってシンプルなものだった ]
能面の人々
雪慈:そこまで近づけば、確か神社の階段の所に鳥居番の人が居たから、もしかしたらその人に誰か呼んでもらえそうだね。
[ そう、鳥居番『清川』があそこには居た。こちらに気付いてもらえば協力してもらえるかもしれない。 ]
サコウ:蝋燭付ければ明るさもそこそこだろう。何とかなりそうだな。
[ サコウも決戦場には文句はないようだ。 ]
セツナ
???:えっとぉ……見たら段差があるみたいだね。
[ セツナの持ってる地図にめり込むように見る ]
そうさ、傾斜だ。これだけの人数がいる。転ばせるなりして隙を作らせれば、やれると、思う。
……いや、これで、やるしかない!
[ 拳を義ゅッと握る ]
能面の人々
サコウ:油断はしない事、持てる力を持ってやろう。
[ その言葉は、青年ではなく二足狐に向けたものだったが、当の狐は何処か安心感さえ感じる楽観的な態度を続けていた。 ]
雪慈:何とかなる、必ず。せっかく名前を取り戻してくれたんだんだ、今度は私があなたの為になる。
[ 恐らく戦力にはカウントできないかもしれない程幼いが、心意気では他の者には負けていない。 ]
セツナ
雪慈……。
……うん、ありがとう。
その気持ちだけで十分だよ。
[ 雪慈の頭を撫でる ]
???:あ、ずるい!私も私もー!
[ 尻尾をブンブン振って、セツナの片手を取って自分の頭に持ってくる ]
能面の人々
二足狐:いいねぇ、そういu
サコウ:だまっとれい。
[ 何を言おうとしたのだろうか、だがそれはサコウの前足の一撃で青年達には伝わらなかった。 ]
サコウ:さて、そろそろ山の麓の方から灯かりが消えかけてる。
[ いつの間にか時間が経ってしまっていたようである。蝋燭の灯が麓から消え始めていた。 ]
セツナ
げっ…いつの間にかそんな経ってたのか!急がないと……!
[ 次の地蔵までに続く灯籠が沢山ある。先程のように点けながら進もうか考えている ]
???:あ……まいっか。
[ 少し撫でて貰えたので満足することにした ]
次の地蔵が最後。ここからは時間との戦いになるね。
能面の人々
雪慈:大丈夫、きっと間に合うから。
[ 現在の時間は恐らく3時ほど、灯籠に火をつけ山道を進み、最後の地蔵を目指す。 ]
[ 暗闇を進み、何かの気配は確実に迫ってきているという不安感もありながら、でも必ず何とかなるという希望が見えても居た。 ]
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