【RP】夢物語~山オサキ~chapter5

ページ名:夢物語-山オサキ-chapter5

◆登場キャラクター
セツナ
能面の人々




能面の人々
[ そんな時である。何か草をふむ足音のようなものが聞えてきた。 ]


セツナ
……ん?
[ その異様な足音に足を止める ]
…なんだ?
……。
[ 携えてる妖刀に手をかける ]


能面の人々
[ その足音は、人間にしてはどうも軽く、獣にしては重く、そして、何やら人の声に聞こえなくもない不気味な泣き声を伴っていた。 ]
[ この世の物とは思えないような気配は、だんだんと近づいて来ている。 ]


セツナ
……ッ…!
( なんだこの音……!? )
[ 近付いてくる何か。わからないが、ヤバさだけは理解できた ]
( 隠れよう。無闇に立ち向かう訳にはいかない )
[ しかし、何処かに隠れる場所は無いだろうか ]


能面の人々
[ ちょうどここは山の道、斜面に沿って下の方に行けば何とかやり過ごせそうである。 ]
[ 木々が生い茂る夏、恐らくはこの植物が味方してくれる事であろう。 ]
[ そして、一緒にいた少女の体は恐怖で硬直してしまった様で、脚をがくがくと震わせるだけで声も出すことが出来ずにいた。 ]


セツナ
( よし、あの斜面に一先ず……ヤコウ? )
[ 少女が怯えていることに気がつく ]
……ちょっと失礼。
[ 最小限の声量で耳元に囁くと、少女の体を小脇に抱えた ]
[ そして斜面に沿って下っていく。茂る植物がこそばゆい ]


能面の人々
[ 抱えられた少女は少し驚いた表情をした後、青年の服をしっかりと掴んだ。 ]
[ 斜面の土と植物はそのまま二人を隠してくれたようだ。 ]
[ 不気味な気配は、ゆっくりとした歩調で山の道を上って行った。 ]
[ 通り過ぎる時、その気配は泣き声と共にまるでアナログ放送の砂嵐のようなノイズを唸り声として発していたように聞こえた。 ]
[ 言葉を発していたようにも感じるし、雑音を捻りだしている様にも感じた。 ]
[ あれは間違いなく、見つかったら危ないものである。そう感じた事であろう。 ]
[ 危機を脱することは出来たようで、今は静かな山の音が聞こえるだけである。 ]


セツナ
…………。
[ 暫く耳を澄ませ、ようやく去ったことを理解する ]
……はぁー、こっわいなぁ。
ね、もう去ったよ。
…大丈夫?
[ 肩に手を回し体から離れないようガッチリと寄せていた対象の少女に話し掛ける ]


能面の人々
少女:う、うん、だ、大丈夫…………だけど、怖かった。
[ 青年にしがみついていて今も離れてはいない、そしてその表情は何だか、今にも泣きだしてしまいそうである。 ]


セツナ
そ、そうか……。
( 泣きそうな顔だな。可哀想に )
……よっと。
[ 何を考えたのか、胡座をかいてその上に彼女を座らせた ]
よしよし、怖かったね。
もう大丈夫だよ。
[ 手を女の子の頭の上に置き、優しく撫で始めた ]


能面の人々
少女:ううん……うぅ……
[ 背を預け、頭を撫でられ、落ち着けたのかそれとも安心したのか、何だか急にこみあげてきたらしい。 ]
[ 少し振り向いた後、体ごと振り返って思いっきり青年の胸に飛び込んで泣き始めてしまった。 ]
少女:ごわかった……こわがった………うぅぅぅぅ………
[ 恐らくは神社から不安で仕方なかったのだろう。 ]
[ 心がついに決壊してしまったらしい ]


セツナ
はは……もう、大丈夫じゃないじゃないか。
よーしよし。
[ 撫でてる方とは別の手を、少女の背の後ろに回し背中に触れる。手を通して温もりが背中周辺に伝わる ]
大丈夫だよ。僕がついてるからねー。
一緒に。そう、一緒にいてあげるよ。
だから安心してね。
[ 普段からも優しい口調だが、それよりも更に優しい声色で少女に囁く ]


能面の人々
少女:…………。
[ ただ言葉に頷き、そしてただ胸の中で泣く。 ]
[ 少女らしい腕の力だが、離れないという意思が伝わるくらいの力で抱き着いてくる ]


セツナ
ふふ。
よしよし……。
[ 優しく撫でる ]
( 懐かしいな。ミドリの時も、こうやって…… )
[ 数年前を思い出しながら、目の前の女の子にも同じように接することとした ]
[ ただ、じっと彼女を眺めながら温もりを与えてあげることが、今できる最良の答えであってほしいと願うしかない ]


能面の人々
[ 少し時間が経って、ようやく泣き止んだ。 ]
[ そしてさっきよりも、距離が何となく近くなった気はする。 ]
[ 村までの道はもうすぐである。 ]
[ だが、さっきの気配は恐らくこの山に居るであろう。 ]
[ 不安は全て消えたわけでは無い。そう、この少女も存在が消えかかっているのである。 ]


セツナ
( さて、どれくらい時間は残されてるか。早いとこ思い出させてあげたいんだけどなぁ……。 )
[ 抱き締めている腕を緩める ]
落ち着けた?
泣き足りないなら、まだまだしてあげるよ。
[ 急かされる気持ちはあれど、彼女が泣いたままで進むのも心が痛い ]


能面の人々
少女:うん、もう大丈夫。そばにいてくれるから、また、その時に…
[ まだ涙の跡が目立つ、しかしそこまで軟ではないようだ、それは現実で傍にいるであろう妖狐の面影にも見える。 ]
[ 時間は見えない、しかし月が始め見た時よりか傾いては居る。 ]
[ まだまだであるが、このまま時が流れれば、確実に日の出が訪れる。 ]


セツナ
……そっか。
うん。その時に、ね。
[ 彼女の頬に自分の手を持っていき、涙跡を指先で拭う ]
[ 空を見て、月が傾いているのに気付く ]
( 時間が惜しいな )
よし、村まで後少し。行こうか。
[ 立ち上がり、彼女を励ますように元気な声を出す ]


能面の人々
少女:うん。
[ 頷いて答える。 ]
[ 村の入り口近くに差し掛かり、森の出口に辿り着く。 ]
[ その先は水田が広がり、その先には山の中腹から見えた民家がいくつか立っている。 ]


セツナ
ここが、村か。
[ 屋台の主人の言葉を思い出す ]
……よそ者には厳しいだろうけど、背に腹は代えられない。
( 辛くてもやるしかない。ヤコウの…いや、この子の名前を…! )
[ 彼女の手を繋ぎ ]
僕から離れないでね?


能面の人々
少女:うん。
[ 今までで、一番の返事をして力強く手を握った。 ]
[ 二人は歩みを進め、村へと入った。 ]
[ すると、また空気が変わり、秋のような涼しさがやって来た。 ]
[ 村の空気を感じ、辺りを見回すと。 ]
[ 何と言う事だろうか、村の真ん中の十字路の辺りで、おかしな光景が広がっていた。 ]
[ そこには、日本刀を咥え尾が二つに裂けた狐と、尾が裂けてないもう一匹の狐が、狐であるにも関わらず二本足で立って、もう一匹の狐の斬撃を凄まじい身のこなしで回避しているという現場であった。 ]
[ 青年はいつも人の姿になった獣、フレンズをよく見ているため、どう映るかは分からない。 ]
[ しかし、目の前で行われていたのは、鳥獣戯画や妖怪絵巻のような、妖狐そのものの姿の様であった。 ]
[ さあ、この光景を目に、青年と少女はどう行動するのだろうか、それは、また別の話である。 ]

 

夢物語〜山オサキ〜  前編 「山道と村からの危機」

 

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