管理権限について

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運発 570814 第 11 号
2057 年  8 月  14 日

部局長各位

ジャパリ・インコーポレイテッド
ジャパリパーク運営事務局中央総括理事会 理事長

( 公 印 省 略 )

 

ジャパリグループ内部管理権限規則(管理権限)尊守の徹底について

 

 今日までに、当社の機密が漏洩したと思われる事故が、大小含めて幾つか報告されております。ジャパリパーク運営事務局中央総括理事会(以下、中央理事会)が今だ把握していない機密情報漏洩も相当件数あるものと推測されており、当社の損害は有形・無形合わせて、無視できない大きさとなりつつあります。

 この背景には、管理権限違反件数の急増があります。各部局の局長においては、全社員・従業員に今一度、以下管理権限の概要を熟読させると共に、尊守を徹底させ、管理権限違反および機密情報漏洩のないよう、監視を強めて下さい。

 

 

1. 管理権限について

 

 世界有数の超大型グループ企業であるジャパリグループは、その組織秩序の維持と管理の円滑化を目的とし、“管理権限”というシステムを定義しています。
 
 管理権限は、全てのジャパリグループ関係職員に対して、中央理事会の定める基準のもとに付与されます。管理権限には、全部で5つのレベルがあり、上位になるほど、ジャパリグループ内で行使できる権限や、閲覧できる社内情報の項目が増えていきます。
 職員各人は、この権限が許可する範囲内においてのみ、各種業務行動、下位権限者への指示、情報の閲覧などが可能となっているのです。万が一、越権行為が行われたり、データベースへの不正なアクセスが行われたりした場合、違反者は直ちに拘束され、厳重な処罰が下されることになります。
 
 ここでは、管理権限の5つのレベルと、それぞれが行使できる権限について解説します。

 
【管理権限1】
 
職種:一般社員(グループ傘下企業社員も含む)、従業員
 パークの職員・飼育員や、暫定新人パークガイド等の、いわゆる末端構成員がここに所属します。出入りの業者(清掃員、整備工、屋台の店主など)にも、パーク入場の際に付与されます。ジャパリグループで働く職員のほとんどが、この管理権限に属し、それぞれの職務を遂行することのみが許されています。
 ただし、一部を除くアニマルガールとの接触・交流は、管理権限1のレベルからでも可能です。
 
情報レベル:一般公開情報のみ
 社内機密の一切にアクセスを許可されず、対外的に公開されている一般的な情報しか知ることができません。

 

【管理権限2】
 
職種:一般管理職、傘下企業役員、拘束権限を持つ役職
 最低限の管理行動を必要とする役職の社員(中間管理職)に付与されます。また、正規パークガイド・警備員など、他者を拘束する権限を必要とする者にも、このレベルの管理権限が付与されます。
 なお、本社社員でなければ、たとえ役員クラスであってもこのレベルの管理権限までしか許されていません。
 
情報レベル:最低限
 職務上必要となる、社内機密のごく一部(アニマルガールの基本的な身体情報、一般職員の経歴、パーク内の非常通路など)にのみ、アクセスが可能です。

 

【管理権限3】
 
職種:動物実験(飼育)、およびサンドスター関連技術に関わる本社社員
 上級の動物飼育員や、サンドスターに関する実験を行う研究員・作業員、ならびにそれらの分野を専門とする博士などが有する管理権限です。
 
情報レベル:中程度
 アニマルガールの詳細な管理記録や、各種実験データなど、機密性の高い情報を扱うことができます。特に、サンドスターに関連した情報は、このレベルから取り扱いが可能となるため、ジャパリパーク内にいる中核職員の多くが、このレベルの管理権限を有しています。

 

【管理権限4】
 
職種:本社上級管理職
 動物実験やサンドスター実験、施設の増改築、人事など、社内極秘企画の実行指示を出す権限を持ちます。パーク内施設の施設長や、ジャパリグループ本社各部局の局長級など、重要部門のトップ少数人に付与されています。
 
情報レベル:高度
 管理権限3で閲覧できる内容に加え、パーク運営やサンドスター研究の長期プロジェクト計画、要監視対象の詳細な動向とその対策など、ジャパリグループの戦略方針に関する情報を取り扱うことが可能です。

 

【管理権限5】
 
職種:本社最高幹部
 全ての社内企画の申請・組織運営方針に対し可否の判断を下す、最高の意思決定機関としての役割を持ちます。基本的に、ジャパリグループの最高幹部たる中央理事会メンバーでなければ保有できない、最高権限です。
 
情報レベル:すべて
 文字通り、ジャパリグループが保有するすべての機密情報にアクセスすることができます。


2. 副権限について

 

 昨今のジャパリパークにおける業務の多様化に際し、パーク運営事務局では、職員が一部専門的な業務に従事するため、その職員が本来所有している管理権限よりも高い権限を、部分的に付与する試みを行っております。希望する職員は、各部門の上長を通じて、パーク運営事務局に申請を行って下さい。
 これはあくまで、現場の作業効率を考慮したがゆえの暫定的な対応措置であり、中央理事会の定めた正式な枠組みに則ったものではありませんが、職員の間では、慣例的に“副権限”と呼ばれ、本来の管理権限と区別されています。
 
 例えば、アニマルガールが利用する医務室の医師であれば、本来の管理権限は1に属しますが(General-1)、治療のためにデータベースにアクセスし、アニマルガールの身体情報を得る必要があるため、「アニマルガールに関する事については、1レベル上の副権限2が与えられる(AG-2)」といったケースがあります。
 副権限として他によく記載が見られるものは、動物研究(Reserch)、サンドスター技術関連(Sandstar)などがありますが、これらは今後、現場職員の業務がより多様化・複雑化するにつれて、様々なパターンが出てくるものと予想されます。
 
 なお、暫定的措置ゆえに、現在のところ関連資料への記述には特定の決まりはありません。『General-1/AG-2』などのように形式ばって表記するケースもあれば、注釈をつけて示したり、プロフィール内で言及されたりと、資料によって様々であるのが現状です。

 
 
 

3. アニマルガールの管理権限について

 
 ジャパリパークで発見され、データベースに登録されたアニマルガールに対しては、基本的に、人間の一般社員と同様の【管理権限1】が付与されます。これは、人間が居住するパークエリア内の往来・生活を容易にするための、いわば「身分証明」の意味合いで付与されているものです。
 ただし、人間に対して距離を置いているなどの理由で、一部管理権限を付与されていないアニマルガールも存在します。また、人間の職員とともに専門的な業務に従事するアニマルガールに対しては、より高い管理権限や副権限が与えられるケースも、ごく稀にあります。
 
 
 
以上

基本カノン

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