【RP】夢物語~山オサキ~chapter2

ページ名:夢物語-山オサキ-chapter2

◆登場キャラクター
セツナ
能面の人々




能面の人々
[ 石階段を登って神社に辿り着いた二人。 ]
[ それを迎え入れるかのような境内は、至って普通の神社であった。 ]
[ だがさっきの広場とは対照的に、ここに人の気配は感じられない。 ]


セツナ
静かだ……まぁそういう所だよね普通。
この何処かに抜け道は…!
[ 辺りを隈無く探す ]


能面の人々
[ すると、何か賽銭箱の近くに、何か紙の束のようなモノが落ちている事に気が付くだろう。 ]
[ その紙は少し古ぼけているものの、そこに書いてある文字は読むことが出来た。 ]
一枚目
「夕日のまぶしい時間にやって来た、人に生れるはずだった。」
二枚目
「雪のように白く、人を許した慈深きやつ」
三枚目
「雪が降る、風が吹く。凍えながらも、強くあった」
[ まだあるが、これ以上は暗くてあまり読めない。 ]


セツナ
……?
[ 紙の束のようなものを手に取る ]
夕日の眩しい……夕方…?
雪のように白く……???
[ 解析しようにも、何もわからない ]
……ねぇ。君の目では読めない?
[ ダメ元で少女に聞いてみる ]


能面の人々
少女:私は夜目が効くよ!
[ 以外にも、少女は夜目を持っていた。 ]
[ そして、残りの三枚も読むことが出来ました。 ]
四枚目
「秋の長雨を憂鬱に、しかし夕凪が如く何もせず」
五枚目
「雪花を見ては春の訪れを望んで」
六枚目
「鬼の様になることも無かった」
少女:これで、全部だと思う。


セツナ
ありがとう。
…鬼……?
駄目だ、全く分からない。
……君には、この一連の文章が、どういう意味かわかる?
[ 自分が頼りにできるのは、少女だけだった ]


能面の人々
少女:あんまり分かんない。でも、なんだか落ち着いた書き方と言うか。
[ あまりはっきりしないが、きちんとした筆跡で落ち着いた大人の人の筆跡だという事が分かります。 ]


セツナ
ふむ。これは…とりあえず後でなんとかしよう。
[ 抜け道を探すため辺りを見回したり、他に何か無いかと探している ]
くぅ……こんなに暗くなけりゃ……。
[ 空を見る ]


能面の人々
[ 空には月が浮かび、星が見える。 ]
[ 日が昇ってくる様子はない。 ]
[ ただ、お祭りが開かれている広場からの光だけが見える。そして、街の明りの様なものは全く見えない。 ]


セツナ
……仕方ないね。一度さっきの主人さんの所に行こう。
[ また彼女の手を引く ]
……ごめんね。たくさん歩かせちゃって……。
[ 小さい子に何度も階段を登り降りさせるのは、罪悪感があった ]


能面の人々
少女:大丈夫だよ…………。
[ 何かへの恐怖を感じている様であるが、その声は明るかった。 ]


セツナ
……ありがとう。
[ 階段を降り、屋台通りに戻ってきた。先程の射的屋を見つけ、主人さんに話し掛ける ]
主人さん、ちょっといいですか?
早速困っちゃって……これ何だけど……。
[ 先程拾った紙の束を見せる ]


能面の人々
屋台の主人:やや、青年。何だい?んー?…。そいつは、一種の札みたいだな。
[ 急に来た青年の質問に、冷静に答える。 ]


セツナ
札……?
とにかく、この一連の文章がよく分からないんです。これは…どういう意味ですか?
[ 日本語ではあるが、一種の札だという情報以外、まず分からない ]


能面の人々
屋台の主人:う〜ん、そのまんまの意味なんじゃないのかな?何というか、性質をまとめたような。何と言えばいいのかな〜?、そうだ最近の人の?言葉なのかな、レポートとかって言う奴なんじゃないのか?


セツナ
言葉はそのまま…レポート…報告書?
[ いまいちピンとこない ]
……日記?


能面の人々
屋台の主人:日記と来たかぁ………。そうかぁ………。そういやこれ、なんか名付け札みてぇだ。


セツナ
名付け札……?
[ その言葉に馴染みは無かった ]
なら、誰かの……生まれた直後から、書き始めたものでしょうか。


能面の人々
屋台の主人:さぁなぁ、でもそこに書いてあるのはどう見ても文だしな。……考えてメモしたとかなんじゃないかな?


セツナ
…よく見ると、"雪"って単語が三つも出てきてますね。
なんでしょうか……冬に書かれたもの?
……夕日の眩しい……日が高い、夏…かな?
[ 季語を無理矢理見つけていく ]
……これは、その子の年間を表したものかな?


能面の人々
屋台の主人:う〜ん、俺は判らん。それの書き主でもない限り、分からないんじゃないのか?


セツナ
書き主……。
筆跡を見るに、子供の字じゃ無さそうだし……なんだろうなぁ…。
ところでなんですが、この神社の外に出たいんです。
この先の階段以外から出られそうな場所って、知ってますか?
[ 指を差したのは、提灯の光の届かない広い石階段。先ほどの鳥居番の居た場所だ ]


能面の人々
屋台の主人:出口かぁ、確かに無い事は無いな。つまりあるって事だ。…ちょっと耳貸しな。
[ そう言って、周りの目を気にしながら手招きをする。 ]


セツナ
!…はい。
[ 招かれるまま、主人の下へと近付く ]


能面の人々
屋台の主人:あんな、神社の方の石階段の脇に抜道がある。明りが無いから真っ暗だが今日は月がいつもより明るい。たぶん人でも歩いて行けるはずだ。村に出たら油断すんな。よそ者が夜歩いてるのは怪しいからな。


セツナ
なるほど…脇の抜け道。
[ ふと疑問が浮かぶ ]
そういえば、"名前持ち"が特別だって言われましたが…それは何故ですか?
皆が面を被ってることと何か関係が?
[ ここに来て、わからない事は山程ある。まずは皆が皆、面をしていること。そして例外は名前があること ]


能面の人々
屋台の主人:ああ、それなぁ。………実は、詳しい事は判らん。
[ ハッキリと言い放った。 ]


セツナ
……え。
そ、それでも何か…分かることを…些細な事でも構わないんです。
村では名前持ちは生きていけないと聞いて、トラブルは極力避けたいと思ったので。


能面の人々
屋台の主人:ふぅむ、なるほどなぁ。俺が知ってる事って言えば…。そうだ、名前持ちは皆よそ者の一族か、何か妖に関わったやつだってそんな話がちらほらと…。ただ、それを聞いた時の事をあんまり覚えてないんだよなぁ。いったいどこで聞いた話だったか………。で、まぁ、こんなもんかな。


セツナ
よそ者か、妖と関わったか…。
( これは何を意味するのか。村の人達が自分等ばかりを大事にしているのか…それとも、妖を怖れて…? )
[ 謎は逆に深まるばかり ]
( このお面…もしかしたら…ッ。 )
[ 景品として貰った狐の面をじっと見つめる ]
…色々教えて下さり、ありがとうございます。脇の抜け道を通って、外に出ますね。
[ 軽くお辞儀をし、神社方面に歩いていく ]


能面の人々
屋台の主人:きぃつけなぁ、何も危ねぇのは人だけじゃない。この辺には妖もいるからな。そんじゃ、またな。
[ 手を振り、若干心配そうな表情で青年を見送る。 ]


セツナ
……。
[ 悶々とし、途中で止まる ]
( 外に出るには、もっと情報が必要だ。だからといって、長居も良くない。何よりこの子を…… )
[ 傍らにいる少女をチラ見した ]


能面の人々
[ 少女は特に疲れた様子もないが、少し不安げである。青年の手の中にある少女の手は少し震えている。 ]


セツナ
……。
[ 少しだけ呼吸を整え ]
ねぇ。外に出る前に、ちょっと寄りたいお店があるんだ。いいかな?
金魚すくいなんだけど…していかない?
[ 明るい口調で話し掛ける ]


能面の人々
少女:…うん!
[ 無理矢理にでも明るくしているのか、さっきまでの不安げな表情を隠して笑顔を見せる。 ]


セツナ
そっか…じゃあ早速行こう。
( ……無駄には出来ない、な。 )
[ 少女を連れ、目的の店まで来る ]


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:お、青年。また来たねぇ。やってくかい?


セツナ
ええ。今度はこの子も一緒に。
[ 少女の頭に手をポンッと置く。ついでに少し撫でる ]


能面の人々
[ 少女は、目をつぶり、小動物が時折見せるような嬉しそうな表情をする。 ]
屋台(金魚すくい)の主人:ほぉ〜お。(隅に置けねぇなぁ。)ほいっ、んじゃ二回な。


セツナ
はい。僕とこの子の分で。
[ 倍の小銭を手渡す ]


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:まいどぉ〜。嬢ちゃんから行こうか。
少女:よ〜し。
[ ゆらゆらと、揺れる水面の下で動き回る金魚の群れの中から、色鮮やかな一匹を狙ってポイを振るった…が、うまく掬えなかった。 ]
少女:……あぁ。
屋台(金魚すくい)の主人:あぁ、残念。
[ 水槽の中の金魚は人の事を気にせず泳ぎ続ける。その中には最初に遭遇した白い金魚もいた。 ]


セツナ
……うーん。
[ 自分のポイを見つめる ]
代わりにしていいよ。
[ と、自分のポイを少女に手渡す ]
金魚の頭か側面を狙ってみて。それと、ポイは斜めに入れるのがコツだよ。水の抵抗があるからね。引くときも斜めから。さぁ、やってみて。
[ 聞きかじったコツを少女に教える ]


能面の人々
少女:え?…いいの?…う〜ん……………。わかった!
[ そう言って、水面をじっと見つめて集中し始める。ただ若干手が震えているため狙いが定まっていないようだ。 ]


セツナ
…あぁ。
[ 少女の手を、そっと掴む ]
ほら。大丈夫、大丈夫。
怖くないよ…ね?
[ 先ほどから少女の違和感は感づき始めていた。安心させなくては。その一心しか無い ]


能面の人々
少女:あ…………。ありがとう。
[ 目を見て話す。不安からか、目には涙がたまり少し震えているが、しっかりと青年を見ていた。 ]
少女:大丈夫…。うん、大丈夫だよ…。よ〜し、がんばる!
[ そう言って、また笑顔を見せた後に水槽に目を向けた。 ]
少女:……どれが、良いかな?
[ と、青年に尋ねる。どうやらさっきのアドバイスで経験の差を知ったのだろう。どの金魚が良いのか青年に訪ねてきた。 ]


セツナ
そうだねぇ…。
んー…それじゃあ、この白い金魚を狙うかい?君と同じ綺麗な白をしてるからね。
[ 差した指を先には、最初に遭遇した白い金魚がいた ]


能面の人々
少女:わかった……。
[ 青年から見えているかどうかわからないが…何だか赤面している。 ]
[ そして、水槽の中の金魚の中に一匹だけいる真っ白な金魚をポイで掬おうとする。 ]
[ 御椀を近くに寄せ、ポイをなるべく水平になる様に心掛けながら掬ってみる。 ]
[ そして、白色の金魚を掬い、少し薙ぎ払った瞬間にポイが破け、金魚すくいは終わってしまった。 ]
[ しかし薙ぎ払われた白い金魚は水槽には帰らず、お椀の中へと入っていった。 ]
少女:あっ、やったぁ!!


セツナ
お!やったな!
[ 頭を撫でる ]
( あれ、なんで僕コイツ取れなかったの…? )
[ コツは分かっても、活かしきれてなかった。その真実から必死に目を逸らす ]


能面の人々
少女:やった!やったよ!
[ さっきまでの不安な表情は何処へ行ったか、今は子供らしくはしゃいでいる。 ]
屋台(金魚すくい)の主人:お〜、雪花が掬われちまったなぁ。
[ 何というか、能面の店主の声はセリフと違い感情がこもっていないように聞こえる。 ]


セツナ
ふふっ、よかった…。
[ ナデナデしながら、店主の方を見る ]
ずっとお面被ってて、息苦しくないですか?外してみては?
[ これはある意味、試しだ ]


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:なんだい、気を使ってんのかい?大丈夫さ、こういうもんだからな。
[ どうやら、苦しいわけでは無いらしく、軽く答える。 ]


セツナ
( 何か、平坦な声色だな )
……まさか、ずっと付けっぱなし?
…失礼ですが、ご自分の名前はわかりますか?


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:そんな事はどうでもいいだろう。そんな事より、雪花を掬えた事を喜びな。
[ 感情が読み取れないその声は、ただそう答えるのみであった。 ]


セツナ
そう…ですね。
…この金魚の名前、雪花って言うんですか。由来ってやっぱり、白いからですかね?
[ あまり問い詰めるのも気分が良くないだろう。会話をするように質問する ]


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:そうさ、ほら。
[ 透明なビニール袋に入れられた白い金魚『雪花』は、おとなしく呼吸を繰り返している。 ]
屋台(金魚すくい)の主人:コイツは、あまりの白さからそう言われているんだ、綺麗だろ。


セツナ
えぇ…ほんとに。
…ね?
[ ビニール袋の中で泳ぐ魚を見ながら、少女に話し掛ける ]


能面の人々
少女:うん、本当に雪みたいに白いね。
[ 青年の持っているビニール袋をよく見るためにか、少し身を寄せて金魚を眺めた。 ]


セツナ
…ほんとに白いな。
[ 少しだけ、この金魚をじーっと見つめる ]


能面の人々
[ 雪花と呼ばれた金魚はよく見るとどこか寂し気な気もするし、何かを諦めたような目をしているようにも見える。 ]


セツナ
…?
( なんで…そんな目をしてるのさ。 )
[ 主人のほうを見る ]
雪花、綺麗ですね。どこで見つけたんです?


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:雪花は…。たしか近くの村の金魚問屋から仕入れたんだよ、その時から雪花ってよばれててな。苦労したがやっと買い付けられたのさ。3年かかったよ。


セツナ
さ、3年も!?
凄い執念ですね…!
[ 感心しているが、半分近くは機嫌取りの為のリアクションだ ]
( 3年も居たのか、この水槽で )
[ また、金魚をじーっと見つめる ]


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:まぁ、一匹に拘ったせいだな。そんだけだ。
[ 雪花は呼吸を繰り返しているが、時より目が動き、たまに青年と目が合う。 ]


セツナ
…。
( じーーーー… )
[ じーっと見つめる。ハシビロコウの真似をするように、青年の蒼い目は白い金魚を見続ける ]


能面の人々
少女:……何か気になるの?
[ 下からビニールと顔の間に入り込むように少女の頭がやって来た。 ]


セツナ
!…ぁッ…いや、なんでも。
[ 金魚ばかり見ていたので、突然頭が目の前に来たことに驚く ]
( 金魚…問屋…村…村?……! )
ねぇ主人さん。その村って、どんな所なんですか?


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:この山の麓だよ、歩けばすぐに着くんじゃねぇかな?まぁ、しかしアレだよ。何もねぇと思うぜ。
宿場ってわけでもねぇし。ただまぁ、最近はちょっと凶作でよその奴を受け入れるような余裕はねぇみたいだな。あ〜、そうだ。
その雪花を育てた金魚問屋もそこに住んでるよ。なんでも30年以上前に越後だったかどこだったか、確かよそから来たんだが、近くの山に池持って、そこで金魚育ててるんだよ。


セツナ
へぇー…。
( ホントに何も無いのだろうか )
凶作ですか…雨に恵まれなかったんでしょうかね。
……そうだ。
"名前持ち"って、よそ者だったり妖に関わってた奴だったりって聞いたんですけど、本当ですか?


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:ああ、それな。そうなんじゃねぇかな。噂程度だが。


セツナ
そう、ですか……。
…変な話ですね。
名前って、生まれた時に必然と付けられるモノだと思うのですが…。
[ 素朴な感想だった ]


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:そいつについちゃ、ちょっと俺らと認識がちげぇのかもな。俺が見た感じ、あんたらは俺らとも村の奴等とも文化とかが違う場所から来たようだしな。


セツナ
…間違いではない、です。
まぁ、放浪の旅人とでも思っておいて下さい。
[ ちょっとカッコつけた ]
認識違いと言いましたね。正解です。
僕らにとっちゃ、当たり前にあって無い理由が無いんです。いち個人を示す"個性"ですから。無いと色々不便ですし。
……だから、不思議なんです。


能面の人々
屋台(金魚すくい)の主人:言っちゃあなんだがな、そういうとこから違うんだろうよ。そういうことさ。


セツナ
はあ…成る程。
色々とありがとうございました。
さ、行こっか?
[ 彼女の手を繋ぎ、主人におじきをし、神社方面に向かう ]


能面の人々
少女:あ、うん。
[ 手の力は今までよりも少し強かった。 ]
屋台の主人:まいど〜。
[ 主人は、青年に手を振り見送った。 ]

 

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