フィリップ(Library Of Ruina)

ページ名:フィリップ_Library Of Ruina_

登録日:2023/07/15 (土曜日) 00:37:06
更新日:2024/07/09 Tue 13:57:53NEW!
所要時間:約 16 分で読めます



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Library Of Ruina Lobotomy Corporation Project Moon



「…ありがとうございます。」


フィリップは「Library Of Ruina」の登場人物の一人。ここでは彼の所属した組織の「夜明事務所」「楔事務所」についても記していく。

概要

Library Of Ruinaの都市を生きる何でも屋、フィクサー。フィリップはそのフィクサーの一人で24歳。フィクサーには特色及び1級~9級までの階級があるが、彼は5級に位置している。
基本的に感情を表に出さないタイプであり、同僚にも張り合いがないと指摘されることがある。しかし内には何か熱いものを秘めているようで…?



ストーリー1 ~夜明事務所~

フィリップの初登場は「都市疾病」のストーリーである「夜明事務所」の接待。
フィクサーの仕事は戦闘・治安維持・暗殺・交渉・情報調査など多岐に渡るが、彼の所属する夜明事務所は戦闘に長けたフィクサーを少数先鋭で集めた事務所である。スティグマ工房と呼ばれる、熱と炎を付与する工房武器の扱いに長けていることも特徴の一つだろう。


登場人物

それにしても、今日は一段と茶の香りが濃くて好いな。

  • サルヴァドール

3級フィクサー。夜明事務所を設立した人物。54歳。
かつては一世を風靡した1級フィクサーであり、ローランも認知していた。リウ協会にも認知されており、全盛期の実力は計り知れない。が時から老いの影響で腕が衰えている模様だが、それでも一線級の戦闘力を持つ。口数の少ないフィリップが何か悩みを抱えていることを指摘するなど洞察力も高い。
好物は双和茶で、フィリップの淹れる茶に対し「フィクサーの審査に双和茶を淹れる評価があったなら彼は1級だっただろう」と絶賛している。



どうしてか私がみんなを養ってる感じがするんですけどね。

  • ユナ

夜明事務所所属、4級フィクサー。34歳。
単独で都市伝説級のねじれを鎮圧する優秀なフィクサーである。一方で、時折抜けた発言をするサルヴァドールに対しては若干愛想を尽かしている模様。
バイオリンケースのような形状をした特殊な武器を用いる。内部に刃が折りたたまれており、ケースから刃を変形させて攻撃するようだ。



  • フィリップ

夜明事務所所属。人となりは上述したとおり。



3人はツヴァイ協会からの要請に応じ、図書館へと乗り込む。


接待

ゲストは先述の3名のみだが、こちらも1階3人しか使えない。特徴として、全員が相手に付与する火傷*1の値が1増えるパッシブスキル「スティグマ工房の武器」を保持している。


+ ゲストの構成-

サルヴァドール

  • 体力 80
  • 混乱抵抗値 39
  • 速度ダイス2個
    • 速度2~6
  • パッシブスキル
    • 守護者:最初の幕、ランダムな味方二人に保護*22を付与
    • 暁の火:火傷状態の敵にダメージを与えたとき、混乱ダメージを追加で1~2与える
    • スティグマ工房の武器:相手に与える火傷の値が1増加
  • 属性耐性
    • 斬撃ダメージ、貫通混乱ダメージに対して抵抗(ダメージ0.5倍)
    • それ以外の属性に対して普通(ダメージ等倍)

ユナ

  • 体力 60
  • 混乱抵抗値 32
  • 速度ダイス1個
    • 速度2~5
  • パッシブスキル
    • 孤独なフィクサー:生存している味方が自分だけの時、次の幕から攻撃ダイスの威力が3増加
    • スティグマ工房の武器
  • 属性耐性
    • 斬撃ダメージ、打撃ダメージに対し弱点(ダメージ1.5倍)
    • 貫通混乱ダメージに対して抵抗
    • それ以外の属性に対して普通

フィリップ

  • 体力 60
  • 混乱抵抗値 30
  • 速度ダイス1個
    • 速度2~5
  • パッシブスキル
    • 激情:感情レベルが1以上の時、全ダイスの威力が2増加
    • スティグマ工房の武器
  • 属性耐性
    • 打撃ダメージ・混乱ダメージに対して弱点
    • 貫通ダメージ・混乱ダメージに対して抵抗
    • それ以外の属性に対して普通

具体的な戦略を決めて行動を決めないと手痛い目を見る、都市疾病の難敵。
そのために注目するべきはユナ、フィリップのパッシブだろう。フィリップのパッシブ発動のための条件は「感情レベル1以上」と非常に緩い一方で全ダイス威力2増加の効果はハチャメチャに強い。このためフィリップは感情レベルが上がる前の1~2幕目にできる限り削っておきたいところ。
ユナのパッシブの発動条件は「自分以外の味方が生存していないとき」と、フィリップと対照的に終盤に発動するもの。そして効果は攻撃ダイスの威力+3とこちらも非常に強い。こちらは発動させないことが要。
以上により取るべき戦略は

  1. フィリップのパッシブによる被害が出る前に早期撤退させる
  2. ユナのパッシブを発動させないためにサルヴァドールより先に倒す

の2つ。都合のいいことにフィリップの体力を削りきると逃げ出し本をドロップしないため、彼の感情レベルを上げるメリットは皆無。集中攻撃で退場させよう。


僕が……力足らずですみません。でもこれ以上は……。

やれやれ……フィリップ君、無理せず撤退した方がいいだろうな。


残りは先ほど解説したようにユナ→サルヴァドールの順。速度ダイス2個持ちで弱点属性を持たず、強力なバトルページ「明け方*3」を持つサルヴァドールは脅威だが、保護を与えられる味方を先に撃破することで対応しよう。本の入手数を上げるために感情レベルを稼ぎたいところだが、火傷での負傷で返り討ちに合わないように程々にしよう。


全部、私が足りなかったせいだろうな。

余生に未練はないが……残ったあの子が心残りだな。


接待の完了によりサルヴァドール、ユナの本を獲得できる。これらから抽出できるページのうち、サルヴァドールのコアページは速度ダイス2個で弱点属性なしと、この段階のコアページで最も優れたステータスを持つ。パッシブ「守護者」によって序盤の味方の耐久力も上げることができ、長く頼ることになる。ユナのコアページはメインで使うのは難しいが、帰属システムの強化、特殊なシチュエーションの接待によってパッシブ「孤独なフィクサー」が輝く場面が現れる。
バトルページもプレイヤーに猛威を振るった「明け方」の他、コスト1の「黎明の閃光」はこの段階では貴重な無条件で1ドローできるページであり重宝する。




ストーリー2 ~楔事務所~

直前の接待で壊滅した夜明事務所。しかしフィリップは一人図書館から逃げ出した。彼はサルヴァドールの残したメモに従い、夜明事務所と協力関係にあったフィクサー事務所「楔事務所」を頼ることにする。


「僕が止めたのなら…。僕がもっと腕がよくて強かったら…。僕が…逃げさえしなければ…。」


自分の行いを悔いるフィリップ。彼は今すぐにでも図書館に戻り本を回収したかったが、それに対する楔事務所の面々の反応は冷たいものだった。
特にサルヴァドールの戦友で事務所の長であるオスカーには「君を事務所に迎え入れることはないだろう」と言い切られてしまう。フィクサーとして誰かのために行動してはいけないのか、と反駁するフィリップだったが、オスカーに以下の言葉を投げかけられる。


「誰かのために命を捧げるのも自分のためだ。『自分は他者のために動いている』という考えこそが、自分を騙す最も危険な利己主義だ」
「そもそも君は本当に仲間のために熱を上げているのか?」


言葉を返すことができなかったフィリップ。楔事務所の次の行き先が図書館だったこともあり同行を許された彼は、自分の行動原理について悩みながら図書館へ向かう…


登場人物

新規のものだけ紹介。


友に対して最低限の責任を取るだけだよ。

  • オスカー

53歳、3級フィクサー。夜明事務所の兄弟事務所である楔事務所を束ねる。サルヴァドールとはかつて戦線を共にした仲である。
彼を始めとして、楔事務所の面子は槍を得物としており、敵の弱点を狙って突く戦闘スタイルを好む。
ほとんどの相手に公平に接し、フィリップを責め立てるパメリをたしなめつつも、上記の問いを投げかけた。


何かが起こったら、その結果に分かりやすい理由をこじつければいいでしょ?

  • パメリ

29歳、4級フィクサー。
身長が140cmと短いが、これは直近の戦闘でねじれ「8時のサーカス」と相対した際に首から下を跡形もなく引き裂かれ、生体修復保険に入っていたパメラの体を複写して修復されたため。回想を見る限りもともとの身長は160cm以上。そのためか本人は新しい体に対して愚痴を言い続けている。
初対面のアンジェラが機械か確かめるために遭遇早々頬をひっぱたいた。


乗り越えていこうとしてるでしょ、気遣ってあげようよ。

  • パメラ

26歳、4級フィクサー。身長140cmの合法ロリ。
基本的にあまりしゃべらないが、パメリが自分の体のコピーに文句を言いだしたときは思いっきりケンカを売った。


接待

夜明事務所戦同様、都市疾病の接待でも高難易度の部類に当たる。2舞台制だが、こちらは階層1つしか使えない。そのうえ相手は1舞台目からネームド4人の全力体制。少なくとも下層階のいずれかの3番目の幻想体を制圧し、4人体制の階を作らないと厳しい。


+ ゲストの構成-

オスカー

  • 体力 81
  • 混乱抵抗値 45
  • 速度ダイス2個
    • 速度2~5
  • パッシブスキル
    • 不屈:体力が0になる攻撃を受けたとき、そのターン中その攻撃及びその後に受けるダメージ量-25。1舞台に1度のみ発動
    • 突き抜く:貫通属性のダメージ量+1
    • 突き抜き揺らし:貫通属性の混乱ダメージ量+1
    • 楔:貫通ダイスの威力+1
  • 属性耐性
    • 貫通ダメージに対して抵抗
    • それ以外の属性に対して普通

パメリ

  • 体力 72
  • 混乱抵抗値 34
  • 速度ダイス1個
    • 速度2~5
  • パッシブスキル
    • 突き抜く
  • 属性耐性
    • 斬撃ダメージに対して弱点
    • 貫通混乱ダメージに対して抵抗
    • それ以外の属性に対して普通

パメラ

  • 体力 72
  • 混乱抵抗値 34
  • 速度ダイス1個
    • 速度2~5
  • パッシブスキル
    • 突き抜き揺らし
  • 属性耐性
    • 斬撃ダメージに対して弱点
    • 貫通混乱ダメージに対して抵抗
    • それ以外の属性に対して普通

フィリップ

  • 体力 60*4
  • 混乱抵抗値 30
  • 速度ダイス1個
    • 速度2~5
  • パッシブスキル
    • 激情
    • スティグマ工房の武器
  • 属性耐性
    • 斬撃ダメージ・混乱ダメージに対して弱点
    • 打撃ダメージ・混乱ダメージに対して抵抗
    • それ以外の属性に対して普通

前回同様フィリップは壊れパッシブの激情を持ち、また本もドロップしないため、同様に初手から速攻を仕掛け落としに行こう。弱点属性が打撃から斬撃に変わっている点は注意。
残りの3人の攻撃はほとんどが貫通属性なので、貫通属性に抵抗を持つサルヴァドールのコアページが役に立つ。
戦友のページでオスカーを倒す外道。まあ似た事例は図書館で何度も観測できるけど
またパメリ・パメラの二人のコアページは汎用ドロップ「楔事務所の本」からも回収できるので無理して感情レベルを上げる必要はない。彼女もフィリップと同じく斬撃が通りやすいので、斬撃中心のデッキを組むと良。「黒雲会」の接待で入手できるページを用いるとよいだろう。


こんなマヌケな動きを……

こんな失敗……したくなかったのに。

私の力も、もう衰えたか…





















今度も仲間の死を……ただ見てるしかないのか……?


残された者

オスカー達の足を引っ張らない。そう約束していたフィリップ。しかし再度、彼は戦闘から逃げ出してしまう。そして図書館の中で彼は立ち止った。そして思い起こす。


夜明事務所で彼は、図書館との戦闘で逃げた。
彼の先輩と師匠の足を引っ張りたくなかったから。ここにいては何もできず、外に助けを求めるしかないと思ったから。
それが、二人のためだと思ったから。


楔事務所の面々も、二人のためだと思って連れてきた。
そして彼らを犠牲にした。
「僕は他人のために命を懸けることができる。ただ今はその時じゃないだけ」という言い訳を理由にして。


彼は、自身の言うことを正当化するために、「他人のため」という言葉を使っていた。フィリップは今はっきりとそれを自覚する。
オスカーの言う通り、彼の危険な利己主義は5人の犠牲を生んだのであった。


そして自らの罪を理解して、彼はある決意をする。


これ以上、誰かのためという言葉で飾り立てたくないんだ。
すべてのことは僕のためだと。
その何よりも、僕のために。
誰よりも悲しんでいる僕のために…。






























覚醒したフィリップ


……悲しんでいる僕の代わりに泣いてくれる人はいない。


いっそこの悲しみとともに起き上がる道を選んでやる。


己と向き合ったフィリップは、悲しむ自分のための戦いとして、司書たちの前に姿を現す。
しかしその姿は、先ほどのフィリップとは違うものだった。
右手に持っていた片手剣は橙色のひび割れが入った巨大なものに変化。その右手から右肩にかけてのみ鎧に覆われ、左側に生えた大きな片翼を盾のように構えている。


このゲームでは初めて相対するE.G.O*5。フィリップは不完全ながらも、借り物ではない自分の力によってその発現に成功していたのである。
かつての自身の選択による後悔までもを力にし、楔事務所の接待の2舞台目として図書館の前に立ちふさがる。


接待の内容

ここで、E.G.Oを発現したフィリップのステータスを見ていこう。


  • 体力…300
  • 混乱抵抗値…100
  • 速度ダイスの数…可変。後述
    • 速度1~5
  • 属性耐性
    • 打撃ダメージ・混乱ダメージに対して抵抗
    • それ以外の属性に対して普通
  • パッシブスキル
    • 揺らぎ:幕開始時にデッキと手札のページをすべて消去し、その幕に使用するページを手元に追加。すべてのページのコストが0になる。
    • 激情:幕終了時に混乱状態でなければ、すべての敵に火傷3を付与
    • 不安定な自我の殻:後述

単独で登場するボスはこのゲームで初めてであり、当然出現時期では圧倒的な値の体力と混乱抵抗値を持つ。またパッシブ「揺らぎ」初登場。コスト制限なくバトルページを使ってくるため非常に強力。
しかし使用するページが完全に無制限というわけではなく、パッシブ「不安定な自我の殻」によって制御されている。


E.G.O発現したフィリップは、4幕周期の行動を行う。
最初の2幕は「羽の盾」状態。この状態では主に守備ダイスを含むページを用いるほか、相手の受けるダメージを5軽減し、攻撃者に火傷を付与する。
「羽の盾」状態が終わると次の2幕は「ギラギラ燃える剣」状態に変化。この状態は相手に攻撃を与えたときに火傷を付与する。
また「ギラギラ燃える剣」状態で1幕経過した次の幕では、平常時3個である速度ダイスが5個に増加し、確定で打撃30~40という強力なバトルページ「燃えたぎる一撃」を使用する。
その後「羽の盾」状態に戻って以下これを繰り返す。


「羽の盾」状態の5軽減が厄介であり、生半可な火力のページではフィリップに有効なダメージを与えられず、むしろカウンターで付与される火傷でダメージを背負うことになる。
一方で「ギラギラ燃える剣」状態はダメージを普通に与えられるため攻撃の狙い目。一方攻撃を使って一気に削ろう。
燃えたぎる一撃は撃たれたらまず死ぬ。下手に耐えることを想定するより、すでにリソースが尽きた司書で受けさせるなどの工夫をしよう。
パッシブ「激情」の効果でこちらの体力が速攻で削られるため長期戦はできない。最初のギラギラ燃える剣状態のうちに混乱させ、そのまま体力を0にできればベスト。




待って……どうして……。まだ終わってないじゃないか!!!


フィリップのHPを削り切れば接待終了。だが彼は謎の装置でどこかに転送されてしまう。





接待終了後、楔事務所メンバーの本とともに、バトルページ「ギラギラ燃える剣」「羽の盾」のいずれかを入手できる。どちらのページも悪くない出目に、多量の火傷を付与する効果がついている。サルヴァドールのコアページと相性がよい。
また、オスカーのコアページを始めとした楔事務所コアはすべて貫通威力強化パッシブ「楔」を所持しており、貫通特化デッキが作成可能。芸術の階の幻想体ページには貫通に関連するのも複数存在するので、相乗効果が見込める。




追記、修正は自力でE.G.Oを発現した人がお願いします。




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フィリップが転送された先は、とあるサーカス場。サーカス団の団長と思わしき男は、自らの団を「8時のサーカス」と名乗った。
「8時のサーカス」。それは夜明事務所が図書館にいたころ、楔事務所が相対していたねじれ。パメリの体を引き裂いたあれである。そしてそれは夜明事務所の図書館での任務に楔事務所が同行できなかった理由であった。すなわち、彼らはサルヴァドールとユナが命を落とした遠因になっていた。
「バラバラにしてやる」と団長に怒りをぶつけるフィリップ。
しかし彼は意にも介さず、「共に公演を開きましょうか!」と言った。


そしてフィリップの目の前に現れたのは、死んだはずのサルヴァドールとユナだった。


道化師が見せる幻影だと断じるフィリップ。しかし、かつてフィリップがユナに告白して振られた話題から始まり、サルヴァドールとユナの言葉(もちろん、実際に言っているのは彼らではないが)は徐々にフィリップの精神を蝕んでいく。



独りで逃げたくせに、よくも悔しいって言えるよね。


そういう君は、努力をしたのかね?


お前が考えたいように考えてるだけじゃんか。


まだ悟っていないのか。君を信じるんじゃなかった…





黙れ!どうして今になって僕を苦しめようとするんだ!!!



完全に心を折られたフィリップ。その目の前に突如現れたのは、また別の存在。それは「手を差し伸べましょう。望むことを口にすれば、それが何であれ手伝います」と語る。明らかに怪しい人物だが、何でもいいから心の支えを求めていた彼は引き寄せられてしまう。
そして彼にフィリップが願ったのは、図書館に対抗できる力でも、亡くなった仲間をつなぎとめるものでもなかった。



何も……聞きたくないです。

何も見たくなくて……言いたくもないんです……。

今の僕の望みは……ただ、大泣きしたいんです。



かつて図書館で見出した、悲しみを受け入れ、自分のために決断する力。彼は皮肉にも自分の意志で、その力を放棄することを選んでしまった。
そして、心に語り掛ける「あの方の声」に耳を傾けた彼は…




ねじれてしまった。




蝋でできた小さな天使のような姿をした、つい先ほどまでフィリップだったもの…「泣く子」に対し、彼に手を差し伸べたプルートと名乗る男は、図書館の招待状を渡す。




泣く子(Library of Ruina)


登録日:2023/07/15 (土曜日) 00:37:06
更新日:2024/07/09 Tue 13:57:53NEW!
所要時間:約 23 分で読めます



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library of ruina lobotomy corporation project moon 闇堕ち 見ざる言わざる聞かざる 主人公になれなかった者 フィリップ 覚醒フラグを手放してしまった男 被害者→加害者



「泣く子」


耳を塞げば完全に完全に僕の声だけが聞こえる。僕が出す声だけに集中できる。         


「泣く子」は先述の通りフィリップのねじれた姿。
「泣く子」と銘打たれてはいるが、登場時は「目を隠した子」「耳を塞いだ子」「口を覆った子」に分かれていた。これはそれぞれフィリップが願った「何も見たくない、聞きたくない、言いたくない」という願いと対応している。
目を隠した子は無邪気な発言をしているが、耳を塞いだ子は常に自分の悪口が言われていると思っており、常にそのことに文句を言い続けている。口を覆った子はそもそも発言しない。


簡単だ。見なければいいんだろう?その闇に耐えなくてもいいんだ。  




不必要な悪は口にするな。


これらの子が合体することによって巨大な天使「泣く子」になる。泣く子としての発言は概ね「自分が幸せになりたいから協力しろ」といった傲慢なもの。かつての「自分のせいで他人が不幸になっている」と考えていた様子はほとんど残っていない。
この言葉は卑屈な耳を塞いだ子でも明るい目を隠した子でもないため、口を覆った子の発言に当たると思われる。未来永劫塞いどけ。


接待


そんな泣く子との接待は、泣く子が分離・合体を繰り返す動きを繰り返す、合計7フェーズにもわたる長期戦になる。


   .........。


最終フェーズを除く奇数フェーズでは分離した3種の子が出現する。これらの3種の子は以下のようなパッシブ能力を持っている。

  • 目を隠した子:泣く子のバトルページの特殊効果が確認できなくなる
  • 耳を塞いだ子:泣く子の攻撃先が見れず、マッチによる変更もできない
  • 口を覆った子:司書のうちだれか一人が行動不能になる

これらの特殊効果は、それぞれの子を一度混乱させれば消滅する。
また、子達は混乱しても耐性が「ダメージ抵抗、混乱ダメージ普通」のまま変化しない。一方で、各ターン子の誰かが、他のページと同じダイスだが1ダイス目に「マッチ敗北時、すべての味方の耐性が脆弱(ダメージ2倍)になる」を持つページを使う。初期状態ではこの効果は目を隠した子のパッシブにより見えない。
基本的に口→耳→目の順に処理していくとよい。子達の耐性は気づいたら脆弱になっていることもあるので、目を隠した子の効果はそこまで脅威でもない。
全ての子の体力を0にするとフェーズ移行する。
なお、第3フェーズでは目を隠したこと耳を塞いだ子は2体に増え、計5体を相手にする必要がある。ちなみに、それぞれ3体に分裂しているので、画面上には計15体いることになる。
第5フェーズでは数こそ3体に戻るが、攻撃性能が向上する。
そのため、徐々にきつくなっていくので注意が必要。


何も聞きたくない。見たくない。話したくない......。


偶数フェーズは合体した泣く子との戦闘。
奇数フェーズのような複雑なギミックは存在せず、ダイス目の比べあいになりやすい。
複数の攻撃ダイスと反撃防御ダイスを持つページを用いるが、防御ダイスの出目はそこまででもないので一方攻撃をすればダメージが通しやすい。
フェーズ経過ごとに、強力なデバフを付与する「拘束」などの強力なページが解放され、速度ダイスの数も増える一方、体力は減少する。こちらの消耗も激しいと思われるため、できるだけ短期決戦を心掛けたい。
体力を0にするとフェーズ移行。


最終フェーズは口を覆った子だけが出現。体力を0にすると子は逃げ出し、接待終了。報酬として「不安定な泣く子の本」を3冊得る。


そして最後、行うな。そうして僕を幸せにしろ。


その後

この次のリウ協会のストーリーにて、図書館から逃亡した口を覆った子はV社の巣へと出没。
自分の事務所に戻り、元のフィリップに近い姿に戻ってしばらく泣き叫び続けた後に、夜明事務所の周囲の物を無差別に破壊し始め、ストーリー時点にて8万人もの死傷者を出したことが語られる。*6
V社によって雇われたリウ協会一課の手で討伐寸前まで持ち込まれたものの、ストーリーにて度々暗躍していた特色フィクサー「青い残響」の干渉で取り逃したことが判明する。


その後、紫の涙のストーリーにて複数の手で顔を覆い隠したような頭部を持つ比較的人間に近い形態で再度登場。「青い残響」が率いるねじれの集団「残響楽団」の一員となっていた。
以降の動向は、個別記事を参照。


余談

  • フィリップに対してのローランは「『他人のため』という皮に隠れた利己主義ほど危険なものはない」と断じている一方、精神を追い込まれねじれるまで至った彼に対し、ローランは若干の同情を見せている。
  • 流れで分かるように、彼が不完全ながらE.G.O.を獲得するに至った精神性はあくまで「図書館での保身のための逃避」に対するもので、先輩に振られたのは上司と不倫をしているからと妄想した「失恋での保身のための逃避」に対してはノーガードだったため、そこを突かれてねじれてしまった。前者はまだ自他の善意の介在がありえたが、後者は完全に自己都合による冒涜なのでどのみち耐えられなかっただろう。
  • E.G.O.はおそらく熱く滾る我欲が剣、責任転嫁して自分を守ろうとする防衛意識が盾となっていると思われる。
  • 泣く子の接待報酬である本3冊だが、
  1. 本を3冊燃やせば天井に達し、コアページ「不安定な泣く子のページ」を確定で入手できる
  2. 一方でこの本は都市の星「リウ協会2課」を招待するために必須

 …というジレンマを抱えており、最終的に泣く子の接待を2周する必要が出てくる。



追記・修正は彼の代わりに泣いてくれる人がお願いします。




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  • プロムンのメガネは逃げるの第一号 -- 名無しさん (2023-07-15 23:42:08)
  • フィリップもいつか記事できそうと思ってたら出来てる...乙です。 -- 名無しさん (2023-07-16 12:16:38)
  • アンチヒーローかその亜種的な造形のキャラだと思うけど、フィリップはその点ありがちな「粗野な悪漢」ではなく、繊細(悪くいうと根暗)な優男なのが新鮮だった -- 名無しさん (2023-07-16 20:40:51)

#comment(striction)

*1 ターン終了時、値分のダメージを受ける状態異常
*2 値だけ受けるダメージが減少。混乱ダメージは減少しない
*3 防御3-8、斬撃7-18(的中時:火傷3付与)ダイスと「使用時:次の幕にランダムな味方2人に保護2を付与」効果を持つコスト3のページ
*4 表示される値は70だが、実際は残りHPを10まで減らした段階で撤退する
*5 次作Limbus Companyにおいて「不安定E.G.O::蜜蝋の翼」という名前が判明。ヴァルプルギスの夜期間中に獲得できる「夜明事務所フィクサー」人格が発動可能な特殊効果。
*6 裏路地の人間を30万人一掃したピアニストより被害自体は少ないが、安全が保証されている巣の中での死傷者なので事態はより深刻な様子。

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