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更新日:2024/07/05 Fri 10:54:59NEW!
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この項目では2023年WBC野球日本代表についてメンバーや活動までの流れを記載した項目である。
●目次
◆代表誕生及び監督決定までの経緯
アメリカ相手に僅差で敗れ2大会連続のベスト4に終わった2017年の第4回大会終了後、野球日本代表監督は稲葉篤紀がコーチから昇格という形で就任。
当初の代表活動スケジュールは
2017年秋 U-24アジア選手権
↓
2018年秋 日米野球
↓
2019年秋 第2回プレミア12
↓
2020年夏 東京オリンピック
↓
2021年春 第5回WBC
というのが一連の流れであり稲葉の監督期間は最低でもオリンピックまで、状況次第ではWBCまで契約延長という予想がされていた(そもそもプレミア〜WBCまで1年半しか期間がないため監督交代はリスクありであった。)
しかし2020年世界中で悪夢を引き起こした新型コロナウィルス流行に伴いオリンピックが1年、WBCが2年延期という事態になり代表スケジュールが仕切り直しに。
オリンピックが終わってWBCまで1年半も予定が空くことによる負担から稲葉は当初の契約通り東京オリンピックで勇退し後任監督探しがまたもや開始。
だが運が良いことにオリンピック後の2021年シーズン終了後にファイターズの監督として2度のリーグ優勝を果たし、選手との信頼関係や指導力の実績も高い栗山英樹が10年の一軍監督キャリアに幕を下ろす事となったため即座に代表監督を打診。
もちろん上層部の狙いとしては今や国民的スターとなった大谷翔平を悲願のWBC招集実現も視野に入れてのオファーもあったのだが栗山は難なく承認。
こうして栗山JAPANが誕生したのであった。
就任当初から大谷の招集は勿論であったが他の海外組招集を含めて活発に動いた結果大谷に加え、長年代表の中心打者であった鈴木誠也、大ベテランとなった2009優勝メンバーのダルビッシュ有、海外挑戦1年目という状況下の吉田正尚の招集に成功。
更に秘密兵器として日本人と血縁関係があるメジャーリーガーのラーズ・ヌートバーの招集にも成功。
WBCは出場国のルーツがあればハーフなら問題無し、条件次第ではクォーターも出場可というルールがある。これまでメジャーである程度の活躍をしている日系人選手自体の数が少なかった事も重なり、日本代表はこのルールを使用していなかったのだが最強戦力を作るという栗山監督のプランにより実現する形となった。
プレミア12と東京五輪優勝を経て若手〜中堅組の経験が増し、大谷・ダルビッシュ2人のMLBを代表する選手の代表復帰が果たされた一方で田中将大・坂本勇人・前田健太・秋山翔吾・柳田悠岐ら1988年生まれの黄金世代が去り世代交代を果たしつつある新生侍JAPANはどのような戦いを果たすのだろうか期待したい。
◆これまでの戦い
2022年春…台湾戦(コロナ流行により中止)
2022年秋…巨人、日本ハム、オーストラリア戦
本来ならば就任直後となる2021年秋にテストマッチ等があるのが侍JAPANの通例だったがこの年はオリンピックによる中断期間があった影響で1ヶ月遅い全日程終了のため翌年春が初陣となるはずだった。
だが上述した通り台湾側がコロナ流行の影響もあり練習試合をキャンセル。
夏にはNPB若手選抜対大学・社会人選抜にて指揮する事となったものの実質1シリーズしか練習試合をやれずにWBC本番を向かえる状態に。
その中で唯一のテストマッチとなった秋のシリーズでは村上宗隆ら代表確実レベルであった戦力に加えて戸郷翔征・佐々木朗希・牧秀悟・大勢といった当落線上の若手メンバーが軒並み結果を出したためこのオーストラリア戦をベースとしたチームでWBCに挑むことになった。
◆今大会のグループ分けなど
今大会では本戦での2次ラウンドのリーグ戦はなくなり、1次ラウンドのリーグ戦を経てトーナメントに進出する。
1次ラウンドの各グループ上位2チームが準々決勝進出となりアジア開催グループ同士とアメリカ開催グループでに分かれて対戦。
ベスト4からはこれまで通りアメリカ開催という流れで大会は進行。
日本の同組は韓国、中国、オーストラリア、チェコの4チーム。
韓国は長らく別グループだったため久しぶりにWBCで対戦。
2019プレミア12決勝や2021東京五輪準決勝ではことごとく勝利してきたが今大会は元中日李鍾範の息子であり父同様「韓国のイチロー」の称号を受けた李政厚を筆頭とした野手陣にメジャー組としてMLBでショートとして認められた実力者金河成、日本同様アメリカ人ハーフでメジャー3度の二桁本塁打を記録しているヌートバーのチームメイトであるトミー・エドマンが参加するなどパワーアップしている。
中国は毎回ボーナスゲーム枠とも言える格下でありテストマッチでは日本の社会人野球強豪にボロ負けしているもののマイナーリーグからアメリカ人ハーフの投手や昨季までソフトバンクでプレーし一時は外野のリザーブに名を連ねたハーフ選手の真砂勇介が参加するなど過去4回よりかは戦力アップを果たしている状況。
オーストラリアは目立つ戦力は少なく前年のテストマッチに快勝しているなど相性も良い。
チェコは初出場という事もあり未知のチームであるが都市対抗野球出場歴もある社会人チームに勝利するなど前回大会のイスラエルのようなダークホースになり得る可能性を秘めている。
グループリーグを突破すると台湾ラウンドの上位2チームどちらかと対戦。
こちらのグループでは日本と前回大会死闘を繰り広げ、前大会同様プロファーやグレゴリウスら野手陣にメジャー経験豊富なメンバーが集まったオランダ。
今大会から亡命選手も出場可能となり、メジャー主力はほとんど参加しなかったものの一部戦力アップを果たした他、ソフトバンクと中日を中心とした新旧正規ルート助っ人組の混成チームとなったキューバ。
この2カ国を本命とし、台湾かパナマ共和国が対抗馬というのが予想される。
準決勝からのアメリカラウンドからはやはりアメリカ、プエルトリコ、ドミニカ共和国というメジャーリーガーを擁するチームが対戦相手として予想されている模様。
◆代表メンバー
△監督・コーチ
監督
89 栗山英樹
日本ハムの監督を退任して即座に代表監督をすることとなった2010年代の名将監督の1人。
現役時代はヤクルトでプレー、外野のスイッチヒッターとして規定打席に到達した1989年にはセンターのゴールデングラブを獲得するもプロ入り直後に発症したメニエール病が原因で29歳にして引退。
引退後は創価高校から教員志望で東京学芸大学に進学したインテリ経歴や現役時代チーム屈指の女性人気だった事もあり解説者の傍ら『熱闘甲子園』や『筋肉番付』のレポート担当をしたり、NHKで『新・男の食彩』なる料理番組を1年担当したりと引っ張りだこであった。
過密なスケジュールの間に様々な知識を学び白鴎大学の教授になるなど順風満帆なセカンドキャリアを歩んでいたが2000年代に入り自分と同じ名の街があるという理由で北海道の栗山町に移住。
この縁がきっかけで日本ハム戦の解説者となった後に監督に就任。
大エースのダルビッシュが去ったタイミングでの就任に加え、当初はいくら解説者の実績や学力があってもNPBの指導者歴0は無茶と言われたが就任初年度にリーグ優勝を達成。
劣悪な札幌ドームの契約事情もあってフロントが主力選手をやたら放出するハードモードを強いられつつも2年目には運命の人であった大谷翔平を前代未聞の投打二刀流に育て上げ、他にも近藤健介・西川遥輝・有原航平ら若手を鍛え上げ2016年には2度目のリーグ優勝と日本一を達成。
だが監督時代後期は相次ぐ主力の流出や穴埋めとなる若手がかつて程結果を残せずBクラスに低迷、ラスト3年間は毎年のように辞意表明をフロントに止められるうえ、監督最終年は暴行を起こした主砲の中田翔を事実上の解雇といえるトレード移籍を巨人に頼み込むハメになるなど野球ファンからは専ら同情されてばかりの辛い時期となった。
日本ハム監督時代も選手とのいざこざは皆無な程人望もあり、監督末期は単純に戦力に恵まれていなかった事から「戦力が集まった代表戦なら期待できる」という見方が強いだけにファンからの期待は高い。
と色々と経歴を話したが一方でネット界隈では近年のプロ野球でもトップクラスのネタキャラとしても有名。
監督就任後は頻繁にソッチ系の人としか思えないような発言や意味深な発言を連発しては毎度ソースがあるパターンを繰り返し野球ファンにネタを提供。
試合に敗けた際には選手を庇ったり責めない意味合いも含めて「俺が悪い」とコメントしていたがいつしか名物コメントとして定着。
特に愛弟子の大谷に対してはヤンデレ並みの愛情コメントを連発して野球ファンの笑いを誘うのがお馴染みであった。
ここで記載するとかなりの濃厚ボリュームとなるため詳しくは各自検索推奨。
ヘッドコーチ
90 白井一幸
現役時代は二塁手として80年代後半〜90年代前半の日本ハムを支えた一員。
主に守備や足の速さが売りであり9二塁手のシーズン守備率.994はパ・リーグ歴代1位であったりする。
オリックスで引退した後は海外指導者留学を経て日本ハムにコーチで復帰しヒルマン監督の右腕として日米に在籍。
一時は横浜・DeNAに指導者として在席し2013年から再び日本ハムに戻り2016年の日本一を支えた。
陽気な性格から親父的な存在として多くの選手に慕われ大谷をよく知る人物の人として度々テレビに出たり、レアードに寿司を奢り寿司好きにさせたりしていた。
その人柄から北海道の他スポーツチームに招聘されるほどである。
また、娘がおり「いつでも大谷から『お義父さん』と呼ばれる準備ができている」とコメントしている。
打撃コーチ
77 吉村禎章
多くのプロ野球ファン から「怪我さえなければ凄い選手になっていた」と言われる代表格の選手。
王貞治政権の巨人を代表する選手の1人として活躍、年々打撃成績が上がっていき1987年には3割・30本塁打をクリアするなど順調すぎる成長を辿っていた。
しかし1988年シーズン中盤、守備で味方選手と交錯し左脚靭帯3本を断裂する重症を負い選手生命は事実上終了。
復帰後は一度も規定打席に到達できず代打の切り札としてプレーし1998年に引退。
引退後は原辰徳が監督に戻る度に打撃コーチとして復帰、打撃コーチとしては篠塚和典と共にファンからの評価も高かった。
一方でPL学園OBという素晴らしい経歴を持っており現役時代・コーチ時代共に問題児だった清原和博の制御役を務めていた事は有名。
現在は巨人の編成部を兼業している。
内野守備走塁作戦コーチ
79 城石憲之
青山大学中退後は編入や社会人クラブチーム等には所属せずフリーターからテスト入団でプロ入りした異色の経歴を持つ人物。
現役時代は日本ハム→ヤクルトでプレー、トレード移籍したヤクルトで才能を開花させると内野のユーティリティとして2001年日本一に貢献。
2003年からは晩年だった土橋勝征と併用で二塁手としてスタメンを務めていたが2006年にピロヤスこと田中浩康にスタメンを奪われ2009年引退。
現役時代から球界屈指のイケメンとして有名であり、かつてテレビ東京の看板アナウンサーであった大橋未歩の元旦那でもある。
引退後は現在に至るまで在席した2球団でコーチとして働いており昨季からヤクルトに再びコーチとして復帰。
現役時代選手会長を務める程の人望を持っており、日本ハムコーチ時代は度々イライラを見せる西川遥輝や豆腐メンタルで有名だった大田泰示の精神安定剤となっていた模様。
外野守備走塁コーチ
87 清水雅治
2013年の小久保政権から唯一代表コーチとして在任しているお方。
現役時代は中日・西武の2球団で外野のリザーブとして活躍。
6度のシーズン二桁盗塁、2度のシーズン20盗塁を記録するなど俊足が売りであり中日時代より出場機会は減りながらも足のスペシャリストとして東尾監督時代の西武2連覇に貢献した。
引退後は西武コーチを経て、高校の大先輩梨田昌孝に引き抜かれ日本ハムのコーチを担当。
投手だった糸井嘉男を一人前の外野手に育て上げるなど株を上げていき指導者として3球団を渡り歩く、最近だと中日時代の同僚だった矢野燿大が率いる阪神に在席。
この方も時に厳しいが人望は確かであり問題児だった中田翔が頭の上がらないほどのお方。
投手コーチ
81 吉井理人
日本人メジャーリーガー黎明期を代表する選手の1人であり近年は日本屈指の名投手うま味コーチとして名を馳せた人物。
現役時代は近鉄では守護神として1989年の優勝に貢献、その後先発投手でうまく行かず親友の野茂英雄同様当時の監督だった鈴木啓示と反りが合わずヤクルトに移籍。
ヤクルトではノムさんこと野村克也の助言もあり先発で3年連続二桁勝利と完全復活し2度の日本一に貢献し1998年MLBのメッツへ移籍。
MLBでは2年目に12勝をあげたりとある程度の成功を収めた後2003年オリックスへ移籍。
オリックス時代は衰えから結果を残せず球団合併のタイミングで解雇されたが近鉄時代の恩師だった仰木彬が監督になったことで再契約、40代ながら2年で13勝と最後の輝きを見せ2007年シーズン途中に移籍したロッテで引退。
引退後は若き日にバッテリーを組んでいた梨田昌孝に誘われ日本ハムのコーチに就任。
野村、仰木、バレンタインさらには近鉄時代コーチだった権藤博と名将達から得たノウハウを活かし、みるみる内にコーチとして成長しつつダルビッシュ有のさらなる飛躍をアシストした。
栗山監督初年度優勝を置き土産にしばらくNPBから離れ、講演活動の傍ら筑波大学大学院進学と勉学に励んだが合間にファイターズに顔出しに来れば投手陣から質問攻めに合うほどの慕われっぷりであり2015年ソフトバンクのコーチで現場復帰。
2016年からは再び日本ハムに戻り大谷翔平らを指導、2019年からは監督に就任したばかりの井口資仁に誘われ古巣ロッテに復帰。
ロッテでも就任1年目から若手投手を鍛えていき井口と2人で佐々木朗希を入念なプランで成長させていく事に成功。
2022年は現場から離れ非常勤的な形でロッテに残り2023年から一軍監督に就任、栗山JAPAN発足からコーチにいたため今大会は監督をしばらく休み教え子のダルビッシュ・大谷・佐々木と共に挑む。
ブルペンコーチ
75 厚澤和幸
現役時代は所謂二軍の帝王と言われたサウスポー、二軍ではノーヒットノーランを達成したりもしたが一軍キャリアハイの登板数は15試合でありプロ通算0勝と東京時代末期を知る日ハムファンからは毎年期待しては裏切られる日々であった。
2004年から二軍コーチとして指導者としてのキャリアをスタートさせるとこれが天職でありダルビッシュ有や武田久を一軍に送った後に一軍コーチに就任し2度の優勝に貢献。
その後はスカウトに一旦異動したが2014年に現場復帰。
2度目のコーチ時代は栗山監督の参謀役としての傍ら日本では浸透しきらなかったオープナー制度を上手くコントロールしたりリリーフ陣を整備したりとで更に指導者としての箔を付けていった。
その実績が評価され監督がBIGBOSS新庄に代わったタイミングでオリックスに引き抜かれるという日ハムファンからは笑い事では済まされない事態が発生。
オリックスではシーズン終盤に中嶋監督と共に山崎颯一郎のリリーフ専念や宇田川優希の勝ちパターンでの継投抜擢を施し日本一を達成するなど高い評価を得た。
正に選手としては開花しなかったがコーチとして開花したという人物の代表例の人物といえるだろう。
バッテリーコーチ
74 村田善則
小久保の巨人時代の繋がりで清水コーチと共に小久保体制時代から日本代表コーチに名を連ねる人物。(矢野先生が阪神に帰ったためコーチに昇格となった)
現役時代はチームの先輩捕手に村田真一がいたため、「ゼンさん」の愛称で呼ばれた。チーム屈指の肩力を持ち、2000年には工藤公康の指導もあり正捕手を掴みかけたが翌年「ウナギ」こと阿部慎之助が入団したため永遠の2番手捕手として2000年代中盤まで活躍。
引退後はスコアラーなどを経て、自身の引退試合時に花束を渡された高橋由伸が監督になったタイミングでコーチ就任。
一度コーチを離れたが恩師でもある原辰徳の第三次政権でコーチに戻ってきており現在は巨人と両方でコーチをしている。
△投手
11 ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)
2022年成績 30試合 16勝8敗 防御率3.10 WHIP0.95
大会出場歴…2007北京五輪予選、2008北京五輪、2009WBC
14年ぶりに侍JAPANに帰ってきた歴代最高日本人投手の1人。
YouTuber兼Twitterレスバトラーとしても有名なお方。
甲子園のスターとして日本ハムにプロ入り、プロ入り直後は不祥事があったものの2年目の2006年から6年連続二桁勝利、2007年から5年連続防御率1点台と日本人最強投手として2000年代後半の侍JAPANを支えた。
2012年MLB移籍以後は契約の都合などもあってか2大会続けて代表にはいなかったがここ数年完全復活したタイミングで愛弟子大谷に誘われ代表に帰ってきた。
MLB移籍後はデビューから3年連続二桁勝利とオールスター出場、2013年には最多奪三振でサイヤング賞投票2位に輝いたが2015年トミー・ジョン手術により1年間休養。
この期間に現在の妻であり日本レスリング界のレジェンド一家である山本聖子との間に子供が誕生。
義理の兄であり2000年代日本の総合格闘技ブームを支え生涯の晩年はトレーナー等に力を入れていたた山本“KID“徳郁からトレーニングを叩き込まれた後に2016年途中から戦線復帰。
2017年は2球団を合算して二桁勝利をあげ3年ぶりのオールスター出場、前田健太と共にドジャースのナ・リーグ制覇に貢献。
2018年は再び怪我に悩まされシーズンの大半を休み、2019年は6勝とはいえ奪三振は200越えと意地を見せていた。
2020年はコロナによりシーズン半分以上試合数が削られた中で8勝をあげ日米通じてキャリア初の最多勝を獲得。
2021年はシーズン前半は絶好調で5度目のオールスター出場を果たしたが後半戦は腰の故障やメディアとのいざこざから調子を落とした。
しかし2022年は前年後半戦の不調が嘘のように完全復活、パドレスの大量ゲーム差によるワイルドカードから世紀の大逆転リーグ優勝まであと一歩の戦いに貢献した。
今季新たに40代まで続く6年契約というメジャーでも異例の契約を勝ち取った。
代表復帰後は愛弟子の大谷と伊藤大海以外ほぼ初対面ながらかつてのイチローのようにチームリーダーとして活躍している等スッカリベテランとなった印象を見せている。
12 戸郷翔征(読売ジャイアンツ)
2022年成績 25試合 12勝8敗 防御率2.62 WHIP1.15
大会出場歴…無し
多彩な変化球と150キロ代の直球を操る巨人の新生エース
高卒のドラフト6位という素材型として将来を期待されたが1年目の2019年シーズン勝てば優勝という大一番でプロ初登板、初先発。続く巨人最高の捕手阿部慎之助の引退試合で5回から登板しプロ初勝利を記録。
翌2020年はモノになれば面白いという期待値の中開幕から先発ローテに名を連ね9勝とブレイク、翌年はリーグ最多被本塁打や防御率はかなり悪化したが9勝。
昨季も開幕からローテに入ると一皮むけた成長を見せ自身初の二桁勝利と最多奪三振を獲得し菅野智之に代わるエース投手へ成長。
代表では秋のテストマッチ前の記者会見に唯一呼ばれるなど栗山監督が惚れているのが確認出来るほどである。
13 松井裕樹(東北楽天ゴールデンイーグルス)
2022年成績 53試合 1勝3敗32セーブ7ホールド 防御率1.92 WHIP0.77
大会出場歴…2015プレミア12、2017WBC
前回大会はチーム最年少の若手だったが今回大会はリリーフ専任投手では最年長となった東北の守護神
前回大会終了後は2018年は一時期不調となり一度は中継ぎに配置転換されたが2019年は自身初の最多セーブ投手を獲得、しかしシーズンオフのプレミア12は不自然な流れで大会直前に辞退しファンかは批判される事態となった。
プライベートではこの時期にNHKコント番組の『LIFE!』で人気だった女優の石橋杏奈と結婚。
2020年には一旦先発転向を直訴しシーズン後半にある程度の結果を見せたが石井一久がGM兼任一軍監督となったタイミングで抑えに復帰。
2021年は防御率0.63でキャリアハイペースだったが夏以降コンディション不良から東京五輪辞退や長期離脱するなど悪化していきCSでも痛恨の被弾でシーズン終了。
2022年は2度目の最多セーブを獲得するなど相変わらずの存在感を見せて2018年日米野球以来5年ぶりの代表復帰を果たした。
今大会はリリーフ陣に長年一軍実績がある選手が少ないだけに貴重なリリーフであるのだが久しぶりの国際大会出場は不安材料でもある。
14 佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ)
2022年成績 20試合 9勝4敗 防御率2.02 WHIP0.80
大会出場歴…無し
落差のあるフォークと常時155キロ以上のストレートを連発するなど今や野球にあまり詳しくない方々からも認知されつつある令和の怪物
決して名門とは言えない大船渡高校で甲子園出場歴は無いものの2年生の時点で大物と言われていた逸材。
3年夏の県大会では監督が将来性を優先し大一番でも連投させなかったことは話題となった。
ドラフト1位で2020年ロッテに入団すると1年目は井口監督と吉井コーチの育成プランにより二軍でもほとんど投げず体力作りに専念。
2021年は開幕からしばらくして一軍デビューを果たすと谷間の先発として登板し3勝と大器の片鱗を見せていたが2022年は遂に覚醒。
春先にNPB28年ぶりの完全試合とNPB歴代最多タイとなる1試合19奪三振さらには世界初となる13者連続奪三振を達成し一躍時の人となると次の登板でも8回パーフェクトピッチングで降板と無双。
その次の登板で白井一行審判の判定に不服そうな態度を取ったら白井審判が恫喝まがいの態度を取ったのも何かと話題になった。
夏場以降は軽症もあり休みが増えたものの自身最多の9勝、規定投球回に14イニング足りないにもかかわらずリーグ2位の173奪三振と圧巻の内容でシーズンを終えた。
秋のテストマッチではWBC球に苦しみながらも最低限の失点に抑えると大会前のテストマッチでは早くも修正するというセンスを見せつけるなど大会では第一先発として期待されている。
栗山監督からはドラフト時に「来てもらえると信じている」と言われたり、完全試合を達成した時には「ありがとう、朗希!そんな感じ」と平常運転の発言をしていた。
あと2021年シーズンオフにはお笑いでジョイマンにハマっていた。
15 大勢(読売ジャイアンツ)
2022年成績 57試合 1勝3敗37セーブ8ホールド 防御率2.05 WHIP0.89
大会出場歴…無し
2022年ルーキーで彗星の如く現れたドラフト1位クローザー。
本名は翁田大勢だが翁田という読みづらい名字に加え、チームメイトに太田がいたため発音がややこしくなることを考慮した原監督から名前が登録名となった。
色々と規律に厳しい巨人において球団史上初となる日本人選手の名前が登録名となった選手。
サイド気味のスリークォーターから放たれるスピードボールを武器に下馬評ではクローザータイプが向いていると言われたがそのとおり開幕から抑え起用。
巨人ではあまり例の無かった大卒・社会人卒のドラフト上位ルーキー守護神となるとあれよあれよとリリーフ部門の球団新人記録を更新。
シーズン後半はチームの低迷から半ばヒ魔神状態になったり、セーブ機会での登板が減ったが最終的に同じく代表メンバーの栗林良吏が昨年記録した新人歴代最多タイとなる37セーブを記録し新人王を獲得。
2年連続夏からの失速、主砲岡本和真の不振、キャプテン坂本勇人のプライベート問題と暗い話が続いた昨季の巨人の明るい希望であり、同僚の高梨雄平が命名したキャッチフレーズ、「大勢はガチ」は専らファンの流行語となった。
秋のテストマッチで代表デビューすると、ここでも圧巻のピッチングを披露。
代表守護神候補であり前年は完全復活した山崎康晃らを差し置いて代表入りを果たした。
16 大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)
2022年投手成績 28試合 15勝9敗 防御率2.33 WHIP1.01
2022年野手成績 157試合 打率.273 34本塁打 95打点 11盗塁 OPS.875
大会出場歴…2015プレミア12
栗山「本当に片思いなので翔平がどう思っているかどうかはどうでもいい。」
今や日本人で知らない人はいないほどの国民的スターとなり投打二刀流で伝説を作り続けている怪物。
前回WBCはキャンプ初日にコンディション不良を理由に辞退し無念の結果となったが恩師栗山監督の熱烈ラブコールにあっさり答え前回のリベンジで参戦。
彼が高校時代に書いた目標シートの中には27歳の時にWBC日本代表MVPと書いてあるので、それを叶える目的もあったと思われる。
当初は高卒後即MLBを志望していたが、当時日ハムの栗山監督がドラフト会議で指名を行い、交渉の際に30ページに及ぶ資料を提示。
いきなりMLBでデビューするよりはNPBで確かな実力をつけてから移籍したほうがMLBで活躍できる可能性が高いことを説明。
本人もこれに納得して日ハムへの入団に同意する。
2013年日本ハムに入団すると、指名打者制のあるパリーグとしては異例の投打二刀流のキャリアをスタート。
2014年に世界でもベーブ・ルース以来となる10勝10本塁打を達成すると2016年には防御率1点台・二桁勝利・打率3割・20本塁打と異次元の記録でMVPと投手野手両方ベストナインを達成した。
全体大会終了後は2018年に念願のMLB移籍。
MLBでも投打二刀流は無謀と言われていたが蓋を開けてみれば投げては少ない登板ながらも4勝、野手では松井秀喜すら達成出来なかった新人で20本塁打に加えて10盗塁を達成し新人王を獲得する鮮烈デビュー。
これまでの疲労が響き2019年は野手で日本人初のサイクルヒットを達成するもトミー・ジョン手術の影響で投手としては全休。
2020年は投手でも故障再発によりリタイア、野手では不振を極め打率1割台と厳しい期間となった。
早くも限界が来たかと思われたが2021年は投手では9勝、野手では本塁打王争いを演じ46本塁打と20盗塁に出塁率が打率より1割2分高い.372と桁違いの成績を叩き出しイチロー以来2人目の日本人選手MVPを獲得。(もっともチームのリリーフ陣が「ナイトメア」と呼ばれるほど弱すぎて二桁勝利に届かなったのだが…)
他にもシルバースラッガー賞やDH専用のタイトルとなるエドガー・マルティネス賞を獲得、日本では毎度おなじみやくみつるの野球用語ゴリ押しで「リアル二刀流/ショータイム」が年間流行語大賞となった
2022年はチーム内がトラウトの長期離脱や相変わらずのリリーフ陣が「ナイトメア」を連発する中奮闘。
野手成績こそ本塁打が減ったが投手では自身初のMLB二桁勝利と200奪三振に加え二刀流という環境でありながら規定投球回到達を達成しベーブ・ルースが記録した13勝+11本塁打を114年ぶりに更新する歴史を作り上げた。
また、2022年シーズンからは『先発投手が指名打者を兼ねることができる』という現状使用者は大谷だけという
大谷ルールが適用されたことで、その異次元の活躍はついにルールまでも変えてしまった。
(NPBでは2023年から適用)
今回のWBCでも上記ルールが適用される予定。
MLB史上前人未到の記録を立て続けに作り上げる中で、今回のチームの鍵を握ると言えるのは誰が見てもそう言えるだろう。
栗山「翔平はエンジェルだったんだ!」
17 伊藤大海(北海道日本ハムファイターズ)
2022年成績 26試合 10勝9敗1セーブ1ホールド 防御率2.95 WHIP1.21
大会出場歴…2021東京五輪
北海道産まれ・北海道育ち、ダルビッシュ有に憧れたのファイターズの新たなエース投手。
師匠のダルビッシュを受け継ぐ2代目レスバトラーとしてTwitterでクソリプとやり合う鋼のメンタルの持ち主。
アマチュア時代は駒大苫小牧高校からエレベーター進学で駒澤大学に進学したが1年で退学し苫小牧駒澤大学(現在は北洋大学)へ再入学。
この大学のノビノビ環境が上手くハマり2年時からメキメキと頭角を現しドラフト1位で念願の日本ハムに入団。
なおドラフト前に栗山監督は「た〜ての糸はあ〜なた〜♪」と伊藤と糸をかけて中島みゆきの糸を歌い、ドラフト直後には「神樣いたねぇ!」と満面の笑顔を見せていた。
キレ味鋭いスライダーを武器に1年目から開幕ローテーションに入ると開幕直後こそ驚異的な無援護に悩まされ感情を度々失っていたが徐々に無援護を脱し二桁勝利を達成。
夏に行われた東京五輪にはキャンプ時にロースター枠していたため土壇場で繰り上げ招集されると持ち前のメンタルでリリーフとしてフル回転し金メダル獲得に貢献。
大会の韓国戦ではロジンバッグを使いすぎる事から相手選手から注意されたがそれに動じず、試合後のレスバにも我を貫いた追いロジンが話題となった。
昨季は監督がBIGBOSSに代わり環境が激変したことや春先はやや不安定な時期もあったが徐々に調子を取り戻し2年連続二桁勝利を記録、シーズン終盤には来季守護神転向プランも出た。
最後の栗山チルドレンであり、東京五輪の活躍も評価に繋がり代表入りを果たした。
18 山本由伸(オリックス・バファローズ)
2022年成績 26試合 15勝5敗 防御率1.68 WHIP0.93
大会出場歴…2019プレミア12、2021東京五輪
今やNPB最強投手となったオリックスの大エース。
高校時代は甲子園出場こそなかったが九州勢トップクラスの評価で入団。
プロ入り1年目の2017年から二軍で無双しシーズン後半から一軍で先発ローテーション入り。
2018年は一軍経験を積ませたかった福良監督のプランにより中継ぎでフル回転し32ホールドを挙げてブレイク。
2019年は先発再転向し、春のテストマッチで代表デビューするとシーズンでは防御率1点台で最優秀防御率を獲得した一方8勝と無援護っぷりを発揮。
シーズン終了後のプレミア12では当初は今永昇太・山口俊らと共に第一先発を期待されたが相次ぐ故障者と辞退者により大会直前で中継ぎに配置転換され甲斐野央・山崎康晃との勝ちパターン継投で優勝に貢献。
2020年は最多奪三振を獲得したが8勝4敗と相変わらずの無援護で長年低迷を続けていたオリックスの象徴的な成績となった。
この不遇時代も遂に終わりを告げることとなった2021年は開幕戦こそ荒れたものの捕手幼馴染の頓宮裕真から立花理香の旦那こと若月健矢に代わると本来の姿に返り咲き無双状態に突入。
シーズンでは15連勝含む18勝で悲願の二桁勝利と最多勝・最多奪三振・最優秀防御率・最高勝率の投手4冠を達成し球団25年ぶりのリーグ優勝を達成。
MVP・ベストナイン・ゴールデングラブ・沢村賞も異論なしというレベルで受賞した。
夏に行われた東京五輪でも森下暢仁とダブルエースで準決勝の韓国戦で好投を見せるなど金メダルに貢献した。
2022年も徐々に調子を上げていき夏には何気にまだ未達成だったノーヒットノーランを達成し、最終的には2年連続で投手4冠・MVP・ベストナイン・ゴールデングラブ・沢村賞を達成しチームの日本一に貢献した。
村上宗隆と共に最早日本でやることは無くなったレベルであり、相手チームファンからはいち早いMLB移籍を望む方々が多数である。
今大会も絶頂期とこれまでの代表戦実績があり代表入り、大会では大谷翔平・ダルビッシュ有との三本柱が期待されている。
21 今永昇太(横浜DeNAベイスターズ)
2022年成績 21試合 11勝4敗 防御率2.26 WHIP0.94
大会出場歴…2017U-24アジア選手権、2019プレミア12
プロ入り直後から数々の意識高い系エピソードを繰り出し「投げる哲学者」とも呼ばれるDeNAのエース投手。
大学No.1左腕ではあったが怪我の影響で単独ドラフト1位指名で入団すると1年目の2016年から先発ローテで8勝を上げてチームの10年連続Bクラスを止める活躍。
2017年は自身初の二桁勝利をあげると3位からのCS制覇を経て出場した日本シリーズで当時最強クラスだったソフトバンク相手に好投。
シーズン終了後の稲葉JAPAN初陣となったU-24アジア選手権ではエースとして圧巻のピッチングを見せ大会制覇に貢献。
2018年はフォームを崩したりで先発したら負けというレベルの不振を極めたが2019年は2度目の二桁勝利を上げ復調。
シーズン終了後のプレミア12でも左腕エースとして優勝に貢献し東京五輪も代表入り筆頭格であった。
しかし東京五輪延期の影響もあり2020年は成績が悪いとは言えない中コンディション不良を理由に夏場からシーズン全休しオフにはクリーニング手術を敢行、手術の影響で2021年は出遅れたため東京五輪も出場出来ず。
昨季も序盤は出遅れるスペ体質を見せたが交流戦でノーヒットノーランを達成すると後半戦は怒涛のペースで白星を積み上げていき3年ぶりの二桁勝利を達成、WHIPは規定投球回到達投手でリーグ1位とキャリアハイの成績を残し秋のテストマッチで3年ぶりに代表復帰。
今大会は先発陣がかなりのラインナップであるため第2先発が予想されているが不調だった2018年にリリーフでは結果を出していただけにこちらの適応力にも注目。
22 湯浅京己(阪神タイガース)
2022年成績 59試合 2勝3敗43ホールド 防御率1.09 WHIP0.86
大会出場歴…無し
独立のBCリーグを経て昨季突如開花したリリーフ右腕。
高校卒業後1年独立でプレーしドラフト下位指名で阪神に入団。
入団から3年間で2021年に3試合投げたのみと無名投手だったが昨季は春季キャンプから猛アピールを続け開幕一軍入り。
全くの一軍経験皆無の中で中継ぎエース候補として期待されると春先はボロボロだったチームの中で大健闘を見せ中継ぎエースに定着。
オールスターにはファン投票中継ぎ部門で選出され最終的には43ホールドで史上最年少タイ記録の最優秀中継ぎ投手を受賞し2022年シーズンを代表する掘り出し物選手となった。
秋のテストマッチで代表デビューを果たすと結果を残しWBCメンバーに。
本大会では阪神のリリーフ投手のレジェンドである藤川球児の22番を背負うことになった。
26 宇田川優希(オリックスバファローズ)
2022年成績 19試合 2勝1敗3ホールド 防御率0.81 WHIP0.99
大会出場歴…無し
昨季シーズン後半に突如として現れたフィリピンハーフの剛腕リリーフ右腕。
大学時代は地方リーグの優れた逸材として注目を集めていたが4年時にコンディションを落とした事から育成契約として2021年入団。
1年目は体力作りやコンディション回復のリハビリで二軍でもろくに投げていなかった。
2年目は肉体改造や入来コーチの指導等もあり夏前から二軍で好調を維持していた所登録期限ギリギリで支配下登録。
8月から一軍に上がると150キロ台中盤のストレートと落差のあるフォークで信頼を重ねていきシーズン最終盤からは中継ぎエースに名を連ね逆転優勝に貢献。
日本シリーズではここ一番のピンチを抑え続けて日本一に貢献、シリーズ終了後には「何故シリーズMVPにしなかったか解らない」という意見が飛び交う程インパクトを残した。
秋のテストマッチでは同じく中継ぎで優勝に貢献した山崎颯一郎が代表入りしたがシーズンオフに代表入りの可能性が報じられメンバー入り。
しかし本人は代表に入るとは思わなかったためオフの間に身体が肥ったりとで調整に失敗、キャンプ序盤で中嶋監督にお菓子禁止令が出される有様であった。
また実績があまりにも無いため害悪なファンからはバッシングが飛び交い心にダメージを負いかけたがダルビッシュ有が即座にフォローしたことでメンタルを取り戻した。
28 髙橋宏斗(中日ドラゴンズ)
2022年成績 19試合 6勝7敗 防御率2.47 WHIP1.04
大会出場歴…無し
昨季遂にベールを脱いだドラゴンズの将来のエース候補。
高校時代は地元の中京大附属高校のエースとして同世代トップクラスの評価を得ていたが大学進学を表明。
しかし慶応大学のAO入試に落ちたため一転してプロ入りを表明し地元の中日にドラフト1位で入団。(この一連の流れが原因でドラゴンスレイヤー栗林が爆誕してしまった模様)
1年目は「お前」で名を馳せた与田監督の方針により無茶をさせず二軍で体力作りに専念。
監督が素晴らしい先輩立浪和義に代わった昨季は春季キャンプから一軍入りし大器の片鱗を見せつける。
この期間には愛知のCBC制作でもあるTBS昼のニュース番組『ごごスマ』にて代打MCとなった『サンデードラゴンズ』の若狭アナウンサーが関東圏で放送されている番組で力説した事もあった。
向かえた2022年シーズンは先発ローテに入ると規定投球回に20イニング以上足りないにもにもかかわらず奪三振リーグ3位と大ブレイクし大野雄大・柳裕也・小笠原慎之介と共にドラフト1位先発カルテットを形成。
一方、春先から投げてこれだけの好成績と指標にもかかわらず6勝に借金1という成績が中日打線の異常的な貧打を物語る成績となった。
シーズン終了後は秋のテストマッチで代表デビューを果たすと好投を見せチーム最年少の代表入り。
大会では経験が浅いものの昨季の投球クオリティから第2先発の一角として期待がかかる。
29 宮城大弥(オリックス・バファローズ)
2022年成績 24試合 11勝8敗 防御率3.16 WHIP1.13
大会出場歴…無し
山本由伸との左右ダブルエースで21歳にしてオリックス連覇に貢献したサウスポー。
沖縄生まれで名門の興南高校からドラフト1位で2020年入団。
1年目から二軍で結果を残すとシーズン最終盤に一軍デビューを果たし同学年の佐々木朗希・奥川恭平より先にプロ初勝利を記録。
2年目の2021年は春季キャンプから先発ローテを期待されるとコーチ兼任で阪神から移籍してきた2013WBCメンバー能見篤史と師弟関係を結ぶなど一気に大成。
同世代の投手がまだ身体作りや休み休みで先発をする中、開幕からフル回転で投げ続け13勝を記録。
同世代の紅林弘太郎との20歳コンビで優勝に貢献、更には新人王も獲得となった。
昨季序盤はムラのあるピッチングで不安を抱かせたが中盤から調子を取り戻し終わってみれば2年連続の二桁勝利で日本一に貢献し秋のテストマッチで代表デビュー。
最近ではこれだけ結果を残しても同僚に山本由伸がいるせいで基準がおかしくなり過小評価されていることに心が折れかけている模様。
代表では今永昇太・髙橋宏斗・高橋奎二と共に第2先発が予想されている。
47 高橋奎二(東京ヤクルトスワローズ)
2022年成績 17試合 8勝2敗 防御率2.63 WHIP1.09
大会出場歴…無し
ダイナミックなフォームが特徴的なヤクルトの左腕エースだが世間一般的には板野友美の旦那として有名な選手。
2015年2年生にして龍谷大平安高校センバツ優勝を経てドラフト3位で2017年に入団。
3年目の2019年にはダントツ最下位に沈んだチームで4勝を記録したが脅威の制球難と防御率5点台という不安定な内容であった。
2020年は僅か1勝と低迷しかけたがシーズン終了後にAKB48全盛期メンバーであった板野友美と電撃結婚。
結婚当時はAKBでも珍しいギャル系キャラだった板野との結婚はファンから不安視されていたが蓋を開けてみればこれが大当たりの嫁であった。
2021年はシーズン中盤から戦線復帰すると4勝、日本シリーズでは完封勝利をあげるなど日本一に貢献。
特に2019年と比較して防御率が2点台、WHIPが0.5近く改善する1.07、与四球が半分と別人のような姿に変貌。
2022年は前半戦は好調でオールスターにも出場するなど自身初の二桁勝利も見えていたがシーズン終盤に順位に余裕が生まれ一旦二軍休養させたタイミングでコロナに感染、そのままレギュラーシーズンを終えてしまい8勝止まりとなった。
なおこの長期離脱が響きヤクルトは2年連続で優勝チームなのに二桁勝利が0人という珍記録を作ってしまった。(スペ体質が多すぎるチーム故に先発を無茶させない方針のためもあるが)
他選手同様秋のテストマッチで代表デビューを果たしそのままWBCメンバー入り。
本大会では貴重な左腕ロングリリーフとしても期待されている。
20 栗林良吏(広島東洋カープ)
2022年成績 48試合 0勝2敗31セーブ6ホールド 防御率1.49 WHIP0.77
大会出場歴…2021東京五輪
東京五輪金メダルに大きく貢献した広島の守護神。
愛知県に生まれ本人が県外に出るのが不安だったことから高校・大学・社会人とずっと愛知県に残り続けた経歴を持つ人物。
大学時代は順位縛りでプロ入り出来なかったが社会人の名門TOYOTAで入社1年目から大活躍し、2019年オフの台湾ウィンターリーグではNPB二軍選抜らを相手に無双、コロナにより2020年社会人野球の大会が無かったにもかかわらずドラフト1位入団となった。
一方でドラフト前は地元メディアが取材に来る程中日と相思相愛だったがドラフト前に髙橋宏斗が急転直下でプロ志望届を出したこと影響で中日からは指名されずドラフト当時は感情を失った顔をしていた。
しかし広島には大学日本代表で親友以上のような関係になっていた森下暢仁がいた事で丸く収まり入団。
前年リリーフが崩壊したチーム事情もあり開幕から守護神に抜擢されると山崎康晃に並ぶ新人最多の37セーブを記録し、防御率は0点台と鮮烈なプロデビュー。
東京五輪も1年延期した結果伊藤大海と共にルーキーで代表入りし守護神として金メダル獲得に貢献。
これらの活躍もあり牧秀悟を抑えて新人王を獲得。
ドラフト時に色々とあった中日戦では異常なまでの形相に変わるため「ドラゴンスレイヤー」と言われているがシーズンオフの愛知ローカル番組には同じTOYOTAから中日に入団した祖父江大輔・木下拓哉と共に出演していた模様。
2年目の昨季はこれでも防御率が悪化したが自らがランナーを出す指標のWHIPは良くなっており安定感を見せつけた。
今大会も守護神の筆頭格としての期待がされていたが、下半身のコンディション不良が大会中に発覚し登板することなく下記の山﨑と入れ替わりで代表を離脱した。
63 山﨑颯一郎(オリックス・バファローズ)
2022年成績 15試合 0勝2敗1セーブ6ホールド 防御率3.00 WHIP1.11
大会出場歴…2018U-23ワールドカップ
190cmの長身から最速160キロの剛速球を繰り出すイケメン右腕。
愛称は「吹田の主婦」。
2017年素材型高卒投手としてドラフト6位で入団。
2018年のU-23ワールドカップに出場するなど将来を期待されたが右肘を傷めたことによるトミー・ジョン手術を理由に育成落ちを経験。
2021年から支配下選手に復帰するとシーズン後半から先発ローテに加わり2勝をあげて優勝に大きく貢献。
日本シリーズでも強力打線のヤクルト相手に5回1失点と来季に期待を抱かせた。
先発ローテとして期待された昨季は春先に結果を残せず、故障も重なり期待を裏切っていたが後半戦に一軍復帰すると第2先発やショートリリーフで復調。
リリーフ専念後には自己最速の160キロを記録するなど疲れの見え始めたリリーフ陣に宇田川優希・ワゲスパックと共に最後のピースとして加わりチームを日本一に導いた。
元々オリックスファンの間ではイケメンとして認知されており、2020年のファン感謝デーでは「吹田の主婦」と名乗り上半身裸にエプロンという変質者にしか見えない出で立ちが大人気となっていたが日本シリーズでの活躍や打たれた時に涙を見せたことで人気が急上昇。
女性ファンはもちろんのこと、クリス松村やミッツ・マングローブといったオネエ界隈からも人気となったようであり2022年秋のテストマッチに招集された際には代表ユニフォームの人気上位となる程のブレイクを果たした。
栗山監督もお熱なようであり、オリックス戦視察の試合中に囲み取材を受けていた際に山崎が投げているのを知った瞬間「これ、颯一郎?ちょっと見せてよ」と発言し取材を中断した程お気に入りのようである。
惜しくもロースター枠には入らなかったがテストマッチ最終戦のオリックス戦で投手陣休養による代役として登板。その後栗林が代表を離脱したため追加メンバーとして招集された。
△捕手
10 甲斐拓也(福岡ソフトバンクホークス)
2022年成績 130試合 打率.180 本塁打1 打点27 盗塁1 OPS.498
大会出場歴…2017U-24アジア選手権、2019プレミア12、2021東京五輪
「甲斐キャノン」と呼ばれる強肩を武器に稲葉JAPAN初陣以降テストマッチ含めて全ての試合に招集されている侍JAPANの絶対的正捕手。
2011年ソフトバンクが三軍を新設するため始めた育成大量指名ドラフトの元年にて同じく高卒の千賀滉大・牧原大成と共に入団。
3年目に支配下登録されたが入団6年間は二軍生活であり、出場機会を増やすため二塁手等にも挑戦していた。
転機が訪れたのは2017年、主力捕手陣が高齢化していたチーム事情によりオープン戦から同期のドラフト1位で同学年である山下斐紹との正捕手争いを制するとシーズン通して正捕手を守り抜き日本一に貢献するなど一躍ブレイク。
シーズン終了後のU-24アジア選手権ではオーバーエイジ枠で招集され正捕手として大会制覇に貢献、以後侍JAPANに欠かせない戦力となった。
守備面では強肩に加え高い壁性能や2度のノーヒットノーランを経験するなど捕手として歴代2位となる6年連続ゴールデングラブ賞を受賞している。
打撃面でも三振は多いものの高い選球眼や2019年に育成指名選手初となるシーズン二桁本塁打を記録すると3年連続二桁本塁打を記録するなど捕手では高水準なスペック。
2021年の東京五輪では土壇場でのセーフティースクイズやサヨナラタイムリーの他、ルールによりベンチ入り人数が限られた中でブルペンとの電話番を務めるなど精神的支柱で金メダル獲得に貢献した。
しかし昨季は球団フロントである大捕手城島健司に教えられた打撃フォームが最後まで噛み合わずキャリアワーストの打撃成績でシーズン終了。
また長年2番手捕手としてチームを支えた高谷裕亮が現役最終年となった2021年以後、若手捕手の伸び悩みもあって2年に渡り第2捕手不在というチーム事情から2021年は捕手分業制の時代に143試合全試合出場を果たすなど疲労の蓄積が打撃低迷に繋がった見方も強かった。
今回の代表招集は心無いファンからバッシングも多かったがこれまでの代表戦での活躍や圧倒的なディフェンス能力が評価された結果である。
栗山監督も発足当初から呼ぶつもりであり、日本ハム監督時代は「めちゃくちゃやられた」という強い記憶が脳裏に残っていた模様。
24 大城卓三(読売ジャイアンツ)
2022年成績 115試合 打率.266 13本塁打 43打点 1盗塁 OPS.755
大会出場歴…無し
巨人お得意様の東海大グループ出身オールドルーキーとして入団したセ・リーグ屈指の打撃型捕手。
東海大相模高校3年生だった2010年夏の甲子園では決勝戦で島袋洋奨擁し春夏連覇を果たした興南高校に敗れ準優勝。
その後は東海大学→NTT西日本と進みドラフト1年指名漏れを経て2018年に入団。
入団当初は打撃評価が高く、社会人時代は外野起用もされていた事からコンバート前提の獲得と思われていたがオープン戦でサヨナラ本塁打を放つなどアピールし開幕一軍入り。
打力を活かすべく一塁手兼任での出場となったが捕手として評判以上に守れた事や前年後半活躍した宇佐見真吾(ももクロ高城れにの旦那)が出遅れた挙げ句トレードに出されたりした結果「世界のKOBAYASHI」こと2017WBC正捕手の小林誠司に次ぐ2番手捕手で1年目を終了。
2年目の2019年は西武からFAで2013・2017WBCメンバー炭谷銀仁朗が入団し捕手3人制プランとなる中、打力を武器にリーグ優勝に貢献。
翌2020年は小林が課題の打撃で自動アウトレベルになるまで落ちぶれ二軍幽閉されたこともあり正捕手に定着、課題とされた守備面でも盗塁阻止率が向上と2連覇に貢献した他ベストナインも獲得した。
2021年は自身初の二桁本塁打と盗塁阻止率1位を達成し、シーズン途中には炭谷がトレードで楽天に移籍したことからさらなる正捕手に定着したかと思われたが何故かシーズン終盤は小林にスタメンマスクを奪われ気味であった。
昨季は一時期不振に陥りキャリア初の二軍降格を経験したが夏から調子を上げ本塁打数は前年を更新した。
守備面はかなり向上したのだが巨人ファンと他球団ファンで守備の評価が分かれる事が多く野球ファンからは過小評価されがちな選手としても有名。
特に巨人には球界屈指のイケメン小林のファン通称「小林ギャルズ」がいるせいでそちらの迷惑ファンからはやたら批判されている有様である。
プロ入り後代表経験は無く打撃型捕手には森友哉がいたため落選かと思われたが森がFA移籍した事でチームに専念したい理由で辞退したため代わりに招集された。
27 中村悠平(東京ヤクルトスワローズ)
2022年成績 86試合 打率.263 5本塁打 28打点 0盗塁 OPS.695
大会出場歴…2015プレミア12
守備面での信頼感はセ・リーグNo.1とも呼び声が高く、古田敦也以来捕手として背番号27を受け継いだスワローズの精神的支柱。
若手時代カラムーチョが好物だったためあだ名は「ムーチョ」
前回WBCはリーグ優勝から一転して打率1割台に落ち込んだため信頼を失い落選。
2017年からは再び正捕手に返り咲きチームでは信頼を勝ち取っていたが2020年には故障による長期離脱で一軍定着後キャリアワーストの成績となっていた。
2021年は長期離脱した前年から復活、前年からチームメイトとなったベテランの嶋基宏と切磋琢磨し、捕手として更に成長を果たすと日本シリーズMVPを獲得。
6年ぶりのベストナインとゴールデングラブも獲得するなどチームの日本一に貢献した。
昨季は満を持して古田引退後長らく欠番だった背番号27となったものの開幕直前に故障しGWまで離脱。
シーズンを通して打撃型捕手の若手内山壮真と併用となったが卓越したリードと捕手としては充分な打撃で結果を出しリーグ2連覇に貢献、出場100試合未満ながら二桁本塁打を打った大城卓三を押し退けてベストナインを獲得した。
ベテランになった今では守備の信頼は増していき、セ・リーグの投手事情を理解していることから代表入りはほぼ確実ではあった。
とはいえ2017WBCから代表捕手事情がかなり変わった影響もあり2022年秋のテストマッチでは6年半ぶりの代表となった。
△内野手
1 山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)
2022年成績 130試合 打率.243 23本塁打 65打点 10盗塁 OPS.790
大会出場歴…2015プレミア12、2017WBC、2019プレミア12、2021東京五輪
今大会数少ないWBC経験者であり国際試合に滅法強いミスタースワローズ。
2年連続3割・30本・30盗塁のトリプルスリーを引っ提げて出場した前回大会ではここ一番で打ちまくり活躍。
前回大会後の2017年は打率が2割5分を下回るスランプとなったが2018年に史上初となる3度目のトリプルスリーを達成。
2019年は打率がやや低調で4度目のトリプルスリーは逃すもシーズン最終盤まで盗塁失敗0という高い技術を発揮。
シーズン終了後のプレミア12でも相変わらず国際試合での強さを見せつけ決勝の韓国戦では試合開始早々打たれた山口俊のミスを帳消しにする本塁打で優勝に貢献した。
2020年は一軍定着後初の故障による長期離脱を経験し2014年から続けたシーズン20本塁打以上もストップと不調。
シーズンオフにはFA退団するかしないかでヤクルトファンを戦々恐々とさせたが7年契約で残留を発表。
2021年は打率こそ3割には行かなかったが村上宗隆との和製大砲コンビで34本塁打を放ち自身初の日本一を達成。
相変わらず大舞台の強さは健在であり、東京五輪では準優勝韓国戦で本塁打を打つなどMVPを獲得、日本シリーズでは土壇場での本塁打など異常な勝負強さを発揮した。
昨季はチームが首位独走の中で自身は中々調子が上がらずキャプテンとしての重圧に苦しめられた挙げ句、夏には某暴露系YouTuberから脅迫されるなど精神的にかなり追い詰められており、優勝を決めた際には今までに見せたことないほどの涙を流す一幕があった。
昨季は不振を極めたため代表招集するべきか議論になったが栗山監督からこれまでの代表経験と国際試合の異常な強さが評価され今大会でも代表入り。
一方でこれまでの大会は二塁守備の名手である菊池涼介がいた影響で指名打者となり打撃に専念出来たが今大会は大谷翔平の代表復帰や菊池が落選したため初めて二塁手がメインとなる大会であるだけにその点が打撃に響かなければ良いのだが果たして。
2 源田壮亮(埼玉西武ライオンズ)
2022年成績 108試合 打率.266 2本塁打 17打点 12盗塁 OPS.655
大会出場歴…2017U-24アジア選手権、2019プレミア12、2021東京五輪
毎年打率.270前後に収束する打撃と俊足を持ち、広すぎる守備範囲やスローイングの速さで現役最高と言われる遊撃守備を兼ね備えたライオンズのチームリーダー。
その圧倒的な守備力から「源田たまらん」のフレーズでお馴染み。
大卒社会人ルーキーとして2017年に入団するとこの年監督となった辻発彦に高い守備力と走力が評価され開幕からショートでスタメン入り。
当時の西武は中島裕之のアメリカ移籍後4年に渡りショートがコロコロ入れ替わったため「所沢遊撃隊」と揶揄される悲惨な状況であり、源田自身も打撃面を理由にあまり期待されていなかったが開幕してみればこれまでの西武遊撃手陣とは比にならない守備とスピードで一気に西武ファンに多数の中毒者を生むと共に所沢遊撃隊を解散に追い込んだ。
課題とされた打撃も元々素質はあったためすぐに克服するなど最終的に新人では異例の全試合フルイニング出場を記録、盗塁や安打数など球団新人記録を更新するなど鮮烈デビューを飾り新人王を獲得。
シーズンオフの稲葉JAPAN初陣となったU-24アジア選手権では同学年で高校時代から親交のある甲斐拓也と共に代表デビューを果たし大会制覇に貢献。
この大会以後今回のWBCまで甲斐と共に全てのシリーズで代表入りを果たすなど必要不可欠な存在となった。
2018年以降も西武不動の遊撃手として活躍し続けており、「山賊打線」と呼ばれ圧倒的な破壊力でリーグ優勝した2018年以降5年連続ゴールデングラブと4年連続ベストナインを記録。
2021年は24盗塁とパ・リーグ史上ワースト記録ではあったが自身初の盗塁王を記録している。
また、プライベートではフジテレビCSの『プロ野球ニュース』でアシスタントも務めた元乃木坂46衛藤美彩と2019年に結婚。
昨季は骨折により自身初の長期離脱を経験したことにより連続ベストナインがストップ。
更にシーズン終盤にはベンチの盛り上げ役であり可愛がっていた後輩である山田遥楓の妻がネットに源田夫婦への誹謗中傷を書き込んだことが判明し精神的に追い詰められるなど苦しいシーズンとなった。(なお山田は尻拭いで日本ハムにトレードとなった)
今大会もこれまで代表常連であったため引き継ぎ代表入り。
これまでと違う点はプレミア12、東京五輪でスタメンだった代表不動の遊撃手坂本勇人が昨季色々とあったせいで代表辞退したため、初めて代走守備要員ではなくスタメン確実な状況で大会に臨むことである。
3 牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)
2022年成績 135試合 打率.291 24本塁打 87打点 3盗塁 OPS.861
大会出場歴…無し
プロ3年目には見えないベテランのような風貌でベイスターズの4番を務める神奈川No.1プレイヤー。
コロナ初年度でめちゃくちゃになった2020年ドラフトで大卒野手トップクラスの評価を受けDeNAにドラフト2位入団。
1年目の2021年はフロントのやらかしでソト・オースティンの助っ人主砲コンビが大幅に来日が遅れた影響によりソトの代役で一塁兼二塁手で開幕からレギュラーに入ると三浦監督初年度で最下位に沈んだチームで開幕から孤軍奮闘。
栗林良吏に新人王投票では敗れたが最終的に清原和博以来となる新人で打率3割と20本塁打を飾ったほか、ルーキー初のサイクルヒット達成やセ・リーグ新人二塁打記録を更新する鮮烈デビュー。
昨季は打率こそ少し落ちたがチームの4番打者として宮崎敏郎・佐野恵太との日本人打者トリオで爆発しリーグ2位を記録、三浦監督に球団史上初生え抜き監督のAクラスをプレゼントした。
名字が牧という理由から登場曲はTVアニメ版『SLAM DUNK』の主題歌ばかりであり「牧が好きだと叫びたい」はベイスターズファンの合言葉となった。
また2021年シーズン終了後にはSLAM DUNKで牧紳一を演じた声優の江川央夫と対談した。
2022年にはニッポン放送『ショウアップナイター』に川崎球場時代からのDeNAファンでありSLAM DUNKで水戸洋平と清田信長を演じた森川智之が出演したが森川からも「ベテランみたいな風貌ですからね」と言われた模様。
秋のテストマッチではタイムリーを打つなど結果を残して代表入り。
二塁の守備はチーム内で一番不安があるものの現状山田哲人と山川穂高がイマイチ状態が上がらないためスタメン起用の可能性も高い。
実家は長野県中野市にあり、美容室を営んでいる。帰省の際は母親が気合を込めた散髪をする。
また、大会前の1月には善光寺を参拝し、「勝守」というお守りを提供され、チーム全員・スタッフに配った。
ベンチでは最前列から大きな声でチームを鼓舞するなど、ムードメーカー役を買って出ることも多く、明るい性格の印象が強いが、もともとは極度の人見知りでtiktocで克服したという逸話がある。
5 牧原大成(福岡ソフトバンクホークス)
2022年成績… 120試合 打率.301 6本塁打 42打点 13盗塁 OPS.739
大会出場歴…2014U-21ワールドカップ
鈴木誠也の故障離脱により大会直前に招集されたホークスのジョーカー。
週刊少年ジャンプが大好きでかつては坂田銀時のコスプレ写真を上げたこともあった。
三軍制度元年となった2011年に千賀滉大・甲斐拓也と共に育成選手として入団。
2年目で支配下登録されると徐々に二軍では無双しU-21日本代表でも結果を出したが一軍に上がると主に走塁でやらかす癖が多いなど二軍の帝王ルートに突入。
2015年は代走要員で日本一を経験したが二軍の帝王からは脱却出来ず、2017年は二軍で過ごした挙げ句離婚したためファンからもトレード候補に挙げられる程であった。
転機が起きたのは2018年、シーズン中盤に一軍に上がるとこれまでの課題だった打撃が劇的に改善され、守備ではチームトップクラスの二塁守備を見せスタメンを掴みかける。
終盤に故障で離脱しシーズン終了となったがこの年以降スタメン争いに名を連ねる結果となった。
2019年からは2年連続で前半戦は打撃不調、後半戦は打撃好調という結果で3年連続日本一に貢献。
この頃からユーティリティプレイヤーとしても開花していき広い守備範囲を武器にショート・セカンド・センター・ライトではチーム屈指の守備力、サードでも最低限の守備を熟すようになった。
また私生活でもTwitterで牧原本人の情報が異常なまでに速くファンからも人気のHITOMIと再婚し精神的にも安定していった。
昨季は利便性の高さから藤本監督が「ジョーカー」と名付けたためシーズン中盤まではベンチスタートも多い中、開幕から守備位置を転々としながらも打撃好調で自身初のオールスター出場を記録、コロナによる離脱もあり規定打席に2打席足りなかったが30歳にして初の打率3割を記録した。
この活躍もあり野球ファンから代表のユーティリティ枠で同僚の周東佑京とどちらを呼ぶべきか議論となったが、代走での活躍を加味し周東に軍配が上がり落選。
その後春先のテストマッチではソフトバンクの選手として出場し攻守に躍動したため改めて「今からでも追加招集するべき」との議論が絶えなかったが、土壇場で追加招集と相成った。
鈴木誠也に代わる外野手候補の中で唯一二遊間もハイレベルにこなせるのは貴重な存在であるが、異常なまでの四球拒否早打ちである点がどう響くか。
7 中野拓夢(阪神タイガース)
2022年成績 135試合 打率.276 6本塁打 25打点 23盗塁 OPS.647
1年目から盗塁王を獲得し、阪神打線の核弾頭を務める遊撃手兼二塁手。
大学時代はとんねるずファミリーであった元西武大塚光二率いる東北福祉大学で全国制覇を果たしたがプロには行けず三菱自動車岡崎を経て2021年プロ入り。
鳥谷敬が衰え始めた2014年辺りからショートに悩まされ続けた阪神にとっては即戦力遊撃手は優先的な指名であったが開幕からスタメン入りし佐藤輝明とのルーキーコンビで活躍。
これまでチームが悩まされた遊撃守備も前任者達を上回る実力でありファンを安堵させた他、30盗塁で失敗2という驚異的な成功率が大いに評価された。
昨季は盗塁の成功率が減少したものの前年と大差ない成績でシーズンを終了。
毎年ベストナインを獲得していた坂本勇人が長期離脱した影響もあり自身初のベストナインを獲得し、秋のテストマッチで代表初招集。
ショート守備も問題無かったのだが今季は15年ぶりに監督で帰ってきたどんでんこと岡田彰布の思い付きで二塁手コンバートすることとなったが中野本人は「監督からは聞かされてなくニュースを見て知った」と衝撃の暴露が明かされた。
今大会はバント・代走要員、源田壮亮のリザーブや山田哲人の守備固めでの起用が予想されたが大会直前にセカンド守備がトップクラスに上手い牧原大成が加わったため役割が被る可能性が浮上。
25 岡本和真(読売ジャイアンツ)
2022年成績 140試合 打率.252 30本塁打 82打点 1盗塁 OPS.805
大会出場歴…無し
人気球団巨人の4番としてチームを牽引するセ・リーグ屈指のスラッガー
無類のサザンオールスターズのファンであり登場曲は大半がサザンか桑田佳祐ソロ曲。
智辯学園から2015年ドラフト1位で入団。
入団から3年間は二軍では無双するも一軍ではからっきしであり、若返りが進まないチーム事情に拍車をかけていた。
2017年シーズン終了後フロントが二桁本塁打を打ち2000本安打も視野に入っていた2009WBCメンバーの村田修一をクビにしてまで翌年の三塁手スタメン確約という動きを見せられた中挑んだ2018年に覚醒。
実質一軍初年度であるにもかかわらず開幕から打ち続け打率3割・30本塁打・100打点というスラッガーの証と言える成績を記録。
同年オフの日米野球で代表デビューを果たしたがこのシリーズでは山川穂高と共に結果を出せず以後長らく代表から離れることに。
一方チームではその後も絶対的な4番として5年連続30本塁打を放つなど活躍し2019年からのリーグ2連覇に貢献。
2020年から2年連続本塁打王と打点王を獲得した他、サードの守備も年々向上し2021年からはゴールデングラブを獲得。
同リーグで三塁のスラッガーという事から2019年以降村上宗隆のライバルという立ち位置となり各種タイトルを争う中となった。(なお岡本は村上の肌の艶が気になっていた模様)
昨季は前年のゴタゴタにより巨人移籍となった2013・2017WBCメンバー中田翔に弟子入りしシーズンに臨むも体重の増加もあってか調整に失敗。
なんとか30本塁打はクリアしたが打撃部門で全て一軍定着後キャリアワーストとなり夏場からは中田と入れ替わりで4番剥奪など苦しいシーズンとなった。
これまで代表歴が少ないこともあり当落線上だったものの秋のテストマッチで久しぶりに招集され結果を残し招集。
大会前のテストマッチでは好調気味なためファーストでスタメン起用が予想されている一方で外野手不足のチーム事情から若手時代に守ったレフト起用のオプションも予想されている。
33 山川穂高(埼玉西武ライオンズ)
2022年成績 129試合 打率.266 41本塁打 90打点 0盗塁 OPS.953
大会出場歴…2017U-24アジア選手権
沖縄生まれ豪快なスイングでホームランを量産するパ・リーグ屈指のスラッガー。
あだ名はアグー豚由来のアグー。
富士大学入学1年目から活躍し地方リーグの逸材として2014年入団。
入団当初は巨漢の一塁手専任スラッガーに加え豆腐メンタルが原因となって二軍の帝王であったが2016年シーズン後半から49試合で14本塁打と本塁打を量産。
翌2017年も春先不調からの夏場に本塁打を量産し、僅か2ヶ月ちょいの活躍で自身初の20本塁打を達成。
オフに行われた稲葉JAPAN初陣のU-24アジア選手権ではオーバーエイジ枠で出場、4番打者として優勝に貢献し稲葉JAPANの4番争いに名を連ねた。
2018年は圧倒的な破壊力でリーグ2連覇を成し遂げた「山賊打線」の4番として2年連続40本塁打以上での本塁打王を獲得し2019年はMVP獲得と正真正銘のスラッガーとなった。
この時期からホームランパフォーマンスを始め、ゆりやんレトリィバァの「調子乗っちゃって」を経て「どすこい」パフォーマンスを確立*1。
しかし2018年秋の日米野球でアピール出来なかった影響もあり2019年以後代表から外れ4番争いから脱落。
さらに2020年からは2年連続で不調が続いた事や怪我に悩まされ24本塁打と低迷していた。
昨季は開幕直後に2年連続同日の札幌ドームにて肉離れで離脱したが3年ぶりに40本塁打をクリアし本塁打王奪還。
秋のテストマッチは不参加だったが2018年日米野球以来の代表復帰となった。
しかし今大会のテストマッチでは極度の不振であり一塁スタメン争いで牧秀悟と岡本和真に差をつけられる厳しい現状だったがテストマッチ最終戦でようやく本塁打を放ちAmazon Primeの実況を務めた文化放送ライオンズナイターの斉藤一美アナと解説に来ていた恩師の辻発彦を安堵させた。
55 村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)
2022年成績 141試合 打率.318 56本塁打 134打点 12盗塁 OPS1.168
大会出場歴…2021東京五輪
今やNPB最強打者となり国民的ヒーローの階段を上がっている村神様。
高校時代までは出場機会を増やすため捕手兼任でプレーし2018年ドラフト1位で入団
1年目から二軍で結果を出し、シーズン最終盤には一軍初打席で本塁打という衝撃デビュー。
2019年は開幕からスタメンに抜擢されると清原和博以来となる高卒2年目以内の選手シーズン30本塁打と覚醒し新人王を獲得。
2020年は本塁打数こそ減ったが初の打率3割を記録。
2021年は四球数が100を越え選球眼が向上、39本塁打で岡本和真と並んで本塁打王を獲得し日本一に貢献し22歳にしてMVPを獲得。
特に本塁打数はあと1本打てば王貞治と秋山幸二を抜いて史上最年少のシーズン40本塁打であった。
夏に行われた東京五輪では侍JAPANデビューを果たすと下位打線でひと際存在感を放ち、決勝のアメリカ戦で優勝を決めるホームランと金メダル獲得に貢献。
最早日本では敵なし状態になりつつあった昨季は前年を大幅に上回る大爆発で開幕1ヶ月後辺りから本塁打を量産し、前半戦で30本塁打に到達。
シーズン終盤にペースは落ちたものの王貞治の持つ日本人枠選手最多本塁打記録55本を58年ぶりに更新する56本を記録。
さらに自身初の首位打者と打点王も獲得し令和初の三冠王を史上最年少記録で達成というチート級の成績でリーグ優勝に貢献し2年連続MVPを獲得した。
一部の野球ファン以外使っていなかったにもかかわらず、ワールドカップネタが選考期間に間に合わなかった事や他が暗い時事ネタばかりだったというのもあり、「村神様」で年間流行語大賞を獲得した。
打撃ばかりが話題になっているがゴツい見た目に反して俊足であり、1年目から二軍で二桁盗塁を記録すると昨季まで3年連続二桁盗塁を記録。
歴代三冠王で唯一となるシーズン二桁盗塁同時達成の記録も持っている模様。
その半面守備に関してはまだ課題も多く一軍定着した2019年と比較すれば三塁の守備は向上したが2年連続で失策数リーグ1位であり、2022年の日本シリーズ最終戦では村上のミスから失点となり敗けた事もあるためここに関しては不安材料。
今回のWBCは呼ばれない理由がない状態であり秋のテストマッチでは格の違いを見せたが、本大会前のテストマッチは不調が続いていた。
しかし4番を外れた最終戦で本塁打を放ち大会に臨むこととなった。
△外野手
8 近藤健介(福岡ソフトバンクホークス)
2022年成績 99試合 打率.302 8本塁打 41打点 8盗塁 OPS.879
大会出場歴…2014U-21ワールドカップ、2017U-24アジア選手権、2019プレミア12、2021東京五輪
柔軟な対応力で現役屈指のバットコントロールを誇るヒットメーカー。
栗山監督初年度のシーズンとなった2012年に日本ハム入団。
入団当初は捕手であり高卒1年目からある程度の出場機会を与えられていたが打力を活かすため2014年は三塁手にコンバートされ出場機会を増やす。
2015年は再び捕手に戻ったが打撃面で自身初の規定打席打率3割を記録したため指名打者を中心にプレー。
2016年は打力を活かすべく外野手にコンバートされ日本一を経験したが前年から成績を落とした。
2017年は選球眼が増すなど打撃が更に成長し5月までで打率4割をキープするなど史上初のシーズン打率4割が期待されたがヘルニア手術により3ヶ月離脱したため記録は幻に終わるものの戦線復帰したラスト1ヶ月も結果を残して打率4割フィニッシュ。
シーズン終了後のU-24アジア選手権でもスタメンとして大会優勝に貢献し以後日本代表の常連となった。
2018年以降も3年連続規定打席打率3割をクリア、俊足型打者ではないものの四球も多いため最高出塁率を2年連続で受賞するなど日本人屈指の安打製造機に成長。
2019年プレミア12と2021東京五輪では吉田正尚とレフトのポジションを併用という形ではあったが大会優勝に貢献するなど代表での存在価値を高めた。(東京五輪では危うく戦犯になりかけたが…)
2021年は打率.298とギリギリで連続打率3割は逃したが自身初の二桁本塁打で中距離打者への芽生えを見せ3度目のベストナインを獲得。
2022年は監督がBIGBOSSとなった影響でハチャメチャな起用に振り回される事となり、まさかのセンターを守る機会が増加(何故か無難にこなしていた模様)
しかし、久しぶりに長期離脱をしてしまい打率3割は打ったが5年ぶりに規定打席未到達。
シーズンオフにフロントや新庄監督と価値観にズレがあったのか金銭事情に厳しいファイターズの名物と化したFA移籍で同一リーグのソフトバンクに大金で移籍した。
新庄監督も度々近藤のFAは意識しており、シーズン最終戦には彼の野球感を測るためなのか疑似監督に見据える等色々動いていたのだが願いは届かなかったようだ。
今大会ではセンターとライトが多少人数不足なせいで昨季守ったセンターや度々守備機会のあったライトでの起用も見込まれており守備には一抹の不安があるが打撃は絶好調であり、選球眼を活かした攻撃的2番のスタメン起用が予想されている。
9 周東佑京(福岡ソフトバンクホークス)
2022年成績 80試合 打率.267 5本塁打 15打点 22盗塁 OPS.688
大会出場歴…2018U-23ワールドカップ、2019プレミア12
現役No.1とも呼ばれるスピードと走塁技術を持つユーティリティプレイヤー。
2018年に育成選手として入団し、2年目の2019年開幕直前に支配下選手登録。
2019年は持ち前のスピードを武器に代走・守備要員としてシーズン通して活躍しスタメン出場機会はほぼ無かったにもかかわらずリーグトップの盗塁成功率で25盗塁を記録し日本一に貢献。
2018年のU-23で既に走塁面の実力を把握していた稲葉監督がプレミア12の秘密兵器として代表に招集。
当初は打率1割台であり、侍JAPANではあまりいなかった完全なる代走・守備要員の招集は議論となったが本番では圧倒的なスピードで切り札として活躍する衝撃的な活躍を見せ一躍時の人となった。
特にオーストラリア戦で見せた代走出場で2連続盗塁から源田壮亮のセーフティースクイズで1点は侍JAPAN伝説のシーンとなった。
2020年は大学時代にある程度守っていたショートと新たにセカンドに挑戦すると内野の送球難はあるものの広い守備範囲を武器にしつつ打力も開眼しシーズン中盤以降レギュラーに定着。
打率.270、出塁率.325という理想的な1番打者となると共にシーズン終盤には13試合連続盗塁というNPB新記録を更新、シーズン50盗塁をクリアし盗塁王を獲得するなど4年連続日本一に貢献した。
しかし2021年は打力アップを求めた結果開幕から不調となった他、故障によりシーズン後半を棒に振ったため東京五輪も落選。
昨季は前年の手術の影響で出遅れたが筋肉増量により自己最多の5本塁打と打撃面が復調しシーズン中盤からレギュラーに復帰。
守備では外野メインだったが大学時代の本職だったサードでのスタメンも多かった。
今大会はシーズン終盤から打力と内野守備で上回る牧原大成とユーティリティ枠でどちらを選ぶかがファンの間で議論となっていたが秋のテストマッチで代表復帰しそのまま代表入り。
大会ではやはり代走・守備要員がメインとなる予想である。
23 ラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)
2022年成績 108試合 打率.228 14本塁打 40打点 4盗塁 OPS.788
大会出場歴…無し
今大会の秘密兵器として期待がかかる侍JAPAN史上初の日系ハーフのメジャーリーガー。
フルネームはラーズ・テイラー=タツジ・ヌートバーであり日本名は榎田達治
「ヌードバー」という見間違いで色々と驚かれるのは半ばお約束となりつつある。
あと野球をあまり知らない人々からは「チョコバーの商品名」だと思われていたとか。
元々WBCはハーフなら両親の国籍どちらの国でも出場可能というルールが存在していたがそもそも日本人ハーフでメジャー実績がそれなりにある選手自体が極わずかであったためこのルールは適用していなかった。
しかし、最強チームを作ると臨んだ栗山監督が調査した結果その存在が見つかり代表入りを果たした。
母が日本人であり、田中将大や斎藤佑樹を要した2006年高校日本代表が大会でアメリカに来た際ホームステイした家が彼の実家であり、大会中は手伝いに参加し選手から可愛がられたりと楽しい経験をしたことから日本代表入りが目標となったという漫画のようなエピソードが話題とやった。
しかもこの大会に栗山監督は取材で訪れていたというここでも運命を感じるエピソードがある模様。
プロキャリアとしては2018年にプロ入りしマイナーデビュー。
2020年は新型コロナの影響でマイナーリーグが中止となったためアルバイトでなんとか食いつなぐ苦しい生活を強いられたが2021年シーズン中盤に24歳の若さでメジャーデビューを果たした。
昨季はシーズン途中から広い守備範囲やメジャー特有の強肩を武器にライトのレギュラーを掴むとシーズン後半からは出塁率が打率より1割近く高いという選球眼を武器に1番打者として出場。
期待のプロスペクト選手として自身初の二桁本塁打もクリア。
本塁打王経験のある2017年WBC優勝アメリカ代表メンバーのゴールドシュミットとアレナド、2000年代〜2010年代を代表するメジャーリーガーで現役ラストイヤーとなったプホルスとヤディエル・モリーナ、今大会韓国代表に名を連ねたエドマン、最多勝経験者のウェインライト、かつて巨人で大活躍し2022年完全復活を果たしアメリカ代表入りを果たしたマイコラスといった早々たるメンバーの中に名を連ねナ・リーグ中地区優勝を経験。
チームの盛り上げ役としてプレー以外でも貢献するなど高い評価を獲得した。
もちろん大会前は日本のMLBファン以外の認知度は皆無であったが攻守の指標は昨季メジャーデビューした鈴木誠也にほとんど勝っているなどめちゃくちゃ優秀なメジャーリーガーがチームに加わる形となった。
本大会は外野手の人材不足もあってか昨季はあまり守備機会の無かったセンター起用が予想されている。
打撃ではテストマッチ最終盤から出場解禁されると現役バリバリのアメリカ人メジャーリーガーらしく桁違いのスイングスピードを見せておりますます期待がかかる一方である。
なお大会前には今大会用に応援歌が作られるも使い回しで「ダサい」だの「手抜き」だの言われていたが本大会直前に侍JAPAN汎用応援歌という形ではあるがちゃんとした応援歌が作られた。
34 吉田正尚(ボストン・レッドソックス)
2022年成績 119試合 打率.335 21本塁打 88打点 4盗塁 OPS1.008(NPB)
大会出場歴…2019プレミア12、2021東京五輪
小柄な身体から繰り出されるフルスイングでオリックスの暗黒期を終焉させたマッチョマン。
大学日本代表4番という実績を引っ提げ青山学院大学から2016年入団。
入団1年目から開幕一軍入りを果たすとフルスイングを武器に二桁本塁打を記録、新人時代からNPBデビュー7年連続二桁本塁打を達成していた。
しかし、当時はフルスイングの代償で腰に爆弾を抱えており2年連続でシーズン半分を棒に振っていたため2017年シーズン終了後に手術を敢行。
腰の手術を終え、故障しにくいフォームに改良した2018年以降は全シーズン規定打席に到達し4度の20本塁打、2年連続首位打者、2年連続最高出塁率と高い成績を記録。
打撃に関しては四球に加えてフルスイングする選手に反し三振が少ないのも魅力であり相手に取っては嫌らしい打者でもある。
また、ここ数年は日本陸上界でチートキャラとして有名だった室伏広治にトレーニングを学んだり、糸井嘉男と柳田悠岐の球界身体能力モンスターに弟子入りした影響も大きな結果に繋がった。
2021年はシーズン終盤に骨折したものの大学の先輩ラオウこと杉本裕太郎とツインバズーカでチームの暗黒期を終わらせるリーグ優勝を経験。
昨季も軽症やコロナで僅かな期間離脱したが後半からはいつもの調子を取り戻し、特にシーズン終盤は前年不完全燃焼に終わった鬱憤を晴らすかのごとく打ちまくり逆転優勝に貢献。日本シリーズではサヨナラホームランを放ち日本一への流れを引き寄せた。
代表でも2019春のテストマッチで代表デビューして以降近藤健介とレフト併用ではあったが代表に欠かせない選手となりプレミア12と東京五輪優勝に貢献。
今季は超大型契約でレッドソックスに移籍、メジャー初年度選手は様々な事情からWBC出場辞退が相場だった中で出場表明。
メジャー組のためテストマッチはラスト2試合だったが格の違いを見せつけ大会を向かえる。
51 鈴木誠也(シカゴ・カブス)
2022年成績… 111試合 打率.262 14本塁打 46打点 9盗塁 OPS.770
大会出場歴…2017WBC、2019プレミア12、2021東京五輪
※メンバー発表後の合宿期間で故障により辞退
昨季メジャー挑戦を果たした神ってる侍JAPANの4番打者。
「神ってる」で流行語大賞を手にした翌年開催の前回大会は貴重な右の外野手としてスタメン入り。
前回大会後もさらなる進化を続け現広島監督の新井さんから4番打者を次ぐと2016年から6年連続打率3割と20本塁打をクリアし全ての年でベストナインを獲得。
2018年には自身初の30本塁打を放ち、2019年と2021年は首位打者と最高出塁率も獲得。(2021年は本塁打王に1本届かなず)
OPSも1.0以上を4回、二桁盗塁も複数回記録。
守備ではライトをメインに守り、強肩を武器に5度のゴールデングラブ受賞。
トータルで見て走攻守で高い部分を持っているなどNPB屈指の強打者として君臨。
また数少ない右の外野手というチーム事情から代表でもプレミア12と東京五輪の2大会で4番打者を任せれるなど絶対的な存在の選手であった。
プライベートでは美人アスリートとして有名でNHK『サンデースポーツ』出演者だった新体操の畠山愛理と結婚。
昨季は満を持してメジャーに挑戦。
開幕から1ヶ月は打ちに打ちまくり久しぶりの日本人野手で当たりを予感させたがシーズン途中に故障離脱。
夏場に戦線復帰するも後半戦は開幕直後のインパクトを残せずに終わったが日本人野手の最初に当たる成績の壁とも言える二桁本塁打はクリアし1年目を終えた。
今季は同学年の親友大谷に誘われ大会参加する気満々であったがメジャー仕様に合わせた急激な体重増加が響いたのか代表合流前の所属先でのスプリングキャンプで脇腹を痛め無念の辞退となった。
侍ジャパン通訳
水原一平
元日本ハムファイターズの球団通訳で、現在は大谷翔平の専属通訳兼実質的なマネージャー。
大谷翔平が侍ジャパンに入るにあたって、大谷と共に侍ジャパンの一員として尽力することになる。
栗山監督が水原に対して、日系人メジャーリーガーの調査と勧誘の依頼を命じ、この結果として前述のラーズ・ヌートバー選手の招聘に成功した。
そして日本語が苦手なヌートバー選手の通訳を務め、さらには試合中も監督と審判団の通訳を務めるなど、
チーム内外の円滑なコミュニケーションに多大な貢献を果たした。
また、準々決勝で相手をしたイタリアチームを高級料理店に連れて行ってもてなすなど、他チームとの交流にも尽力した。
まさに侍ジャパンの縁の下の力持ちと言っていいだろう。
◆予備登録枠
前回大会と同じくラウンドの入れ代わりのタイミング等で投手のみ任意で入れ替え可能な枠。
今大会も現状使われないと思われるがテストマッチ最終戦のオリックス戦ではこの枠の選手が登板することとなった。
田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)
2022年成績 25試合 9勝12敗 防御率3.31 WHIP1.17
大会出場歴…2008北京五輪、2009WBC、2013WBC、2021東京五輪
「マーくん、神の子、不思議な子」でお馴染み日米通算190勝を記録している元侍JAPANエース。そして、球界を代表するアイドルヲタにしてウマ娘ガチ勢。
2013年に24勝0敗1セーブでチームの創設後初日本一に貢献、直後にメジャーの名門ニューヨークヤンキースに移籍。
ヤンキースでは調子のムラが激しくニューヨーカーの手首をグルングルン回し続けたが6年連続二桁勝利を記録。
2020年シーズンがコロナウイルスで大型短縮を食らった影響に伴う給料の面や家庭の事情もあり2021年古巣楽天にNPB歴代最高年俸で復帰。
2021年はAクラスのチームで4勝と驚異的な無援護に悩まされるとコロナによる開催延期の恩恵で東京五輪に出場出来たが先発として結果を出せないなど著しく劣化しているのが垣間見えた。
昨季は春先絶好調だったチームの中順調に勝ち星を重ねつつあったがシーズン中盤から大失速したチームとシンクロするかの如く低迷。
最終的に9勝したもののリーグ最多敗戦、被安打・自責点・失点でリーグワーストと精彩を欠きシーズンを終えた。
MLBで得た実績や東京五輪では不調の中投手陣のまとめ役として縁の下の力持ちを発揮した事から代表当落線上にはいたが無念の予備登録枠となった。
なお田中の落選で痛い目を見たのが2つの国民的人気野球ゲームを開発しているKONAMI。
WBC開催時期に合わせてパワプロアプリで久しぶりとなる田中将大コラボを行ったが、田中の落選によりイマイチ盛り上がらないコラボとなってしまった。
平野佳寿(オリックス・バファローズ)
2022年成績 48試合 3勝2敗28セーブ8ホールド 防御率1.57 WHIP0.80
大会出場歴…2017WBC
日米通算221セーブ198ホールドを記録したオリックスのベテラン守護神。
2010年にリリーフ配置転換されるとリリーフエースとして長きに渡り低迷続きのオリックスを支え続けた。
2017年WBCは5年ぶりの代表となった中ここ一番のリリーフエースとして大活躍、この活躍で自信を掴んだのかシーズン終了後メジャー挑戦。
メジャー1年目は中継ぎとして連続無失点記録を続けるなど32ホールドをあげ35歳のルーキーとして大活躍したが翌年以降成績を落とし3年で帰国。
2021年オリックスに4年ぶりの復帰を果たすと再び守護神に配置されチームの2連覇に貢献。
昨季はコロナの影響もありシーズン終盤は日替わり守護神であった。
相変わらずの鋼のメンタルを持ち合わせており、2021年シーズン終盤で打たれてすぐベンチで笑顔を見せていたのは有名。「打たれた平野佳寿です」
アメリカでの実績やブルペンリーダーの役割を期待されたのか予備登録となった。
なおロースター枠に加われば最年長となると共に3月生まれの1983年世代であるためプロ選手出場が解禁されて以降侍JAPANで事実上史上初の40代選手となる。
藤井皓哉(福岡ソフトバンクホークス)
2022年成績 55試合 5勝1敗3セーブ32ホールド 防御率1.12 WHIP0.80
大会出場歴…無し
戦力外通告を経て独立リーグからNPBに復帰し覚醒した2022年最大級のサプライズ投手。
2015年に高卒で広島に入団するものの6年間で一軍定着とはならず戦力外通告を経て独立リーグの高知ファイティングドッグスに入団。
独立リーグに入団するとNPB復帰を目指し死にものぐるいで努力した結果見違えるほどに進化、奪三振のリーグ新記録を樹立した。
そんな中シーズン途中に行われたソフトバンク三軍戦でノーヒットノーランを達成し補強候補として浮上。
2022年育成契約としてNPB復帰を果たした。
昨季は150キロ台を連発するストレートとキレ味鋭いスライダーやフォークを武器にオープン戦から結果を残し開幕直前に支配下登録へ復帰。
開幕からリリーフとして好投を続けていたところ又吉克樹ら勝ちパターンの投手が相次いて離脱した結果中継ぎエースとなりシーズン中盤からは8回を任され32ホールドと大活躍。
シーズン最終盤に勝てば優勝となった西武戦で山川穂高にサヨナラホームランを打たれた際には涙を流すなど最後に悔いが残るシーズンとなった。
2022年の大躍進で栗山監督も候補として名を挙げたり、元々侍JAPANには代替選手で頻繁に派遣してくれるなど代表に協力的なソフトバンク所属という事もあり代表当確と思われたが2023年は兼ねてから予想された先発転向を理由に調整が必要なため代表を辞退。
しかし、昨季の活躍が凄かったためか予備登録で残った模様。
清水昇(東京ヤクルトスワローズ)
2022年成績 50試合 5勝4敗28ホールド 防御率1.16 WHIP0.79
大会出場歴…無し
帝京魂の精神でヤクルトの2連覇を支えたセ・リーグを代表する中継ぎエース。
國學院大學から2019年ドラフト1位で入団するも1年目は先発で結果を残せず期待を裏切ったが2年目からリリーフに専念し覚醒。
亜細亜大ツーシーム等を武器にリリーフ転向した2020年には防御率3点台と不安はあったが最優秀中継ぎ投手を獲得。
2021年は前年より成績が向上し、72試合でNPB歴代1位の50ホールドを記録し日本一に貢献。
昨季は春先に打球直撃による離脱をしたがこれが良い休養となったのか防御率やWHIPなど指標は軒並みキャリアハイとなり2連覇に貢献した。
侍JAPANには開催中止となった春の台湾戦で侍JAPAN初招集となったため代表デビューは幻のまま本大会となり予備登録枠止まりとなった。
森浦大輔(広島東洋カープ)
2022年成績 51試合 3勝6敗24ホールド 防御率3.30 WHIP1.36
大会出場歴…無し
プロ1年目からフル回転を続ける広島の左腕リリーフエース。
天理大学から2021年に入団。
前年リリーフが崩壊したチーム事情により1年目から栗林良二と共にリリーフ陣としてフル回転、ルーキーイヤーから50試合以上に登板した他球団新人ホールド記録を大幅に更新する17ホールドを記録。
昨季は10試合連続登板という超絶酷使もある中チームトップの24ホールドで中継ぎエースとして活躍。
秋のテストマッチにて代表デビューを果たしたがシーズン成績を見てもやや物足りない成績だったこともあってか予備登録となった。
41 種市篤暉(千葉ロッテマリーンズ)
2022年成績 1試合 0勝0敗 防御率9.00 WHIP3.00
大会出場歴…無し
トミー・ジョン手術から復帰を目指すフォークボーラー。
ドラフト6位という下位指名で2017年に入団。
岩下大輝と共に二軍でしっかり鍛えてから一軍に送り込まれると2019年はリーグでも有数の大きいフォークで8勝に奪三振135と大活躍。
将来のエース候補として期待され、2020年も1ヶ月半で3勝と活躍したが肘の状態が重症だったことが判明しトミー・ジョン手術を受け長期離脱。
2019年オフの間に野球経験極わずかの期間にもかかわらずTwitterなどを介してピッチング指導を行うなどネット界隈の野球ファンからは悪名高い人物に練習を見てもらったのが故障に繋がった原因ではないかと言われていたが真相は不明。
昨季は夏に復帰登板で1試合投げたのみで2019年の輝きはまだ見せれていない結果だった。
そのような状況にもかかわらず何故予備登録メンバーになったのかは謎も多かったがテストマッチ最終戦では本気モードのオリックス相手に4回ノーヒットノーランとまさかのピッチングを見せた模様。
46 岩下大輝(千葉ロッテマリーンズ)
2022年成績 14試合 1勝0敗3ホールド 防御率0.55 WHIP0.86
大会出場歴…無し
覚醒まであと一歩という高いポテンシャルの選手が多いロッテ高卒投手軍団の一員。
名門の星稜高校から2015年入団し3年間二軍で熟成された後2018年に一軍デビュー。
2019年は種市篤暉と共にシーズン途中から先発ローテに加わり5勝を記録。
2020年は7勝と勝利数を増やしたが優勝争いの時期にコロナで一時離脱するなど悔しい後半となった。
2021年は前半戦は好調を維持し二桁勝利を狙えていたが東京五輪後の後半戦から低調となり8勝。
昨季は故障でかなり出遅れたがリリーフに専念すると持ち前のフォーク等を駆使し、リリーフで可能性を見せた。
岩下という名字から新生姜でおなじみ『岩下の新生姜』の社長が気に入った事をきっかけに岩下の新生姜が自らスポンサー契約を持ち込んできており、ZOZOマリンスタジアムの岩下プロデュースグルメには岩下の新生姜を使ったグルメが販売されている。
昨季も僅かしか投げておらず種市と同様に何故予備登録メンバーになったのかは疑問の声も多かったが、テストマッチ最終戦に代理で投げたことなどから緊急事態で他球団から下手に呼べない事情を踏まえて吉井コーチが自チームから登録した可能性が高いとされている。
◆主な辞退者と落選者
こちらは秋のテストマッチ参加者からの落選組やメディア等から辞退が報じられた選手を簡潔に紹介。
千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)
前回大会は菅野智之と共にエースとして君臨したソフトバンクのエース。
東京五輪でもリリーフで活躍し7年連続二桁勝利を記録とパ・リーグ屈指の投手であったがアメリカ移籍もあって無念の辞退。
本人はアメリカラウンドの準決勝から合流も視野に入れていたとか。
柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)
驚異的な身体能力と天然エピソードを持つNPB最強打者の1人。
東京五輪でようやく国際大会を経験したものの昨季は3割30本をクリア出来ず柳田基準では低調なパフォーマンスで終了。
優勝争いのシーズン終盤満身創痍で出場した影響もあって本調子でないため前回大会に続いて辞退。
塩見泰隆(東京ヤクルトスワローズ)
秋のテストマッチで代表デビューしたヤクルトの切り込み隊長でありヤクルトファンの大御所出川哲朗の母校の後輩。
身体能力は高いもののスペ体質がネックだった中2021年初の規定打席をクリアし2連覇に貢献。
高い身体能力のセンター守備とスピードに中距離打者と代表入りを期待されたがヌートバーのサプライズ選出などもあってかまさかの落選。
数少ない右の外野手だったため鈴木誠也の離脱後代役が期待されたがこのタイミングでスペ体質が復活し間に合わなかった。
近本光司(阪神タイガース)
プロ1年目から阪神のセンターを務め、3度の盗塁王を記録しているスピードスター。
2021年は自身初の打率3割で最多安打、2022年は2年ぶりの盗塁王と国内実績は充分であり秋のテストマッチで代表デビュー。
弱肩ではあるが貴重な本職センターの外野手として期待されるものの左の外野手が飽和状態だったこともあり落選。
鈴木誠也の故障離脱後に代役招集の報道が成されたが選ばれたのはユーティリティの牧原大成だった。
今宮健太(福岡ソフトバンクホークス)
ホークス黄金時代からショートのポジションを守り続ける名手。
前回大会は故障による調整などを考慮し辞退。
ここ数年は怪我の状態が悪化してシーズンの大半を離脱することもあったが昨季は本塁打こそ減ったものの久しぶりに規定打席に到達するなど復調。
絶対的ショートだった坂本勇人が色々やらかしていたせいで5年ぶりの代表復帰が期待されたが前年満身創痍で働きすぎた結果前回大会とほぼ同じ理由で事態が報じられた。
平良海馬(埼玉西武ライオンズ)
東京五輪を経験した西武の若きリリーフエース兼ゲーム配信者。
2020年に新人王を獲得し、2021年は連続無失点記録を作るなど躍進。
昨季は復調した増田達至とWクローザーで活躍した一方で『APEX LEGENDS』や『Splatoon3』などのゲーム配信者としてYouTuberデビュー。
3年間リリーフで好成績を残し自らが「不完全燃焼」と言っていた東京五輪のリベンジが期待されたが先発転向を再度直訴したことによる調整を理由に辞退を宣言。
一部からは「ゲームやりたいだけだろ」とネタにされていたが今季のオープン戦は好調でありアンチを黙らせている模様。
西川龍馬(広島東洋カープ)
身体能力を武器に攻守でアグレッシブなプレーを見せる外野手。
スペ体質なのがネックではあるがプロ1年目から全ての年で打率2割後半から3割を記録する巧打者であり長打も狙える。
昨季も故障に悩まされたが打率.315、本塁打10と打撃は本物であり秋のテストマッチで久しぶりに代表復帰。
オフには大のオリックスファンのためFA移籍も予想されたが「新井さんが監督になるから」という理由で残留。
鈴木誠也の代役候補として名前が上がったが近本光司と同じく落選。
森下暢仁(広島東洋カーブ)
東京五輪では山本由伸とのWエースを張った広島の右のWエースの一角。
ルーキーイヤーからローテーションを守り、昨季も防御率こそイマイチながらリーグ最多登板で二桁勝利を達成するなどチームを支えた。
東京五輪ではアメリカ打線を零封する活躍を見せており、本大会でも招集候補に名を連ねていたが、テストマッチを右肘痛で辞退。その後手術を受けたため本大会の出場も絶望的になった。
森友哉(オリックス・バファローズ)
捕手として数少ない首位打者経験を持つ現役No.1打撃型捕手。
前回大会以降辻監督が捕手として鍛え上げ2018年の日米野球で代表デビュー。
近年のパ・リーグはゴールデングラブは甲斐拓也だがベストナインは専ら森友哉という解りやすい勢力図になっており代表でもこの2人が主軸になると思われたが中々代表に呼ばれず。
昨季は打率3割を逃すも秋のテストマッチで4年ぶりに代表復帰すると打撃で結果を残し代表当確かと思われたがFAで西武からジュニア時代にプレーしたオリックスに移籍。
捕手というポジション柄投手との連携を優先するため辞退となった。
坂本勇人(読売ジャイアンツ)
2013WBCから2021東京五輪まで長きに渡り侍JAPANのショートを守った球史に残る大打者。
昨季は故障による長期離脱でプロ1年目以来の規定打席未到達に加えて、2009年から続いていた連続二桁本塁打記録もストップするなど一軍定着後キャリアワースト成績でシーズン終了。
名手と言われたショートの守備も衰えが出始めてはいたがこれまでの経験もあり栗山監督からは候補としていたようだがチームに専念したいという理由で辞退した。
もっとも昨季はこの他にもネット界隈でも散々にネタにされた私生活でのやらかしがあり、球団が大スターを表向き罰せずうやむやにしたことには批判の声もあっただけに、今回は代表or球団にその点を重く見られたという見方もできるだろう。
球団も坂本を更生すべく兄貴分として慕っていた長野久義を広島から呼び戻し、松田宣浩をソフトバンクから獲得するなど奔走していたのが窺える。
スティーブン・クワン(クリーブランド・ガーディアンズ)
ヌートバーと同じく日本の血を引くメジャーリーガーであり中国系アメリカ人と日系アメリカ人の間に産まれた青年。
昨季メジャーデビューすると高い選球眼と空振りの少なさを武器に打率.298、出塁率.373と現代野球らしい成績を見せる鮮烈デビューを記録。
出塁マンとして話題となった他にも足では19盗塁、守ってはレフト刺殺リーグ1位と全てにおいて可能性を見せつけ新人賞3位とゴールデングラブを獲得。
ヌートバーと違いハーフでは無いせいでパスポートが必要だったのだがそれが間に合わず無念の落選。
当初は栗山監督が交渉している秘密兵器として報道が出た一方、流石に憶測だろうと思われたが大谷翔平も交渉するなど本人自ら出る気満々だったことを明かした。
もし参加していれば外野守備は凄まじいラインナップになっていたはず。
その他代表経験者では大野雄大、東浜巨、山崎康晃、岩崎優、浅村栄斗ら。
代表未経験で昨季好成績だった選手では佐野恵太、髙橋光成、小笠原慎之介等が有名な所であるだろう。
また、日系人メジャーリーガーでは、前述のクワンの他、ケストン・ヒウラ、カイル・ヒガシオカ、アイザイア・カイナーファレファといったところも候補に上がっており、22年オフのドラフトで日本ハムから3位指名を受けた加藤豪将の名前も上がっていた。
試合結果
1次リーグ
中国戦、韓国戦、チェコ戦で共通して言える概要は
先発投手を球数制限によって早々に引きずり落とし、後続のピッチャーで大量得点
という、投手層の厚さと安定感のある打撃陣によってごり押せる戦法だった。
特にMLB組、1番ヌートバーと3番大谷、5番の吉田の活躍はもちろんのこと、NPB組でありながら驚異的な出塁率で繋ぎの役割を見事に果たす2番近藤の活躍によって安定して点を取れる状況だった。
守備に関してもヌートバーの好守備もあってか、日本は1次リーグの4戦を全勝、さらに8失点という最少失点で1次リーグを1位通過することとなった。*2
しかし、4番村上は緩く変化のあるボールに大苦戦してしまい、あまり結果を出せていなかった。*3
中国戦の大谷は、球数制限もあってあまりペース配分を気にせず投げられたのか、4回投げて5奪三振。
ところどころピンチに陥るも、ヌートバーの好守備に助けられたこともあって、無失点に抑える。
中国代表の打者は大谷の「向かってきたと思ったらストライクゾーンに入るスライダー」に驚いて手が出ない、という光景が散見された。昨年までNPBでプレーしていた真砂も大谷のスライダーに驚愕していたので、やはりまだ野球が未発達な中国の野手ではあのような反応になるのも無理はないだろう。
一方で、中国代表の1番ライトとして出場し、東海大菅生高校でのプレー経験もある梁培が戸郷からホームランを放つなど、8回に投手陣が崩れるまでは中国も善戦を続けており、中国野球のレベルアップも実感させられた。
試合は8-1で勝利。
韓国戦は日本先発ダルビッシュ、韓国先発金廣鉉というある意味懐かしいマッチアップ。しかし14年の間に両者ともに国内リーグからMLBに挑戦しており、(金廣鉉はその後KBOに復帰したが)あの頃とは一味も二味も違う。
ダルビッシュは3回に2ランホームランに村上のエラーも重なって計3点を失うイマイチな内容。しかし、2回までは日本打線を内野安打1本に抑えていた金廣鉉も3回に源田・中村に与えた四球から突如崩れ、あっさり日本が4点を勝ち越す。
日本はその後この日自己最速を更新した今永から宇田川、松井、高橋宏と繋ぎ、今永がソロホームランを打たれたものの残りの3人は韓国打線をパーフェクトに抑えるピッチング。守備でもまたしてもヌートバーの好守備が光り、チームを活気づけた。
一方の韓国代表は総計10人もの投手を送り込んだが、尽く日本打線に攻略され、あわやコールドでの決着となるところであった。
試合は13-4で勝利。
チェコ戦の日時は3月11日。そう、東日本大震災の日である。この日は、父を震災で亡くした佐々木朗希が登板したことで大きな話題を呼んだ。
栗山監督は「この日には朗希に投げさせる」と事前に決めていたそうである。*4*5
エラーがらみで1点を取られるも、164km/hの剛速球を投げるなど圧巻のピッチングを披露したが、4回表に、エスカラに直球の死球を与えてしまう。これには大谷も「痛そうだなー…」とばかりに顔をしかめていた。
大事になるかと思いきや、エスカラは走って無事アピールを行い、何とか事なきを得た。
佐々木は球数制限が祟り4回途中で降りることになるが、それでもこの時点で8奪三振という凄まじい記録を残している。
一方の打撃は、先発のサトリアの緩いがそれゆえにタイミングをつかみづらい球筋で打者陣はあまり手が出せずにいた。その投球フォーム・戦術に星野伸之やリアル野球BANを連想する人間が続出し、前者に至っては本人に連絡が殺到したらしい。
しかし3回裏にはもう慣れたのか、近藤の2塁打に始まって村上の四球、吉田の逆転タイムリーツーベース、さらには山田のタイムリーヒットで一気に3点を取り、*6
さらには4回で中野の四球からヌートバーのヒットに始まり、近藤の2塁打、大谷の2塁打で一気に3点を取り、さらに村上が打席に立っているときに大谷は三塁への盗塁を敢行、見事成功する。
これに動揺したのか村上は四球で歩き、続く吉田は犠牲フライによりさらに1点を取ったのだった。
さらには5回に、鈴木誠也の代わりとして選ばれた牧原による1点、さらには8回に大谷の代打である牧のホームランから始まり、村上、岡本、山田が塁に出て満塁。山川の犠牲フライで1点を追加。
投手は球数もあって降板した佐々木の後を宇田川が繋ぎ、残り5イニングを僅か68球で宮城が片付けた。
試合は10-2で勝利。リードした状態で宮城が3イニング以上を投げて試合を終わらせたため宮城にセーブが付いた。
実はチェコの代表選手たちは他の仕事に従事しながら野球をしている人ばかりで、「仕事と野球の二刀流」と話題になった。
それにもかかわらず健闘し、また相手に対するリスペクト精神も備えており、終始良い雰囲気に包まれていた。
試合後、佐々木はチェコの選手団のところを訪れ、お詫びの菓子折り*7を渡したことが話題になった。そしてチェコ選手たちのお気に入りが「きのこの山」だと判明してツイッターは(いつもの)大荒れになった。*8
オーストラリア戦では山本由伸の安定感のあるピッチングと、大谷の特大3ランホームラン*9によって初回から飛ばしていき、失点も9回に高橋宏斗がソロホームランを浴びたくらいであった。
オリックスの育成選手として1年のみ所属していたダリル・ジョージを全力で応援する幼女が話題になっている。この娘はこの日オーストラリア代表の1番として出場していたケネリーの愛娘とのこと。
チームは7-1で快勝、1次リーグを1位通過でトーナメント進出が決まった。
3月12日、大会中一度も登板していなかった栗林良吏が代表を離脱し、予備登録メンバーから山﨑颯一郎が追加招集された。
3月13日、ある動画が話題になった。負傷により出場を断念した鈴木誠也による村上に対する、「そろそろ打てや村上」というハッシュタグが添えられた、ジェスチャー動画によるメッセージだった。
鈴木は2021年の東京オリンピックでも不調に喘いでおり、同じく不調である村上に対してのエールとなった動画であった。
準々決勝
負けたらそこで終わりのトーナメント戦。
準々決勝で対決するのは、全てのチームが2勝2敗となったAグループで、失点率判定により2位通過を果たしたイタリアと対戦。
今までは半ばボーナスゲーム枠扱いもされていたが今大会では大谷のチームメイトであるデビッド・フレッチャーと、その弟ドミニク・フレッチャー、更にアンドレ・パランテにマイク・フェスタといったMLB級投手に周りもAAAクラスの選手ばかりと侮れないチーム。
試合が動いたのは3回裏、近藤がいつもの四球で1塁に出て大谷。
露骨なシフトを敷かれていたが、ここで大谷はセーフティバントで意表を突いた。
この作戦は見事に成功し、慌てた投手が1塁へ悪送球、その間に近藤は3塁まで進んだのだった。
そして吉田がショートゴロの間に1点を挙げ、村上は四球。そして続く岡本でレフトスタンドへのホームランを決め、一気に4点を取った。
大谷は4回まで無失点で抑えていたが、5回表にはデビッド・フレッチャーのヒットも絡みつつ2回の死球をやってしまったことも含めて制球に乱れが出てきた。
そして続くドミニク・フレッチャーに2点タイムリーを取られたところでやむなく交代し、伊藤が登板。きっちり抑えてさらなる失点を防いだ。
その裏には回跨ぎで制球を乱したパランテが大谷が四球、吉田が死球を与え、ここでイタリアはパランテを見切ってニットーリを投入。
村上は投手の代わりばなの初球を打ち2塁打、1点を取る。さらに続く岡本も初球を打って2塁打、2点を追加した。
7回ウラは吉田のソロホームランに始まり、村上がまたしても2塁打を放って復調の兆しを見せる。その後も源田によって1点を追加した。
8回にダルビッシュが実はスタンドに入っていないソロホームランを打たれるも、さらなる失点はそのくらいで、
結果的には9-3で勝利し、準決勝に進出となった。
ちなみに他の準々決勝は
オーストラリアVSキューバが一進一退の攻防の末3-2でキューバ勝利
プエルトリコVSメキシコは序盤にプエルトリコが4点を先制するもじわじわ追い上げて逆転したメキシコが5-4で勝利
といずれも接戦。
残るアメリカVSベネズエラは点の取り合いの末、8回表2アウト満塁からトレイ・ターナーが逆転満塁ホームランを放ったアメリカが9-7で勝利という劇的な展開を迎えていた。
しかしこれはあくまで今大会の野球の序章に過ぎなかった。
準決勝
舞台はアメリカ、フロリダ州マイアミのローンデポ・パークに移る。
相手は1次リーグでアメリカに対し11-5の大勝を果たし、準々決勝でもプエルトリコを逆転で下し初のベスト4進出を果たしたメキシコ。
こちらも東京五輪の際とは打って変わってエンゼルス左のエースパトリック・サンドバル、新人王経験のあるリードオフマンランディ・アロザレーナ、最高のフレーミング技術を持つオースティン・バーンズ、カージナルスでストッパーを務めるジオバニー・ガジェゴスなどメジャーリーガーだらけ。
オリックスに所属していたもののイマイチだったセサル・バルガスとドーピングしても2割しか打てなかったのに前年急に覚醒しMLBでブレイクしたジョーイ・メネセスも所属しており、アダム・ジョーンズも観戦に来ていたためオリックス同窓会と話題になった。
メキシコ戦に先発で出た佐々木朗希、3回まで安定した投球を見せていたが、4回表、2人連続ヒットでランナーを出してしまった状態でウリアスにホームランを打たれ、3失点をしてしまう。
一方の日本はサンドバルに大苦戦してしまい、5回ウラに岡本の打球がスタンドにギリギリ入りかけるも、アロザレーナによってフェンスギリギリのホームランキャッチをされてしまうそして無表情のどや顔など、なかなか点を取れずにいた。
しかし7回ウラ、近藤が2塁打を放ち、大谷のところでピッチャーを変えるも四球、その後の吉田による技ありのライトポール際へのホームランによって、勝負を振り出しに戻す。
だがその次の8回表、5回から投げ、調子のよかった山本由伸の制球が急に乱れ始め、連続2塁打により1点を失い、さらにヒットを打たれてしまったことにより投手交代。湯浅に託された。
盗塁されて2塁3塁にされるも空振り三振で2アウト目を取ったが、続く打者からレフトへのタイムリーヒットを打たれ、1点をさらに失う。そのまま2点目も取られかけたが、吉田からの好返球により何とか6点目は阻止された。
8回ウラ、岡本、山田が連続ヒット、源田がバントを何とか成功させて送り、甲斐の代打で山川を送る。
山川の犠牲フライによって1点をもぎ取るも、後続が続くことはできなかった。
九回表には大勢が上がり、1回死球により1塁にランナーを置いてしまうも、それ以外の3人はきっちりアウトで仕留め、勝負は5-4、日本が1点ビハインドの状態で運命の9回裏に入る。
9回裏は大谷から。メキシコはチームの守護神ガジェゴスを投入する。
大谷は初球を捕らえて2塁打、吉田は四球により1塁2塁とする。ここで吉田の代走として周東を出す。
そして打席には村上。この試合でも4打数無安打、うち2三振と鳴かず飛ばずと言っていい成績であり、祈る人もいれば諦めに入る人もいた。
三振やフライでもいいからダブルプレーはやめてほしい。そう思った視聴者は多いだろう。
しかし――
村 上 覚 醒
村上は3球目の直球を完璧に捉え、あと少しでスタンドに届くかというセンターフェンス直撃の2塁打。
大谷、そして周東がホームに帰ってきたことで結果は5-6。日本は逆転サヨナラ勝利となった。
大谷の2塁打、吉田の3ランホームランと四球、村上による起死回生の2塁打、そして代走・周東による韋駄天の如き俊足により、日本は決勝に進出。
同じく準決勝でありながら、キューバを14-2でボコボコ*10にして勝ち上がったアメリカと戦うことになる。
ちなみにこの時の周東の1塁から本塁生還までの時間は10.28秒。時速に直すと33.4km/h
MLBでもトップクラスと言えるスピードで世界中の視聴者を驚かせた。
だが今大会では2番目の速さらしく、あと1人上がいるらしい。*11
試合後にメキシコの監督はこうコメントしている。
日本が勝った。しかし今夜の試合は、野球界にとっての勝利だ
決勝
日本時間3月22日(現地時間3月21日)、約2週間続いたWBCも今日で最後となる。
決勝で戦うのは、野球の本場であり、チーム全員がメジャーリーガーであるアメリカ。
WBCでは史上初となる日米決勝対決と相まった。
円陣を組む時、大谷は次のようなことを言って、チームを鼓舞した。
えー、僕から一個だけ
あのー、憧れるのを、やめましょう。
ファーストにゴールドシュミットがいたりとか、センター見たらマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたりとか
まぁ野球やってれば誰しもがこう聞いたことあるような選手たちがやっぱりいると思うんですけど
今日一日だけは、やっぱ憧れてしまったらね、超えられないんで
僕らは今日超えるために、やっぱりトップになるために来たんで
今日一日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう
さぁ行こう!!
これを言ってる大谷がその憧れの対象であるというのは言ってはいけない
決勝の試合前である選手の入場時、大谷は日の丸を、トラウトは星条旗を持って、先頭に立って入り、万雷の拍手を以て迎えられた。
元々このWBCの日米メンバーは大谷とトラウト両名の人望によって集められたこともあり、この日米野球はまさにその集大成、実力派揃い同士がぶつかり合う決戦となった。
決勝の先発で出たのは今永。1回は安定して抑えるも、2回にはトレイ・ターナーにソロホームランを浴びてしまい、アメリカが先制した。
このままアメリカに流れが行ってしまうかと思われたが、続いてヒットを2つ打たれるものの、何とか追加点を阻止した。
そして2回裏ーー
村上完全覚醒
開始早々、甘く入った初球を見事にとらえ、スタンド上段に入る特大ホームランによって試合の流れを一気に引き戻す。
続いて岡本、源田、中村が塁に出ることで満塁となりアメリカ側は投手交代、打席にはヌートバー。勢いのないゴロでアウトになる隙に2点目をもぎ取り逆転した。
3回表、投手を戸郷に代え、早くも投手総力戦に移りかけていた。戸郷がトラウトやターナーを抑えつつ2回無失点、続く高橋宏斗、伊藤、大勢がそれぞれ1回ずつ投げて無失点という見事な投手リレーを果たす。
大勢は1,2塁のピンチを背負うも、ダブルプレーもあって無失点で切り抜ける。
一方日本側は、4回ウラに岡本和真のソロホームランで3-1の2点差にリードを広げるが、アメリカ側の投手リレーと好守備もあってかそれ以上の点を取る事は出来なかった。
8回表、観客が驚愕する。マウンドにダルビッシュが来たのだ。前々から「決勝では投げない」という取り決めにより登板が絶望視されていたが、ここにきて登板が認可された。
ファンは大いに喜んだが、同時にもう一つの希望が芽生えた。
8回でダルビッシュが投げているなら、9回には大谷が投げるのではないか
そして大谷がブルペンに入っているという情報が入って、希望は確信に変わることとなる。
これはエンゼルスのネビン監督が「1イニングだけなら大した影響はないだろう」と発言、さらに「大谷とトラウトの対決を見たくない人なんているだろうか」と、大谷の登板を認可したのだ。
閑話休題、8回表のダルビッシュ登板は、1アウト目を問題なくとるも続くシュワーバーに対し、9球粘られた上、10球目の若干浮いたスプリットをうまくすくい上げられ、ソロホームランを浴びてしまった。そして映像にはスマホが落ちていく様子も撮られていた。みんなはこういうところに来たらしっかりスマホを紐づけしておこう。
続くターナーにまたしてもヒットを打たれてしまうが、その後の2人はアウトに打ち取り、ソロホームランだけの1失点、3-2の日本リードで8回ウラへ。このイニングが、後述する「運命の勝負」を作り上げることとなった。
何としても点を取らせたくないアメリカ、交代して出てきたデビン・ウィリアムズは魔球「エアベンダー」を操り村上、岡本を三振に取り、山田に四球を与え盗塁されるも、続く源田をサードゴロに仕留め、無失点で9回表へ。
マウンドに立つのは、やはり大谷だった。
9回表でDH解除の登板を行うのは2016年10月16日、パ・リーグのクライマックスシリーズ、日本ハム対ソフトバンクの第5戦以来であり、まさに世界大会の大一番の締めを大谷が担うことになった。
今まで野手として暴れていた大谷がクローザーとしてマウンドに上がる…今の野球界からもベースボール界からも異常なそれを、
この試合を見ていた中居正広はそんな彼を「泥だらけのストッパーなんて見たことありません」と称した。
中居本人は「単に見たままを言っただけ」と述べているが、その言い得て妙な言葉は人々の心に刻まれた。
そして9回表で打席に立つアメリカ側の打者、その3人目がトラウトだった。
もしかしたら最高のシチュエーションが見れるかもしれない、そんな希望を胸に抱いて9回表を見届けることになる。
1人目、マクニールにはストライクゾーンに投げればファウルで粘られ、きわどい球を投げれば、球審がそれを取ってくれず*12、結果として四球を出してしまう。
早くも望みが断たれたかに思われたが、続くベッツのゴロを山田→源田→岡本の模範的なダブルプレーで仕留め、一気に2アウトとなった。
試合は3-2で日本の1点リード、9回表に大谷がDHを解除して登板、2アウトランナーなし。そして打席にはトラウト。
エンゼルスにて大谷の盟友であり、3度のMVP保持者。試合前に両者それぞれの国旗を持って入場してきた2人が、監督と石橋貴明の言葉通りついに対峙することになった。
1球目は下段ギリギリの際どいところを狙うがボール。2球目は160km/hのストレートで空振りを奪う。3球目は同じく160km/hのストレートだが、少し外れてボール。
4球目は2球目と同じようなところにこれまた160km/hを投げて空振り、これで2-2となる。5球目は164km/hのストレートを繰り出すも、大きく外れてボール、3-2のフルカウント。
そして6球目、大谷が投げたのはスライダー、それも縦変化がない代わりに横変化に主軸を置いた「スイーパー」だった。トラウトはこれを当てることができずバットは空を切る。
見事三振に仕留めてゲームセット、日本は3-2で勝利。14年ぶりに王座を奪還し、大谷は2009年のダルビッシュのように胴上げ投手となったのだった。
さらにこのイニングで投げた球数は15球、2016年クライマックスシリーズにて同様のシチュエーションで登板したときの球数と一緒であった。
この試合展開はまさに奇跡といえるものであり、「今後100年は語り継がれる」と豪語する米メディアもいた。
このWBC、日本は大谷の登板で始まり、最後は大谷の登板で締めるという、まさに大谷がWBCの主人公であるかのような凄まじい活躍だった。
このような活躍により、大会MVP、そしてAll-World Baseball Classic Team*13で投手とDHのダブル受賞をされることとなった。大谷は高校時代の夢を叶えたのである。
なお、ライトに大会打点記録を塗り替える13打点を記録した吉田正尚、センターにトラウト、レフトにあのホームランキャッチをやったアロザレーナ、ピッチャーもう1人に日本打線を封じ込めたサンドバル、ショートに決勝でのホームラン含む5本塁打を記録したターナーが選出されている。11人中3人(12人中4人)選出されてなんで優勝できないんですかエンゼルス
同じく日本と激戦を繰り広げ、準決勝敗退となったメキシコの監督が言った「野球界の勝利」と言える、まさに「後世に語り継がれる名勝負」と言っても過言ではない試合だった。
最後の打者となったトラウトは「第一ラウンドは彼の勝ちだね」と、次回のWBCを心待ちにする最高の打者にふさわしい美しいコメントを残した。そしてこの大会の敗者は、どこぞの将棋ラノベと同じようにこれ以上の胸熱展開を書くことが実質無理ゲーになってしまった野球漫画界(特にリアル志向)だろう。
こうして見事優勝した侍ジャパン。金メダルを貰うわけだが、選手、コーチ、監督に加えて通訳の水原一平にも金メダルが贈られた。
前述のラーズ・ヌートバーの招聘やチーム内外での通訳の尽力を称えて、彼にも金メダルが贈られることになった。
水原がいなかったら、ヌートバーも侍ジャパンには来なかったかもしれないし、日本の優勝はなかったかもしれない。彼にも「陰の功労者」として栄誉を称えられたのだ。
これを受け取った水原は、自身のインスタグラムにて金メダルの写真を上げ、「一生の宝物です。」とつづり、「#最高のチーム」「#最高の仲間」のハッシュタグを添えたのだった。
追記修正はJourneyのSeparate Waysを歌って栗山監督に気に入られた方からお願いいたします。
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▷ コメント欄
- もうちょっと読みやすくならん? あと「やくみつるの野球用語ゴリ押しで」とか要らん -- 名無しさん (2023-03-09 02:22:45)
- 結成から1週間は経っているからルール違反にはならない…のかもしれないけれど、今立てるのはやっぱり早すぎると思う。「予想される」とか、そういう表現も目立つし、終わってから立てるのがベターだったんじゃないかと -- 名無しさん (2023-03-09 06:20:22)
- ややネタも多いけど内容もしっかりしてるし、大会始まるし今日立ったのはベストタイミングだと思うけどな。 -- 名無しさん (2023-03-09 10:29:39)
- 懸念があるとすれば、試合のたびに速報で更新してくる荒らしが頻発するんじゃないか?ってことかなぁ。「1週間経過していない試合の情報の追記は禁止です」の注意書きぐらいしておいた方がいいかもしれない -- 名無しさん (2023-03-09 11:05:30)
- 大会が終わるまで内容の追加を禁止すれば速報記述を防げると思う。できればWBC終了一週間が望ましい -- 名無しさん (2023-03-09 12:46:12)
- でも読み応えあったよ -- 名無しさん (2023-03-09 15:30:20)
- 坂本への言及多すぎん? -- 名無しさん (2023-03-10 15:42:08)
- 追記出来るやつこんなとこにいないで東京ドーム行け -- 名無しさん (2023-03-10 18:04:50)
- ネタ部分多いのはいいけどマイナス方面のは消した方がいいだろ -- 名無しさん (2023-03-11 01:15:26)
- 落選の部分は外していい気がするけどなぁ。マイナス方面の話がちょっと -- 名無しさん (2023-03-11 15:01:54)
- 中野のコンバートを「思い付き」って表現したり代表選手以外を悪しき言い過ぎてなぁ。コンバート根拠なんて球辞苑とか探せば理由いくらでも出てくるやん -- 名無しさん (2023-03-11 22:09:57)
- 「チームに専念したいという理由で辞退した」って言ってるんだからこれ以上やらかしのせいだろうみたいなことを言うのは邪推ってもんだよ -- 名無しさん (2023-03-11 22:38:27)
- 今回の野手陣で日ハム時代のダルビッシュと対戦したことある選手は皆無。そもそも同じプロ選手として日本時代のダルビッシュをみたことあるのが中村悠平くらいという -- 名無しさん (2023-03-13 00:51:58)
- ↑3とはいえ中野の守備そのものはトータルで見れば平均以上というのは指標でははっきり出てんだけどね -- 名無しさん (2023-03-13 23:06:06)
- ↑4守備の負担が軽い守備位置にすることで打撃が伸びる理論もこの手の野球の統計データ纏めてるDELTA社が過去にコラム書いてたことあるけど結果としては打撃成績にまったく影響を与えないとは言い切れないが、少なくとも下がると断定できるような結果でもないとまとめてたからどっちかというと主観よりの理論だし -- 名無しさん (2023-03-13 23:16:17)
- 言っちゃあ何だけど、ネタ部分の書き方的になんJなんG見ながら書いたんだろうなって察せられる -- 名無しさん (2023-03-14 19:28:49)
- ↑2そういう話なしに「思いつき」の一言で片付けるのがだめだろって話じゃない? -- 名無しさん (2023-03-21 12:57:19)
- Congratulations! -- 名無しさん (2023-03-22 12:05:47)
- こんな熱い漫画展開みたいな事が起こるなんて李白の目を持ってしてでもわからんもんだ・・・ -- 名無しさん (2023-03-22 12:29:26)
- おめでとうございます!この一言に尽きる -- 名無しさん (2023-03-22 13:04:30)
- 山本由伸は確かに凄いが別に宮城くんは過小評価されてないだろ。 -- 名無しさん (2023-03-22 20:48:44)
- 良い大会だったね、一週間後の追記を楽しみにしてるよ -- 名無しさん (2023-03-23 00:36:29)
- 直接は関係ないが中日ドラゴンズが世界一、いや宇宙一のチームになってしまったようだ -- 名無しさん (2023-03-23 00:43:22)
- 捕手は諸説あるけど歴代侍ジャパンでは1,2を争う総合力なんじゃないかな。まぁ要の村上が準決勝途中までコンディション最悪、ショート筆頭の源田が途中で骨折と順風満帆では無かったけど -- 名無しさん (2023-03-23 00:50:47)
- ↑松井裕樹の調子が大切な場面で使ってはいけないレベルで恐ろしいほど悪いとはっきりと見せてくれた点ではあの中日戦は大きかったかなw -- 名無しさん (2023-03-23 00:53:36)
- 「歴代日本代表最強」に恥じない強さと結果を見せてくれた。それでいて実に楽しそうに野球をやっていたのも印象的。これは纏め役のダルの「野球は楽しむもの」という意識統一が大きかったんだろうね -- 名無しさん (2023-03-26 15:20:41)
- 日本のプロ野球選手がトップ層とは行かなくともメジャーリーガー軍団を倒したのは爽快だったね -- 名無しさん (2023-03-27 23:46:03)
- ↑少なくともアメリカの野手は間違いなくトップ層だったぞ。あれだけのメンバーを2失点に抑えた日本の投手陣&リードした中村捕手が見事すぎる -- 名無しさん (2023-03-27 23:52:19)
- アメリカは中継ぎ陣もバケモノ揃いでリードされたらまず逆転は不可能なので、日本が勝つにはまさに決勝のあの勝ち方しかなかった -- 名無しさん (2023-03-28 03:48:22)
- メジャーレベルだと二巡目でアジャストしてくる事を計算してか、ほぼ投手を引っ張らない投手リレー決行した栗山采配も良かった -- 名無しさん (2023-03-28 08:48:11)
- ↑あれメキシコ戦の反省もあったんだと思う。日本だとほぼ無双に近い山本由伸が二巡目のメキシコメジャー打線にアジャストされて連打されまくったのは観てる方も唖然としたし -- 名無しさん (2023-03-28 09:26:34)
- メキシコ戦のが面白くなったしピンチだったのは確かだけどアメリカ戦は実力伯仲してたからの地味な戦いってのはあったと思うな。 -- 名無しさん (2023-03-29 12:02:44)
- 「世界に打ちのめされて負ける意味を知る」のかと思ったら優勝しちまうとは驚いた… -- 名無しさん (2023-03-30 00:12:09)
- 決勝から1週間経ったので、試合結果を追記しました。冒頭にある注意書きは消して大丈夫ですか? -- 試合結果追記主 (2023-03-30 00:12:40)
- ↑感動ポルノとかはわざわざ書かない方がいい。あれは単なる気遣いだろう。 -- 名無しさん (2023-03-30 12:01:20)
- 追記きたー! -- 名無しさん (2023-03-30 18:35:21)
- まさか優勝するとは全く思ってなかったが、これは絶対今年の漢字で「侍」が選ばれるでしょう。 -- 名無しさん (2023-03-30 21:18:01)
- 中日最強説を余談に書いといてもええで? -- 名無しさん (2023-03-31 12:06:48)
- だから予選じゃなくて1次リーグだとあれほど・・・。予選はチェコとかが勝ち上がってきたやつだ -- 名無しさん (2023-03-31 12:33:52)
- 試合の記載はいいんだけど、1次リーグと予選リーグの違いは把握しておいた方がいい。日本は予選は免除されてるから -- 名無しさん (2023-03-31 13:14:29)
- ↑での指摘の通り、予選と本戦1次の誤りがあったため、修正しました。 -- 名無しさん (2023-03-31 16:40:06)
- 試合経過が太字だらけでちょっと見づらいかな -- 名無しさん (2023-04-10 21:08:16)
- 村上覚醒の字が大きすぎてうざいです -- 名無しさん (2023-04-24 12:51:11)
- 文句しか言わねーなお前ら -- 名無しさん (2023-05-05 02:23:57)
- アグー・・・嘘だよな・・・信じてるぞ・・・ -- 名無しさん (2023-05-12 01:10:42)
- 白井コーチもか… -- 名無しさん (2023-06-07 18:17:49)
- 水原さーん… -- 名無しさん (2024-03-21 13:58:52)
#comment(striction)
*2 WBCでは勝ち数が同じ場合、その次の基準となる条件が「失点率(9回ペースでどれだけの失点が出てきたか)の少なさ」であり、2006年はこの失点率の少なさでトーナメントに進出できた。
*3 この球速が遅めのボールは、同年正月に行われた「リアル野球BAN」を彷彿とさせるものだったが、村上はその番組でも似たような球に大苦戦していた
*4 これに対して「感動ポルノ」などという論調もあったと言えばあったが、仮に時期が違っていたとしても、試合順が同じなら、大谷は初戦である中国戦に、WBCの実績のあるダルビッシュは韓国戦に、コーチにNPBのOBがいるオーストラリア戦では、安定感のある山本由伸が投げ、消去法でチェコ戦は佐々木朗希だっただろうという考え方もあった。
*5 現に「事前に決めた」と言っても「予選の先発ローテを決めた」だけであり、3月11日に佐々木朗希が投げると言う事実に気付いたのはローテを決めた後だった、と言う記事もあった
*6 彼らはリアル野球BANへの参加経験があり、それが活かされたと言える
*7 高級なお菓子とかそういうものではなく、一般的な店で売られているお菓子を袋一杯に詰め込んだもの
*8 ちなみにチェコにはきのこの山とよく似たお菓子がある。
*9 自分の映っている広告看板に当てたため「自打球ホームラン」とネタにされた。
*10 準々決勝以上の試合でコールドは無い
*11 尤も、2塁ランナーの大谷は落ちるかどうか少し待っていたため、(ランナーを追い越してしまったら後ろのランナーがアウトになるというルールにより)大谷を追い抜いてアウトになったりしないために速度を抑えていた可能性もあるので、それが無かったらもう少し早く本塁に到着していたのかもしれない。
*12 別に球審が大谷をいじめているわけではなく、この試合通して「きわどいところをストライクとみなしにくい」球審だった。
*13 ベストナインのようなもの
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