登録日:2023/02/08 Wed 23:11:12
更新日:2024/07/05 Fri 10:43:08NEW!
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クイズ 思わず二度見する項目名 早押しクイズ 秀逸な項目 コメント欄ログ化項目 勉強になる項目 ベタ問 なぜ山 稀にひっかけもあり 手垢問題 「なぜ山
突然ですが、アニヲタ諸君にクイズです。
問題。デデン
「「なぜ山/」ピンポーン
「ジョージ・マロリー」
正解!
「なぜ山に登るのか」という質問に、「そこに山があるから」と答えたことでも知られる有名な登山家は?
答えはジョージ・マロリー、お見事。
( ゚д゚)
( ゚д゚ )
【概要】
早押しクイズにおいて、「多くの問題集に載っていたり、人気クイズ番組で出題されたりして(クイズプレーヤーの間で)有名になった問題」のことを競技クイズ*1界隈では「ベタ問」や「ベタ」、もしくは「手垢問題」と呼ぶ。
中でも記事冒頭の「なぜ山/」はベタ問中のベタ問として知られており、競技クイズを題材とした漫画『ナナマルサンバツ』では作中の大会においてこの「なぜ山問題」が出題され、当然の如く解答者が「「なぜ山/」で正解したうえで「ベッタベタすぎてギャグかと思った」というリアクションを取っている。
ちなみに、先程からなぜ山の後ろにくっついているスラッシュ(/)は「確定ポイント」と呼ばれるもので、「この文字まで聞けば答えが1つに絞れる」という意味を持つ。
即ち「なぜやま」の4文字を聞けば、「答えは20世紀初頭に活躍したイギリスの登山家であり、最期はエベレストの山頂付近で遭難しその生涯を終えたジョージ・マロリーで確定」、ということである。
(クイズ大会や練習などでは単に「押した箇所」の印として使われることもある)
「なぜ山問題」についての補足
本問で引用している「そこに山があるから」というマロリーの言葉、実は誤訳である。
ニューヨーク・タイムズの記者に「何故エベレストに登りたかったのか?」と聞かれた際の返答であり、原文は「Because it's there」。質問の内容から考えて「it」が「エベレスト」を意味するのは明白なので、「そこにエベレストがあるから」と訳すのが適当である。
上述の通り、記者の質問も「何故エベレストに~」であり、山全体について聞いたわけではない。
1950年代にある登山家が書いた本から誤訳が広まったとされている。
ゆえにこの問題は厳密にいうと不正確なのだが、「そこに山があるからだ」が有名すぎるので、今後もベタ問として生き続けると思われる。
アニヲタにも馴染み深いテーマで例を挙げてみる。
例えば、
「ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』で初登場した、水中を不規則に泳ぎ回るイカの姿をした敵キャラは何?」
という問題があったとして、順を追ってどこが確定ポイントとなるかを考えてみよう。
ゲーム『スーパー/
『スパロボ』かもしれないし『スパドン』かもしれないし『スパボン』かもしれない。
ゲーム『スーパーマリオブ/
『マリオ2』や『3』の問題かもしれない。
ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』で/
コインを何枚取ると1UPする?とかかもしれない。
ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』で初登場/
クッパやクリボーかもしれない。
ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』で初登場した、水中/
プクプクかもしれない。
ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』で初登場した、水中を不規則/
ゲッソーしかありえないのでここで確定。(「水中を不規/」で止められるとなお良し)
もちろん「イカの姿」まで聞けば正解はより確実なものとなる。
だが、他の解答者よりも先に答えなければならないという早押しクイズの性質上、特にこういった「最後まで聞けば誰でも解る」という簡単な問題では「どこでボタンを押すか」という一瞬の判断が超重要となる。
よっぽどひねくれた問題でない限り「最後の1文字まで聞かないと答えが絞り切れない」ということは無いため、難易度の高低を問わず全ての早押し問題には確定ポイントが存在すると言ってよい。
こうした競技クイズを攻略するうえでは、知識量はもちろん「いかにベストなタイミングで押すか」という判断力や瞬発力も必須となるのである。
この場合、ミスの可能性を潰した上で最速で取りに行くのであれば上記の確定ポイントまで待つのが正解だが、他者との勝負という側面がある以上、
- 「現状負けていて運ゲーに賭けてでも追いつきたい」
- 「序盤の内に運ゲーで先行しておきたい」
等の判断をする事もあり、その場合には可能性の高い二択時点、後者のようなある程度外すのも計算の内なら更に前で止めるのも一つの戦略になる。
(余談だが、競技クイズ界隈において上記のようなアニメ・ゲーム関係の問題は『クイズマジックアカデミー』でのジャンル分けに使用される色にちなんで「青問」と呼ばれることが多い)
似たような物としては小倉百人一首の「きまり字」がある。こちらも「ここまで読まれれば取札が1種類に確定できる」物。
こちらは最短で1文字が7種類*2、最長は6文字が6種類。
【ベタ問の例】
「なぜ山/ の他に確定ポイントが早いことでよく知られているベタ問をいくつか紹介する。
いずれも「ここまで聞けば確定」というポイントで止められているので、ぜひともタブを開く前に答えを推理してみてほしい。
問題:フランス語で「稲妻/
正解:エクレア
全文:
フランス語で「稲妻」という意味がある、細長いシュークリームにチョコレートをかけたお菓子は何?
前置きの鉄板である「○○語で「××」」問題の中でも最も有名なもの。
「ハワイ語で「跳ねるノミ/」や「イタリア語で「礼拝堂風に/」も抑えておきたい。
ちなみにそれぞれの正解は、前者はウクレレ、後者はア・カペラ。
問題:正式名称を「特に水(みず)/
正解:ラムサール条約
全文:
正式名称を「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」という、締結されたイランの町にちなんだ条約の名前は何?
かなり正式名称の出だしが特徴的な条約であるため早々に確定できる。
ちなみに2023年2月現在、日本国には同条約に登録された湿地が北海道の釧路湿原はじめ合計53カ所ある。
問題:狼のフン/
正解:のろし
全文:
狼のフンを混ぜていたことから、漢字では狼の煙と書くものは何?
「漢字では○○と書く」という問題も鉄板。
読み上げ問題の場合、瞬時に頭の中で漢字に変換して読む必要がある。
問題:「どっどど/
正解:『風の又三郎』
全文:
「どっどど どどうど どどうど どどう」という書き出しで始まる、宮沢賢治の小説のタイトルは何?
いわゆる書き出し問題の中でもインパクトありまくりの一問。
小林多喜二の『蟹工船』も「「おい、地獄/」で確定できてしまう。
問題:「世界三大料理といえば、/
正解:『トルコ料理』
全文:
世界三大料理といえば、フランス料理、中華料理と何料理でしょう?
少々事情が異なるパターン。
「三大」や「四大」のうち1つが問われる場合、答えるのは基本的に「その中で一番マイナーなもの」が早押しクイズのセオリー。
特にこの世界三大料理に関してはトルコ料理だけ明らかに知名度に差があるので、「「フランス料理、中/」まで待たずとも「絶対にトルコ料理」と言える。
問題:「アマゾン川で/
正解:『ポロロッカ』
全文:
アマゾン川で年に一度、河口から上流に向け、流れが逆流することを?
こちらも少々事情が異なるパターンだが、競技クイズの歴史で非常に有名な問題であるため記載。
1992年に放送されたテレビ番組の1コーナー「史上最強のクイズ王決定戦」で、当時のクイズ王が答えた問題。
本人曰く「『アマゾン川で』という文脈で続くのはポロロッカしかない」とのこと。なるほどわからん
一応助詞別に分けると「アマゾン川が」と来ると「流れている国は?」など、「アマゾン川に」だと「生息する生き物で…」、「アマゾン川の」だと「周囲に存在する…」、「アマゾン川と」だと「○○川に共通する…」など、「アマゾン川へ」だと「流れ込む支流の一つで…」といった可能性が考えられるが、「アマゾン川で」と場所・状況が限定される助詞の「で」を使う事から「アマゾン川でしか起こりえない事」→「ポロロッカ」という流れになると考えられる。
漫画「幽☆遊☆白書」でパロディされており、作中の能力バトルでクイズ対決を行った海藤優が「アマゾ」の3文字だけを見て正答を出す*3という離れ業を披露した。
【パラレル問題】
ここまで読んで、「~といえばジョージ・マロリーでーすーが、彼は何年生まれ?*4」と言った感じの引っかけ問題もあるじゃないか、と思った人もいるだろう。
こうした「前半部は引っかけ・前振りで後半部が本物の問い」という形式の問題は、これまた競技クイズ用語で「パラレル問題」「ですが問題」と呼ばれる。
ドラマ『古畑任三郎』の『VSクイズ王』の作中における競技クイズで古畑はこれに引っかかり、1問も解けずに失格となってしまった。
しかしこれにもルールというかお約束があり、前半部が引っかけだと(訓練された競技者には)見抜けるようになっていなければならない。それを破れば邪道・悪問として批判されてしまう。
上記のルールに則ったパラレル問題について解説
例として次の問題
「日本で一番大きい山は富士山ですが、〜」
を用いて説明する。
パラレル問題は対比と、読み手のアクセントがあって成立する。即ち……
1. 「日本で一番大きい山は富士山ですが/
→「日本」に対比するとすれば「世界」か「他の国」となるが、「他の国の最高峰」を答えさせる問題ならわざわざ「ですが問題」にする必要が無い。そのため「世界一の最高峰」が答えになる。
答え:エベレスト
2. 「日本で一番大きい山は富士山ですが/
→「一番」に対比するとすれば「二番以降」となる。そのため「日本で二番目に高い山」が答えになる。
なお賢明なるアニヲタ諸君からは「3番目が答えになる可能性があるだろう」という声が上がりそうだが、その場合だと「日本で一番大きい山は富士山、二番目は北岳ですが/のように、読点を入れて一度区切るのがセオリー。
答え:北岳
3. 「日本で一番大きい山は富士山ですが/
→「大きい」に対比するとすれば「小さい」となる。そのため「日本で一番低い山」が答えになる。
答え:日和山
このようにパラレル問題を出す場合は、闇雲に意地悪で作ってはならない。
ちなみに前述の『古畑任三郎』に登場したパラレル問題はかなり意地悪であり、
「『人を見たら泥棒と思え』の反対の意味に当たる諺は『渡る世間に鬼は無し』ですが、『ドングリの背競べ』の逆の意味に当たる諺はなんでしょう?」
答え:掃き溜めに鶴
などという、対比が無くアクセントも無意味な(要は最後まで聞かないと解けない)ものが出題されている。
余談だが、上記のように太文字部分を強調して読む手法は「金竜読み」*5と呼ばれる
問題が作りにくいためか、パラレル問題が普通に出題されるのは専らクイズバラエティ・パーティ余興の類で、競技クイズにおいては敬遠される傾向が強い。
それでは、次がいよいよ最終問題です。
「『アニヲタ/」ピンポーン
「追記・修正お願いします」
正解!
『アニヲタWiki(仮)』において、項目の最後に書くお馴染みの決まり文句は?
答えは追記・修正お願いします、お見事。
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この項\ピンポーン/
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*2 これら7首の頭文字から「むすめふさほせ」と呼ぶ。
*3 クイズ対決は4択で、回答ボタンを押すと選択肢は先に表示されるという仕様を利用し、全ての問題と解答の組み合わせを暗記した上で「”アマ”の2文字で始まるのはアマゾン川に関する問題のみで、選択肢を見れば正解は判る」とのこと
*4 答えは1886年
*5 大学生クイズNo.1を選ぶ大会「abc」の初代問読み者から名付けられた。
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